化学勉強法

化学 有機化学 勉強法|難しい構造決定ができるようになる暗記法を紹介

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さきさき喜ぶ表情
先生、あたしが一番好きな有機化合物って何か知ってる?
ベンゼン?
さきさき笑う表情
ブー!アセトアルデヒドでしたー!
なんで好きなんだ?
さきさきやる気
これしか知らないから!!(泣)
それはやばいなあ。よし、今回は有機化学の勉強法について教えよう。苦手な人が多い構造決定についても解説するぞ。
さきさき泣く表情
は~い。

戦略01 有機化学のいろは

有機化学の定義は、「炭素を含む化合物について学ぶ分野」です。

さきさき喜ぶ表情
「炭素を含む化合物」だけか!じゃあそんなに覚えることなさそう!

……と思ったあなたは大間違いです。炭素の配置がちがうだけで多様な化合物が作れてしまうので、無機化学と同様に、有機化学も覚えることは膨大にあります。

それに、暗記だけでなく、構造決定のような複雑な思考力を要する問題もあるのです。

とはいえ、有機化学の勉強は暗記がメインです。ですが、「正直有機化学って、どこまで覚えればいいの?」という人もいるのではないでしょうか。たしかに、覚えだしたらきりがありません。細かいところまで調べれば、いくらでも知識は存在します。

ですが、この記事を読んでいる人は、主に大学受験レベルの有機化学が身につけばいいと思うので、暗記のゴールは、教科書に書かれていることをすべてマスターする、ということになります。

まずは教科書に書いてある事項を完璧に!

戦略02 有機化学の暗記と構造決定、おすすめ勉強法はこれだ!

有機化学の勉強は、以下の3ステップに分けられます。

この記事では、「暗記」と「構造決定の問題演習」に焦点を当て、どのようなポイントをふまえて暗記をしていくべきなのか、を解説します。

教科書の理解と問題演習の具体的なやり方については、以下の記事を参考にしてくれ!
化学の教科書は、その後の問題演習や入試問題の基礎になる部分です。この記事では、膨大な知識を整理し、効率よく問題を解くための勉強法を紹介します。続きを読む≫
化学の問題演習を紹介。しっかりインプットしたのに、全然点数伸びなかったなんてことありませんか?この記事ではそんな人のための問題演習について解説。続きを読む≫

有機化学・暗記のコツ!

有機化学の暗記は、教科書通りに単調に覚えていくのもありですが、それだけだとどうも身につかない、という人も多いのではないでしょうか。

さきさき怒る表情
わかる~~。

そこで、次の2つの観点から暗記することをおすすめします。

  • 名前と構造式、およびその性質を化合物ごとに覚える
  • 反応の流れで覚える
1つずつ見ていこう!

名前と構造式、およびその性質を化合物ごとに覚える

繰り返しになりますが、有機化学は覚えるべきことが膨大です。そこで、まずは誰もがやるように、化合物ごとにおさえていきましょう。

たとえば、

「安息香酸は、構造式はベンゼン環にCOOHがくっついたもの。水には溶けにくいが熱水には溶け、水溶液が弱酸性を示す。塩酸などの強酸を加えれば遊離して、白色結晶が出てくる」

…といった感じです。

さきさき笑う表情
やすいきかおりさん?。
そんな女性みたいな名前ではない。「あんそくこうさん」だ。

サキサキのように、安息香酸が何なのかがわからないと、そもそも問題も解けません。よって、この当たり前の暗記はまずやるべきです。

反応の流れで覚える

上の当たり前の暗記に加えて、有機化学ではもう1つすべきことがあります。下のような図を見たことはありませんか?

(数研出版ホームページより引用)

さきさき笑う表情
教科書に載ってる!

