センター試験の英語長文は、配点のじつに7割を占める重要な問題。とはいえ、「なかなか解けるようにならない……」「そもそも解きおわらない……」という人も多いのではないのでしょうか?この記事では、センター英語長文の解き方のコツから、普段の勉強で意識することまでしっかりお話ししていきます。
- この記事は「センター試験対策用記事」です。共通テストの英語で8割を獲得するための勉強法はこちらの記事をチェック!
センター英語長文は解けなきゃダメ?陥りがちな落とし穴
そもそもセンター長文に対して「長い!」「終わらない!」という感想を抱いている人は多いでしょう。ついつい「自分はセンター試験使うわけじゃないし、解けなくてもいいかな……」「他のところで点数取ればいいや……」なんて思いがちですが、実はそれが落とし穴!センター試験を使う人も使わない人も、センター英語長文は「解けないといけない」、「解けるようにならないといけない」んです。
センター英語長文は「140点」以上!
そもそも、センター英語の長文問題はどのくらいの点数配分になっているのでしょうか?
以下が、センター英語の点数配分になります。
これはある年の配点ですが、第3問〜第6問の長文・読解問題だけで41+35+30+36=142点もあるんです。
つまり、文法問題でいくら満点を取っても、長文問題の正答率が半分くらいであれば合計点は120点ほど……
センター試験英語の全体像については、こちらの記事で紹介しています。長文以外も見ておきたい!というひとはこちらから!
センター試験が不要な私大受験生も、センター長文は読めるように!
ただ、「センター試験はセンター利用くらいだから、無理して勉強しなくても……」という受験生も多いでしょう。
結論から言うと、目指す志望校によってはセンター試験の英語でもきちんと点数が取れないといけないのです。
もちろん、センター試験の点数が直接使われるわけではないですが、センター試験では非常に基本的なレベルの良問が出題されるため、「このレベルできちんと点数を取れないと、志望校の英語長文は解けないよ!」ということになります。
目安としてMARCH・関関同立レベルの人は80%、というところを基準にしましょう。これより上(早慶や難関国公立)であれば9割〜満点を目指すことになります。
センター英語長文の落とし穴!それは「時間配分」
センター英語長文の落とし穴、それは「時間配分」。いくら問題を解ける力があっても、時間配分を間違えてしまうと普段の力を出すことができません。
時間配分で陥りがちな落とし穴①:文法に時間をかけすぎる
よく陥りがちなのが、第1問・第2問の「発音・アクセント」「文法」で時間を使いすぎてしまうパターン。
先ほどもお伝えしたように、センター英語では長文問題が点数の7割を占めています。それはつまり、文法問題は点数のうち3割くらいしかないということ。時間をかけすぎると大変なことになります。
具体的には、第1問・第2問で1問30秒しかかけられないと思っていてください。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
時間配分で陥りがちな落とし穴②:長文をなんども読んでしまう
「文法問題は解けるようになった!」と言う人が陥りがちなのがこちら。「なんとか長文を解き切ろう!」と思ってついついなんども文章を読み返してしまうことはよくあると思います。しかしこれが大きな間違い。なんども繰り返し読んでしまうと、どうしても時間がかかってしまいます。
この後の章でもお伝えしますが、例えば「パラグラフ2によると、……」といったふうに問題が出れば、基本的に第2段落を読めば解ける!という具合です。
文章を読む前にこの「どこを見れば解答の根拠があるか」さえわかっていれば、文章を読むときになんども読んだり、必要のないところを読んだりする必要がなくなります。
このようにとき進めていくことで、効率よく時間を使っていく必要があります。
- 英語長文の配点は大きい!7割!
- センター長文は基本レベルなので、解けるようになろう!
- 文法問題で時間を使いすぎない!
