「共通テストの化学ってセンターとどこが変わったんだろう?」「センターの過去問だけやっておけば、共通テストってできるのかな?」
こんな疑問をお持ちではないでしょうか?
こちらの記事では、共通テストの化学と、従来のセンターの化学との違いを丁寧に解説していますので、これを見れば違いが全て分かります。
大問構成の違いは??
【共通テスト化学】と【センター化学】の問題構成の違い
共通テスト化学の大問構成はセンター化学からと大きく変わりました。
センター試験では大問6問構成で、最後の1問に関しては2つの大問から選択する形でした。
この選択解答の大問に対応している単元が「合成高分子」と「天然高分子」でした。
共通テストでは、大問5問構成で選択問題がなくなりました。
そのため「合成高分子」も「天然高分子」もどちらも必ず勉強しなければならない形になっています。
現役生で学校の授業進度が遅い場合には少しだけ準備にかかる時間が増えたといってもいいでしょう。
配点の違いは??
【共通テスト化学】と【センター化学】の得点配分の違い
配点も問題構成の変化に合わせて変化しています。
センター試験では第4問までに90点、第5問と選択した大問で合わせて10点でしたが、
共通テストでは以下のようになっています。
第1問 26点
第2問 20点
第3問 20点
第4問 19点
第5問 15点
大問ごとに「理論化学」「無機化学」「有機化学」という風に分かれているわけではなく、この3つの大きな分野の得点配分というのは分かりにくくなりました。
しいて言うなら「理論化学」の配点が大きいことはセンター化学のときと変わりません。
試験時間・解答形式の違いは??
【共通テスト化学】と【センター化学】の違い
マーク形式で、試験時間が60分ということは変わりませんが、見慣れない化合物や現象も出題されますから、
これに慣れていない場合には、時間内に解き終わるのが難しくなりました。
解答形式は従来のものと変わりません。
共通テスト化学とセンター化学の【出題傾向】の違い

センター試験の頃と比べて問題の種類や問い方が大きく変わったわけではありませんが、共通テスト化学ならではの特徴が2つあります。
それは以下の通りです。
・教科書では出ない化合物や言葉、現象が出題される
・常用対数表、対数グラフが使われる
それぞれ詳しく解説します!
教科書では出ない【指導要領外】の化合物や言葉、現象が出題される!
共通テスト化学ではセンター試験では見られなかった「指導要領外」からの出題があります。

指導要領外とは、教科書には載っていないため、学校では習わない内容のことです。
30年度の試行調査で出題された指導要領外の内容をまとめるので具体的に見てみましょう。
・イオン内電荷の偏りと水への溶けやすさ(第2問B)
・C1化学(第3問A)
・p-アミノフェノール、アセトアミノフェン(第3問B)
・アルギン酸(第5問)

このように学校では習わない指導要領外の内容も出題されるのが共通テストの特徴です。
習っていない内容は問題文中に説明が書かれてあったり、化合物のときには構造が書かれてあったりするのが普通です。
ですから問題文をしっかり読めば、これらの内容も「学校で習う範囲の知識」を用いて理解できるように作られています。
教科書以上のことを必死に勉強して準備する必要はありません。
それでも「見慣れない化合物を見かけたら手が止まる」ということがないように、慣れておく必要があります。
旧帝大レベルの大学群や一部の医学部なども、指導要領外の化合物を問題にすることがありますので、
これらの大学を受験する受験生にとっては、共通テスト対策が個別試験の良い練習になるはずです。
そういった難関大でもやはり本文中に説明がなされていたり、化合物の構造が書かれていたりすることが普通です。
常用対数表・対数グラフが使われる!
2020年、最後のセンター試験でも対数グラフは出題されて大きな反響がありました。
センター2020第2問 問3 引用
ですから対数グラフに関しては厳密に言えばセンターと共通テストとの違いではありませんが、
30年度の試行調査では、第4問の問4では対数グラフと呼ばれるものが登場しています。
第4問 問4 引用
また次のような常用対数表を使って解かなければならない問題が出題されました。
第4問 問3 引用
こちらは数学2では見てもおかしくない表にはなっていますが、化学で見かけることはないので急に出てくると身構えてしまうこともあるはずです。
どちらも問題文をよく読めば、初めて見た受験生でも理解できる作りにはなっていますが、
そこで時間をかけてしまうと制限時間内に解き終えるのが難しくなってしまいます。
対数グラフや対数表は共通テストの化学では出てくることがあり得るものと考えて、試行調査や予想問題集で対策をしておくことが重要でしょう。
理論、無機、有機が混ざった大問が出題される
細かい部分で言うと、センター試験のときとは違って、理論、無機、有機がハッキリ分かれていない大問が出題されるようになりました。
センター化学のときには、「理論化学」で大問2つ、「無機化学」で大問1つ、「有機化学」で大問3つというのが定番の形となっていました。
例えば30年の試行調査の第2問などは「無機化学」「理論化学」が混ざったような問題になっています。
ただし、これらの問題は問題集を解いていれば普通に見かける問題ですので、特別対策をする必要はありません。
まとめ
この記事のまとめです。
共通テストとセンターの化学を比較すると、
・大問構成に変化があり、全問必答の5問構成になった
・対数表や対数グラフが出題される可能性が高くなった
・指導要領外のものの出題の可能性が高くなった
となります。
Q&A
- 共通テストの対策としてセンター試験の過去問を使うのは効果的ですか?
- 化学に関してはセンター試験の過去問を使うことも有効な手段です。
ただし、出題形式になれるため最低でも5回以上は共通テスト形式の問題を解き、それと合わせてセンターも5年分使って演習するなど、
ハイブリッドな方法で勉強するのがおすすめです。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
→予想問題