- この記事は「センター試験対策用記事」です。共通テストの物理で高得点を獲得するための勉強法はこちらの記事をチェック!
教科書レベルをしっかりマスターすれば、センター物理では高得点がねらえます。しかし、センター物理の問題は物理の本質を問う教科のため、勉強法を洗練させなければいけないのも事実です。では、センター物理はどのような部分に気を付けて勉強しなければいけないのでしょうか。今回は、センター試験に関する問題を踏まえて、センター物理を解く際のセンター物理の受験生が悩む問題から、センター試験の様々な部分について紹介していきたいと思います。
センター物理・各大問の構成と対策
センター物理の全体像
センター物理は全範囲から均等に問題が出題されます。なので、1つでもできない分野があるだけで、かなり点数を落としてしまいます。逆に苦手な分野があり、その部分で点数を落としてしまっているのであればその部分を対策するだけで大幅な点数アップを望めるでしょう。
センター試験の問題の種類
- ①計算問題
- ②グラフ問題
- ③知識問題
センター物理は物理の本質的な部分を理解しているのかを聞くテストになっています。なので、物理の応用問題を解けるかどうかを求めている物理の2次試験とは内容も大きく違ってきます。なので、通常の物理のテストでは出題されないグラフ問題や知識問題も出題されるのです。
計算問題
計算問題については、例は挙げればきりがないですが、たとえば、次のような問題です。
2017年度 センター試験・物理
典型的な力学の問題ですね。計算問題ですから、極論は、ミスのないように計算しよう、というのがすべてです。
ですが、もう1つ重要なことがあります。それは、自分が導き出した答えが、選択肢の中にあっても、絶対に安心してはいけない、ということです。
センター物理の選択肢は、当然、正解の1つをのぞけばすべて間違いなわけですが、間違いのうちいくつかは、受験生がよくやりがちな計算ミス、立式ミスで計算していった結果とまったく同じものになっていることがあります。
簡単に言えば、ひっかけの要素があるということです。自分が計算した結果と同じものが選択肢にあっても、それはあなたが典型的なミスをした結果なのかもしれないわけですね。
記述式なら、立式が正しければ部分点がもらえることもありますが、センター試験でのマーク式は残酷なことに、いくら途中まで合っていても最後のマークが違えば、0点です。物理は1問あたりの配点が4~5点と大きいので、それが3問ほどになると結構な痛手です。
よって、「解けた!」と思ってもすぐにマークをするのではなく、必ずその場で一度計算ミスがないか、立式を間違っていないかを見直すように心がけましょう。
グラフ問題
とくに電磁気や波動の分野でよく出題されます。たとえば以下のような問題です。
2017 センター試験
他のテストではあまり出ないグラフ問題ですが、これも解くためのベースも結局は計算や知識になります。その力がある前提で、グラフの形状と値の両方に目を向けて考えることがグラフ問題には必要になります。
どうして形で選ぶことが良くないのでしょうか?上記の問題で考えましょう。上の問題の図1(b)なら、$x$が$0$から$d$までは電位が単調に増加して、金属板内では等電位なので電位は一定、そして$x = 2d$ ~ $3d$ではまた電位が増加する、ということがわかっていないといけませんが、これだけだと、②と③が候補として考えられます。
この問題の答えは③です。実は、金属板が入っていても最終的な電位差は電圧$V = 0$になるのです。よって、$x3d$で$V = 0$まで値が到達している③が正解です。
サキサキが間違えてしまったのは、グラフの形だけで判断してしまったからです。それでも偶然当たることもありますが、今回の②と③のように似たようなグラフがまぎれていると、ミスをしがちです。
物理のグラフはどのような変化で、どのような値をとるかを両方つかむことが大事で、それはすなわち、グラフの形状と値の両方に目を向けるということになります。
知識問題
これははっきり言ってしまえば、「知っていれば解ける。知らなければ解けない。」という問題です。たとえば、以下のような問題です。
2017 センター試験
正解は⑥なのですが、これは計算どうのこうの、という問題ではありません。同じ大きさの電気量をもった2つの点電荷があるときは、電気力線は⑥のようになるのです。自然界の法則です。
これは知らないと解けませんよね。こうした物理現象の基本を問うような知識問題は、やはり教科書を読むのが一番良いです。
