学習塾STRUX塾長で、STRUX大学受験マガジンを監修している、橋本拓磨です。
オリンピックのチケット抽選、全部外れました。
もともとやっていた卓球と野球をいくつか申し込んだんですけど、全然ダメでしたね。
うちの編集メンバーで唯一あたった筋肉マッチョな編集員は、ウェイトリフティングを見に行くそうです。彼いわく、
……わかりません。
さてさて、とはいえ今年の高2生はオリンピック!なんていってられないですよね。
大学入試が変わる!そんな初年度での入試なので、「なんとなく不安……」みたいな人も多いのではないでしょうか?
今回は、そんなみなさん向けに、「来年以降の大学入試、どう立ち向かえばいいの?今からできることは?」といった疑問にお答えしていこうと思います!
STRUX大学受験マガジンや学習塾STRUXでこう対策していきますよ!みたいなこともぜひお伝えできれば!
ただ、あくまで勉強の意識付けや普段の勉強ベースで話をしていこうと思うので、より詳しい入試改革の展望や変わるポイントなどはもっと情報が出てきたタイミングで、こちらの連載記事でまとめようと思っています!そちらもお楽しみに!
動画でも話しています!
そもそも入試改革の目的って?
出典:文部科学省
文部科学省では、高大接続改革として、グローバル化が進み、未来予測がより困難な世の中において価値を生み出せる人材を輩出しよう!と狙っています。
そうした人材に求められる能力として、文科省では
- 知識・技能
- 思考力・判断力・表現力
- 主体性を持って多様な人々と 協働して学ぶ態度
の3つを育成・評価せよ!といっているわけです。
そんなツッコミはさておいて、これらの技能を「高校の学習」「大学での学習」そして「高校→大学への入試」で身につけてもらおう!というのが「高大接続改革」というわけです。
入試勉強への影響は?
皆さん気になるのはこれですよね。
正直なところ、まだまだここに関してはどの大学も情報を出していない、というのが現状です。
文科省さんでさえ、一般入試に関する変更はこのくらいしか出していません。
この中で決まっていることとしては、「令和3年度入試(つまり、いまの高2生が受ける入試)から、以下のような改革を施していく」ということ。一般入試に絞って話すと、
- 筆記試験に加え、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」をより積極的に評価するため、調査書や志願者本人が記載する資料等の積極的な活用を促す。各大学の入学者受入れの方針に基づき、調査書や志願者本人の記載する資料等をどのように活用するのかについて、各大学の募集要項等に明記することとする。
- 各大学において、大学教育を受けるために必要な「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」を的確に評価するため、「大学入学共通テスト」の積極的な活用を図るとともに、個別大学における入学者選抜においても教科・科目に係るテストの出題科目の見直し・充実などに取り組む。
- 各大学は、受検生に英語の試験を課す場合、4技能を総合的に評価するよう努める。
といった内容が中心。
要するに、「筆記試験や討論・エッセイ・調査書などでいろいろな能力をきくよ!」ということ。これで想定される各大学の対応としては、以下のようなことがあげられます。
1. 英検など外部英語検定試験の入試での活用
今も一部の私立大学では英検利用などが積極的に導入されています。
この流れは今後更に加速していきます。というのも、先程の3つ目、受検生に英語の試験を課す場合、4技能を総合的に評価するよう努める。を満たすための一番手っ取り早い方法がそういった「英検」などの入試への活用なんですね。
例えば現在でも、早稲田大学国際教養学部では「英検などの外部テスト」が配点のうち15点を占めていて、英検準1級を取っていれば10点、1級を取っていれば満点がもらえるという制度になっていたり、立教大学でも出願に英検2級が必要な受験方式があったり、英検のスコアに応じて英語の点数がもらえたりするという制度があります。
こうした制度が広がっていくのは目に見えていますね。
ただ、東大を中心に国立大はそれを渋る傾向もあるので、今後の動向は見ていく必要ありですね。
*東大は「2021年度東京大学一般入試における出願要件の追加について」にて一定の見解を述べています。
2. 科目数が増える?
