「高校化学の勉強が理解できていない」「このまま大学受験に突入して大丈夫なのかな…?」という人必見!
この記事ではこれから化学の成績を伸ばしていきたいという人に向けて、すぐに活用できる勉強法をご紹介します。
これを読んで化学の成績をグングン伸ばしていきましょう!


化学勉強法を知る前に「有機・無機・理論」3分野の特徴を振り返ろう!

さきさきのような受験生も多いと思うので、詳しく説明しましょう。
化学には、大きく分けて「有機」「無機」「理論」の3分野があります。
「3つの中でどれかだけ特定の分野だけが重要」ということではありません。
共通テストでは、この3分野すべてから出題されるため、できるだけすべての分野を網羅する必要があります。
それでは、各分野を詳しく見ていきましょう!
有機化学:物質の反応を覚えよう!



有機化学の分野では、有機化合物の構造・検出法・計算問題、高分子化合物の生成法などを勉強します。
官能基や物質の生成など、物質の反応に関する問題が出題されるため、暗記が必須です。
「物質」は世の中にたくさんあるため、一見すると全部覚えるのは大変そうですよね。
しかし、テストで出題される「物質」には共通項があるため、それさえ覚えれば大丈夫です!
有機化学の考え方のコツ
有機化学の知識を暗記する際は、「物質の反応や構造が似ていて混合しやすい」という点に気をつけましょう!
例えば、炭素の位置や数が違うと、名前も機能も違う物質ができてしまいます。それらの似ている物質を文字だけで暗記しようとすると、頭の中でごちゃごちゃになります。
そのため、有機化学を勉強するときは、絶対に図や表で整理して勉強しましょう!
覚える際は、実際に手を動かして書きながら勉強します。
微妙な化合物の構造の違いは、見ただけでは判断できません。手を動かすことで細かい違いも覚えられるようにしましょう。

無機化学:暗記すれば点数が取れる!
無機化学では、金属や無機物質の性質、工業的製法などが出題されます。
無機化学の分野は暗記がとても重要!なぜなら、物質の性質や特徴を問う問題が多く出題されるためです。
知識問題が多いと構えてしまうかもしれません。
しかし、逆に言えば「覚えていれば解ける問題も多い」ので、諦めずに暗記しましょう。

さきさきの言う通り、無機化学では「ジュラルミン」「シリカゲル」「トタン」など、難しい化学的な名前が出てきます。
この単語が何を表現しているかイメージできないままでは、暗記も難しいです。
そのため、知らない単語が出てきたときは、その写真や用途などを調べましょう。
周辺情報を調べることでイメージをつかみやすくなり、より簡単に暗記できます。
無機化学の考え方のコツ
無機化学では、物質の性質や精製法を問われる問題が数多く出題されます。
しかし、無機化学でもっと難しいのは「普段身近に使わない単語が出てくる」という点です。


例えば、この「シリカゲル」の用途を覚えるとき、シリカゲルについて知っているかどうかでは、全く暗記効率が異なります。
そのため無機化学の分野では、「知らない名称の物質などがどういう用途で普段使われているのか?」をできるだけ知ってから暗記を始めると、より効率的に暗記できます。

理論化学:化学の基礎の基礎!


molは、化学を勉強したてのころ、理論化学で勉強します。無機化学や有機化学の計算問題など、化学でよく使われる単位です。
つまり理論化学でmol計算を完璧にしないと、他の分野で計算を行うときつまずいてしまいます。
このことからも、理論化学がすべての分野の基礎となることがわかります。
理論化学の考え方のコツ
理論化学には、知識を問われる問題と計算問題があります。
その中でも計算問題は「覚えた知識を使って解く」ことが多いため、理論化学に対する知識をある程度持っていることが前提です。
例えば、計算問題でよく出題される「中和滴定」「電離平衡」「結合エネルギー」を解くためには、「中和や分子の電離、結合エネルギーがなにか?」を知っていないと解けません。
そのため、まずは理論化学の知識を「理解する」ことから始め、計算問題に応用できるようにしましょう。

暗記だけじゃない!バランスよく勉強して「理論」「有機」「無機」すべてバッチリになろう!

化学3分野とも勉強法の基本は同じ4ステップ!