これは、ある物質に別の物質を加えたり何らかの化学的操作をしたりすることによって、どのような物質が新たに生成されるかを図解したものです。たくさんの矢印がいきかっていますね。

ということは、有機化学で取り扱われる物質は、特にお互いの関わり合いが強いのです。

これを利用して、反応の流れで覚えていく、というのが、もう1つ必ずやるべきことです。

たとえば、さきほどの安息香酸なら、トルエン(ベンゼン環にCH3がついたもの)という物質を酸化するとベンズアルデヒド(ベンゼン環にCHOがついたもの)が得られ、それをさらに酸化して安息香酸が得られます。

わかりやすく言えば、安息香酸はほかの物質の進化形なんですね。ほかの物質も同様です。

しかも、酸化という反応はCH3がCHO基になってそれがCOOH基になるという法則性もあります。

このような流れで暗記をすれば、一気に記憶に残りやすくなりませんか。

さきさき慌てる表情
ほんとだ!!
これなら覚えられそうだろう?
さきさきやる気
で、暗記の仕方はわかったんだけどさ、どの参考書を使ったらいいとかはあるの?。
基本は教科書でいいぞ。だが、もちろん違う参考書でもいい。以下の記事で解説しているから参考書選びの参考にしてくれ。

有機化学・構造決定の勉強法

さて、有機化学で多くの人が苦手とするのが、「構造決定」です。

もう知っている人もいるかもしれませんが、その内容を簡単に説明すると、

構造決定=与えられた条件から、正体不明の複数の物質が何かを推察して明らかにしていく問題

です。

さきさき喜ぶ表情
へえ~なんか犯人さがしみたい!名探偵サキサキ!
……。

サキサキはやや調子に乗っていますが、あながち間違っていません。構造決定は、複数ある可能性の中から条件をもとに可能性をひとつひとつつぶしていき、答えにたどりつくというパターンで、いうなればパズルのような問題です。よって、できるようになると、結構楽しい問題です

ただ、できるまでがつらく、できない人は本当にまったく手が動きません。それゆえ、もっとも化学で差がつきやすい部分でもあります。M

構造決定を得意にするには、3つの要素が必要です。

  • ① 異性体をもれなくだぶりなく書き出す
  • ② 構造決定の問題で使える形で知識を覚える
  • ③ とにかくたくさんの問題を解いて慣れる
世間では、③ばかり強調される傾向にあるが、大事なのは①と②だ!1つ1つ見ていこう

① 異性体をもれなくだぶりなく書き出す

さきさき怒る表情
いせいたい、ってなに??
分子式は同じ、つまり持っている元素の数は同じだが、構造が異なる物質のことだ。構造異性体と立体異性体の2つに分けられる。ここでは主に、構造異性体について扱うぞ。

たとえば、C3H8Oという物質なら、

※簡略化のため骨格だけを書いています
など、複数の構造が考えられます。これらは、当然、性質も違います。

この異性体を書き出す作業は、いくらか訓練していないとよく混乱します。その1つの例として、

はちがうものでしょうか?

さきさき笑う表情
ちがう!

実は同じなのです。炭素骨格は、折り曲げたり逆にしたりしたものは、同一のものとして扱います。このようなルールをふまえつつ、もれなくだぶりなく書き出していかないといけません。

これは、多くの問題集に、「○○の異性体をかけ」「△△の異性体は何個あるか」などの異性体にまつわる問題が載っているので、それを通して練習しましょう。

② 構造決定の問題で使える形で知識を覚える

ここが、多くの高校生ができていない大きな部分です。構造決定が難しいことのひとつに、教科書的な暗記で得られる知識と、有機化学で使える知識との間に差があることが挙げられます。

さきさき泣く表情
どゆこと??

再び安息香酸を例にあげましょう。安息香酸は、トルエンが変化して得られるのでした。これだけを普通に暗記すると、

トルエン → 安息香酸

という結びつきが頭に残ると思います。これはまったく問題ありませんが、構造決定を解く上では、不十分です。構造決定で一番大事なのは、トルエンが変化して安息香酸になる、というところではないのです。

さきさき怒る表情
は??それ以外に何があるの??

一番大事なのは、トルエンは「過マンガン酸カリウムなどを触媒にして酸化することで」安息香酸になる、というところです。なぜなら、たとえば安息香酸がからむ構造決定問題には、次のような記述があるからです。

「ある化合物Aを過マンガン酸カリウムで酸化すると、新たに化合物Bが得られた」

このように、肝心の化合物の名前は当然のことながら隠してあるわけで、そんな中から手がかりをつかまないといけないのです。Aがトルエンで、Bは安息香酸だということがわかるためには、構造決定を解く上で大事なのがどの部分かは明らかですね。

さきさき笑う表情
なるほどな~~~

ほとんどの教科書や参考書は、このように構造決定の問題を解くのに役立つ形での知識の提供はしてくれていません。しかし、有機化学の構造決定に強くなりたい人向けに、ぜひおすすめしたい数少ない有機化学対策の本が、

