- この記事は「センター試験対策用記事」です。共通テストの化学で高得点を獲得するための勉強法はこちらの記事をチェック!
「センター化学の勉強をこれから始めたいけど、まだよく知らない」「初めての模試で全然点数が取れなくてショック」という受験生はいませんか?
この記事では、センター化学の勉強をこれから本格化させる、という人が高得点を狙えるように勉強法やセンター化学の問題構成を解説しています。
センター化学・各大問の構成と対策
化学には大きくわけて、理論化学・無機化学・有機化学の3分野がありますが、センター化学ではどの分野も出題されます。
そのため、まずは各分野基本的な事項をおさえ、苦手分野をつくらないことが必須です。特に理論化学(中和、酸化還元、気体、熱化学方程式など)は、苦手にすると相当点数を落としかねません。
問題数は全部で7題で、
- 第1問~第5問 … 全員必答の問題
- 第6問・第7問 … 選択問題(どちらか1つを選んで回答)
という形式です。選択問題は、どちらを選んでも有機化学の高分子化合物についての問題になります。
具体的に、2018年度の過去問を見てみましょう。
(第6〜7問は選択問題)
これをみても、理論化学・無機化学・有機化学の3分野から幅広く出題されている事がわかります。
センター化学 理論化学
第1問の「物質の構成と状態」と、第2問の「物質の変化と平衡」がこれにあたります。
具体的に「物質の構成と状態」は電子配置・結晶格子・気体の分子量など、「物質の変化と平衡」は結合エネルギーと生成熱・電離平衡・酸化還元などの分野から幅広く出題される傾向にあります。
理論化学の分野では、知識を問う問題と計算問題があります。複雑な計算問題ももちろんありますが、まずはある程度化学に関する知識がないと解く事ができません。そのため、各分野をきちんと理解する事が大前提となってきます。
センター化学 無機化学
第3問がこれにあたります。具体的には金属や無機物質の性質、工業的製法などがこの分野です。
無機化学の分野は暗記が重要だと言われています。というのも、物質の性質や特徴を問う問題が多く出題されるためです。
知識問題が多いと構えてしまう人もいるかもしれませんが、逆に言えば覚えていれば解ける問題も多いので、懲りずにできるだけ暗記していきましょう。
また無機化学では「ジュラルミン」「シリカゲル」「トタン」など、化学的な名前が出てくる事があります。これらが何かイメージできないままでは、暗記も難しくなってしまいます。
そのため知らないものの名前が出てきたときは、化学の図表・図録を使ってその写真や用途などを調べましょう。するとイメージをつかみやすくなり、より暗記が容易になります。
センター化学 有機化学
有機化学は通常第4〜7問で出題されます。
具体的には有機化合物の構造・検出法・実験操作・計算問題、また高分子化合物の生成法などがこの分野です。
有機化学では官能基や物質の生成など、物質の反応に関する問題が出題される事が多くあり、暗記が必須となります。物質の反応は混合しやすいので、図などで整理してながら勉強することをおすすめします。暗記するときにおすすめなのが、手を動かして書いて覚える事です。
物質によって炭素の数や官能基が似ていたりすると、構造を見ただけではなかなか完璧には覚える事ができません。そのため物質の構造一つ一つを書いて覚える事で、物質のごとの微妙な違いも間違えずに覚える事ができます。
「有機化学」「無機化学」「理論化学」それぞれの特徴を知って解こう!
センター化学の時間配分はこう考える!
センター化学では時間が非常に限られています。例年、30題以上の問題を60分で解かなくてはいけないため、使える時間は1問2分以下となってしまいます。
そのため暗記問題でいかに時間を節約し、計算問題に時間を回せるかがカギとなってきます。
センター化学の点数配分は理論化学で半分!
先ほども説明した通り、センター化学は大問7つから構成されており、うち6問を解くという形になります。例えば2018年のセンター試験では
となっています。つまり理論化学で48点、無機化学で23点、有機化学で29点と、理論化学で半分以上を占める事がわかります。
そのためセンター化学で高得点を狙うためには、理論化学の勉強が重要となります。
センター化学はどの順番で解く?
