最初にして最大の難関ともいえる「英単語」。大学受験のために、覚えるべき英単語の数はとてつもないです。
英単語を覚えなければ、そもそも長文読解は絶対に解けません。
このようなハードルの高さから
「膨大な単語を前にするとどうも暗記する気がおきない…」
「単語を毎日見ているのに覚えられない…」
という人も多いでしょう。
この記事では、そうした悩みを持つ方に向けて、たった2ヶ月でMARCHから早慶レベルまでの英単語を暗記できる方法を解説します!
英単語の暗記方法はYouTubeでも配信しているので、こちらもご覧ください。
英単語の覚え方のコツは3つ!
英単語を覚えるときは、単語帳を使うのが王道のやり方です。単語を覚える時のポイントは以下の3つです。
- 初めは赤字に集中してスペル、発音、主要な意味、品詞のみを覚える
- 必ずテストをする
- 短い期間にたくさんくり返す
もし手元に自分が使っている単語帳があれば、ぜひご準備ください!
その単語帳を「どのように使っていけば効率よく単語を暗記できるのか?」ということを、超具体的に見ていきましょう。
この記事では『ターゲット1900』を使って解説します。
ターゲット1900レベルの単語帳を1冊完璧にしておけば、少なくとも「共通試験レベル・MARCHレベル」では十分戦うことができる単語帳で、最重要の意味が赤字で書かれているので、赤シートで隠して暗記できます。
ほかの単語帳でも赤シートを使えるものが多いので、ぜひそういった単語帳を使ってみてください!
初めは単語のスペル、発音、主要な意味、品詞のみを覚える
あなたが持っている単語帳には、「単語とその意味」だけではなく、以下のような関連要素も載っていませんか?
- 単語の関連語(同義語・対義語)
- 単語の語法(文型、一緒に使う前置詞など)
- 主要な意味とは別の意味
- 品詞や別の品詞のときの意味
- メインの単語を使った例文
大丈夫です、初めから全部覚える必要はありません!
まず初めは「スペル」「発音」「主要な意味(赤字)」「品詞」を暗記するだけでOK。他の内容は後回しにしましょう。
スペルを覚えるのは当然。正しく書けるほうがテストの得点が高くなるのはもちろんのこと、スペルを覚えていないと誤読にもつながってしまいます。
覚えた語数が増えれば増えるほど、似たスペルの単語を混同しやすくなってくるので、ぜひスペルは覚えてください!
発音の暗記も「似たスペルの単語同士の混同」を防いでくれる効果があります。もちろんリスニングにも効果がありますね。
意味は赤文字で書かれた主要な意味だけで最初はOK!赤字で書かれていない意味は、試験で出会う頻度が低いからです。
もちろん黒字の意味も覚えなくて良いわけではありませんが、主要な意味を覚えた後で取り組めば十分でしょう。
さらに品詞も覚えておくのがおすすめです。
英文を正しく読むための「英文解釈」の勉強をするためには品詞の知識が必須。
英文解釈の勉強は「単語」「文法」の次に取り組まなければならないので、単語の勉強をするときに品詞まで覚えておくと、英語の勉強全体をスムーズに続けることができます。
必ずテストをする
次のコツはテスト形式で覚えていくことです。
英語に限らず暗記物は「覚えよう」という意識で暗記するよりも、「思い出そう」という意識で勉強した方が効率的に頭に残ります。
だからこそテスト形式で勉強するのがおすすめということです。
- くり返し書く
- くり返し見る
のような勉強法も無意味ではありませんが、
- くり返しテストをする
ほどの効果はありません。
具体的な勉強法は後で解説しますが、覚えるべきものをザっと確認したら、あとは何周も赤シートで隠しながらテストして覚えていきましょう。
短い期間にたくさんくり返す!
質問です。もしあなたが「5日で英単語を100個覚えなければいけない!」としたら、以下2つのうちどちらの方法をとりますか?
