学習塾STRUX編集部連載


慶應義塾大学経済学部の入試傾向と対策まとめ!目標点から勉強法まですべて知ろう

慶應義塾大学経済学部の入試分析

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こんばんは!STRUX塾長の橋本です!

 

今回の「大学入試の志望校別対策シリーズ」も慶應義塾大学。今回も人気学部の一つ経済学部について見ていきます。経済学部は数学受験も可能なため、受験の選択肢として広くなっています。その分難易度も高いですが、一つ一つ分析をしながら対策まで見ていくことにしましょう。

 
 
 

慶應義塾大学経済学部(一般選抜)の試験情報

期日 2月13日
共通テスト 不要
科目 独自試験:英語・小論文・選択科目
(A方式:数学/B方式:世界史B・日本史Bから選択)

2021年度入試より一般選抜において主体性評価などの自己評価を出願時に提出することになっています。

また、世界史・日本史については「世界史は1500年以降、日本史は1600年以降が中心」とされています。

慶應義塾大学の他の学部と同様、英語+社会or数学に小論文がついた形となっています。数学を利用する「A方式」と歴史を利用する「B方式」があり、定員としてはA方式のほうが400人以上、B方式が200人程度と数学受験のほうが広く受け入れています。となると一見数学受験のほうが合格しやすそうですが、倍率はほとんど変わらないうえ、私大を目指す場合数学の難易度が高い事が多いため、安易に数学受験を目指すのは避けたほうが良さそうです。

 

併願のパターン

小論文利用が必須のため、前回の慶應文と同じような考え方が必要です。原則「古文・漢文は別途勉強する必要がある」ため、早めにそこを固めておくか、なるべく古文漢文の比率を下げた受験ができるようにするのは選択肢として考えられるでしょう。

 

慶應の他学部で併願するなら

経済学部からの併願でいえば、学部の学習内容的に近いのは商学部。実際、2000人以上が商学部と経済学部を併願していますから、第一に選択肢としていれるのはここになるでしょう。ただ、商学部は小論文がいわゆる文章の読解と主張のまとめではなく、「論文やデータを読み取り問いに答える」という形式の「論文テスト」なので、ここの対策は別途必要になります。商学部はA方式が「地歴・数学・英語」、B方式が「地歴・英語・論文テスト」になっており、数学を勉強していない経済B方式の受験者であれば商学部でもB方式を受験することになります。経済学部をA方式で受けている人は、商学部もA方式でよいでしょう。

商学部の次におすすめなのは文学部。入試の難易度としても大きく変わらないため、受験しても良いでしょう。他に形式が同じ学部は法学部ですが、こちらも文学部も「進学後の学習内容を苦に思わないか?」はある程度考慮しておいたほうが良いでしょう。

 
 

経済学部系の私大受験は古文必須

慶應よりレベルを下げて併願校を決める場合は、「古文」の勉強がさらに必要になることは考慮しておくべきでしょう。マーチレベルであれ日東駒専レベルであれ基本的には国語の入試で古文まで必要になります。漢文は経済学部系だとそこまで必要にはなりませんが、慶應以外も受験する場合は古文までは勉強しておきましょう。古文を勉強しておけば、基本的にはどの大学でも大きな違いはありません。強いて言えば共通テスト併用のない明治大学・法政大学が楽だと思いますが、慶応に合格するレベルの学力から言えば共通テストでも9割近くとってほしいですから、唯一一般入試で使わないリスニングの対策にかかる時間を取れるのであれば立教・青学などでもよいでしょう。

 

文学部同様「早稲田との併願」も大変

早稲田と慶応では傾向が大きく異なるため、同じ難易度とはいえ対策する内容が変わってきてしまい、あまり併願には向いていません。時間に余裕がなければどちらも対策をきちんとするのは難しく、中途半端になってしまうので注意が必要です。仮に早稲田で併願するとしても商学部がよいでしょう。商学部の英語は長文メインで英作文がほぼ不要ですから、余分な対策をする必要がありませんし、国語も漢文が不要なので受験しやすいはずです。

慶応経済では英作文がガッツリ出題されますが、早稲田の政治経済学部とは多少傾向が異なるため、両方フルで対策をするのは難しいかもしれません。

 

国公立難関校との併願はおすすめ

最上位国公立を受験する場合に慶応を併願するのは選択肢としてあり。国公立の記述問題と慶応の小論文は比較的相性がよく、数学が得意であれば枠の広い数学受験でアドバンテージが取れるため、受験を考えても良いでしょう。

慶應義塾大学経済学部の配点と目標点数

つづいて、慶應義塾大学経済学部の配点と目標点数について確認していきましょう。

慶應義塾大学経済学部(A方式)の科目・配点

外国語 200点
小論文 70点
数学 150点

 

