「受験計画」という言葉を聞き慣れていないひとも多いはず。ですが、この受験計画シリーズの記事を読み切ればあなたも受験までを見通した勉強計画を立てることができます。
【どの参考書を】【どの時期に】【どの順番で】勉強すればいいのかわかれば、どんなに勉強がラクになるでしょうか??下のダウンロードコンテンツをダウンロードして印刷してください。印刷した紙にそって、この戦略の記事を読んでいけば、第1志望校合格にむけたあなただけの受験計画を完成させることができます。
戦略01
なぜ、第1志望校を決めないといけないのか??
▶詳しくはコチラ
→→前回記事リンク:受験計画とは何か?|第1志望校への最短距離を示す「受験計画」の4ステップ
前回の記事で、受験計画の重要性について学びました。そして、受験計画を練る上でまず初めにやるべきことが『第1志望校を決める』ことです。参考書を買う前に、予備校に行く前に、第1志望校を決めてください。受験勉強は、第1志望校を決めることから始まるのです。
[受験計画を描くステップ]
★step1.第1志望校を決める。
step2.志望校の配点・合格最低点を分析する。
step3.各科目の目標点数を決める。
step4.勉強計画を立てる。
※全5回に渡って受験計画について解説しています。まだvol.0を読んでいないあなたはコチラを!
▶『受験計画とは何か?|第1志望校への最短距離を示す「受験計画」の4ステップ』
受験計画を立てる上でも、まず最初に決めるべきは第1志望校です。第1志望校が受験におけるゴールであり、ゴールを決めない限りは適切なルートは描けません。ゴールが違えば、適切なルートはかわってきます。
第1志望校を最初に決めていないと余計な勉強をしてしまう可能性が高くなってしまうのです。つまり、ムダの多い勉強になってしまうのです。第1志望校が違えば、配点も出題される問題の傾向も大きくかわってきます。例えば、英作文が多く出題される大学もあれば、英作文がまったく出題されない大学もあります。どの大学を受験するかによって、どの科目・どの分野を力を入れて勉強すべきかが異なります、もっと言ってしまえば、志望大学によっては勉強をしなくていい科目や分野も多く存在するわけです。
受験する大学の試験で出題されない科目や分野にかける勉強時間は、ムダになってしまいます。そうしたムダをなくすためにも、まず初めに第1志望校を決めるのです。
戦略02
第1志望校を決めるのが、一番むずかしい??
受験計画を練る上でもっとも難しいことが、ずばり『第1志望校を決める』ことです。一番最初にやるべきで、かつもっとも難しいことが第1志望校を決めるということなのです。
あなたはこんな悩みを抱えていないか??
[第1志望校を決める上での悩み]
✔「将来の夢から決めろ!」って言われるけど、将来の夢がありません。決まりません。
✔志望校はどこまで高望みしていいのか?分かりません。
✔興味のある分野すらありません。正直、いける大学ならどこでもいいって感じです。
第1志望校をまず最初にきめないといけないのは分かったけれども、決め方が分からないのが正直なところかと思います。今回の記事では、第1志望校を決めるためにやるべき具体的な行動を説明していきます。これから説明していく行動をすれば、第1志望校が決まります。ただし、もちろん読むだけでは決まらないので、読み終わったら行動するぞ!という気持ちを持って、読み進めてください。
戦略03
志望校は机の前で考えるな! 動け。
[志望校を決めるときの重要ポイント]
1. 実際に動くこと。机の前で迷わないこと。
2. 期限を決めて悩むこと。いつまでも悩まないこと。
3. 志望理由を持つこと。ただし、志望理由は本心であれば何でもオッケー。
4. 大切なのは”志望校選択”のあと。志望校に惚れ込め。
第1志望校を決めるに当たって、4つのことを守るのは非常に重要です。多くの受験生が、『第1志望校が決まらない。どうしたらいいの?』と悩んでいますが、実際は第1志望校を決めるための正しい行動ができていない場合がほとんどです。行動できていないのだから決まるはずがありません。どのように決めていけばいいのか?詳しく解説していきます。
(1)実際に動くこと。机の前で迷わないこと。
『将来の夢から逆算して志望校を決めろ!』と、学校の先生や保護者の方から言われたことがないでしょうか? 将来の夢から逆算して第1志望校を決めることがもっとも理想的です。とはいっても、自分が何の職業につきたいのか?決まっている高校生はほとんどいません。かといって、第1志望校ですら決まらないのに、もっと遠い未来である将来の夢を決めるというのは、なかなか難しいことです。
つまり、『将来の夢から逆算して志望校を決める』というのは理想的ではあるけれども、現実的には難しい志望校選択の仕方なのです。