センター英語長文、これさえ押さえれば8割!解き方のコツ
センター長文解き方のコツ①:いきなり英文を読まない!まずは「問題文」を見る。
センター試験英語2019年本試験第6問より
この設問を見ると、‘according to paragraph (2)’と書いてあるのがわかりますね。つまり、「第2段落によれば、……」ということ。この質問は「第2段落」の内容がわかっていれば解けるのです。
このように、先に設問を見ておくことで、「どんなキーワードに注目すべきか」「どこを根拠にすべきか」がわかるので、なんども繰り返し本文を見る必要がなくなります。
ただ、1点だけ気をつけて欲しいことがあります。
これだけは、実はやってはいけないことなんです。
というのも、センター試験などの選択肢は、5つあったら1つしか正解がない、つまり残りの4つは「嘘」の選択肢です。このような選択肢にはたいてい、受験生が騙されやすいように「それっぽい」選択肢がたくさん紛れています。
先に選択肢まで見てしまうと、そういった「嘘」の選択肢に騙されてしまいます。選択肢だけは絶対に見ないようにしましょうね。
センター長文解き方のコツ②:パラグラフリーディングを徹底
英語の鉄則として、
- 1つの段落で言いたいことは1つ
- いいたいことはその段落の最初か最後が多い
- 文章のはじめは導入、最後は結論
というものがあります。これを意識しているだけで重宝するんです。
第3問Aは、「不要文削除」と言われる問題。
1つの段落が見せられ、この中で1文だけ「いらない文、流れに合わない文」を選ぶ問題です。
パラグラフリーディングがわかっていれば、この段落で伝えたいことは1つだけ!ということがわかるので、文章の最初と最後の主張を見ながら、内容的にずれているものを選ぶことができます。今回の問題であれば、
1文目:「新しい環境で見慣れないものに出会ったら、自国の中であってもカルチャーショックを受けるだろう」
最終文:「でも、他のほとんどの学生は多かれ少なかれ彼と同じ気持ちだ。今ではそういった感情なしに大学での勉強を楽しんでいる」
とあります。
次にそれぞれの選択肢を見ると
①:「彼は方言のせいで誤解されていることがあると気づいた」
②:「彼は一人っ子なので、親が寂しがっているとわかっていた」
③:「彼はまた、クラスメイトの多くが、彼が聞いたこともないようないろいろなことを高校で習っていると気づいた」
④:「彼はすべてのことにおいて他の人よりかなり遅れているのではないかと心配した」
とあります。
このように、この段落では何が言いたいのかというところがわかっていれば、スムーズに答えることができます。
第6問でも、先ほど紹介したように問題文に’according to paragraph 2’など書いてあるので、段落で言いたいことがわかっていればスムーズに解けます。
さらに第6問の最終問題では、以下のようなものが出されます。
段落ごとに言っていることを選ぶ問題です。これも、各段落でいいたいことがわかっていれば、秒で解けますね。
センター長文解き方のコツ③:「第5問」小説は「時系列」と「登場人物」に注目!
第5問「小説」でも、「先に設問を見る」「段落ごとの意味をつかむ」の2点は必ず守りましょう。
時系列
小説問題で混乱しがちなのは、時系列。数年前まではよく、「4つの絵を、出来事が起きた順番に並べ替えなさい」という問題が出題されていました。
読むときには必ず‘yesterday”August 5th”2 weeks later’のような「時間」を表す単語は要注意して見ておくようにしましょう。
登場人物
登場人物も、複数出てきて読み手の思考の整理をさまたげる要素の一つ。
人の名前や代名詞が出てきたら、要注意!ということです。
- 先に設問を読む!
- パラグラフリーディング!
センター英語長文対策におすすめの参考書&勉強法
センターレベルの英語長文対策にはこの参考書!
センター試験に近い文章量の問題を解き進めるためには、500語程度が目安となります。
「イチから鍛える」シリーズは、丁寧な解説と細かい構文解釈、ほどよいテーマ選別で徐々に人気が出てきている参考書。テーマが偏ったり解説が見にくかったりということがないので、自学自習で勉強するのに非常に向いています。
センター試験対策問題集の使い方!勉強方法をチェック!
今回紹介した「イチから鍛える」シリーズに限らず、参考書はこのように使っていきましょう。
やる時期:高3春〜秋
まず取り組む時期としては、英文法と英単語、さらに構文解釈が身についてからが大前提です。
そういった勉強がひととおり終わった段階、具体的には高2〜高3春から高3秋までにかけて、徐々に単語数を増やしながら取り組みます。
例えば「イチから鍛える」シリーズなら、Basicや300からはじめるようにして、徐々にステップアップしていきましょう!
やりかた
取り組み方は以下の通り。
- Step1(1周目)
- 時間を気にせず解き、丸つけをして解き方を自分の解き方と照らし合わせる。おわったら音読。
- Step2(2周目)
- 制限時間内に問題を解く(このとき、解説にあった解き方を思い出す)。終わったら音読。
- Step3(3周目)
- 音読をして復習する
ポイントは、必ずどの回も音読をすること。
なぜ音読をするの?センター英語で重要な「速読」を鍛えよう!
なんどもお伝えしている通り、センター試験で重要なのは「時間配分」。繰り返し読まない!前から読む!ということを徹底して、文章を短時間で読めるようになるために必要なのが、「速読」です。
この「速読」の力をつけるために必要なのが「音読」というわけです。
このときに気をつけることとしては、かならず意味がわかる状態で読むことです。でないとただの口の体操になってしまいます。
また、1周めなどはCDにあわせて読むようにしましょう。CDと同じスピードで読む(シャドーイングといいます)ことで、本来の英語を読むスピードに慣れることができます!
- 「イチから鍛える英語長文500」がおすすめ!
- 必ず音読をして、速読に備えるべし!
センター試験は廃止!?英語長文はどう変わるの?
2021年度入試より、新大学入試の「共通テスト」に切り替わります。2019年現在、試行問題が発表されています。その一部をご紹介すると……
「平成30年度試行調査_問題、正解等_1111|大学入試センター」より抜粋
2019年2月現在の情報であり、変更となる場合があります。
「英語の4技能」(リーディング、ライティング、リスニング、スピーキング)をより重視するということで、共通テストでは長文問題ばかりになっています。設問も基本的には内容の読み取りばかりとなっており、集中して解き切ることが求められます。
つまり、いままでよりなお一層、速読力や正確に読む力が求められるのです。
まとめ
- センター英語の長文は「速読」!早く、正確に読む!
- 解き方のコツは「先に設問を読む」「パラグラフリーディング」!
- 速読できるようになるには「音読」!