多くの受験生が他の教科との兼ね合いで悩む地理。地誌はそんな地理の中でも特に暗記量が多いと言われます。このページでは地誌をどうやって効率よく点数を稼いでいくかを解説していきます。
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地誌、覚えること多すぎていつまでも終わりません!
地誌、覚えること多すぎていつまでも終わりません!
戦略01 「地誌は暗記ゲー」は大ウソ!?
地誌の知識をすべて暗記することは不可能!
センター地理の過去問演習などを進めていると、今まで見たこともないデータが出されてお手上げ… なんてことありますよね。
ここで受験生が陥りがちなミスが
と言って、地誌の勉強をし始めるケース。激しく間違った勉強法です。
ですが、受験地理において試験に出てくる地誌の知識を、すべて暗記することはできません!
例えば石油・石炭・天然ガス、この3つの化石燃料の産出量上位5カ国をすべていえる人なんていないはず。もし言えたとしても、タロイモ・ヤムイモ・キャッサバは??
すべての国の首都は? 気候区分は? 貿易総額は? 人口は? おもな産業は? おもな地帯構造は? 発電種類の内訳は?
もう言わなくてもわかりますね。
このように地誌の知識をすべて暗記することはできないのです。
地誌の攻略のカギは「推測」にある!
かといって、「じゃあ知らないデータ出てきたら間違っていいの?」と言っても、そういう訳にはいきません。
そこでカギとなってくるのが、系統地理の学習で身につけた「理解」です。
系統地理をしっかり理解していれば、地誌で問われることは推測をすることが可能なのです!
例えば、こんな地誌の知識だって、系統地理をしっかり理解していれば、知らなくても推測ができます。
アイスランドの発電の種類の内訳
このように系統地理の学習がきちんとできている人は、 地誌の学習に時間を割かなくても、かなりの得点が期待できるのです!
では地誌の勉強は何をすればいいのか?
戦略02 地誌の具体的な勉強法
地誌マスターのコツは「系統地理とつなげて考える」
地誌をマスターするうえで最も大切なことは、 学んだことの抽象度をあげて理解すること。もっとわかりやすい言葉でいえば、「系統地理に結び付けて考える」ことです。
なんでノルウェーでは水力発電が盛んなの?
なんでニュージーランドでは東側を中心に、牧羊が盛んなの?
なんでサウジアラビアとかUAEなどの中東では、石油がたくさんとれるの?
これらはすべて地誌の知識です。ですが、これらの知識はすべて系統地理で説明することが可能です。
たとえば「なぜノルウェーでは水力発電が盛んなのか?」という問いに対しての答えは以下のとおりです。
●ノルウェーは古期造山帯のスカンジナビア山脈がある
●ノルウェーの西には、暖流の北大西洋海流が流れている
●ノルウェーは偏西風帯である
⇒偏西風が暖流である北大西洋海流上空の湿った空気を運び、スカンジナビア半島にぶつかることで地形性降雨が多く発生し、年中降水量が多い
このように世界のどこに古期造山帯があり、どこにどんな海流が流れ、偏西風帯がどこにあるかを把握していて、さらに地形性降雨に関する知識があれば、ノルウェーで水力発電が多いことは、明らかなのです。
(古期造山帯・海流・偏西風・地形性降雨はすべて系統地理の範囲です)
※他の疑問が、わからない人は自分で調べましょう。それでもわからなければページの一番下にあるQRコードを読みこんで、LINE@を使ってみてください。
ほかにも疑問がある!調べてもわからない!という人は
「なんでニュージーランドでは東側を中心に、牧羊が盛んなの?」「なんでサウジアラビアとかUAEなどの中東では、石油がたくさんとれるの?」 この記事で解消できなかったお悩みは、LINEで解決! 限定コンテンツの配信だけでなく、監修者に直接質問することができます!まずは友だち追加↓
系統地理と同じように常に「なぜ」を繰り返すことで、地誌の知識も暗記ではなく理解をすることが可能です。暗記では途方もない時間がかかる地誌ですが、理解をすることで圧倒的短期間で学習を進めることができます。
地誌の学習範囲
繰り返しますが、地誌の知識をすべて暗記することは不可能です。ですからある程度の勉強で見切りをつける必要があります。
範囲の見切り方は非常に難しいですが、基本的には参考書に記載されている知識については、丸暗記ではなく他の知識と結び付けておくという程度でよいでしょう。
暗記に使う地誌の参考書についてはこちらを参照してください。
センターや二次試験でとわれる問題は、基本的な系統地理や地誌の知識をつかい、その場で考えさせる問題が多く、扱われる題材はマニアックなものが多いです。なのでこれらを丸暗記する必要はありません。
また統計データなどをどれだけ詳しく暗記するか、も受験生が悩みがちなテーマですが、基本的には前回のページに書いた通りです。
上位5位までの国に関して、覚えておきましょう。また順位まで正確に覚えるのは上位2カ国のみで十分でしょう。
戦略03 地誌の学習ペース相談会
ここからは地誌にどれだけ時間をかけて学習をすればいいのか、説明を行います。マルオが皆さんの疑問を代表して赤神先生に質問をぶつけます!
お悩み相談① 地誌の学習タイミングは?
地誌を学習するベストな期間は高校3年の1学期から2学期です。これは高2のうちに系統地理を学習した後に学習することができ、なおかつ十分に過去問演習に割く時間を残すことができるからです。
ですが、高校3年からでも間に合わせることが可能です。ですが遅くとも高3の11月までには力を入れるようにしましょう。
お悩み相談② 地誌の学習時間の目安は?
系統地理の学習が終わったのが遅く、地誌に時間をかけられない人は1・2か月を目安に学習プランを立てると良いでしょう。
例:●系統地理が終わるのが、高3の2学期以降⇒1か月で
●系統地理は高3の一学期までに終わる⇒2か月で
お悩み相談③ 地誌は一回の勉強で何時間勉強すればいい?
2時間の範囲で、できるかぎり参考書を読み進めていきましょう。そのときは、うえで説明したように系統地理の知識と結びつけて、参考書に書いてある知識を吸収していきましょう。
また前回やった範囲を忘れてしまったからと言って、前にもどって学習するのは厳禁!
2か月で地誌を終わらせるには、前にもどる時間はありません。まずはひととおり地誌を学習することを目指しましょう。
お悩み相談④ 地誌は週何回勉強すればいい?
お悩み相談⑤ 地誌で頻出の範囲ってあるの?
まとめ
時期:遅くとも高3の11月~(高3の1・2学期がベスト)
期間:1・2か月
一回の勉強時間:2時間
ペース:1週間に2回
おすすめ参考書
系統地理を学習する際のおすすめ参考書はこちらのページにまとめてありますので確認してください。
地理 参考書(執筆中)
まとめ
このページで知ったことを最後に復習しよう!
地誌の知識をすべて暗記することは不可能!
系統地理とつなげながら学習する!
短期間で取り組む!