こんばんは!
学習塾STRUX塾長で、STRUX大学受験マガジンを監修している、橋本拓磨です。
Twitterもちょくちょく動かしています。
夏終盤。駆け込みの高3生もいる。ここからの時期の受験生は時間との戦い。学校ありで50時間/週勉強できるとしてもセンターまで1000時間くらい。この1000時間で「何をやるか」だけではなく「何を切り捨てるか」が大事。
— 橋本拓磨@STRUX塾長・高校生向けアカウント (@struxhashi) August 22, 2019
毎週土曜のラインライブや東京で実施している「無料勉強計画作成会」、そして上記のTwitterでも、個別に相談も受けているのでぜひ!
さてさて、実は僕、YouTuberになったんです。(!)
お気づきの方も多いと思いますが、「ストマガチャンネル」という名前のチャンネルで発信しています。
今後どんどん動画をUPしていく予定なので、お楽しみに!
今日の塾長連載では、とある科目の共通テストを実際に解いてみました!
それは、ずばり共通テストの国語!
現在すでにアップされている共通テスト動画はこちら↓
共通テスト国語の「記述問題」を解いてみた!その感想
以前の記事では、変更点のみお話していました。
その中でも、「記述試験が登場する」という話をしていたとおり、共通テストでは「国語」と「数学1A」に記述式試験が登場します。
(数学には記述導入をとりやめる、数式のみを記述させるかも?なんて噂もありますが……)
国語に関しては、次のような問題が出ていましたね。(大学入試センターが掲載するプレテストから引用)
引用元:平成30年度試行調査_問題、正解等_1111|大学入試センター
問1:【文章I】の傍線部A「指差しが魔法のような力を発揮する」とは、どういうことか。三十字以内で書け。
問2:「ヒトはどのように言語を習得していくのか」という問題について考えを進めたまことさんは、【文章I】の傍線部B「初期の指差しは、言語習得のひとつの重要な要素をなしている」ことについて、【文章II】に詳しく述べられていることに気付いた。そこで、【文章II】の内容を基に、子どもが「初期の指差し」によって言語を習得しようとする一般的な過程を次のようにノートに整理してみた。その過程が明らかになるように、空欄に当てはまる内容を四十字以内で書け。
3は割愛します。長い。詳しくは動画を見てね。
今回はこの問1、問2、問3を解いて書いてみたので、それぞれ解いた感想と「求められそうな能力」をお伝えしますね。
問1:内容説明
問1は、問題形式としてはふだんのセンター試験や共通テストと同じ「どういうことか」の問題。
根拠は比較的かんたんに拾うことができたので、今のセンター試験評論で40点以上取れる!という人であれば、同じ解き方でしっかり根拠を拾えれば取れる問題かなと。
とはいえ、一つ面倒だったとしたら「30字以内」という字数制限かな。
正直、もう少し字数が欲しかったところ。解いている動画の中でも話していますが……。
おそらく出題意図としては「魔法のような」の比喩表現をしっかり説明できるか?というところにあったはずなので、そこさえ適切に言い換えられてればOK、というこの文字数制限だったのでしょうが、それにしては少ない気もしますし、字数制限は本番までにより適切な量に調整されることを期待したいなと思った次第。
記述問題の字数制限は、「どのレベルまで根拠を拾えばいいか?」のヒントになるのでしっかり使ってあげてほしいですね。
問2:内容説明(要旨)
問2はまことさんのノートを埋める問題。
ぶっちゃけ問1より簡単っちゃあ簡単です。本文で同じことを述べている箇所を探すだけなので。
さらに今回は、文章構成とまとめノートの構成要素がほぼ同じだったので、まとめる範囲さえ見誤らなければさらっと書けた問題かなと思います。
逆に言えば、この問2は落とせないですね。
こちらも基本的には文章の構成がしっかり読み取れていれば何も考えずに解ける問題なので、解いて特段難しいな、と感じることもありませんでした。ただ、今までにない問題形式ではあるので、解き方に慣れておく、ということは必要そうでした。