センター化学の問題はどのような順番で解けばいいのでしょうか。
おすすめなのは、得意な分野から解く事です。人によって有機化学が得意だったり理論化学が得意だったり、得意分野は様々だと思います。
センター化学では短い時間でどれだけ速く問題を解けるかが重要なので、無機→理論→有機の順に得意な人は「第3問→第1~2問→第4~6 (or7)問の順に解く」など、工夫して解き進めるようにしましょう。
センター化学のマークシートは大問ごとに欄がわけられているので、どの大問から解いてもマークミスはしにくくなっています。
センター化学おすすめ時間配分
次に各設問の時間配分はどれくらいを目安にすればいいのでしょうか?目安としては
- 第1問 12分
- 第2問 12分
- 第3問 12分
- 第4問 12分
- 第5+(6,7)問 10分
- 見直し 2分
です。各大問にほぼ同程度の時間をかける事になります。第5問以降は他の大問に比べて問題数が少ないため、少し時間が短くなっています。
先ほどもお話しした通り、この中で解く順番をその人に合わせて変える事ができます。一度この制限時間で問題を解いてみてください。もしどうしても時間が足りない大問があれば、得意な箇所の時間をその分あてて解き進めましょう。
センター化学の選択問題はどうする??
化学の選択問題は合成高分子化学の問題と天然高分子化学の問題のどちらかから選択する事ができます。どちらを解こうかと悩んでいる受験生もいると思いますが、ズバリ「得意」または「好き」な問題を解くことがおすすめです。
簡単にそれぞれの違いを説明すると、合成高分子化学の問いではゴムや樹脂など工場で作られる物質について問われる事が多くあります。一方で天然高分子化合物の問題は、糖や酵素など動物や植物内の物質について問われる事が多いです。そのため生物選択の受験生は、天然高分子化合物を選択した方が有利になるかもしれません。
どちらも正誤問題や計算問題が出題されやすいという点では似ているため、自分が興味を持って勉強できる方を選択することをおすすめします。
得意な問題から解く!選択問題も得意なものを!
何点取ればOK?センター化学志望校別目標点数
センター化学志望校別目標点数はこれ!
センター化学対策はこうする!目標点数別勉強法&参考書・問題集
センター化学目標点数別勉強法一覧
この表を参考に、「自分が何点を目標にしているのか」「自分の現状は何点くらいなのか」を明確にし、少しずつ目標に近づけるようにしましょう。
- 現在のマーク模試点数が50点未満!これから化学の勉強を頑張る!
60点(6割)をまず目指すための勉強法を見る! - 現在のマーク模試点数が60-70点!
80点〜85点(8割〜8割5分)をとって理系学部を目指す勉強法を見る! - 現在のマーク模試点数が80点以上!あと一歩頑張って満点を狙う!
満点を目指す勉強法を見る!
センター化学、60点(6割)をまず目指すための勉強法
60点を目指す勉強法のポイント
「センター化学が60点になかなか届かない…」という人は、もう少し化学の基礎を固めるようにしましょう。中にも
- 理論化学はだいたい解けるが、無機化学や有機化学で点数が取れない
- 全体的に点数が取れない
という2パターンの人がいるのではないかと思います。
どちらのパターンの人も基礎を固めることに変わりはないですが、それぞれどの分野に注力して勉強するか、が違ってきます。
1の「理論化学はだいたい解けるが、無機化学や有機化学で点数が取れない」という人は、無機・有機化学の分野に力を入れて勉強しましょう。
2の「全体的に点数が取れない」という人は、理論化学の基礎から始めて徐々に無機・有機分野の勉強も進められるようにしましょう。
60点を目指すための参考書①:スタディサプリ 高3スタンダード化学
化学の基礎を身につけるには、「スタディサプリ」の「高3スタンダード化学」がおすすめです。分野別に「高3スタンダード理論化学」「高3スタンダード無機化学」「高3スタンダード有機化学」があります。
- Step1.
- テキストを用意して授業を見る。
- Step2.
- 授業を見終わったらテキストをざっと見直して復習する。
- Step3.
- 確認テストに取り組む。
- Step4.
- 間違えた箇所のテキストを見直す。わからないところがあれば、その部分だけ再度授業を見直す。
これが終わったら、もう1度テキストの頭から問題に取り組みます。テキストを合計で3周し、間違える問題がなくなるようにしましょう。
センター化学、80点〜85点(8割〜8割5分)をとって理系学部を目指す勉強法
80〜85点を目指す勉強法のポイント
センター8割になかなか届かない、という人もまだ基礎が完全に定着していない可能性があります。もう一度勉強方法を見直しましょう。
特に理系学部を目指している受験生は、私立の一般試験や国立の二次試験などで応用問題が出題される可能性もあります。
この場合基礎が理解できていないと解く事が難しくなってしまうので、注意しましょう。
80〜85点を目指すための参考書①:化学(化学・化学基礎)基礎問題精講
センター化学8割を目指したいという人におすすめなのが、「化学(化学・化学基礎)基礎問題精講」です。この参考書には、入試にも対応できるような基礎問題が厳選され掲載されているため、この参考書をマスターすればセンター試験や大学の入試問題に対応できるような化学の基礎を身につける事ができます。
- Step1.
- 問題に取り組む。
- Step2.
