慶應義塾大学医学部傾向と対策

私大最難関の医学部、慶応義塾大学医学部。偏差値も立地もよく、医学部受験生にとっては「トップクラスの学生が集う憧れの医学部」というイメージでしょう。
私立大学の中でも最も古い歴史を持ち、卒業生も各界に大勢います。そのため、慶応大学医学部卒という学歴は、臨床医としてだけではなく研究医として働くにあたっても非常に有利であるといえるでしょう。

学問のカリキュラムとしては、1年次は概ね教養教育が課せられており、2年次からは医学専門教育課程が始まります。3年次から臨床医学が加わり、臨床実習は5年次、6年次に実施します。慶応大学医学部の特徴として、3年次に「自主学習」と称して研究室で研究活動を行う期間が設けられており、4ヶ月間研究に没頭することができます。

一方で、部活動やサークル活動も盛んであり、勉強以外にも充実した大学生活を送ることができる環境が整えられています。勉強も遊びも満喫した上で将来の活躍が見据えられるというところが、人気の理由であるといえるでしょう。

Part.1 慶應義塾大学医学部の試験・出願情報

慶応医学部の試験は言わずとしれた難問揃い。そのため、入試問題の傾向に沿った対策を考え、手順に沿って一つ一つ攻略していきましょう。

医学部の試験日・入試形態・出願について

一般入試
期日 2月19日(一次)
3月1日(二次)
共通テスト 不要
2次試験 あり
出願時期 12月末~1月
科目 1次:英・数・理
2次:小論文・面接

ここでは、一般選抜を中心に見ています。医学部と言うだけあって科目数も多く、二次試験で小論文・面接まで課されるなど国公立と同等レベルの内容が求められることになります。

一次試験の点数が合否に大きく関わってきますので、一次試験までは各科目の勉強に専念します。小論文・面接対策は一次試験の合格発表の後でも間に合うでしょう。

Part.2 医学部の配点と目標点

先述の通り、慶応医学部の配点や入試傾向は様々な予備校によって研究されていて、その分やるべきことも明確になりやすいです。何より得意科目・苦手科目によって「どの科目で点をとって合格するか」の戦略が立てられます。
この戦略によって合格率を高めることができるので、様々なパターンを基に参考にしてみてください。

配点・科目

英語150点、数学150点、理科各100点の500点満点です。この点数をもとに一次試験の評価を行い、一次試験を通過したら二次試験となります。配点の高い英語・数学は難易度が高いうえに時間の余裕もあまりないので、過去問や参考書で練習を積んでおきましょう。

理科は「物理、化学、生物」の中から二科目を選択することになります。基本的には得意科目を選択すれば良いですが、比較的得点が取りやすい「物理・化学」選択をする人が多いです。

ただし、物理では他大学であまり出題されない原子物理の範囲を勉強する必要があること、また化学の問題の題材として生物分野が取り上げられることから、慶応医学部では生物選択がやや有利ともいえます。物理では計算問題が主体となり、生物では思考問題・記述問題が多いため、どちらが得意かを見極めて選択すると良いでしょう。

目標点数 *矢印は得点換算

合格最低ライン目安(一次)
300点
パターン1:標準
英語 100/150点
数学 100/150点
理科 130/200点
合計 330点
パターン2:数学が得意
英語 90点/150点
数学 120/150点
理科 120/200点
合計 330点
パターン3:理科が得意
英語 90点/150点
数学 90/150点
理科 150/200点
合計 330点

過去2年の合格最低点はいずれも60%強で、他の理系学部と比べると比較的高い点数になっています。他の大学では高得点を求められることも多い医学部なので、基本的な内容は完璧であることを前提に、難問でいかに点数を確保できるかがポイントになってきます。

基本的には「全科目まんべんなく65〜70%を目指す」か「得意教科1科目で満点近くを狙い、他でもほどほどに取る」という戦略のどちらかを選ぶことになります。

理科は1科目の配点が低いため、理科片方だけが得意という場合は他の英語や数学、もう1科目の理科でもある程度高得点を狙わなければいけません。

模試一覧
5月 第1回駿台全国模試
9月 第2回駿台全国模試
10月 慶大プレ
11月 早慶オープン
全統医進模試

慶応医学部の入試問題は難易度が高く、一般の模試で合否の判定は難しいです。「駿台全国模試」と「全統医進模試」は問題形式が慶応医学部入試問題に近く、理系の成績上位層も受けることから、受験する価値は高いでしょう。模試でいきなりA判定を取るのは難しいと考えられるため、まずはB判定あたりを目指して徐々に判定を上げていくと良いでしょう。

