早稲田大学法学部傾向と対策

全国最難関クラスの早稲田大学法学部。 司法試験や国家公務員試験においては常にトップレベルの合格者数を誇っており、日本の法律家の約7分の1は早稲田法学部出身者であると言われています。

学科は分かれていませんが、憲法、民法、刑法等の法律の基本専門科目から発展的な応用力へとつなげる「法律主専攻」と、政治、経済、経営、文化等、法律以外の幅広い分野への見識を深める「副専攻」の履修モデルが設定されています。 両専攻の履修モデルをベースとして、学生一人ひとりが、自らの関心や希望進路に合わせた履修計画を自由に立てることができます。

法学領域の専門的な知識の習得以外にも、外国語や政治・経済の教育にも力をいれており、将来的には国家公務員、民間企業や国内・国際機関の職員、法学研究者といった多様な進路を目指せます。

Part.1 法学部の試験・出願情報

早稲田大学法学部では「共通テスト利用入試」も実施されますが、ここでは独自試験を使う「一般選抜」に絞って解説をしていきます。

試験日・入試形態・出願について

一般入試
期日 2月15日
共通テスト 不要(数学受験のみ必要)
2段階選抜 なし
出願時期 1月
科目 独自試験:英語・国語・選択科目(世界史B/日本史B/政治・経済/数学(共通テスト))

数学を選択して受験する場合、共通テストの数学1A2Bの合計点(200点)を圧縮して利用されますので、注意が必要です。他の科目は独自試験です。
一般選抜ではこの個別学部試験に加え、共通テスト利用入試も実施されます。

Part.2 法学部の配点と目標点

早稲田大学法学部の配点と目標点数についてですが、他学部同様基本的に得点調整が実施されるため、それを踏まえて考えていく必要があります。

学部によって「全科目の得点調整」もしくは「選択科目間での得点調整」が行われますが、法学部では「全科目の得点調整」が実施されます。ここでは「一般選抜」の個別試験のみ受験する方式について見ていきましょう。

配点・科目

各科目の配点は、外国語60点、国語50点、選択科目40点です。
選択科目は「世界史B」「日本史B」「政治・経済」「数学」のいずれかで、「数学」は共通テストの「数学1A」「数学2B」の点数200点を40点に圧縮します。

また、法学部は国語と英語の比率が同じということに注意が必要です。多くの学部では英語の配点が高いのですが、法学部では国語がより重要になってくるため、英語と同様に国語もきちんと対策しておきましょう。

目標点数 *矢印は得点換算

合格最低ライン目安
92/150点
パターン1:標準
英語 42/60点
国語 30/50点
選択科目 28/40点
合計 100点
パターン2:英語が得意
英語 50点/60点
国語 25/50点
選択科目 25/40点
合計 100点
パターン3:国語が得意
英語 英語
国語 40/50点
選択科目 42/50点
合計 100点

過去2年の合格最低点は60%〜62%(全科目の得点調整後)で、例年このあたりで推移しているため参考にするといいでしょう。他の大学や学部と比べると合格最低点は低めです。

国公立第1志望の併願として受験する人も多い(全体の25%程度)ため、共通テストのみで受験できる数学選択も一定数います。ただし、社会選択で個別試験を使った場合と比べ、共通テストを使うことで平均点は高くなります。そのため、どんなに数学が苦手でも共通テストで75%は超えていないと勝負できないと思っておいていいでしょう。安定して9割から満点を取れるという場合は数学受験を狙うのも良いです。 勝負の分かれ目になるのは意外と国語・社会で、英語より配点は少ないものの平均点は高くなる傾向があり、「これら2科目で着実に点をとり、英語で高得点をとれた人」、もしくは「これら2科目が得意で満点近くを狙えた人」が合格に近づくとみていいでしょう。

得点調整により英語や国語は素点から下がる可能性もあります。そのため、基本的には合格最低点+5〜10%を目標に設定しておくべきです。各科目65%〜70%の得点を目指し、得意科目で7割近く、苦手科目で60〜65%に収まるように得点するという配分がベストでしょう。

模試一覧
5月 第一回駿台全国模試
9月 第二回駿台全国模試
10月 早大プレ
11月 早慶オープン

早稲田大学を第一志望としている人は、早稲田に特化した「早大プレ」や「早慶オープン」を受けて、自分の立ち位置を知るとともに本番の問題形式に慣れておくと良いでしょう。「共通テスト利用」での受験も考えている場合は、「全統共通テスト模試」や「大学入学共通テスト入試プレ」、入試1年前の「共通テスト同日試験」なども受験しておきましょう。

