学校のテストや模試で「基本的な問題は確実に正解できる!」という状態になったら、次は入試レベルの演習に取り組み、過去問でも高得点を狙えるようにしていきましょう!
とくに物理は、大問の出題数が3~4題と少ない大学がメインであり、その各大問の「後半の小問」に進むほど内容が難しくなります。少ない大問数の中で高得点を取るには、この難しい問題にも正解することが欠かせません。
今回は、そんな難問も正解できる実力を身に付けるための勉強法や、使うべき参考書などについて紹介します!
物理は典型問題(定石)を解けるだけでも多くの大学を突破できる!
典型問題の重要性について解説するにあたり、まずは物理の全体的な勉強の流れを確認しましょう。
教科書レベルの内容理解
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定石理解・暗記
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入試レベル問題演習
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過去問演習
今回の記事で紹介する「入試レベルの問題」を解けるようになることも、確かに重要です。しかし応用レベルの勉強前に、基本を理解し典型問題を解けるようにしないと、演習の意味は半減します。
なぜ物理の勉強では難問より典型問題が重要なのでしょうか?その理由は以下の2つです。
- 典型問題を解けるだけで合格できる大学が多いから
- 難問に到達するまでの小問がわからないと全滅するから
典型問題を解けるだけで合格できる大学が多いから
物理は典型的な問題を解けるようになれば、「地方国公立・MARCH・関関同立」レベルでも何とか入試で戦える学力を身に付けられます。
入試では満点を取る必要はありません!大切なのは「志望校が求める成績をクリアする」ということです。そのため、まずは典型問題を解けるようにして、得点できる問題を確実に取る意識を持って勉強しましょう。
難問に到達するまでの小問がわからないと全滅するから
物理は出題される大問数が少なく、「1つの大問内に小問がずらっと並んでいる」ということが多いです。各小問同士は関連性が深いため、例えば「小問の1を間違えたら残りの小問2・3・4も間違える」といった構成になっていることがほとんどです。
基本的に各大問の「前半部分の小問」は、それほど難問ではありません。そのため、まずは基本的な問題をきちんと解けるようにしておかないと、難問の解き方だけを覚えても得点につながらないのです。
こうした理由があるため、難問の問題演習を進める前に、まずは典型問題を解けるようにしておきましょう。
具体的な勉強方法は以下の記事で解説しています!
高校物理の入試難関レベルの問題演習でおすすめの参考書と勉強法を紹介!
それではここから「基本的な内容は身に付けている」ということを前提に、入試難関レベルの物理の勉強法やおすすめの参考書を紹介します!
高校物理の応用問題・難問演習におすすめの参考書
高校物理のやや難しい問題の演習では、以下の3シリーズがおすすめです!
- 重要問題集
- 名問の森
- 難問題の系統とその解き方
重要問題集
『重要問題集』は、数研出版が毎年新版を発売しています。最新の入試状況を丁寧に反映させているため、毎年少しずつ収録問題が変わります。おそらく「学校指定の参考書」として授業で使っている人も多いでしょう。
『重要問題集』に収録されている問題は、問題文が長めのものが多く、難関大の過去問で頻繁に出題される傾向に慣れることができます。
ただし問題文が長い分、1周取り組むのは結構大変で、「間違えた小問だけをやり直す」ということも難しいでしょう。小問を間違えた場合は、前提となる基礎知識を改めて最初から読み返さないと間違い直しはできません。
具体的な使い方は以下の記事で解説しています!
名問の森
『名問の森』は河合塾が出版している問題集です。長年、旧帝大や早慶などの難関大受験生から評価されています。
『重要問題集』と比べて問題文がやや短いため、1周は取り組みやすいです。ただし、最近よく入試で出題されるような「長い問題文の入試問題」は、別で過去問演習に取り組んで慣れる必要があります。
具体的な使い方は以下の記事で解説しています!