併願校・志望変更

関東の私立大学
順天堂大学、慈恵医科大学、日本医大、東邦大学

私大医学部でひと通り見ていくのであれば、偏差値だけでなくその大学の国試までの教育システム、授業の評判なども確認しながら選んでいくと良いでしょう。

医学部のある私大で上位から見ていくと、慶應の併願として多いのが順天堂大学、慈恵医科大学あたりになってきます。ここからさらに偏差値を下げていくと、日本医科大、産業医大、自治医大が候補に入ってくることになります。ただ自治医大・産業医大は少し特殊な試験システムでもあるので、よく調べた上で選ぶようにしましょう。

関東圏で絞るとしたら順天、慈恵医大、日本医大、東邦大学などになります。ただ医学部の場合「浪人してでも行きたい大学がある」という人も多いため、上位の希望の大学を目指しても良いでしょう。

国公立大学
東大、京大、阪大など旧帝大上位レベル

国公立医学部の併願として慶応を選択する場合、慶應医学部レベルであればほとんどの国公立医学部よりもレベルが高くなってしまいます。

東大、京大、阪大など旧帝大上位レベルの医学部とほぼ同等から少し下に位置するため、それらの大学を目指したものの共通テストで失敗した際に第一志望に切り替えるというやり方も可能ですし、純粋に併願として慶應、順天当たりを受けるという人は多い印象です。

Part.3 科目別の勉強法と攻略法

さて、ここからは具体的な攻略法をみていきます。科目数が多くなるため、英語・数学を最優先で固めていくことになります。

医学部志望であれば基本的には高1のときから英語・数学は学校の授業レベルは完璧に理解しておきましょう。
できれば数学は多少予習を進めて、高3のGWごろには数3が基礎レベルまで一通り理解しているようにしておきたいです。このペースで理科も高2の夏前から本格的に予習を進めておくことで、高3の夏前から入試レベルの対策に専念することができます。

英語

長文3つと自由英作文(100語程度)の問題で、テーマは医学生理学的なものを中心に多岐にわたります。

「ものすごく難しい」というわけではないですが、一つ一つの文章がある程度長く、長文問題中に和訳・英訳問題や並び替え問題が出題されるため、様々な対策を並行して進めておく必要があります。また、問題を時間内に解けるよう過去問演習を入念に行っておいたほうが良いです。

医学部頻出のテーマは医学部向けの単語帳や長文問題集などでも取り組むことができますので、活用してみましょう。

数学

数学はほとんどがマーク式問題で、最後に証明問題が出題される場合もあります。
出題範囲は数1A2B3のすべてですが、数3と数A、数Bの出題率が非常に高いため、特にこの範囲の演習は難易度の高い問題まで入念に行っておく必要があります。

マーク式なので早めにセンター過去問などで基本的な演習は済ませ、他学部の過去問等も活用してたくさん演習を重ねておきます。
部分点が取りづらいため、「合格る計算」「カルキュール」などで計算の正確性を固めておきましょう。

物理

物理は記述式・マーク式いずれも出題され、他の大学入試ではあまり見かけない原子の範囲も2020年には出題されています。
物理も学校の授業のペースでは対策が間に合わないため、夏前には全範囲を履修し、「重要問題集」などのレベルまでたくさんの問題に当たって慣れておきましょう。

化学

化学は慶應らしい空所補充・記号問題と計算・記述問題が半々くらい出題されます。
化学も高3の夏前には出題範囲を一通り学習し、入試レベルの「新研究」などまでやりきります。穴埋めは細かい知識が求められるため、資料集なども毎回必ず読み込むようにしましょう。

生物

同じ慶應の看護系と比べても格段に難易度が上がっているのが生物です。
記述問題・計算問題が多く、かつはじめて見るような図も多く出題されることから、早めに基礎を固めておき、「標準問題精講」「重要問題集」や、実験系の問題を集めた「実戦生物実験・考察問題集」などで難しい問題まで対策する必要があります。

小論文

基本的には二次試験のみの活用なので、一次試験が終わってからの対策でも問題ありません。
ただ、文章を書くことに自信がない、論理的に記述できないという場合は、高3の夏くらいから少しずつ添削をしてもらっておくと良いでしょう。

指定文字数は600~700字で、ニュースや新聞で話題となっている社会問題や医療問題がテーマとして出題される傾向があります。 そのため、日頃からそれらのニュースの情報を収集し、問題点を掘り下げて自分の考えを整理しておくと良いでしょう。