ただ、こちらも字数制限が少し気になったかなと。逆にこちらは余る、という意味で。
40字以内と設定されていますが、正直文章と文章の間を埋める問題なのでそこまで書くことはない。引き伸ばして34文字くらいが限界でした。
字数がそもそも少ない分、ある程度この「字数のざっくり感」は仕方ないところもあるのだと思いますが、解いてる側は不安になりますね。ちょっと。
問3:内容理解・論述
問3がいちばん解きにくいといえば解きにくいかもしれません。実際解いていくときも、注意深く条件を読んでいかないと聞かれていることから外れそうになるので、集中力が求められます。
まあ、なんせ4つも条件がついているので、書くことはだいたい絞られるんですが、この条件を見逃さないように丁寧に書いていくのがどちらかというと大変でしたね。
条件が多い分初見でも比較的解きやすいものにはなっていますが、それでも本文中に根拠を求める部分はしっかり相同表現を探して根拠を拾うようにしないといけないので気をつける必要がありました。
こちらは字数制限も80字〜120字と幅が広く、これだけ文字数があるとだいぶ調整もしやすいので書きやすいですね。
動画の番外編!答えを見てみた
動画撮影後、公表されている模範解答を見ました。
そもそも「記述式ってどうやって採点するの?」と思われる人も多いと思うので、軽く説明しておきますね。
参考までに、これは問1の解答基準。
出典:解答
このように、「この要素が入っているか」という点での基準が3つ示され、それらをいくつ満たしているかによってaからdの4段階で評価がなされます。
全3問をこの段階で評価し、「問1、問2がaで問3がb」だと全体でA評価、「問1がa、問2がb、問3がc」だと全体でB評価、のように、以下の表に従って決定されます。
こうして、記述問題(全体の「第1問」)は他の問題(第2問〜第5問、今まで通り現現古漢で200点)とは別に計算されるというふうになります。
で、自分の作った解答と答案を見比べてみた感想としては、点数としてはしっかり取れていそうだというところ。塾長のプライドは保たれましたね。
採点基準を見る限り採点基準もだいぶ画一化されており、最低限の条件をしっかり拾っていけばA判定は取れるような感じでした。
まあ、「この書き方は基準①に当てはまっているのか?みたいな基準の揺れは必ず発生するでしょうし、そういう点では実際に採点すると大変そうな気もしますが、これくらいのゆるい基準であればまあ解く分にはそこまで物怖じしなくても良いのではないでしょうか。
そうなってくると今度は「なんで記述やってんの?」なんて話になってきますが……
どういう対策をすれば良さそう?
総じて見てみると、「普段の勉強」そのものは大きく変える必要はない(問われている「文章の内容を正確に読み取る力」はかわらないので)ですが、共通テスト向けに「どう解くか?」はしっかり対策しておく必要がありそうです。
記述の問題では特に、「今まで記述の対策なんてしたことない……」なんて人も多いでしょうし、記述ではこういうふうに解くべき、といったセオリーは固めておく必要がありますね。
さらに、問いそのものも単純な「どういうことか」「なぜか」の問題ばかりではなく、ノートをまとめさせるような問題が多いので、記述に慣れている人でも似た問題に一度触れておくことをおすすめします。
実際、2次試験の記述問題や現行のセンター現代文で9割ほど取れるような人であれば、この形式であってもあまり悩まずに点数を取れる気がします。いずれにせよ、一度問題に目を通しておくことで安心して解けるようになるでしょう。
まだまだ基本的な現代文の力が不安であれば、まずはセンター試験の過去問から……でも十分対策できそうです。
とまあ、こんな感じで共通テストを解いてみました。今後も定期的にこういった「動画撮影の裏話」的な、動画とリンクした記事を書いていけるといいかなと思っています!それでは来週もお楽しみに!
ライター:橋本拓磨
東京大学法学部卒。学習塾STRUX塾長・STRUX大学受験マガジン監修。日本全国の高校生に、場所によらず正しい勉強を広めて、行きたい大学に行き、将来の選択肢を広げてほしい!という思いからSTRUXマガジンを監修。