現行の問題点として、「出題科目が1~2科目に限定されている場合がある」ということがあげられています。
実際「英語だけで受験できる!」「理科だけでOK!」といった大学も多く、こういった大学は何らかの形で科目数を増やすこともようきゅうされることになるでしょう。
ただし、だからといって「やばい!じゃあ全科目やらないと!」というのも焦りすぎかなと。
そんな急激に科目数を増やす!なんてことは大学側もあまりできないでしょうし、増えたとしても私立大学が要求している3科目での入試(文系であれば英語・国語+1科目)になるくらいでしょうか。
3. 記述試験が増える
これもよく言われていることで、先程の文科省の方針にもありましたよね。
じゃあどのくらい増えるのか?というと、正直わからないが、劇的に記述ばかりになるわけではないと思っていて大丈夫かと。
というのも、私立大学等は受験者数も莫大ですし、記述となると選択式問題とは比べ物にならないくらい採点に時間がかかるからです。
10000人が入学試験を受ける!という大学であれば、いままでマークシートで機械で読み取っていた(つまり、人の手がかからない)ものを全部人力でやるわけですから、1人の採点を頑張って15分に抑えたとしても150,000分、つまり2,500時間かかる計算です。
一人でやったら1日24時間採点し続けて100日以上かかる計算ですね。
どの大学も人手不足なところはあり、そんなに労力はかけられない……となると、一部の問題だけ記述(1,2問)にしてほかは今までどおり、というパターンが多くなるでしょう。
結局どうすればいいの?
センター試験も共通テストに変わり、なにやらものすごく勉強する中身が変わってくるんじゃないか?と不安にかられている人は多いでしょう。
1. 最新情報を集める
そんななかで一番やるべきことは、入試に関する最新の情報をしっかり集めていくことです。
まだまだ入試改革については決まりきっていないことも多く、今後も変更が予想されます。
共通テストだって、当初は複数回実施と言われていたものが結局しばらくは今までどおり1月中旬の土日に行われるとなりました。
こちらに明記:大学入学共通テスト実施大綱
こうした情報をしっかりキャッチして、対策を探していくことが一番です。
2. 求められる能力は変わるが、やるべき勉強は大きく変わらない
ここがよく勘違いされるポイントです。
例えば英語だと、いままでのセンター試験では「文法」「長文」「発音アクセント」「リスニング」のような形で、それぞれ点数的にもまばらに出されていました。
これが共通テストになると、長文100点、リスニング100点という非常にダイナミックな点数配分に入れ替わっています。
文法問題がなくなるんですね。なんと。
このように、英語も「4技能」を中心とした出題傾向になり、求められるスキルも変わってくるんですが、だからといって「文法」を勉強しなくていいかと言ったら大間違いです。
なぜかというと、文法はすべての技能の基礎にあるから。
まれに「長文ばかり読んでいればOK」「とにかく聞きまくれ」という人もいますが、それで点数が伸びる人はごく少数。
求められる「長文」「リスニング」が出来るようになるためには、結局今までどおり英単語・英文法・英文解釈の勉強を基礎にして、そこから長文・リスニングに伸ばしていくという方針で行くしかないんです。
これは他の科目でも同様。もちろん「記述の練習」「リスニングをもっと早くから勉強しはじめる」といった計画面での修正は必要ですが、勉強する内容や順番は何も変わりません。
新しい傾向にしっかり対応して計画を練り直せば、意外と必要な勉強も参考書も大きく変わらない!ということは知っておいてください。
今回は自分の意見というより、「今ある情報の中で、入試改革に向けてできること!」という部分を洗い出していきました。
このSTRUXマガジンを監修している学習塾STRUXでも、徐々にこうした「入試改革に向けて〜」の内容はカリキュラムに反映させてますし、無料体験なんかでも高校2年制と話す機会が多いのでよくお話ししています!
まあそもそも、計画を立てて勉強を管理する学習コーチングがメインの塾なので、「内容が変わるから授業もとりなおさないと!」といったことが少なく、計画の中身をしっかり練り直していけば対応できるので、むしろ今後ますますいろいろな人に活用していただけるんじゃないかな!と思います!
今後もこの連載記事で大学入試改革の内容は扱っていきますし、2024年にはより大規模な改革が予定されているので、そのあたりも少しずつ話していければと思います。
で、何より直近で最大の改革であるセンター試験→共通テストへの変更は、また大々的に記事化してお伝えします!お待ち下さい。
あとは何より塾長個人としての意見も、どこかでしっかり発信していくタイミングを取ろうと思っているのでお楽しみに!
では今週はこのへんで!
ライター:橋本拓磨
東京大学法学部卒。学習塾STRUX塾長・STRUX大学受験マガジン監修。日本全国の高校生に、場所によらず正しい勉強を広めて、行きたい大学に行き、将来の選択肢を広げてほしい!という思いからSTRUXマガジンを監修。