難問題の系統とその解き方
『難問題の系統とその解き方』は、受験最難関レベルの問題集です。収録されている1問1問が東大・京大レベルの問題であるうえ、問題数も難関レベルの問題集の中では最多です。そのため、1周取り組むのもかなり大変でしょう。
進めるのにかなり時間がかかるため、東大や京大などの最難関大学が志望であり「物理を得点源にしたい!」という人だけが取り組みましょう。
具体的な使い方は以下の記事で解説しています!
高校物理の応用問題・難問演習の勉強法
上記の参考書や問題集は、以下の手順で使って勉強しましょう!
- Step1.
- 時間を計りながら問題を解く
- Step2.
- 解説を丁寧に読む
- Step3.
- 間違えた問題を解き直す
- Step4.
- 間違えた問題に印をつける
- Step5.
- Step3.に戻り2周目として繰り返す
まずは時間を計りながら問題を解きましょう。問題集のレベルが高いため、1問1問にかかる時間が長くなるのは仕方ありません。
とはいえ、入試本番で大問1つにかけられる時間は、せいぜい20~25分程度。日頃の勉強で順調に解けていても、計算が遅かったり解答を思いつくのが遅かったりすると、入試本番で時間内に解けません。そのため、入試を見据えて「1問あたり最大25分程度」で解くことを目指しましょう。問題を解く手が止まったら、その時点で解説を読んでもOKです。
また、1周目はすべての解説を丁寧に読み込んでください!仮に正解だったとしても、もっとスッキリ解ける方法があるかもしれません。2周目以降は、間違えた部分だけ丁寧に解説を読んでいけばOKです。
解説を読んで間違えた問題の解き方を理解したら、一旦解説を閉じ、その場で解き直しましょう。解説を読んでる間は「よし、理解できたぞ!」と思っても、解説を閉じると解けないことはよくあります。入試ではもちろん解説を読めないため、計算まで自力で行い計算力をつけておくことも重要です。
間違えた問題には印を付けて、2周目以降は印のついた問題だけを繰り返しましょう。
物理入試レベルの問題集で演習する際の注意点
- 図は自力で何度も描く
- 苦手な部分は基本に戻って勉強し直す
- 最終的には過去問演習を優先する
図は自力で何度も描く
物理では、図を描くのが得意であればあるほど、正確に早く問題を解けるようになります。問題集では「大問1つに対して図が1つだけ印刷されている」ということが多いですが、その図だけを眺めるのではなく、自力で何回も図を描きましょう。
とくに物理の入試問題では、小問ごとに「実験状況が変わったので前の図のままで解くと矛盾が出てくる」ということも多いです。そのような場合でも、平然と描き直せるくらいのメンタルを身に付けておきましょう。
苦手な部分は基本に戻って勉強し直す
物理の問題では、難問だけを解ければ良いわけではありません。大問自体が難しくても、前半のいくつかの小問は、基本的な内容を押さえていれば解けることが多いです。
もし、そうした基礎的な小問で間違えたのであれば、その単元や内容が苦手な証拠!基礎を固めるため、もっと易しい問題集に戻って復習することも検討しましょう。一見面倒に感じますが、そのほうが結果的に短時間で実力を伸ばせます。
最終的には過去問演習を優先する
難しい問題集に取り組む時期が、過去問演習と被ることもよくあります。具体的には「高3の11月以降」は過去問演習に取り組みたいところです。そのため「高3の11月以降」に差し掛かったら、問題集を終わらせるよりも過去問演習を優先してください!
まずは過去問演習に取り組み、あまり解けなかった範囲を問題集で克服していくほうが、この時期は効率的に実力を伸ばせます。
まとめ
大学受験の物理では大問数が少ないため、高得点を取るには前半の小問を確実に得点し、さらに難問を解く力を身につけることが大切です。とはいえ、教科書レベルや定石理解の部分で躓いていると、そもそも難問を解くための土台が固まっていないため、問題演習に取り組む意味は半減します。
そのため、今回紹介した参考書や問題集で難問に挑戦するだけでなく、まず「基本が身に付いているか?」という点もしっかりチェックしておきましょう!
もっと具体的に「このとおりに勉強すれば物理の勉強は完璧、という参考書の流れが知りたい!」という方は、ぜひSTRUXの参考書マップを活用してください!
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