学習院大学傾向と対策

GMARCHのGにあたる学習院大学。元々皇族や華族が通う大学として始まっただけに、今でも良い家柄の人が通う大学というイメージがあり、「真面目」な印象があります。そのため、受験での人気も高く、就職率も高いです。
学習院大学の5つの学部の中でも、今回は文学部を中心に見ていきたいと思います。

文学部は8学科あり、いずれも基礎的な教育を重視しており、学生は、まずその研究領域における基本的な考え方や基礎的な知識を習得するように指導されます。本学部では、ほとんどの学生にとって卒業論文が必修になっており、最終学年において教員の懇切な個別指導のもとで研究を行い論文を書きあげます。

学習院文学部の特徴として、少人数のクラスでの演習・ゼミが数多く用意されています。外国語は特に重視されており、2カ国語以上の学習が必修になっています。また、広く一般的な教養を身につけるために、自分の専攻する学科の専門以外の科目を、自由に履修することがすすめられています。 そのため、自分の興味・関心に沿った学問を学ぶことが可能です。

2025年度入学入試から、学習指導要領の変更により、一部大学で配点・科目の変更などが予定されています。順次記事を更新しておりますが、この記事は変更前のものとなりますので、配点等は必ず大学公式HPを参照してください。

Part.1 学習院大学の試験・出願情報

学習院大学には「コア試験」「プラス試験」「共通テスト利用」の3つが一般選抜の方式としてあります。共通テスト利用入試は2021年度より導入となっています。一番募集定員が多くメインとなる試験は「コア試験」で、いわゆる個別学部試験と同じ立ち位置です。「プラス試験」は合格のチャンスを増やすために、定員は少ないですが別日程で行う入試で、入試の形式や難易度は大きく変わりません。今回はメインとなる「コア試験」について見ていきます。

試験日・入試形態・出願について

一般入試
期日 2月9日
共通テスト 不要
2段階選抜 なし
出願時期 1月
科目 独自試験:
外国語(英語など)・国語・選択科目 (地歴・公民・数学)

科目としてはオーソドックスなもので、選択科目は「日本史B」「世界史B」「地理B」「政治・経済」「数学1A2B」のいずれかから1つを選択することになります。

また、文学部でプラス試験があるのは心理学科・教育学科のみです。プラス試験は理学部の「コア試験」と同じ問題で、理系科目(数学1A2B3・英語・理科)で実施されるため、私大文系志願の学生が受験することはほとんどないといって良いでしょう。

Part.2 学習院大の配点と目標点

学習院の目標点数については、最低点をもとに考えていくことになります。配点からどの科目でどの程度確保すべきなのか考えていきましょう。こちらも「文学部コア試験」を見ていきます。

配点・科目

独自試験
英語 150点
国語 150点
選択科目 100点

配点は、英語150点、国語150点、選択科目(社会・数学)100点の400点満点です。試験時間はいずれも90分となっています。

選択科目としては、得点しやすく対策も取りやすい社会 (日本史・世界史) がおすすめです。

目標点数

合格最低ライン目安
240/350点
パターン1:標準
英語 110/150点
国語 90/150点
選択科目 60/100点
合計 260点
パターン2:英語が得意
英語 125点/150点
国語 70/150点
選択科目 65/100点
合計 260点
パターン3:選択科目が得意
英語 100/150点
国語 80/150点
選択科目 80/100点
合計 260点

過去2年の合格最低点はいずれも60%前後となっています。他の私大と比べると多少点が低めになっていますが、点が取りづらい記述式問題も含まれるため侮ることはできません。また、心理学系統はどの大学でも人気ということもあり、最低点が他の学科よりも多少高くなっています。

基本的には「全科目まんべんなく65〜70%を目指す」ことになります。選択科目は社会(特に日本史・世界史)を選ぶことをおすすめしますが、学習院大学の社会は科目によって穴埋めで数値を答える問題など面倒な問題が出題されるため、解答できる問題で確実に点を取っていく事になります。

英語の配点が高いので、英語である程度得点できることが望ましいですが、社会のほうが得意という場合は社会70〜75、英語100あたりで設定してもいいでしょう。心理学科志望などの場合はもう少し高めに270点あたりを目標にしたいところです。

模試一覧
5月 全統記述模試
8月 全統記述模試
10月 全統記述模試
駿台・ベネッセ記述模試
11月 全国有名国公私大模試

学習院大学は私大の中でも記述問題量が多いのが特徴です。そのため、記述問題に慣れるためにも、「全統記述模試」を受けて対策しましょう。「共通テスト利用」での受験も考えている場合は、「全統共通テスト模試」や「大学入学共通テスト入試プレ」、入試1年前の「共通テスト同日試験」なども受験しておきましょう。

