こんばんは!STRUX塾長の橋本です!
今回も前回に引き続き「共通テストの疑問」シリーズ。
これまでは英語の傾向変化、そしてセンター過去問と予想問題の活用法を話していきました。
詳しくはこちらも参考にしてください。
今回は科目シリーズの「国語」編。
国語も、大きく共通テストで変化がある科目のひとつです。
変化がある割に「どのように勉強すればいいのか?」がなかなかわかりにくい国語について、そもそもセンターとどう違うのか?どう対策していけばいいのか?という点を話していきましょう。
実は共通テストとセンターで「解き方」は同じ!でもなぜか解きにくい…どうして?
実は、共通テストの国語とセンター試験の国語で、「解き方」のキホンは全く同じなのです。
たしかに、そういう人も多いのではないでしょうか?
ここでは「解き方が同じってどういうこと?」という話を踏まえて、「どういう点が違うのか?」「なぜ解きにくいのか?」に触れていきます。
現代文は「書いてあることを正確に読み取る」古典は「単語文法を正確に理解して読む」という点で変わらない
「解き方」のキホンが全く変わらない理由は、そもそも「科目の性質が変わらない」から。
現代文はそもそも「書いてあることを正確に読み取る」という科目ですから、解答に求められるのはもちろん「書いてあることだけを答える」という能力です。これは今までのセンター試験でも、これからの共通テストでも変わりません。本文に書いてないことや違う文脈で書かれていることを選ぶと間違いになり、本文に書いてあることを選ぶと正解というわけです。
古文・漢文も同様ですが、この2科目では英語のように「単語文法」がプラスされます。単語・文法を正確に理解した上で、正確に本文を読み取って答える、というのが古典2分野の特性です。
共通テストでもこの特性が変わらないということは、「本文に書いてあることだけを答える」という解き方の方針も大きくは変わらないということになります。つまり、それをしっかり意識していれば、「理屈としては」変わらず点数が取れるはずなのです。「国語で点が取れない!」という人は、まずはセンター試験を解いてみて、そちらできちんと点が取れるか確認してみてください。そもそもセンター試験でもあまり変わらない点数だという場合は、そもそもの解き方が身についていない可能性があります。
「センターでは解けるのに共通テストでは解けない」のは傾向が違うから
センター試験を解いてみて「センター試験だと点数が取れるのに、共通テスト形式だと取れない」という人は、基本的な読み方などは身についている可能性がありますが、共通テストの「傾向」にやられている場合が多いです。
この「傾向」の違いが「共通テストはなんか解きにくい」という原因になっています。
具体的にどのように傾向が違うのでしょうか?
文章が複数出される
一番大きな変更、かつ戸惑うところとしては、「1つの大問で複数の文章を参照しなければいけない」という点です。例えば第1問の評論問題でも、ただ評論問題が一つ出されるのではなく、「法律の条文」「実用的な文章」などとその評論文が組み合わせて出題されることがあります。
例えば、2018年に実施されたプレテストでは、著作権法の条文とポスター、それに評論文があわせて出題されています。
複数の文章を照らし合わせて見なければならないということは、それだけ参照する箇所・答えを探す箇所が散らばることになり、これまでより正確に、かつ文章を整理しながら読み進めていくことが求められるようになりました。
これまで「傍線部の前後をきちんと読んでいれば解けた」というような問題も、根拠になる文章の射程が広がったため、そのような型にはめた解き方は通用しづらくなります。
実用的な文章が出される
複数の文章が出されるということは、一般的な評論文だけではなくいわゆる「法律の条文」「ガイドブック」「リーフレット」といったより実用に即した文章の正確な読み取りも求められるようになるということです。先述の通り著作権法の条文および著作権法についてのリーフレットがプレテストでは出題されていますから、同様の出題が増えると思われます。
詩歌などに出題範囲が広がっている
複数の文章が出題される、ということの煽りを受けたものに「第2問」の文学的文章の読解も挙げられます。これまでは小説だけだされていたものが、詩などにまで対象が広げられているというのがその影響です。
小説が出ていた場合は、基本的に評論と同じ読み方をしていればよかったのですが、詩歌が出るとなればこれまでの読解とは少し異なる対応が必要になります。基本的な詩歌の表現技法(比喩、倒置など)が答えられることはもちろん、その効果も多少把握しておく必要があります。なにより「書かれていない」ことが増えるため、小説以上に「表現」の細かいところを捉える必要がありますし、同時に出される詩の批評文や付随した小説文から根拠を引き出す必要も出てきます。
傾向が違うと前提知識が多少必要な部分も
このように、主に出題される文章という点で傾向が大きく変わるため、これまでよりも「前提知識」が求められる場合が増えています。詩歌の表現技法などはその一例です。他にもそもそも複数の文章を扱うときにどうするか、という点では対策を予めしておかないといけません。
どう対策すればいいのか?