「有機」「無機」「理論」の分野は問わず、この3分野の勉強手順は以下の4ステップが基本です。
簡単に言えば、内容理解→暗記→演習問題という順番が基本になります。
問題集を先に取り組んだ方が良さそうに見えますが、実は一番危ない考え方です!
その理由を次の項目で確認しましょう。
化学勉強法ステップ1:教科書理解


その通りです、原子は普通の人に見えません。もちろん、中和現象や結合エネルギーが起こる瞬間もありませんよね。
つまり、化学は実際に見えないものの理論を勉強しているので、その分理解することが難しいのです。
そのため化学を勉強する際は、まず一番に「教科書に書いてあることを理解する」ということが必要です。
より詳しい勉強法は以下の記事をチェックしてください!
化学勉強法ステップ2(有機・無機):暗記

暗記内容は、例えば無機化学だったら物質の特徴だったり、有機化学だったら有機化合物の反応だったり…。
他にも色々ありますが、覚えないと答えられない問題もたくさん出題されます。
実際に暗記する際に注意すべきなのが、ステップ1の「教科書理解」ができていないと暗記は難しいということです。
身近な例をあげると、「有機化学」「無機化学」という言葉も、化学を勉強していない人にとってなかなか覚えられない単語かもしれません。
しかし「有機・無機化学とはなにか?」「なんでそんな名前が付いているの?」など、言葉の内容を詳しく知っていくと、自然とその単語の意味が頭に入ってきます。
このように、言葉の内容をよく理解しないと暗記の難易度も上がるため、ステップ1の教科書理解を十分に行ってから暗記しましょう!
また、有機化学は反応や化合物の構造式が似ていたり複雑であったりするので、図や表で整理しながら暗記すると確実に覚えられます。
化学勉強法ステップ3:基本問題演習



「基本の問題演習」を解く際の注意点は、確実に基本問題が解けるようになるまでステップ4「入試問題演習」には進まない、ということです。
確かに問題数を多くこなした方がたくさんの問題に触れられるので、受験では有利に感じるかもしれません。
しかし、「一つ一つの問題が定着しないまま次の問題に進んでしまう」という問題が発生しがちです。
初見の問題を解く時、「その問題をどうやって解くのか」がわからないと正解できません。
つまり、問題演習でも問題一つ一つの解法まで理解できると、初見の問題を解く際にも応用が効きます。
「基本問題演習」で勉強する際には、解法を理解できるようになるまで勉強しましょう。
問題演習の詳しい方法は以下の記事をご覧ください!
化学勉強法ステップ4:入試問題演習


「入試問題演習」を解く際の注意点は2つです。
1つ目は、「現状のレベルに合った問題集を解く」ということです。
「入試問題演習」は、自分の持っている力でいかに問題を解けるかという力試しのフェーズにあります。
そのため、自分よりはるか上のレベルの問題集を選ばないようにしましょう。
2つ目の注意点は、「問題集を最低3周する」ということです。
先ほども言った通り、1問1問の解法まで理解できることで、問題の解答パターンを覚えられます。
そのため、同じ問題を3回解けるようになるまで、繰り返し問題を解きましょう。
基本の4ステップ「教科書理解」「暗記」「基本問題演習」「入試問題演習」を守ろう!1ステップずつ完璧に!
理系化学レベル別勉強法&参考書


高校基礎レベルの化学勉強法
「化学の授業で先生が何を言っているのかわからない」「まだまだ化学に自信がない」という人は、高校基礎レベルの化学から見直しましょう。
高校基礎レベルの化学の知識を身につけるためには、化学の教科書を見直して理解することが重要です。
教科書の記述でわからないところは学校や塾の先生に聞くなどして、できるだけわからないところを無くしましょう。
そうすれば、ある程度化学の基礎を身につけられます。
おすすめ参考書:スタディサプリ高校3年スタンダード化学
「教科書を読むだけで理解できない」「学校の授業がわからなかった」という人には、「スタディサプリ高校3年スタンダード化学」がオススメ!
分野別に「高3スタンダード理論化学」「高3スタンダード無機化学」「高3スタンダード有機化学」があります。
以下のステップで勉強しましょう!
- Step1.
- テキストを用意して授業を見る。
- Step2.
- 授業を見終わったらテキストをざっと見直して復習する。
- Step3.
- 確認テストに取り組む。
- Step4.
- 間違えた箇所のテキストを見直す。わからないところがあれば、その部分だけ再度授業を見直す。
これが終わったら、もう一度テキストの頭から問題に取り組みます。テキストを合計で3周し、間違える問題が0にしましょう。

共通テストレベルの化学勉強法

共通テストレベルでも、重要なのは基礎を完璧にすることです。
共通テストで化学を選択する人は、理系学部を目指していると思います。
私立の一般試験や国立の二次試験などで応用問題が出題される可能性もあり、基礎が理解できていないと解けないので注意しましょう。
おすすめ参考書:化学(化学・化学基礎)基礎問題精講
共通テストレベルを目指す人にオススメなのが、「化学(化学・化学基礎)基礎問題精講」です。
この参考書には、入試にも対応できる基礎問題が掲載されているため、共通テストや個別の入試問題に対応できる化学の基礎力を身につけられます。
以下のステップで勉強しましょう!
- Step1.
- 問題に取り組む。
- Step2.
- 間違えた問題の解説を読んで、理解する。
- Step3.
- 最後まで解いたら、もう一度参考書の頭から問題に取り組む。
- Step4.
- 間違えた箇所の解説を読む。
- Step5.
- 最後まで解いたら、間違えた問題だけもう一度頭から解き直す。
- Step6.
- 間違えた箇所の解説を見る。
3周して間違える問題が0になるまで取り組みましょう。