『知らないものは選べない』は重要なポイントです。当然のことですが、自分の知らない食べ物を食べたいとは思いませんよね? 例えば、もしあなたが”カレーライス”という食べ物を知らなかったとすると、カレーライスを食べたいと思うことはありえないということです。最初に、カレーライスについて知るという認知があり、その後に食べたいという欲求が生まれるのです。
第1志望校決めや将来の夢を決めるときにも同じことがいえます。『第1志望校が決まらない』と言っている人のほとんどが、大学について知らないのです。『将来の夢が決まらない』と言っているほとんどの人が、世の中の職業について知らないのです。
まず、”知る”ことから始めないといけないのです。しかも、単純に”知る”だけではなく深く知ることが重要です。深く知らないものは欲しいとは思わないはずです。机の前で悩んでいても何も始まりません。まずは、大学について”知る”行動を始めることからスタートしていきましょう。
”知る”のフェーズは、2つのステップを踏むことをおすすめします。1. 広く知る 2. 深く知る です。まずは、気になる大学すべてを広く知りましょう。ここでの”気になる”は、なんとなくで構いません。明確な理由を言えるほど大学について知らないのですから、なんとなくになってしまうのは仕方のないことなのです。しかし、広く知るだけでは第1志望校を決まりません。広く知った上で、その中でも気になる2,3校について深く知ることが重要です。なぜなら、深く知らないとその大学に行きたい!とは思えないからです。普段何かものを買うときも、これを買うことによってどんな体験が得られるのか?どんなメリットが自分にあるのか?を瞬時に判断して買っているはずです。よく知らないものを買いたいとは思いませんよね? よく知らない大学に行きたい!とは思えないのです。
[第1志望校を決めるためにやるべきこと]
★広く知る
1. 気になる大学の資料請求を行う。
2. 気になる大学をインターネット,twitterで検索する。
★深く知る
3. 気になる大学のオープンキャンパスに行く。
4. 気になる大学の先輩の話を聞く。
5. 気になる大学の公開授業に参加する。
1. 気になる大学の資料請求を行う。
なんとなくでも構わないので気になった大学の資料請求を行いましょう。何日後かに大学のパンフレットが届きます。各大学のパンフレットには、授業カリキュラムやその大学の魅力を説明する情報が満載です。少しでも気になった大学は積極的に資料を取り寄せましょう。「なんとなく興味がある」から「この大学にはこんな魅力がある」に変わるはずです。
また資料請求はインターネットで行うことができ、ハードルは低いです。いきなり難しいことに挑戦してやる気をなくしてもいけないので、まずは資料請求から始めることをおすすめします。
資料請求おすすめサイト
▶テレメール進学サイト
▶Benesseマナビジョン
2. 気になる大学をインターネット、twitterで検索する。
自分に気になっている大学をインターネットやtwitterで検索してみましょう。大学のホームページを見てもいいですし、また大学のPVなどを見るのも特にオススメです。大学側が作成した動画からは大学が力を入れている研究分野やどのような学習環境があるのかが分かります。また、生徒が主体的に大学を紹介する動画もあります。そういった動画からは大学のホームページだけでは見えてこない大学生活のイメージが掴めるはずです。
ただし注意が必要なのは、インターネットやtwitterの書き込みなどは不特定多数が根拠もなく情報を書き込んでいる場合があります。あくまで、参考程度に。
大学について知る最初の入口としては検索はオススメです。
気になる大学のオープンキャンパスに行く。
夏休みの期間に多くの大学はオープンキャンパスを開催しています。大学について深く知る上でもっとも重要なのが、実際にその大学に行ってみることです。大学に行く機会としてオススメなのがオープンキャンパスなのです。オープンキャンパスでは各学部の説明会や体験授業などが行われています。インターネットやパンフレットだけでは知ることのできないその大学の空気感や気質を知ることができますし、自分自身も大学生活をイメージするいい機会になります。人数制限のあるオープンキャンパスもありますから常日頃から気になる大学のオープンキャンパス情報にはアンテナをはりましょう。
また、実際に大学に行く機会としてその大学の文化祭などもオススメです。
4. 気になる大学の先輩の話を聞く。
気になる大学の先輩が身近にいるのなら、その先輩に話を聞いてみましょう。オープンキャンパスだけでは知ることのできない大学生の日常生活などの情報も手に入ると思います。先輩からしか聞けない情報として以下のような質問をしてみることがオススメです。
・1週間どのように過ごしているのか?