先ほどの電気力線の図も、教科書の電磁気の序盤に必ずと言っていいほど載っている定番の図です。いつもこうした単なる知識問題で落としてしまう、という人は、落とした問題に関連する分野の教科書を読み直しておくといいでしょう。
センター物理 第1問:小問集合
第1問では物理の基礎を理解しているのかどうかを測るための問題が物理の全範囲から出ます。問題の難易度は低いですが、知識問題からの出題も多いため、物理の本質的な部分を知らないと得点を取りにくい部分です。
この分野の対策としては、物理の現象を理解することが必要です。計算ではなく、どうしてそのような結果が導かれるのかがわかる必要があるため、有名な実験や現象の根拠を覚える必要が出てきます。
センター物理 第2問:電磁気
センター物理は第2問からは各分野で基礎問題~標準問題レベルの問題が出題されます。計算問題を中心に3つの問題の形式から出題されます。
電磁波の問題の特徴として、「融合問題が多い」、「回路が複雑である」、「グラフ問題が多い」など、センター物理の中では難しい範囲だと思います。しかし、センター物理は基本的な部分を主に聞いてきますので、回路を1つ1つ整理すれば必ずできるようになります。練習の時から落ち着いて効率よく回路を理解する力を身につけましょう。
センター物理 第3問:波動
第3問は典型的な問題が多く、センター物理の中では一番解きやすいです。問題も計算問題が多いため、問題集を解けるレベルがあれば間違いなく高得点を取れるでしょう。
波動の範囲で高得点を取れない人は力学や熱量の分野を中心に学習している人が多いです。しかし、典型問題がほとんどを占める波動の分野は少し勉強するだけで点数が伸びます。波動の分野で伸び悩んでいる人はぜひ勉強してみてください。
センター物理 第4問:力学
高校物理の力学はかなり広範囲を扱っているため、問題をひねりやすく、センター物理でもっとも2次試験の問題に近いものとなっています。そのため、物理の基本的な部分しか勉強していない人は落としやすい場所となっています。
2次試験に近いということは難しいテストであるということではありません。問題の形式がセンター試験とは異なるのです。先ほども言いましたが、センター試験は主に物理の本質を理解しているのかを聞こうとしていますが、物理の2次試験に関しては、物理のひねった問題を主に聞いているのです。なので、2次試験の物理が得意であるという人は力学が得意であるかもしれません。
センター物理 第5問:熱力学
熱力学に関しては熱量の問題と熱力学の法則の問題が大半を占めます。問題の難易度自体も、基本的な部分が多いので、その問題を中心に典型問題を解けば安定した点数を取れるようになります。
センター物理 第6問:原子
センター物理の原子は選択問題以外ではあまりでないので、やらなくてもいいやと感じるかもしれません。しかし、原子の範囲は狭いのでセンター物理の問題は毎年同じような作りになっています。なので、人によっては5番を選ぶよりも得点源になり得ます。自分がどちらの方が安定して点数を取れるのかを考えて、やってみてください。
センター物理の時間配分はこう考える!
センター物理の点数配分はどうなっている?
センター物理の問題はほとんどが1問4~5点です。つまり、8割以上点数を取りたい場合は4問以上のミスは許されません。物理を2次試験中心に勉強している人は知識問題などで点数を落としてしまい、8割を切ることが多いです。どのような問題も同じくらい価値があることを意識して知識問題などで点数を落とさないようにしましょう。
センター物理の解く順番攻略!
センター物理は問題を解く順番を意識する必要は全くありません。どのように解いても構いませんが、特にこだわりがないのであれば前から解いていいでしょう。時間があまりない物理で問題を飛ばしながらやる方が大変だからです。
前から解くことでうっかりのマークミスを減らすこともできるので、特に焦りやすい人は前から解くようにしましょう。
センター物理おすすめ時間配分
センター物理の大半は計算問題です。その割にセンター物理の制限時間は60分なので、だらだら計算していたり、解法が思いつくまで時間がかかったりすると、意外に時間がなくなりがちです。
そこで、コツとして、大問1つあたりの制限時間を定めるようにしましょう。
具体的には、センター物理は全部で5つの大問(必答問題4問+選択問題1問)を解き、かつ最後3分ほどでマークミスの確認をするべきなので、大問1つあたり11分以内に終えることがオススメです。
もちろん、順調に解けている場合の1~2分のオーバーはやむをえませんが、わからないのに「う~~~ん」と考えて11分を超過するのはやめましょう。残りの易しい問題に割く時間がなくなってしまいます。
センター物理の選択問題はどうする??