小論文の配点は一番低く、逆に英語の配点が最も高くなっています。小論文が特徴的とはいえ、重要なのは英語・数学でいかに点数を確保できるかだと言えるでしょう。

 
 

慶應義塾大学経済学部(B方式)の科目・配点

外国語 200点
小論文 70点
社会(日本史・世界史) 150点

 

B方式でも同様に英語が配点が高く、小論文よりも重要度が高くなっています。

 

目標点数

慶應義塾大学経済学部でも特典の調整が社会2科目間で「年度によって」行われています。2020、19年度はいずれも実施されていません。

経済学部の目標点数を決める上で重要な「1次選考」について

また、経済学部では「1次選考」「最終選考」という形で区切られています。英語の200点の中でも基本的な90点分の問題、さらにA方式の場合は英語に加え数学150点のうち70点を「1次選考問題」としていて、この1次選考問題で一定以上の点数が取れていないと、そもそもそこで不合格となってしまうというもの。どの問題が1次選考の対象となるかはわかりませんが、基本的な問題はきちんと点を取れるように準備しておくべきです。

1次選考の最低点はいずれも65%〜70%程度ですが、なるべくここで8割以上、できれば85%程度確保して安心しておきたいところです。

 

以下ではその「1次選考の最低点・平均点」も含めてお伝えしていきます。

例年の合格最低点(A方式)

  • 2020年度:234/420点(55.7%)
  • 2019年度:265/420点(63.0%)

*1次選考の最低点は2020年が92/160点(57.5%)、2019年が110/160点(68.8%)。

例年の受験者平均点(A方式)

慶應義塾大学経済学部では各科目の平均点は発表されていませんが、合計での平均点は出されています。

  • 2020年度:235.3/420点(55.8%)
  • 2019年度:263.1/420点(62.6%)

*1次選考の平均点は2020年が86.9/160点(54.3%)、2019年が101.7/160点(63.6%)。

 

例年の合格最低点(B方式)

  • 2020年度:240/420点(57.1%)
  • 2019年度:259/420点(61.7%)

*1次選考の最低点は2020年が54/90点(60.0%)、2019年が58/90点(64.4%)。

例年の受験者平均点(B方式)

  • 2020年度:239.6/420点(57.0%)
  • 2019年度:253.0/420点(60.2%)

*1次選考の平均点は2020年が49.2/90点(54.7%)、2019年が52.7/90点(58.6%)。

参考:2020年度一般選抜得点状況2019年度一般選抜得点状況

合格平均点はだいたい55〜65%で推移しています。ある程度幅はありますが、難易度によって変わってくるイメージです。1次選考のラインはやはり60%程度ではありますが、「どの問題が1次選考の対象かわからない」ことを考慮すると、1次選考の対象になりうる基本的な問題は8割以上の正解を目指すようにしておくべきです。

目標点の例:A方式……280/420点

英語 145/200点
小論文 35/70点
数学 100/150点

まず、1次先行がある英語・数学できちんと点数を確保しておくことは最低条件。配点も高いため、この2つできちんと7割近く確保したいところです。1次選考の対象問題を8割程度取れれば、それだけで英語70点、数学50点程度は確保できることになります。最終的な合格点に達するには、ここからその倍の点数を各科目上積みすることがポイントになるでしょう。数学は高得点が狙いにくいとはいえ、地道に計算していけば解ける問題も含まれています。全6問中完答4つがベストですが、そうでなくても完答3つ・部分点2つ、といった形で2/3は点を取りたいところです。

 

目標点の例:B方式……280/420点

英語 130/200点
小論文 30/70点
社会 120/150点

地歴方式だと数学方式に比べて社会で点を稼ぐことができるため、得意・不得意によってここの配点をずらしていけばよいです。ただ、こちらでも英語の1次選考は考慮する必要がありますから、やはり英語の1次選考90点中70点程度と、その倍くらいの全体点を目指しておきます。地歴は差をつけやすいので、8割を狙っておくと多少小論文でつまずいても合格点に載せることができます。

 
 

慶應義塾大学経済学部・科目別の勉強法と問題攻略

最後に、科目別の勉強方針を軽くまとめておきましょう。

時系列・やるべき科目と対策

基本的な方針は文学部などと同様。小論文はきちんと対策をして一定の点はとっておくべきですから、遅くとも高3の夏前、7月ごろからは練習をしておくべきでしょう。文章を書くことが苦手、何か構成を整理して書くのが苦手という人はもう少し早く、5〜6月には手を付けたいところです。

 

小論文を夏前に始めるには、英語については高2のうちにある程度基本的なところは固めておきたいところです。数学型で受験をする場合は数学も1A2Bの青チャートレベル3くらいであれば高2のうちに完璧になっていないと大変でしょう。英語も数学・社会も配点が非常に高いため、このくらい前々で詰めておき、夏にはどんどんレベルを上げていけるように進めていくことが慶応合格のポイントです。