・なぜ、その大学に進学したのか? 将来の夢は何か?
・その大学での生活はどのような点が楽しいか?
先輩と話してみることで、大学進学後の生活イメージを明確にしていきましょう。
5.気になる大学の公開授業に参加する。
オープンキャンパスとは別に、公開授業を行っている大学もあります。その大学の教授が高校生向けに授業をしてくれるというものです。大学は何かを学びたいと思って行くものですから、どのような授業を受けられるかは大学を決める上で大きな要素になるかと思います。年に複数回行っている大学が多いですから自分自身の興味分野の授業の場合は、参加してみることをオススメします。
(2)期限を決めて悩むこと。いつまでも悩まないこと。
志望校を決める上での重要なポイントの2つ目は、『期限を決めて悩むこと』です。期限を決めないといつまでも悩んでしまいます。正直言って、どの大学にも魅力的な部分はありますし、その大学にも不便な部分もあります。完璧な選択肢など世の中にはないのです。「あ〜でもない。こーでもない」といつまで悩んでいても仕方がありません。期限が来たら深く知った大学に中からスパッと決めてしまいましょう。4月31日までに決める!と期限を決めたのならその日にしっかりと決めましょう。
その上で2ヶ月に1度だけ第1志望校を見直す日などを設けて志望校の見直しを行いましょう。とにかくポイントは期限をつけること。どんな選択肢にもいい面、悪い面どちらもあります。メリット・デメリットを精査した上で「えいやっ!!」と第1志望校を決めましょう。
(3)志望理由を持つこと。ただし、志望理由は本心であれば何でもオッケー。
第1志望校に合格するために受験勉強はするものです。その第1志望校への想いが「なんとなく」では継続的に勉強することはできません。受験勉強では、なかなか成績が思うように伸びない時期ややりたいことを我慢しなくてはいけないことなど辛いことがたくさんあります。そういったときに心の支えとなるのが第1志望校への強い想いです。理由自体はなんでも構いません。しかし、その理由は本心であり、かつ強い思いである必要があるのです。極端な話ですが、『モテるために慶応大学に行く!』という志望理由も、「モテたい」という想いが強い願望であるのならばオッケーです。
なぜその第1志望校に行きたいのか? 理由をしっかりと語れるようになりましょう。その理由を明確にするために大学について深く知る必要があるのです。
(4)大切なのは”志望校選択”のあと。志望校に惚れ込め。
第1志望校決めで重要なのは、”選択”だけではありません。実は、第1志望校への想いを強め続けることこそが重要なのです。期限を守って第1志望校を決めました。魅力的な第1志望校ですが、まだまだ発見しきれていない第1志望校の魅力があるはずです。地味で地道な受験勉強を乗り越えるためにも継続的に第1志望校への想いを強めていきましょう。強い想いが第1志望校合格に向けた力になります。
具体的には、志望校を決めた後も以下の行動を取り続けましょう。
1. 定期的に第1志望校に行く。
2. 第1志望校の先輩に話を聞く。
3. 第1志望校を卒業した先輩たちの活躍を調べる。
4. 第1志望校が開催している公開授業に参加する。
5. 第1志望校が公開しているPVを見る。
戦略04
第1志望校はどこまで高望みしていいですか?