センター物理には第5問と第6問で選択問題があります。しかし、どちらがオススメなのでしょうか?
センター物理の第5問は熱量の問題です。問題自体は熱量の問題と熱力学の法則を中心に典型的な問題が出題されます。センタ―物理の第6問は原子の問題です。原子の選択問題は1つの典型的な形があり、毎年似たような問題が出題されています。
熱力学が得意な人であれば5番を選ぶことをオススメします。しかし、物理が苦手であったり、熱力学がわからないという人は、毎年似たような問題が解ける6番を選択してください。しかし、最終的には好みの問題なので、3年分ほど両方やってみて、好きな方を選ぶようにしましょう。
何点取ればOK?センター物理志望校別目標点数
センター物理志望校別目標点数はこれ!
センター物理が求めている点数は高得点ですが、内容としては基本的な問題が多いです。なので、基礎がしっかりしているならば必ずこの点数は取れます。
しかし、2次試験の問題では良い点数を取れているが、センターでは悪い点数という人がいるかもしれません。それは物理の本質を理解していない可能性があります。行き詰った場合は基礎から見直してみてください。
センター物理対策はこうする!目標点数別勉強法&参考書・問題集
センター物理目標点数別勉強法一覧
- 現在のマーク模試点数が50点未満!これから物理の勉強を頑張る!
60点(6割)をまず目指すための勉強法を見る! - 現在のマーク模試点数が60-70点!
80点〜85点(8割〜8割5分)をとって理系学部を目指す勉強法を見る! - 現在のマーク模試点数が80点以上!あと一歩頑張って満点を狙う!
満点を目指す勉強法を見る!
センター物理でまず60点(6割)を目指すための勉強法
60点を目指す勉強法のポイント
60点を目指すための参考書①:スタディサプリ
スタディサプリは、月額980円でたくさんの映像授業を見ることができるサービス。物理では「高3スタンダードレベル」が基礎の習得におすすめです。
- Step1.
- テキストを用意して授業を見る
- Step2.
- 授業を見終わったら、テキストをざっと見返す
- Step3.
- 確認テストに取り組む
- Step4.
- 間違えた部分のテキストを再度見直す
60点を目指すための参考書②:物理のエッセンス
「物理のエッセンス」は、物理入門にうってつけの参考書。図や絵で物理の原理がていねいに、かつ端的に描かれているので、いちばんはじめの参考書としても、授業の復習としても最適です。
- Step1.
- 問題に取り組む
- Step2.
- 間違えた問題の解説を読む
- Step3.
- もう一度問題に取り組む
センター物理、80点〜85点(8割〜8割5分)をとって理系学部を目指す勉強法
80〜85点を目指す勉強法のポイント
80〜85点を目指すための参考書①:物理良問の風
「良問の風」は言わずと知れた物理の名参考書。物理の基本問題・典型問題がたっぷりつまった参考書で、これ1冊を完璧にするだけで相当物理の力はUPします。
- Step1.
- 問題に取り組む
- Step2.
- 間違えた問題の解説を読む
- Step3.
- もう一度問題に取り組む
センター物理、難関国立大狙いで満点を目指す!勉強法
満点を目指す勉強法のポイント
満点を目指すための参考書①:センター試験過去問(赤本)
センター物理の総仕上げ!過去問(赤本・黒本)の使い方!
センター物理の直前期対策は「過去問」一択!