- 間違えた問題の解説を読んで、理解する。
- Step3.
- 最後まで解いたら、もう一度参考書の頭から問題に取り組む。
- Step4.
- 間違えた箇所の解説を読む。
- Step5.
- 最後まで解いたら、間違えた問題だけもう一度頭から解き直す。
- Step6.
- 間違えた箇所の解説を見る。
このように計3周する事で、間違える問題がなくなるまで参考書に取り組みましょう。
80〜85点を目指すための参考書②:セミナー化学
もう一つおすすめしたいのが「セミナー化学」です。セミナーは解説がとてもわかりやすいのが特徴で、完璧にすれば化学の基礎は完璧にマスターできます。
- Step1.
- 問題に取り組む。
- Step2.
- 間違えた問題の解説を読んで、理解する。
- Step3.
- 最後まで解いたら、もう一度参考書の頭から問題に取り組む。
- Step4.
- 間違えた箇所の解説を読む。
- Step5.
- 最後まで解いたら、間違えた問題だけもう一度頭から解き直す。
- Step6.
- 間違えた箇所の解説を見る。
セミナー化学も間違える問題がなくなるまで繰り返し解き進めましょう。「センター試験の基礎を固め直したい」「高得点を狙いたい」という人はおすすめです!
センター化学、難関国立大狙いで満点を目指す!勉強法
満点を目指す勉強法のポイント
センター化学で満点を目指したいという人は、自分がどこで間違えやすいかを徹底分析しましょう。特に注意しなければならないのが計算ミスです。
化学の計算問題では、モル数やイオンなど間違えやすい箇所がたくさんあります。計算を間違えやすいという人は、参考書を使って間違えやすい分野の計算問題を何度も解いて練習しましょう。
満点を目指すための参考書:センター試験過去問(赤本)
センター化学満点を目指す人は「センター試験過去問」を解きましょう。センター試験の定番過去問で、問題に慣れるには、過去問に取り組む事が最も効率的だと言えます。絶対に5年分は解くようにしましょう。
自分のレベルにあったところから勉強を進めよう!
センター化学の総仕上げ!過去問(赤本・黒本)の使い方!
センター化学は過去問で攻略!直前期に対策せよ!
『赤本』『黒本』の重要性
「過去問」と聞いて、構えてしまう人もいるのではないでしょうか。同じ形式・難易度の問題を試験本番もやるのかと思うと、緊張してくるという人もいるかもしれません。しかし過去問を使って勉強することは、とても重要なのです。
なぜなのかというと、その理由は2つあります。
1つ目は、過去問は何年も考えられて作られた質の高い問題が出題されているからです。
センター試験で出題される問題は、問題作成を担う委員が数年かけて作っています。そのため満点は取れるが簡単すぎない、質の良い問題を毎年出題する事ができ、過去問で本番に近い問題に触れられるのは、貴重な機会だといえます。
2つ目は、試験の傾向を知る事ができるからです。
センター試験は選択問題である事や出題範囲が網羅的であることなど、大学ごとの入試問題とは異なるセンター試験独自の特徴があります。問題傾向に慣れていた方が、高得点を狙う上で有利になることは間違いありません。
そのため、受験生の間で『赤本』『黒本』という名前がよく聞かれるくらい、過去問が有名になっているのです。
センター試験を受験する人は、10年分くらいは過去問を解くようにしましょう。国立志望者などセンター試験の成績が入試に大きく影響する人は、10年分は必須です。
『赤本』『黒本』の対策時期
『赤本』『黒本』を解く上でもう一つ注意しなければいけない事があります。それは解く「時期」です。
「受験勉強を始めたてでまだ基礎が固まっていない」という人が10年分解いたとします。
もちろん知識を入れるための勉強にはなりますが、センター試験の解き方を知るよりも、化学の知識を勉強する方に時間を割くことになってしまいます。
知識を学ぶのであれば他の参考書でもできますし、本番直前に解くセンター過去問を10年分無駄にしてしまいます。
しかし「基礎が固まってきた」という人が10年分解いた場合は、センター試験の解き方を知る>化学の知識を勉強するという過去問の使い方ができ、時間内に解く練習ができたり自分の弱点が見えやすくなります。
そのためある程度他の参考書で基礎を固めた後、過去問で力試しをすれば、『赤本』『黒本』を有効活用できます。
センター化学 過去問の上手な活用法
内容はほとんど同じため、どちらを活用しても特に差はないといえます。しかし見た目や解説が違うため、「どちらがやる気が出るか」を重視すればいいでしょう。注意しなければいけないのは、過去問が最低10年分以上掲載されているものを買うことです。
「どの過去問を使うか」よりも、「どう過去問を活用するか」の方が重要です。次に過去問の活用方法を見ていきましょう。
過去問の活用ルール①直前期に5年分はやる!