もし仮に受験当日まで10年間あるとしたら、あなたはどの大学を目指しますか?? 考えてみてください。そして、『もし10年も時間があるのなら、〇〇大学に行きたい!』と思えた大学こそが、あなたが真に行きたいと思っている大学です。ただし、「どうせ時間があるなら〇〇大学」という理由はダメです。あくまで行きたい理由は明確にしてください。
第1志望校を決める時は、いったん自分の学力は忘れてください。もしもどんな大学にでもいけるなら、あなたはどこの大学に行くのか?を考えるのです。そのときに、非常に役に立つ問いが、
『もし仮に受験当日まで10年間あるとしたら。。』という質問です。この質問にこたえることで、今の学力とは関係なく本当に行きたいと思える大学を志望校にすることができます。
とはいっても高望みしすぎると、受験当日までに準備が間に合うの? という不安もあるかと思いますが、大丈夫です。『10年あれば、そりゃ〇〇大学に行きたいけど。。。』そう思っているのであれば、10年間かかるものを例えば1年間で合格するために、勉強時間を3倍に、勉強効率を2倍に、勉強戦略を2倍正しくしていけばいいのです。単純な計算ですが、3×2×2= 12倍 の速さで合格を掴み取ることができるのです。
第1志望校は好きに決めてください!そして、その第1志望校に自分を合わせるのです。自分に合わせた目標ではいつまでも成長できないのです。
戦略05
第1志望校を決めることで合格確率が上がる
第1志望校を決めることによって、初めて適切な入試対策を行うことができます。逆に言うと、第1志望校を決める前にする勉強は行く場所が決まっていないのにただウロウロしている勉強であり、ムダの多い勉強になってしまうのです。なぜ、ムダの多い勉強になってしまうかというと、大学ごとに以下のような違いがあるからです。
(1)大学・学部ごとに科目配点が異なる。
(2)大学・学部ごとに出題傾向が異なる。
(1)大学・学部ごとに科目配点が異なる。
大学が違えば各科目の配点は大きくかわってくるのはもちろんのこと、同じ大学でも学部が違えば各科目の配点が大きくかわってきます。早稲田大学の商学部と国際教養学部の科目配点を比較した表を見てください。
早稲田大学 2学部 配点比較
英語 | 国語 | 地歴 | |
早稲田大学商学部 | 80点 | 60点 | 60点 |
早稲田大学国際教養学部 | 100点 | 50点 | 50点 |
(2016年度入試)
同じ大学の学部ですが、英語の配点が20点も違います。商学部を受験するよりも、国際教養学部を受験する場合のほうが英語の勉強時間を増やさなければいけないとなるのです。このような適切な時間配分は第1志望校が決まっていないとできないことです。第1志望校をいち早く決めることで、適切な勉強時間の配分で受験勉強を進めることができるのです。
(2)大学・学部ごとに出題傾向が異なる。
配点だけではなく、出題される問題の傾向も異なります。例えば、東大と京大の英語の場合、京大では和訳と英作文の問題がほとんどですが、東大の場合は長文読解・文法問題・要約など幅広い分野出題されます。第1志望校を決めることによって、第1志望校に出題される問題の対策に時間をさくことができるのです。第1志望校が決まっていない場合は、全範囲をまんべんなく勉強することになりますから、第1志望校に絞って勉強する場合は勉強時間の面で有利な立場に立てます。
まとめ
最後に、第1志望校を決めるために行動すべきことを確認しましょう。
[第1志望校を決めるためにやるべきこと]
★広く知る
1. 気になる大学の資料請求を行う。
2. 気になる大学をインターネット,twitterで検索する。
★深く知る
3. 気になる大学のオープンキャンパスに行く。
4. 気になる大学の先輩の話を聞く。
5. 気になる大学の公開授業に参加する。
このステップに従って、第1志望校を決めよう!
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