- A. 1日20個ずつ暗記しようとする
- B. 毎日100個すべての単語に触れる
Aを選んだあなた。それはかなり危険です!
なぜAではなくBのやり方がオススメなのでしょうか?
実は科学的に「何度もくり返し思い出したものは短期記憶から長期記憶に移行して思い出しやすくなる」ことが実証されているのです!
これを「リハーサル効果」といいます。
つまり単語というのは「何度も思い出す」と、それだけで忘れにくくなるのです。
Aは1つの単語を1日しか暗記していないため、くり返しの回数が少なく、それだけ忘れやすい状況になっています。
5日目には「1日目に覚えたはずの単語をほとんど覚えていない」なんてことになりかねません。
一方でBの方法は「1日に見る単語の量がAの5倍だから大変そう」に見えますが、5日間同じ単語に触れるので、くり返す回数という点ではAより多くなります。
なので、5日目に見たときは絶対Bの方が各単語を思い出しやすい状態になっているわけですね。
これを踏まえて、英単語を覚えるときは「なるべく短期間で忘れる前にたくさんくり返す」ということを第一に考えましょう。
英単語暗記の基本ステップ
スペル、発音、主要な意味、品詞を覚える
それでは具体的な勉強手順を見ていきましょう。
ここでは100単語単位で進めていくやり方を解説していますが、単語の勉強に使える時間も考慮して50~200単語くらいで自分の好きな語数で進めてもらえばOKです。
- step1.
- 100単語を見て、スペル、発音、主要な意味(赤字)、品詞を覚える。
- step2.
- 覚えたと思ったら、赤シートを使ってテストする。(基本は「英→和」。慣れたら「和→英」も。)
- step3.
- 間違えた単語に印をつける。
- step4.
- 印をつけた単語のみstep2、step3をくり返す
- step4.
- 全て覚えたらstep1に戻って次の範囲に進む
最初の1周から2周は、「スペル」「発音」「主要な意味(赤字)」「品詞」の4つだけに絞って暗記をしていきます。
まずは4つの情報を全て確認して暗記していきましょう。一旦、暗記の精度は気にせずザックリ覚えればOKです。
覚えたと思ったら、赤シートで隠して英単語から日本語に直せるかチェックしていきます。
テストは1単語1秒で、思い出せなかったものには印をつけて覚え直します。
単語の意味は1秒以内に出てこないと知識として使い物になりません。「粘って思い出す」みたいなことはしないようにしてください。
テストはバツ印のついたものだけをくり返し進めましょう。覚えたものにはできるだけ時間を使わないようにすることが、短時間で多くの単語を覚えるコツなので、必ず印のついたものだけをくり返すようにしてくださいね!
テストで全て答えられたら、次の100単語に進んで同じ作業をくり返していきましょう。この方法で全体を最低でも2周程度は進めるのがおすすめです。
2周目は「英語から日本語訳を思い出す」のではなく、「日本語訳からスペル、発音を思い出す」というやり方で進めてみてもいいですね。
2周~3周くらい勉強すれば、全体の80%くらいは覚えた状態になるはずです。
覚えにくい単語はさらに1単語ごとの情報を増やすことで忘れにくくなるので、80%程度覚えた自信が持てたら次のステップに進みましょう!
赤字以外の意味、語法、関連語、例文なども覚える
基本の意味をマスターするだけでも力はつきますが、ある程度覚えたら、メインでない関連要素に目を向けましょう。
3周目~4周目以降は、上述した基本情報以外にも以下のような情報も覚えていくのがおすすめです。
- 赤字以外の意味
- 語法
- 関連語(類義語、対義語、派生語など)
- 例文
「赤字以外の意味」が優先順位としては最も高く、下に行くにしたがって優先順位が下がると思っておくといいでしょう。
これらの覚え方は次の通りです。
- step1.
- 赤字以外の意味、語法、関連語、例文などから覚えたいものをチェックして覚える。
- step2.
- 覚えたと思ったら、赤シートを使ってテストする。
- step3.