ある程度化学の基礎知識がついてきて、二次試験対策も進んでいる高3の12月からセンター試験のある1月までに5年分の過去問を解くようにしましょう。この時はその時の実力で試験問題がどれくらい解けるのかという「力試し」を目的とし、本番に近い状態で解きましょう。
具体的には解く大問の順番・時間配分などを本番と同じ条件でやりましょう。
過去問の活用ルール② 必ず時間を測る!
センター試験でつまずきやすいポイントとして、時間が限られている事があげられます。そのため時間は絶対に計って取り組むようにしましょう。
過去問を解いた結果に応じて、時間配分を変更したり問題を早く解くためにある分野を強化したりなど、本番で焦ることのないよう十分に対策を行います。
マーク模試・センター同日試験はこう活用する!化学マーク模試の復習のやり方!
センター化学のマーク模試、点数のとらえ方
マーク模試を受けるメリットはこの3つです。
- 今の自分の実力と目標との差を知ることで今後の対策を考える事ができる
- 時間配分などのシミュレーションができる
- 緊張感がある中で本番に近い状況を体験できる
今の自分の実力と目標との差を知ることで今後の対策を考える事ができる
模試で得点が伸びず、志望校の判定が低いとやる気がなくなってしまうかも、という人もいるかもしれません。
しかし模試はあくまでのその人の現時点を示すものであり、「模試の結果」よりも「結果をどう活かすか」の方が重要です。
「自分に足りていない分野はどこか」「何点まで引き上げればいいか」を考え、次の模試で少しでも目標点に近づけるようにしましょう。
センター化学のマーク模試、復習の仕方は?
- 解けなかった知識問題は参考書で復習する
- 計算問題は落ち着いた状態でもう一度解いてみる
- 解説を読んでもわからなかった箇所は先生に聞く
解けなかった知識問題は参考書で復習する
知っていないと解けない暗記問題で点数を落としてしまった箇所は、参考書に戻りもう一度振り返りましょう。
すでに暗記している箇所と関連づけて覚えたり、ノートにまとめたりするなどして、次回以降は絶対に覚えていられるようにしましょう。また、理論・無機・有機の分野の中で特に間違えの多い分野は暗記が不十分なので、特にその分野に力を入れて勉強するなど勉強法も工夫しましょう。
計算問題は落ち着いた状態でもう一度解いてみる
緊張感や焦りで、細かい計算ミスをしてしまっていることもあります。
そのため時間を測らず落ち着いた状態で、もう一度計算問題を解いて見ましょう。落ち着いた状態だと案外解けてしまった問題は、計算ミスをなくせるよう計算の練習をしましょう。
また、時間制限がない時も解けなかった問題はその分野をもう一度見直すようにします。こういったふうにして、それぞれ「なぜ間違えたのか?」に応じた対策を行いましょう。
解説を読んでもわからなかったところは先生に聞く
復習し解説を読んでもわからなかった問題は、塾や学校の先生に質問し、疑問が残らないようにしましょう。
センター同日試験で気をつけることは?
高1〜2年生が、センター本番当日に出題された問題を受ける「センター同日試験」。正直「みんなが受けているから受ける」など、よくわからずに受けている人も多いのではないかと思います。
そんな受験生が気をつけることは、「センター本番で試験を受けている未来の自分を想像しながら受ける」ということです。
出題された問題が全くわからなくても、1年後にはそれを解いて志望校合格に向けて頑張っている自分がいると思うと、センター試験を受ける実感が湧いてくるはずです。
点数自体はそこまで気にしなくてもいいですが、センター試験を身近に体験できる日にしましょう。
まとめ
- センター化学では、理論・無機・有機すべての分野から網羅的に出題される!
- まずは各分野の基礎をきちんと理解して暗記しよう!
- センター化学の配点は理論化学が半分を占める!
- 理論化学の分野は特に力をいれて勉強しよう!
- 自分の目標点数を決めよう!
- 志望校を参考にしよう。目標点数があると勉強計画が立てやすくなる!
- 過去問は絶対解こう!
- 本番直前に5年分解くのがオススメ!
もっと具体的に「このとおりに勉強すれば化学の勉強は完璧、という参考書の流れが知りたい!」という方は、ぜひSTRUXの参考書マップを活用してください!
■ 参考書マップとは? ■
STRUXの「参考書マップ」は、受験までにやるべき勉強を「順番通りに」すべて洗い出したもの。「いつまでに」「どの順番で」勉強をすればいいかがひと目で分かるので、あとはこの通りに勉強するだけ!という状態になります。
- 「どの順番で」参考書に取り組めばいいかひと目でわかる!
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