詳しい共通テストの解き方・勉強法を知りたい人はこちら!
MARCHレベルの化学勉強法



「共通テストレベルがある程度解けたのでMARCHレベルを目指したい!」という人は、少しずつ応用問題の演習を始めましょう。
おすすめ参考書:化学重要問題集
MARCHレベルを目指す人は「化学重要問題集」を解きましょう。
教科書レベルの知識を土台とした演習問題がいくつか掲載されているため、これから応用問題を始める人にオススメです。
以下のステップで勉強しましょう!
- Step1.
- 問題に取り組む。
- Step2.
- 間違えた問題の解説を読んで、理解する。
- Step3.
- 最後まで解いたら、もう一度参考書の頭から問題に取り組む。
- Step4.
- 間違えた箇所の解説を読む。
- Step5.
- 最後まで解いたら、間違えた問題だけもう一度頭から解き直す。
- Step6.
- 間違えた箇所の解説を見る。

早慶レベルの化学勉強法

演習を重ねていて、ある程度の応用問題に慣れてきたという人は、早慶レベルの勉強を始めましょう。
おすすめ参考書:理系大学受験 化学の新演習
上記の「化学重要問題集」よりも難易度が高いため、「化学重要問題集」が終わった人が解きましょう!
問題集の中身は、星1〜3個でレベルが分かれており、星3つは京大の過去問など難関国公立大学にも対応できるレベルです。
解説がとてもわかりやすいのも特徴です。
以下のステップで勉強しましょう!
- Step1.
- 問題に取り組む。
- Step2.
- 間違えた問題の解説を読んで、理解する。
- Step3.
- 最後まで解いたら、もう一度参考書の頭から問題に取り組む。
- Step4.
- 間違えた箇所の解説を読む。
- Step5.
- 最後まで解いたら、間違えた問題だけもう一度頭から解き直す。
- Step6.
- 間違えた箇所の解説を見る。

自分のレベルにあった参考書からスタートしよう!
化学勉強法Q&A|計算のコツは?いつから勉強する?化学の疑問を解決!

化学勉強法の質問1:理論化学の計算がどうしても苦手……コツは?


その3パターンとは以下です!
- mol計算が苦手
- 計算以前にその分野の知識が十分でない
- 単純に計算ミス
それぞれのタイプによって対処法が変わります。
①mol計算が苦手な人の対処方法
mol計算が苦手という人は、もう一度モル計算の勉強を見直しましょう。
教科書や問題集でmol計算の項目に戻り、問題を解いてみるのもいいでしょう。
②計算以前にその分野の知識が十分でない人の対処方法
その分野の知識が十分でない人は、もう一度知識の理解が必要です。
問題集中の計算問題の解説を詳しく読んだり、教科書をもう一度見直すなどして、分野理解から始めましょう。
③単純に計算ミスをしてしまう人の対処方法
時間がなくて焦っていると、計算ミスしやすくなってしまいます。
そんな人はある程度計算のパターンを身につけておくと、計算ミスの頻度が減ります。
間違えやすい分野の計算問題を参考書などでいくつか解き、その計算方法に慣れておくようにしましょう。

化学勉強法の質問2:覚えることが多すぎ!暗記のやり方を教えて!


例えばイオン化傾向を確認しましょう。
Li K Ca Na Al Zn Fe Ni Sn Pb H Cu Hg Pt Au
イオン化傾向は覚えるにあたって語呂合わせがあったりしますが、語呂を覚えただけでは「KとCaどっちが先だっけ?」など、細かい部分までは覚えられません。
手を動かすと暗記力も上がるので、図や表を書いて整理するのもオススメです!
化学勉強法の質問3:いつから勉強すればいいの?他の科目とのバランスは?


理科は、英語や数学に比べて勉強時間が少ないため、高3に始めても受験には間に合います。
そのため、化学よりも英語や数学など、すぐに成績が伸びにくい科目から取り組みましょう!
高2のうちは数学や英語を勉強して、化学は授業でやってる範囲をわかっていればOKです。
最後に、今回の質問への回答をまとめておきましょう!
- 計算は苦手なタイプごとに対策する!
- 暗記は手を動かして覚える!
- 化学は高3からでも大丈夫!英数がまだ固まっていなければそちらから!

まとめ

- 化学の基礎は教科書理解!教科書を理解していないと暗記も演習問題も取り組めない。
- 教科書理解>暗記(有機・無機)>基本問題演習>入試問題演習の順に勉強を進めるようにしよう!
- 高校基礎レベル>センター試験レベル>MARCHレベル>早慶レベルで勉強方法は異なる
もっと具体的に「このとおりに勉強すれば化学の勉強は完璧、という参考書の流れが知りたい!」という方は、ぜひSTRUXの参考書マップを活用してください!

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