模試ではA判定を狙っていきたいところではありますが、良い判定が出なかったとしても見直しや復習を重ね、本番までに合格可能性をあげていきましょう。

併願校・志望変更

学習院大学内
法学部、経済学部
他大学の法学部
MARCH、成蹊大学、武蔵大学、明治学院大学

学習院を第1志望とする場合の併願パターン、「コア試験・プラス試験」の活用方法を見ていきましょう。原則として同一学科であっても「コア試験」「プラス試験」「共通テスト利用」で1回ずつ、最大3回受験することが可能です。どの学部・学科に進むにせよ「ここに絶対行きたい!」という場合は「コア試験」「プラス試験」どちらも受験したいところです。ただしプラス試験がない学部もありますから、注意しましょう。

「プラス試験のみ受ける」ということはあまりないですが、あるとしたら「他大学を第1志望で受験していて、併願校として少しでもチャンスを増やしたいが、日程的にプラス試験しかない」場合や「他の学部のプラス試験も試しに受けてみる」という場合でしょう。コア試験より定員が大きく削られているため、プラス試験をメインで考えるのはNG、ということだけは押さえておきましょう。

文学部を第一志望として学習院大学内で他学部を併願する場合は、入試科目が同じ文系学部の法学部、経済学部が対象となるでしょう。ただし、学問領域が異なるという点には注意しましょう。

関東圏で他大学の併願をする場合は同レベルから少し下の大学、具体的には成蹊大学・成城大学や武蔵大学、明治学院大学などがおすすめです。明治学院大学は学習院のように記述式問題が多いですが、自由英作文など別途対策が必要なので、併願校の受験対策に時間をかけたくないという場合は避けたほうが良さそうです。
このあたりの大学からレベルをすこし離して、日東駒専レベルの大学で安全圏、東海や大東文化大などを押さえとして視野に入れられるようになると万全です。

学習院大学の受験相談事例集

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Part.3 科目別の勉強法と攻略法

最後に学習院大学の勉強法と傾向対策を見ていきます。

勉強の手順としてはあくまで「英語」→「国語」→「社会」となります。数学を選択する場合は少し変わってきますが、まずはこの3つの手順で進めましょう。

全体

学習院大学は私大の中でも記述問題量が多いのが特徴。英語では英作文、社会でも空所補充で記述が必要になっています。だからといってものすごく記述対策を練る必要はないのですが、英作文などは対策を怠っていると細かいところで点を落としてしまうことになるので、注意しておきましょう。

英語

文学部の場合は長文3つと文法3つ、英作文(和文英訳)1つの大問7つ構成です。どの学部も比較的同じような構成になっていますが、英作文の有無は異なりますので、しっかりと確認しておきましょう。

試験時間は90分あるためそこまで時間に焦る必要はありませんが、英作文の練習を早めに行っておき短時間で記述できるようにしておくと良いでしょう。また長文問題の中で30字前後の記述問題が課されることもあるため正確に読み書きができる必要があることは留意事項です。単語・文法を早めに固めた上でなるべく多くの演習をこなせるようにしておきましょう。

国語

文学部の国語は大問5つ構成です。問題は、漢字、現代文、古文、漢文の構成ですが、文学部以外では漢文の出題がない学部も多くなっています。漢文が必要かどうかは学部を絞る最初の段階で見極めておきましょう。

現代文、古文漢文いずれもレベルとしては標準的ですから、高3になってからの対策でも十分間に合うでしょう。ただ、文学史や熟語の意味、古文の漢字の読みなどが他大学より多く出題される傾向にあるため、11月以降は国語便覧や現代文のキーワード集などで確認しておく他、普段から出典や古文で読めない単語の読みは確認しておきましょう。

日本史・世界史

日本史・世界史は他の大学同様「高3の夏前には全範囲を習得しておく」ことを目標にしておきます。それ以降一問一答と私大向けの問題集で対策をしていくのですが、文学部などの一部学部は「7行程度で説明しなさい」といったような論述問題も課されます。夏後半には少しずつ論述問題にも触れたいところですので、気持ち早めの対策を心がけておきましょう。

地理・政治経済

地理・政経も日本史・世界史同様、夏には基本的な知識は全て入っている状態で、そこからセンター試験の過去問などで演習ができるようにしておきたいところです。

数学

文学部の数学は大問4つが出題され、全て記述式問題ですが、答えの値のみを記述する問題と、その導出過程まで記述する問題に分かれます。教科書レベルの標準的な問題が中心なので、基礎をしっかりと固めておくようにしましょう。