- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。
神戸大の物理は試験時間が短く、「入試標準レベルの問題をいかに手早く解けるか」が攻略のカギとなります。解答のみではなく導出過程も書かないといけないことにも注意しましょう。
この記事では、神戸大学物理の攻略に必要な情報をすべて、レベルごとにお伝えしていきます。
神戸大学の物理出題傾向
力学では単振動、力学的エネルギー保存則の問題が頻出です。他の分野については、はっきりとした傾向は見られません。また、他の分野と比べて、波の問題が少し難しいという特徴もあります。
神戸大学物理の各問題の特徴
大問構成はこのようになっています。
- 第1問 力学記述式設問
- 第2問 電磁気記述式設問
- 第3問 熱力学、波、原子のうちいずれかの記述式設問
各大問25点ずつで、75点満点となっていることが多いですが、25点-30点-20点という配点になった年度もあります。
第1問 力学記述式設問
ばねや糸を使った問題が出やすいです。ばねの復元力や位置エネルギー、糸の張力の扱いに慣れるように演習を積んでおく必要があります。
第2問 電磁気記述式設問
目立った傾向がなく、色々な題材からまんべんなく出題されています。入試問題としては問題設定が単純なので、「セミナー」「良問の風」等で対策しやすいといえます。
第3問 熱力学、波、原子のうちいずれかの記述式設問
第3問にもこれといった傾向は見られません。熱力学・波・原子のどれが出題されても素早く解けるようになるまで、対策をすることが重要です。原子分野をおろそかにしてしまう受験生が多いですが、その部分からも出題されたことがあるので注意です。
神戸大学物理の時間配分の例
神戸大学の理科の試験時間は、2科目合わせて120分です。この記事では、物理に60分を充てるとして解説します。
時間配分の例
00:00 | 第1問 力学記述式設問(20) |
00:20 | 第2問 電磁気記述式設問(20) |
00:40 | 第3問 熱力学、波、原子のうちいずれかの記述式設問(20) |
導出過程も書かないといけないので、60分という試験時間は非常に短いです。解法が思いつかず詰まってしまったら、すぐに他の大問に移るのが良いでしょう。
学習塾STRUXではこれらの勉強計画を
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神戸大物理で必要な学力レベル
神戸大学の物理で高得点を出すには、入試基礎~入試標準レベルの問題が速く正確に解けるかが重要となります。
レーダーチャート
ここでは、学習塾STRUXが使用しているレーダーチャート分析をもとに、神戸大の物理に必要な参考書・レベルをチェックしていきます。
神戸大学のレーダーチャートはこのようになります。
力学
力学はレベル3。問題演習をしっかりこなせていれば、それほど手こずる難易度ではありません。素早く正確に解けるかどうかで差がつくので、意識しながら勉強を進めていきましょう。
波
波はレベル4。考えにくくややこしい問題設定のときが多く、他の分野よりも難易度はワンランク上です。波の図示や、不等式を導く問題など、解くには時間を要する問題も多いです。
電磁気
電磁気はレベル3。「セミナー」や「リードα」の問題が全て解けるようになっていれば、十分高得点が狙えるでしょう。頻出分野がないので、全範囲をまんべんなく対策しておきましょう。
熱
熱力学はレベル3。こちらも、「セミナー」や「リードα」の問題が全て解けるようになってから臨めば高得点が狙えます。
原子
原子はレベル3。他の大学では出題の少ない核分裂、素粒子範囲からも出題されています。演習に使う問題集は必ず最後まで解き切るようにして、これらの分野も鍛えられるようにしましょう。
神戸大学物理が解けるようになるためのレベル別勉強法
ここからは、神戸大学の物理で合格点をとれるようになるための勉強内容をご紹介します。「これから勉強を始める!」という人ははじめから進めてほしいですし、ある程度基礎はできている!これから神戸大学に特化していきたい!という人は途中から読み進めてもOKです。
映像授業+問題演習で物理を自習する
多くの学校では物理の進度が遅く、入試ギリギリにようやく終わることも多いです。それと並行して物理の学習を行っていては大幅な演習不足になってしまうため、映像授業で速習していきます。
これまで習った範囲の復習も含め、以下の教材を使って全範囲を履修していきます。
「スタディサプリ」などの映像授業を使いましょう。付属の問題を解いて復習し、映像授業の内容をしっかり吸収できるようにしましょう。
次に、問題集で知識を定着させていきます。「セミナー」と「リードα」を学校で配布された場合は、それを使いましょう。
※以下、「セミナー」を使うとして勉強法を解説していきます
学校でこういった問題集を配布されなかったり、解説が配布されていなかったりする場合、中古のものを購入して取り組みましょう。または、市販の「エクセル物理」などを活用するのも良いです。問題数が多くレベルも幅広いため、知識の定着にも入試レベルへの準備にも最適です。
「セミナー」は「基本例題」「基本問題」を2周した後、「発展例題」「発展問題」を2~3周しましょう。リードα等他の問題集でも、同じように取り組んでいきます。
高3の4月時点で「電磁気の交流と、原子分野以外を終わらせた」状態を目指しましょう。高3の夏休み前までには全範囲を一通り終わらせて、次のステップに進みましょう。
次に進むポイント
- 映像授業や学校の授業の内容はすべて理解でき、付属の問題も全て解いた
- セミナーの「発展例題」「発展問題」を3周した
「定石」を身につけて入試対策の基礎をつくる
前のステップでセミナーを3周して、ある程度は解けるようになったかと思います。以下の問題集で「定石」を学び、さらに力をつけていきましょう。
各問題集をまずは2周し、3周目以降は間違えた問題だけに取り組んでいきます。「物理のエッセンス」の詳しいやり方はこちらを、「良問の風」の詳しいやり方はこちらを参考にすると良いです。
この2冊を高3の夏休みが終わるまでに終わらせましょう。
次に進むポイント
- 「物理のエッセンス」と「良問の風」をそれぞれ3周した
- センター試験の過去問で80点以上を確実に取れる
セミナーレベルの問題を完璧にし、過去問で仕上げる
「物理のエッセンス」「良問の風」で手に入れた定石を使って、もう1段階難しい問題集に挑戦しましょう。
各分野を2周し、3周目以降は間違えた問題だけ解いていきましょう。神大は波動の問題が難しいので、波動の部分は多めに周回して、より短時間で解けるようにしておきましょう。
- 過去問赤本(5~10年分)
中古の赤本などを使って、直近10年ほどの過去問を解きましょう。必ず時間を測って、60分以内で解き切るのを目標にしましょう。
過去問を解くときには、毎回記述の練習もするようにしてください。