慶應義塾大学医学部　小論文の対策

• 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。

この記事では、慶應義塾大学医学部・小論文の攻略に必要な情報をすべて、レベルごとにお伝えしていきます。

慶應義塾大学医学部・小論文の出題傾向

慶應義塾大学医学部の小論文は1次試験合格者に対し、2次試験で面接とともに課されます。小論文と面接には配点が設けられていませんが、1次試験合格者のうち2次試験を突破できる受験生の割合は6割弱。出題テーマは一般的にありがちな医師を志すきっかけとなった出来事やモチベーションを書くものではなく、医師に限らず人間としての倫理観を自分の言葉で表現する力を問う出題が例年行われています。2020年と2019年はともに文学作品を読んで「復讐」に関する所見を書く問題でした。

慶應義塾大学医学部・小論文の各問題の特徴

大問構成はこのようになっています。

• 第1問　小論文問題（600~1,000字程度）

慶應義塾大学医学部の小論文はテーマ型で、1～2テーマの設問に対して合計1,000字程度の論述を求められます。

慶應義塾大学医学部・小論文の時間配分の例

慶應義塾大学医学部の小論文は50分。小論文は構成を考えてから書き始める訓練が必要です。構成を作らずに書き始めると、修正に余計な時間がかかって満足できる解答が出来ない可能性が高くなります。こうした戦略は日頃の学習できちんと練習しておかないと本番で実行するのは難しいため、模試や過去問を使って試験の要領をつかんでおきましょう。

時間配分の例

慶應義塾大学医学部の小論文では、与えられた文章をもとにした論述テーマが必ず与えられます。そのため、いきなり本文を読み始めるとどこに注目しながら読めばよいか分からず漫然とした読み方になってしまいます。試験が始まったらまず「論述のテーマ」の把握をしてください。テーマを最初に把握しておくことで、読解もポイントを押さえながらスムーズに行えます。

また、小論文は構成に時間をかけず本文を書きながら構成を整えていけばよいと考える受験生も多く見られます。しかしそれでは執筆の方向性が定まらないまま文章を書くことにもなりかねず、時間の浪費につながります。構成こそ文章の方向性を明確にし、全体的な解答時間短縮のためには必要な作業であることを忘れないでください。

慶應義塾大学医学部・小論文で必要な学力レベル

慶應義塾大学医学部の小論文は毎年異なるテーマが出題され、与えられた文学作品などの文章をその場で読み、自分の考えを表現する必要があります。ここでは2次試験を突破するために求められる学力レベルをチェックしておきましょう。

レーダーチャート

ここでは、学習塾STRUXが使用しているレーダーチャート分析をもとに、慶應義塾大学医学部の小論文に必要な参考書・レベルをチェックしていきます。

慶應義塾大学医学部・小論文のレーダーチャートはこのようになります。

慶應義塾大学医学部・小論文のレーダーチャートはこのようになりました。

意見論述が主なテーマであり、与えられた文章をもとにして自分ならどう考えるかを限られた時間内に構成・執筆する力が求められます。

ここ数年の頻出テーマ

ここ3年の出題テーマをまとめています。2020年度は「さるかに合戦に関する論文を読み、復讐に関する自身の考えを述べる問題」で、2019年度は「芥川龍之介の小説を読み、同じく復讐について論述する問題」でした。2018年度はテーマが2つあり、1つ目は「ネット注文した『がんに効く水』しか摂取しない患者にどう言葉をかけるか」、そして2つ目は「自分の考える人生の意味について表現する問題」でした。

慶應義塾大学医学部・小論文が解けるようになるためのレベル別勉強法

ここからは、慶應義塾大学医学部の小論文で合格点をとれるようになるための勉強内容をご紹介します。これから小論文の勉強を始める人は最初から順番に進めてください。あるいは基礎が仕上がっており、慶應義塾大学医学部に特化していく場合は途中から読み進めてOKです。

小論文の基本を最短で習得するカリキュラム

小論文の学習では、まず文章執筆に関する基本的な作法を身につける必要があります。どのような文章なら点を取れるのか、また避けるべき表現や構成の注意点といった小論文の基本をここで習得しましょう。

• インプットスタディサプリ小論文入門
• インプットスタディサプリ小論文
• インプット大学受験小論文ルールブック
• インプット落とされない小論文

まずは「スタディサプリ」などの映像授業を活用し、小論文の試験ではどのような内容が求められており、また採点基準としてどのようなポイントをマスターしておけばよいかといった入試小論文の概要を押さえましょう。

なお現代文に苦手意識を抱えており、文章の読み書き自体に抵抗のある場合は「システム現代文」など現代文の問題集から先に学習を始め、読解力を鍛えて現代文に親しんでおくとよいでしょう。

次に進むポイント

• 小論文の原稿用紙の使い方や文法上の注意点を理解した
• 小論文の書き方・文章構成の型を覚えた

慶應義塾大学医学部の問題を解けるよう、レベルを上げていこう

慶應義塾大学医学部の入試問題を解くためには、理解だけでなく理解したことを問題を解く際に実践できることが大前提です。ここからは頻出の解法や頻出テーマを固めていくことで、まずは入試問題を解くための「武器」を身につけていきます。

• 演習世界一わかりやすい慶應の小論文
• インプットちくま評論選
• インプット小論文これだけ！〇〇編

基本的な参考書を終えたら、慶應義塾大学医学部の過去問や、形式の似た他大学の問題で仕上げていきます。個別試験の問題傾向は大学によって大きく異なるため、実際に解いて解答のコツを掴みましょう。

• 過去問赤本（5〜10年分）

小論文は英語や数学などほかの科目に比べて市販されている教材のバリエーションが少ないものの、慶應義塾大学は専用の参考書が出版されているためぜひ利用しましょう。入試で問われやすいテーマを多数収録した問題集で小論文の演習を行い、得点力を高めていきましょう。

直近10年ほどの過去問は赤本で時間を測って取り組み、本番のリハーサルを入念に行います。秋以降は必ず総仕上げとして過去問を使っていきましょう。