『ここで差がつく 有機化合物の構造決定問題の要点・演習』

という参考書です。単なる知識ではなく、「構造決定の問題で使える形で」知識が整理されているのが、一番の魅力です。

詳しい本の内容は下の記事で解説しているので、ぜひこちらも参考にしてくださいね。

③ とにかくたくさんの問題を解いて慣れる

①と②がそろっても、やはり実際に問題を解いて、その名の通り自ら「構造」を「決定」する経験をしないと、元も子もありません。

①と②ができたら、問題集に載っている構造決定の問題で演習しましょう。最初のうちは、「この条件から……えーと、AとBは○○か△△で…。」というように、ゆっくり推察して、ゆっくり答えを出せればよいです。

ただ、模試や入試本番では制限時間がありますから、数をこなす中でだんだんとスピードと処理力をあげていきましょう。①と②が身についた状態で10~15問ほど解けば、だいぶ楽に、それもサクサクと楽しく、構造決定できるようになっているでしょう。

おすすめの問題集については以下の記事を参考にしてください。

「構造決定楽しい!」と思えるようになればしめたものだ!
さきさき喜ぶ表情
はやくそんな状態になりたい~~。
それにはまず①と②を通して、問題を解く基盤をつくることが最優先だな。

戦略03 有機化学の勉強で注意すべきこと

ここで、有機化学を習得する際に特に注意すべきことがあるのでふれておこう。。

暗記量は膨大。後回しにしないこと。

有機化学は何度も言っている通り量がとんでもなく多いです。よって、後回しにしないことが重要です。学校で習ったときに、定期テスト対策をしますね。そこで「教科書の内容は二度と忘れない!」というレベルで繰り返し暗記しましょう。

とはいえ、やはり一度では忘れてしまいますし、ほかにやることも多いでしょう。ですので、有機化学は、受験する年の夏休みまでには完璧にしておきましょう。 9月以降に暗記をしているようでは、問題演習に時間を割くことができません。特に有機化学は、志望校によっては構造決定まで対策する必要があるので、なおさらです。

さきさき泣く表情
急がなきゃ~~。
もし、「学校の授業で有機化学が夏休みまでに終わらない!」という人がいれば、下のカリキュラム記事を読んで、独学で進めておこう!

きれいなノートを作りすぎない

有機化学は、覚えることが多い分、まとめノートを作る人もいるのではないでしょうか。

さきさき喜ぶ表情
世界一かわいいノートを作るんだ!
それはまったくダメな勉強法だ。
さきさき慌てる表情
ええ!?マジ!?なんで!?

簡単に言えば、その時間がもったいないからです。きれいにまとまっている参考書は市販のものでたくさんありますから、きれいさや詳しさを求めるならそれを使えばいいわけです。

さきさき慌てる表情
じゃあどんなノートならいいの?

まとめノートを作る際は、自分が読んでわかればそれでOKです。よって、客観的に見れば汚い字でも、あるいは黒一色で書いても、自分が読めて、自分が暗記できればそれでいいわけです。

どうしても色をたくさん使ってまとめたくなるかもしれませんが、無駄にカラフルな、かつきれいなノートづくりは時間の無駄です。色は多くても2色、字は自分が読めれば十分です。

また、さきほどお見せした反応系統図を、自分で一から書こうとする人もいますが、これもあまり意味はありません。なぜなら、教科書や参考書にきれいなものが載っているからです。その図を一から自分で手で書くのは、割と手間ですし、不要です。図を苦労して描いたことによる達成感は残りますが、知識はあまり身についていないでしょう。

まとめ

今回のまとめだ!
  • 有機化学は量が膨大!ゴールはひとまず教科書の内容を理解すること。
  • 有機化学暗記のコツ
    名前と構造式、およびその性質を化合物ごとに覚える&反応の流れで覚える
  • 構造決定は問題を解きまくるだけでは意味がない。
    1. 異性体をもれなくだぶりなく書き出す
    2. 構造決定の問題で使える形で知識を覚える
    3. とにかくたくさんの問題を解いて慣れる

     の3点セット!

  • 受験する年の夏休みまでに暗記を終わらせよ!
  • きれいすぎるカラフルなノートづくりは時間がもったいない!
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