 

英語

慶應義塾大学経済学部の英語は大問5つ構成で、長文3つ→英作文2つ(和文英訳・自由英作文)となっています。長文は設問も英語で書かれていたり、発音問題が入っていたりと私大の中でも幅広い問題が出されるため正直難しいです。その上1つあたりの文章量も多いため、大問1つのみであった文学部と比べると大きく異なるといえます。時間配分もしっかり気にしておかないと解ききれない、ということになってしまいます。速読力はもちろん過去問をしっかりやりこみ、どういう設問が出されているのか、どういう順で解くのかまでしっかり把握しておくべきでしょう。

このときに確実に得点したいのが第4問・第5問の英作文。そこまで難易度が高いわけではないため、確実にこの2つで点を取り20〜30点程度確保したいところです。

 

小論文

経済学部の小論文は例年以下のようなテーマで出題されています。基本的には内容理解を問うものが1問(200字程度)、意見を聞かれるものが1問(400字程度)となっています。

2020年
2つの課題文を読み「分かち合い」と「社会サービス」の重要性を答える
2019年
数量主義と多様性、豊かさについて
2018年
ホモ・エコノミクスについての説明・市場型社会における分配規範について
2017年
デモクラシーにおけるソクラテス的思考の説明と意見

経済学に近い話が多いですが、それでも社会学や政治学、行動経済学など幅広いジャンルと絡めて出題される傾向にあります。ただ、問題構成は基本的に「本文の筆者の主張を正確に読み取りまとめる」ものと「本文にとらわれず意見を述べる」ものですから、前者はきちんと現代文の対策をしておくことが大前提です。専門性の高い文章を要約する練習は不可欠ですから、経済学部の過去問に限らず文学部・法学部などの文章も使えるといいですね。

自分の意見を述べる設問では、年度によって「本文の意見を踏まえるべき」なのか「本文の意見にとらわれずに」なのか指定があります。いずれにせよ、自分の意見の一貫性を崩さないように書く練習が必要です。受験生で一番崩れやすいのがこの論理の一貫性なので、必ず添削してもらいずれていないか確認しましょう。

 

社会

歴史科目(日本史・世界史)は、高2の冬〜高3の春くらいには学校のペースより少し早めに「スタディサプリ」などで通史の理解を進めて、高3の夏前には一通り全範囲を終えたいです。難しい単語もでるとはいえ基本単語が押さえられれば8割は取れる問題ですから、まずはそこで絶対に点を落とさないように、通史の流れを優先して押さえ、秋ごろから一問一答で細かい単語も含め完璧にしていきましょう。

 

数学

A方式の数学は6問構成、そのうち3問は空所補充形式(センター試験のような形)の問題のため、計算がそもそもできないと部分点を稼ぐことが出来ません。逆に言うと、これらの空所補充問題は1次選考の対象にもなりやすいため、確実に点を取り、ひどくても7割以上を取れるようにしておかなければいけません。

後半3問は記述問題ですが、手が出ないような問題はだいたい1問程度で、それ以外は途中までは必ず解けるような基本的な問題です。むしろ時間との戦いにもなるため、捨てる1問をきちんと見極めて取れる問題に時間をかけられるかがポイントになるでしょう。

目標としてはあくまで「前半完答2/3、部分解答1/3・後半完答1/3、部分解答1/3」、もしくは「前半完答3、後半同様」でしょうか。これを達成するには何より「青チャート」のレベル4くらいまでをすんなり完璧に解けるようになっておくべきです。高1・高2から長期休みごとに復習をしていき、高3の夏休みには青チャートのレベル4程度は解けるようにしておきましょう。

 
 

まとめ

慶應義塾大学経済学部は英語の難易度が高いうえに配点も大きいため、早めの対策が何より重要になります。早くから得点のバランスを意識して練習できるようにしておきましょう。

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それでは!

 
 
 
 

ライター:橋本拓磨

東京大学法学部卒。学習塾STRUX塾長・STRUX大学受験マガジン監修。日本全国の高校生に、場所によらず正しい勉強を広めて、行きたい大学に行き、将来の選択肢を広げてほしい!という思いからSTRUXマガジンを監修。

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監修者|橋本拓磨

橋本拓磨

東京大学法学部を卒業。在学時から学習塾STRUXの立ち上げに関わり、教務主任として塾のカリキュラム開発を担当してきた。現在は塾長として学習塾STRUXの運営を行っている。勉強を頑張っている高校生に受験を通して成功体験を得て欲しいという思いから全国の高校生に勉強効率や勉強法などを届ける「ストマガ」の監修を務めている。

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