では、どう対策していけばいいのでしょうか。
大きく分けると
- 今までと同じ対策で良いところ
- 特別な対策が必要なところ
の2段階に分けて対策することになります。
基本は「センターと同じ」
傾向が大きく変わるとはいえ、基本的には「センター試験と同じ対策をしっかり行っておく」ことが前提になります。最初に触れたとおり「本文に書いてあることだけを答える」という点では性質は変わらないためです。
いままでのセンター試験同様、現代文であればまずはきちんと「本文から正しい根拠を拾う」練習や、漢字が苦手な場合は漢字を過去問で練習していくことが一番重要です。
古文・漢文ではきちんと単語・文法・句法を固めて読解の練習をしておき、これも夏から秋にかけてセンター試験の過去問などを使って読解練習ができると良いでしょう。
基本的にはこれまでと同じこのような対策で、ベースになる部分は対策が可能です。
特別な対策が必要なこと
ただ、傾向が変わるためこれだけではもちろん対策が足りません。これまでと同じ対策を夏から秋まではやりつつ、共通テストが近づいてきたらより共通テストに合わせた対策をしていく必要があります。
形式に慣れること
一番重要な対策が「形式に慣れる」ことです。傾向が変わり文章の種類が増えたり、設問もより多様になったりしているため、そうした問題をどうやって解けばいいか、どういう問題が出るのか、どのような時間配分が適切なのか、といったところを正確に把握していく必要があります。
これを身につけるためにはやはり「同じ形式の問題を時間を測って解く」ということをやり、その中で問題点を洗い出しつつ慣れていくということが最適です。
早くても10月ごろからで良いので、それまではセンター試験の過去問などで基本的な学力をつけつつ、もう問題ないというレベルになったら市販の「共通テスト予想問題」などを活用して形式に慣れるようにしましょう。
形式が大きく変わるので、12月中には5回分以上解けるようにしておきたいところです。
詩歌の基本知識を押さえる
形式に慣れつつ、前提知識が必要な部分はそのインプットをする必要もあります。
とはいえ、この辺の知識を入れ直すのは意外と大変ですし、そもそも詩歌などの知識に対応した問題集はそう多くはありません。
国語の便覧や共通テストの予想問題集だけでなく、「黄色本」などで基本的なインプットもしておけるといいですね。
ただ、これらの黄色本などでも詩についてはそこまで細かく扱っていません。あくまで優先度としては低く、あくまで「出る可能性がある」ていどなので、基本的な技法さえ押さえられれば、あとは国語の勉強にかけられる残り時間次第で対策の量を決めていくといいでしょう。現代文ではあるため「知識を知らないと解けない」という問題は少ないですから、優先度としては下がります。
今回は、「共通テストの国語」の変更点と対策について書いていきました。過去問で基本的には対策をしつつ、必要な部分は予想問題などを使っていけるといいですね。
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それでは!
ライター:橋本拓磨
東京大学法学部卒。学習塾STRUX塾長・STRUX大学受験マガジン監修。日本全国の高校生に、場所によらず正しい勉強を広めて、行きたい大学に行き、将来の選択肢を広げてほしい!という思いからSTRUXマガジンを監修。
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