センター試験の過去問はかなりいい参考書になります。過去問からセンター試験がどのような形で出されているのかがわかったり、センター試験がどのように変化しているのかを理解することができたりします。センター試験について様々なことがわかるセンター試験過去問をやらないということは、しっかりとセンターに向けて対策していないことと同じになります。
また、センター試験の過去問は解けるだけ解きましょう。最低10年分を解くことが望ましいです。さまざまな年度の問題に触れることで、センター試験についてより深く知ることができ、勉強対策や、自分の苦手な部分の理解をすることができるようになります。大変ではありますが、12月くらいから1週間に1~2分解くようにしましょう。
センター物理 過去問の上手な活用法
センター物理の問題は、2次試験対策の問題集に載っている問題を出題するのではなく、物理の本質に迫るセンター試験独自の問題型式でした。そこで、まずはセンター物理の問題に対応するためにも復習は欠かさずに行うことを意識することは大切です。
センター物理は、物理の本質的な部分を問題で出すため、1つ1つの問題から物理の本質が理解できます。そのため、間違えた部分を理解するためにも解説がわかりやすい参考書を購入することをオススメします。読んで、復習をスムーズに行える過去問にしましょう。
問題は本番の試験のように、1年分を60分かけて解くようにしましょう。1回過去の問題を解くことで、自分流の解き方を理解出来たりします。ある程度物理ができる人ならば、過去問を解くことで自分の弱い部分を理解することもできますよ。
マーク模試・センター同日試験はこう活用する!センター物理マーク模試の復習のやり方!
センター物理のマーク模試、点数のとらえ方
模試を受ける理由は主に3つ!
- 自分の現在地を知る!
- 目標との差を知る!
- 時間配分などのシミュレーションをする!
自分の現在地を知る
これはどの科目でも同じ。自分の点数が今どのくらいで、あとどのくらい点数を取ればいいのか、さらにいうとどういう分野が苦手かを知るために、模試を受けましょう。
目標との差を知る
判定はあくまで「今回の模試ではこのくらいできた」という目安でしかありません。それよりも、「本番はこのくらいの点数を取りたいから、あとこのくらい足りない」「この大問が点数取れなかったということは、この分野が苦手なんだな……復習しよう」といったふうに、自分に今足りていないことを把握するために使いましょう。
時間配分などのシミュレーションをする!
とくに高校1、2年生のうちは、なかなかセンター試験を解く機会はありません。模試のタイミングでどういう問題が出るのか、どのくらい時間が足りないのか実感しましょう。
センター物理のマーク模試、復習の仕方は?
センター物理の復習の方法は先ほどの物理の勉強方法と変わりません。しっかりと解答を読んで物理の本質を理解していくようにしましょう。
高校1、2年生は特に物理の問題でどこを復習すればいいのかがわからないかもしれません。しかし、物理のマーク模試は分野ごとに分かれてくれています。なので、自分がどの範囲がわからないのかを理解することはできると思います。苦手な範囲がわかったらその範囲を復習すればいいのです。
センター同日試験で気をつけることは?
目標点数は?受ける時の心構えは?
「解けなくて当たり前」なので、心配しなくていいです。センター同日の物理については「気にしない!」これが一番です。
ただし、東大や京大、医学部など難関大学を志望している人は、本番にこのくらいの点数を取りたい!という点数を意識しながら解きましょう。
解けた人も解けなかった人も、必ず自己採点の練習だけはしておきましょう。
そのため、センター試験やその模試では必ず問題冊子に自分が選んだ答えを書き込み、自己採点が必ずできるようにしましょう。
まとめ
- センター物理の出題方式
- センター物理は物理の全範囲から出題。そして、2次試験のような応用問題を解かせるのではなく、物理の本質を理解しているのかを問う問題が多い。
- センター物理の時間配分、選択問題、解く順番
- これで解いた方がいいというルールは存在しない。練習の時にどのようにとけばいいのかを考えながら解くようにしなければいけない。自分なりのルールを決めよう。
- センター物理の解く順番
- 大学によって目標点数は違います。上を見て確認してください。
- 復習を必ず行う
- センター物理を解き終わったら、復習を忘れずに行いましょう。復習を行わなければやる意味がありません。自分が解けるようになるまで学習しましょう。
もっと具体的に「このとおりに勉強すれば物理の勉強は完璧、という参考書の流れが知りたい!」という方は、ぜひSTRUXの参考書マップを活用してください!
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