無機分野は「理論分野・有機分野」と並ぶ、化学の3大分野のひとつです。重要なテーマであるため、入試でも必ず高得点を狙いたいところ。
しかし、無機分野は「暗記だけ」で乗り越えられるほど簡単ではありません。問題演習に取り組むことも重要です。
今回の記事では、そんな問題演習への正しい取り組み方を解説しています!しっかり読んで無機分野を攻略しましょう。
高校化学の無機分野の特徴は?
化学には「無機分野・有機分野・理論分野」の3つがあります。その中でも無機は、他と比べて暗記要素が強い分野です。
知識の暗記に加えて、最低限の問題演習もこなせば安定して高得点を取れます。
なぜ無機分野は高得点を狙いやすいのでしょうか?それは「高校化学の無機範囲では難しい問題を作る余地が少ないから」です。
東大や京大などでは理論分野と組み合わせて、分野横断の難しい「融合問題」が出題されることもあります。しかし、それ以外の一般的な大学では、無機の範囲単体での出題がメインのため、極端に難しい問題が作られることはありません。
また、化学は大きく理論・無機・有機の3つに分けられるため、模試や入試でも「最大1/3くらい」は無機分野から出題されます。無機分野を1/3くらい出題して問題が易しくなりすぎる場合は、もう少し他の分野の配点が大きくなることもありますが、それでも「1/4くらい」は出題される傾向にあります。
比較的易しい無機分野が「1/4〜1/3くらい」出題されるので、早いうちに無機分野を解けるようにしておけば、化学全体の得点を安定させやすく、結果的に模試などでもよい成績を取れるようになるのです。
無機分野を得意にするための勉強手順
化学の基本的な勉強手順はどの単元でも同じです。以下の順番で勉強しましょう。
教科書レベルの理解→基本レベルの問題演習→発展レベルの問題演習→過去問演習
まずは、教科書や学校の授業で解説されるレベルの基本的な内容を勉強します。とくに
- そもそも授業についていけない
- 定期テストレベルの問題でもまだ解けないる
という場合は、『スタディサプリ』などの映像授業を使って教科書の内容を理解しましょう。
教科書の内容理解の勉強については、以下の記事をご覧ください!
ただし、学校の授業で基本を理解できていれば、教科書レベルの理解は飛ばして、基本レベルの問題演習からスタートさせてもOKです!
教科書の内容を理解できたら、次は基本レベルの問題演習に取り組みます。最初は易しい問題集を使って、基本的な問題を正確に素早く解けるようになりましょう。『セミナー』や『リードα』など、学校で配られる問題集で演習すればOKです。
問題集の中には暗記しないと解けない問題もありますが、あまり暗記に時間を使いすぎず、なるべく問題を解く時間を確保しましょう。基本レベルの問題演習まで解ければ、MARCHや関関同立レベルの過去問は半分くらい解けるようになるはずです。
早慶上理や旧帝大レベルの難関大学を目指すのであれば、より難しい問題集にチャレンジしましょう。具体的には『重要問題集』や『化学の新演習』などを使ってください。
具体的な問題演習のやり方については、以下の記事をご覧ください。
問題演習が終わったら、過去問演習に取り組みます。過去問演習は無機分野だけではなく、理論と有機も勉強して1年分全体に取り組みましょう。
無機分野の勉強の注意点
- 最低限は理論分野の計算ができなければ無機は理解できない
- 最低限の内容を暗記して問題演習を繰り返すことで得点は上がる
- 全体を見通しながら足りない知識を補足する
- ノートにはまとめなくて良い
最低限は理論分野の計算ができなければ無機は理解できない
まずは最低限の理論分野の計算をできるようになることが大切です。
例えば「簡単なmolの計算」「濃度の計算」などは、無機分野全体で出題されます。有機分野でも出題されるため、理論分野の最低限の計算は必ず最初にマスターしてください。
計算が苦手な人は、いつまでも化学の成績が上がりません。
最低限の内容を暗記して問題演習を繰り返すことで得点は上がる
受験勉強をする中で「暗記に取り組みすぎる人」がよくいます。確かに無機分野は知識だけで解ける問題も多いので、知識を先に詰め込みたくなる気持ちはわかります。
とはいえ、無機分野では問題演習で知識をアウトプットすることも重要なため、あまり暗記に時間をかけすぎないよう注意しましょう。
また、暗記の際は「覚えよう」という意識で取り組むよりも、問題演習しながら「思い出す」時間を長く作ったほうが効果的です。具体的には、各章を10~20分くらいの間で覚えられるだけ覚えたら、問題演習に取り組みましょう。
さらに問題演習を繰り返すことで、意外と「知識を完璧に覚えなくても消去法などで解ける問題も多い!」と気付くはずです。
そもそも、入試本番までにすべての知識を暗記した状態を維持し続けるのは難しいですし、入試本番でも「これは何だっけ?」と思いながら解くことはあります。
それでも、問題演習で思い出す経験を積んでおけば、意外と解けるものです。
全体を見通しながら足りない知識を補足する
問題演習をある程度進めた段階で再度暗記に取り組みましょう。こうすることで、再度暗記を進めた際に「この問題ではこんな知識が問われていたな」と思い出せるため、より頭に残りやすくなります。また、1からすべて覚え直すよりも、身に付いていない部分に絞ったほうが短時間で勉強できます。
このように、一度無機分野全体を見通してから必要に応じ足りない知識を補強していきましょう。
ノートにはまとめなくて良い
暗記要素が強い分野ではすぐノートでまとめようとする人もいますが、その必要はありません。
無機分野は最終的に教科書や資料集に載っている内容をすべて覚える必要があります。そのため、自分でノートにまとめ直して、わざわざ情報を減らす意味がありません。
まとめるにしても「演習をしたけど暗記できていなかった」という部分に絞るべきですが、これも特別に時間をかけなくて大丈夫。
教科書や資料集に付箋を貼っておいて、週に1回など定期的に見返すくらいで十分振り返れます。暗記できたと思ったら、付箋を剥がしましょう。
まとめ
化学の無機は暗記要素が強い分野です。最低限の計算は必要ですが、ある程度の知識を暗記していれば安定して高得点を狙えます。模試や入試でも「1/4〜1/3くらい」は無機分野から出題されるため、早いうちに解けるようにしておきましょう。
また、暗記だけでなく問題演習に取り組むことで、「知識を思い出そうとする時間」を確保することも重要です。問題演習に取り組む際は、レベルに合わせて以下の参考書や教材を使いましょう。
- 教科書レベル理解:『スタディサプリ』
- 基本レベルの問題演習:『セミナー』『リードα』
- 早慶上理や旧帝大レベル:『重要問題集』『化学の新演習』
問題演習が終わったら、過去問演習に取り組みましょう。
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監修者|橋本拓磨
東京大学法学部を卒業。在学時から学習塾STRUXの立ち上げに関わり、教務主任として塾のカリキュラム開発を担当してきた。現在は塾長として学習塾STRUXの運営を行っている。勉強を頑張っている高校生に受験を通して成功体験を得て欲しいという思いから全国の高校生に勉強効率や勉強法などを届ける「ストマガ」の監修を務めている。