- 間違えた単語に印をつける。
- step4.
- 印をつけた単語のみstep2、step3をくり返す
- step4.
- 全て覚えたらstep1に戻って次の範囲に進む
例えば「4周目は赤字以外の意味」「5周目は赤字以外の意味と語法」のように、覚えたいものは周回ごとに決めて、先ほど解説した手順で進めてください。
赤字で書かれていないので、チェックする際に赤シートで隠せるように緑マーカーを引いておくのも良いですね。
ここまでくれば、大量にあった英単語もいつのまにか身についているはずです。
ペースを落としても良いので、毎日少しずつ続けてせっかく覚えたものを忘れないようにしましょう。
レベル別おすすめの単語帳と勉強のポイント
ここからはあなたの実力や、志望校のレベルに合わせた勉強法を紹介します。
中学レベル~高校1・2年レベルにおすすめの単語帳
「英語がニガテ!全く覚えられない!」という人は、まずはこのレベルからチェック!
- compare
- environment
- happen
- available
- opportunity
この英単語で1つでも意味がわからないものがあれば『ターゲット1200』から始めるのがおススメです。
『ターゲット1200』は中学レベルから高校1・2年生レベルくらいまでの易しい単語をまとめた単語帳になっています。
このレベルの単語だけでクリアできる大学は多くないので、「完璧」を目指して使うよりはスピード重視で進めていきましょう。
そして85%~90%くらい覚えられれば、すぐにでも次の単語帳に移るのをおすすめします。
こちらの記事も参考にしてください!
共通テスト~GMARCH・関関同立レベルにおすすめの単語帳
「共通テスト模試で5~7割くらいは取れるのでさらにステップアップしたい!」というあなた。
以下の英単語で1つでも意味がわからないものがあれば、『ターゲット1900』を使うのがおすすめです。
- identify
- reflect
- assume
- estimate
- indicate
『ターゲット1900』は高校初級レベル~難関大受験レベルまで幅広く語彙を収めた単語帳です。
そのため、
- まずは1~800を覚える
- 次に801~1500を覚える
- 最後に1501~1900を覚える
という風に徐々にレベルアップする形で勉強していくといいでしょう。
共通テストや日東駒専レベルまでの語彙が分かればいい人は1500語まで覚えれば十分対応できます。
こちらの記事も参考にしてください。
早慶レベルにおすすめの単語帳
早慶レベルになると、今まで以上に難しい単語や複数意味のある単語が問われます。たとえば、以下の中でいくつ分からないものがあるでしょうか。
- observe, observation, observance
- construct, construction, constructive, reconstruct
- compete, competence, competent, indicate
早慶レベルでも『ターゲット1900』で対応できます。
ただし、「赤字以外の意味」や「関連語(類義語、対義語、派生語など)」まで高い精度で暗記するのがおススメです。
以下の記事も参考にしてください!
学校で他の単語帳をもらっている場合は?
今回の紹介した単語帳は一例に過ぎません。
学校でもらっているものがある場合や、自分にはターゲットは合わないと思った場合は他の単語帳でも構いません。
他の単語帳でも、上の記事で紹介している方法と同じように勉強できます。以下の記事を参考にして、あなたに合った単語帳を見つけてください。
こちらの動画も参考にしてみてください!
おすすめの熟語帳と使い方のポイント
おすすめの熟語帳と、使う際の注意点をいくつか解説しておきます!
おすすめの熟語帳はこちらの『英熟語ターゲット1000』です。
勉強法は単語帳の勉強の仕方と基本的には同じで大丈夫です。
『英熟語ターゲット1000』以外にも、以下の記事では紹介しているので、参考にしてください!
ただし、熟語帳にしっかり取り組む余裕がない受験生も多く、時間がない場合は単語帳と比べると優先順位が下がることは覚えておきましょう。
受験までに余裕がない場合は、『英文法・語法Vintage』などの文法・語法の問題集の熟語の章をしっかり解いて覚える形でも大丈夫です。
こちらの記事も参考にしてください。
悩める高校生からの英単語お悩み相談
最後に、英単語の覚え方についてよくある高校生からの質問に答えます!