模試で良い判定が出なかったとしても見直しや復習を重ね、本番までに合格可能性をあげていきましょう。

併願校・志望変更

早稲田内併願
政治経済学部・文学部・社会科学部
他大学
MARCHレベルの大学(明治・中央・法政)

早稲田大学内でも法学部は最難関に位置するため、比較的早稲田内の他の学部とも(レベル的にも傾向的にも)併願しやすくなっています。ただ逆に言うと、法学部系の学部はどの大学でも難易度が高いため、他大学の法学部を併願する場合は適切に併願校を決めておかないといけません。

早稲田内で併願する場合は、法学部と学習領域が最も近いところ、かつ難易度的にも遜色ないのが政治経済学部です。入試形式に「共通テストの数学」が含まれるためそこの対策が必須となりますが、学問領域で法学部と近い学部を選びたい場合、かつ数学受験に抵抗がない場合は視野に入れてもいいでしょう。 ほかに学問領域が近いところでいうと社会科学部。幅広く社会科学について扱う学部のため、社会科学の1領域としての「法学」を学ぶことができます。法学部と比べて難易度も下がるため、「早稲田に行きたい」という動機で選びやすいところです。 その他文学部や文化構想学部も英作文を含め対策しやすい学部ですから、自分の興味領域に合わせて併願していく形で良いでしょう。

他大学の法学部を併願する場合は、MARCHを視野に入れておくのがおすすめです。MARCHレベルの法学部の中でも抜きん出ているのが中央大学。その他、法政大学も元々は法学者が建てた大学ですから、歴史ある学部で学ぶことができるでしょう。中央・法政や人気の高い明治大学などは、入試の傾向としてもシンプルですから、併願受験しやすいでしょう。 早稲田大学の法学部に挑戦できるレベルになるには、これらの大学には合格可能な学力がほしいところですが、万一を考えると日大、成蹊大、駒大などを選択肢に入れておくのもありです。

Part.3 科目別の勉強法と攻略法

最後に簡単に早稲田大学法学部の勉強法と傾向対策を見ていきます。高い総合力が求められる試験のため、きちんと対策して臨む必要があります。

受験者に多い社会を選択する場合、基本的な勉強の流れは他学部同様「英語を最優先→直前期で社会」というステップです。国語は古文・漢文に重点を置き、できれば学校の授業等で基本的な読解はできるようになっておきたいところです。 高2のうちには共通テストレベルの英語は得点を確保できるようにしておき、そこから社会にシフトしていくという方針をとりましょう。

英語

早稲田大学法学部の英語は例年通りであれば大問8つ構成で、問題形式は1000語前後の長文から図表の説明の穴埋め、文法問題、自由英作文問題など多岐にわたります。

問題文も全て英語、かつ長文の内容も専門的で難易度が高いため、スピードを意識して読みつつ確実に解く総合力が求められてきます。

時間は限られているため、やはり長文を早く正確に読むスキルが最も重要です。特に単語のレベルも高く難しい単語が多く出されること、かつ文章のテーマ自体も難しいもの(政治思想など)が出されるため、早いうちから単語・文法や速読力を鍛えておく必要があります。 高3になったタイミングではすでに「リンガメタリカ」などでテーマごとの難易度の高い単語やテーマの背景知識を押さえておくと良いでしょう。その他さまざまなジャンルの長文を読み慣れておくことも求められるでしょう。

国語

国語は大問4つ構成で、古文・漢文・現代文2つ。古文・漢文は比較的標準的ですが、現代文は抽象度の高い文章ばかりで読み辛くなっています。さらに専門的な用語や現代文の難単語も含まれているため、出題される背景知識も拾いながら演習を進めていく必要があります。

さらに記述式問題も近年出題されています。本文全体を踏まえて筆者の考えをまとめる問題が多く、180字以内などのように、ある程度字数も必要になります。 記述問題に苦手意識を感じている人は、国公立の問題や共通テストなどの記号式の過去問の解答を自分で作成する練習などをするとよいでしょう。

社会

法学部の社会の入試科目は歴史(日本史・世界史)・政治経済から選択可能です。政治経済を選択する人は少なく、高得点も狙いづらい上、教材も少ないため、基本的には歴史選択をおすすめします。

難易度はものすごく高いというわけではなく、もちろん細かい知識を問う問題も出題されますが、一問一答や教科書などできちんと確認していれば点を取れるものがほとんどです。

日本史は語句の記述問題と記号問題のみですが、世界史では論述問題が出題されます。指定語句を使い歴史の流れを記述するもので、教科書などをしっかり読み込みながら記述表現を知っておくことが求められます。夏以降時間をとって論述対策できるよう、夏前には基本的な単語・歴史の流れは完璧にしておきましょう。