そもそも、いつから英単語の勉強を始めればいいの?
結論から言うと、「高1」から英単語の勉強を始めるのがベストです!
大丈夫です。この記事で解説した方法であれば、2ヶ月あれば単語帳を1周できるので間に合います。
では、なぜ「高1」なのでしょうか?
これも先ほど解説したように「英単語の暗記はくり返すほど定着する」からです。
くり返す数が多いほど良いわけですから、早い段階から勉強するに越したことはないですよね!
単語帳って自分で作ったほうがいいの?
結論から言うと、「作るのはおすすめしない」ですね。
よくありますよね、こういう単語帳。
と、パラパラめくりながら思うはずです。
それはいいんですが、
あなたはそのカードを作るのに、どのくらい時間を費やしましたか?
おそらく相当時間をかけているはず。
正直、もったいない。
せっかくキレイにまとまった単語帳が売っているので、それを使えばOKです!
長文や文法問題では、わからない単語が出題されることもあります。その場合は、
- 電子辞書で調べて、覚えたら履歴から消す
- ノートに最低限だけまとめて、覚えたらマジックで塗りつぶす
などのやり方で進めるのがいいでしょう。
わざわざノートを作らなくても電子辞書の履歴機能や、単語帳機能を使えば一瞬で覚えるべきものリストが作れて、消すのも簡単なので、かなりおすすめです。
ノートにまとめる際はできるだけ「最低限」の情報だけまとめて、ノート作りに時間をかけすぎないのが重要です。
また、覚えるものリストを増やしていくよりも、それを減らす方が圧倒的に重要。
定期的にテストをして、「増える数」よりも「減る数」が多い状態を維持しましょう!
果てしない英単語地獄……いつ終わるの??
英単語の勉強は地道に繰り返すしかないとお伝えしましたが、そうはいっても「英単語の勉強が果てしなさすぎて地獄」という相談をよく受けます。
確かに分厚い単語帳を見ると「果てしないなあ……」と思う気持ちもわかります。でも、完璧にする必要はありません。
初めから完璧に覚えようとすると、どうしても先が見えなくて地獄に感じてしまいます。
逆にいえば、「1日で100個見る」という段階を1900語分くり返し、それを3周終えた時、つまり「1900÷100×3=57日=2ヶ月」で英単語勉強は終わり。
「たった2か月で終わり!あとは細かい確認をすればOK!」と考えれば、勉強へのハードルは下がります。
また東大生であっても、2~3回単語帳を見ただけでは完璧に暗記できません。5周も10周もして覚えることがザラです。
なので、何周か勉強して覚えられなくても、落ち込む必要はありません。
まとめ
- 初めは赤字に集中してスペル、発音、主要な意味、品詞のみを覚える
- 必ずテストをする
- 短い期間にたくさんくり返す
とにかく何度もくり返す!これが大事です。
きちんと毎日繰り返して覚えれば、短期間でも早慶レベルの英単語まで達することができます!頑張りましょう!
もっと具体的に「このとおりに勉強すれば英語の勉強は完璧、という参考書の流れが知りたい!」という方は、ぜひSTRUXの参考書マップを活用してください!
■ 参考書マップとは? ■
STRUXの「参考書マップ」は、受験までにやるべき勉強を「順番通りに」すべて洗い出したもの。「いつまでに」「どの順番で」勉強をすればいいかがひと目で分かるので、あとはこの通りに勉強するだけ!という状態になります。
- 「どの順番で」参考書に取り組めばいいかひと目でわかる!
- 「なぜこの参考書がおすすめなのか?」「かわりに使える参考書」もすべて紹介
STRUX参考書マップ公式LINEに登録することで、いつでも無料で見ることができます!
LINEに登録して参考書マップを見る