微積分といえば高校数学最大の難関とも言われ多くの人が苦手とする分野。「導関数ってつまりなに……」、「公式が多すぎて覚えられない!」などのお悩みを持つ方も多いはず。実はそれらには共通した落とし穴があります。この記事ではその落とし穴と解決法を紹介します。微積分を武器にして他の受験生に差をつけましょう!
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微積分の問題が全然解けません。
赤神さん~今回の数学の期末微積分が範囲なんだけど~
そう~微積とかマジでむり~全然解ける気しないんだけど!
まぁ微積分は高校数学最大の難関とも言われるからな、さきさきが全然わからないというのは無理もない。
なるほど、確かに微積分が苦手という人の多くはなにをやってるかがよくわからないと言う。まずはそこを明確にしよう。
戦略1. 微積分ってそもそも何をやってる?
1-1微分って何?
微分とは「ある関数f(x)の導関数f’(x)を求めること」です。
これだから微積分嫌いなの!もっとわかりやすい言葉で説明してよ!
「関数f(x)に対して、xが少し変化したときにf(x)の値がどう変化するかを求めること」
うーんちょっとわかりやすくなったけどまだうーん……
さらに噛み砕いた言い方をするとxをちょっとだけ増やしたときにf(x)がどれくらい増えたり減ったりするかを求めるのが微分といえる。
その感覚が大事だ。もうちょっと詳しく見ていこう。
f(x)という関数においてxがaからbまで変化した時、f(x)の値はどれくらい変わるかわかるか?
xがaからbまで変化するならf(b)-f(a)だけ変化したんじゃない?
そうだ。ではxの変化量に対してf(x)の値の変化量はどれくらいになる?
xがaからbに変わるんだから$\frac{ f(b)-f(a) }{ b-a }$かな?
いい感じじゃないか、正解だ。この$\frac{ f(b)-f(a) } { b-a }$を、xがaからbまで変化するときの平均変化率という。言葉の意味そのままだな、平均したらこれくらい変化していますって意味だ。
次にこのbをどんどんaに近づけていく。bを限りなくaに近づけていって、b-aがほぼ0とみなせるようなレベルまで近くなった時の平均変化率をx=aにおける微分係数といってf'(a)という。ここまでを1回まとめよう。
微分:「xの小さな変化に対してf(x)がどう変化するか」を求めること
平均変化率:xの変化量に対するf(x)の値の変化量の割合=$\frac{ f(b)-f(a) }{ b-a }$
微分係数:b-aがほぼ0とみなせるときのx=aにおける平均変化率,f'(a)で表される
微分係数は個々の決まった値aに対して決まるが、これを関数のようにみて、xの値に微分係数を対応させる関数を考えたとき、その関数を導関数という。
いやいやいや、ちょっと待ってって。だからその導関数ってのはなんなの!
細かい違いを無視して簡単に言ってしまえば微分係数を関数の形で表したものだ。定義式を見てみよう。
微分係数の定義式:$f’ (a)= \displaystyle \lim_{ h \to 0 } \frac{ f(a+h) -f(a) } { h }$
導関数の定義式:$f'(x)= \displaystyle \lim_{ h \to 0 } \frac{ f(x+h) -f(x) } { h }$
んーさっきbとか言ってたのはどこいったのーー???てかlimってなにー?
微分係数の方の定義式を見てもらうとaとhという記号が使われているな。このhはさっきのb-aの部分だ。bとaの差をhって記号で置き換えているんだ。そしてlimって記号は今はあんまり深くやらないが、今回の$\displaystyle \lim_{ h \to 0 } $ではhの値が0に限りなく近づいている、つまりhは0とみなすという意味であると考えてもらえばいい。
例えば$f(x)=x^2$のとき、x=1における微分係数は
$f'(1)=\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \frac{ f(1+h) -f(1) } { h }$ = $\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \frac{ (1+h)^2 – 1^2 } { h }で表される$
そしてf(x)=$x^2$の導関数$f'(x)$は、
$f'(1)=\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \frac{ f(x+h) -f(x) } { h }$ = $\displaystyle \lim_{ h \to 0 } \frac{ (x+h)^2 – x^2 } { h }$で表される
細かい計算はここではやらないが、しっかりとこれらの定義を覚えることが微分をマスターするための第一歩だ。微分とはつまりなにかと合わせて何度も確認しよう。
まとめ
微分:xの小さな変化に対して関数f(x)がどう変化するかを表す関数(導関数)を求めること
導関数:微分係数を関数の形で表したもの
微分係数の定義式:$f’ (a)= \displaystyle \lim_{ h \to 0 } \frac{ f(a+h) -f(a) } { h }$
導関数の定義式:$f'(x)= \displaystyle \lim_{ h \to 0 } \frac{ f(x+h) -f(x) } { h }$
1-2積分って何?
微分とは何かを学んだあとは微分と並べて扱われることの多い積分について学習しましょう!積分とは何かというところからしっかりと確認していくのでご安心ください!
さて、次は積分だな。積分を一言でいうなら「微分の逆」だ。
ああ、微分すると$f(x)$になるような関数を求めるのが積分だ。具体的に見ていこう。
さきさき、$f(x)=x^3$を$x$で微分してみてくれ。
それくらいなら簡単よ!$x^3$の微分だから……$3x^2$ね!
正解だ。では微分すると$3x^2$になる関数は何がある?
えっさっき$x^3$を微分して$3x^2$になったんだしほかになくない……?
じゃあ$f(x)=x^3+1$を微分してみてくれ。
1は$x$で微分したら0になるだろう?だから$x^3$に1を足しても微分したら$3x^2$なんだ。記号を導入して1回整理するぞ。
積分:微分の逆。微分したら$f(x)$になるような関数を求める
積分の表し方
Ex.)$f(x)=2x$を$x$で積分
$ \int 2x dx =x^2+C(Cは積分定数) $
∫は積分記号やインテグラルと呼ばれるものだ。意味としては∫の右にあるものをすべて足し合わせるというような感じだな。dxはディーエックスと読まれ、非常に小さいxの変位、つまりxがaからbに変化するときのb-aの部分を表す。今は∫とdxセットで∫(積分する関数)dxで、xでの積分を表すと認識してくれれば大丈夫だ。
Cはさっきの例、$3x^2$の積分の時に出てきた+1の部分で積分定数と呼ばれる。1とか2とか定数($x$が入ってない)部分を微分しても0になるだろ?てことは積分するときには最終的には1を足したり2を足したりしても正解になるんだ。さっきの例で$3x^2$の積分を求めたが、まず$x$が入ってる部分で$x^3$が出てきて、そこに定数をいくら足しても微分した結果は変わらないのでその定数をまとめてCと表しているんだ。
うーんなるほど、、、理解はできたけどまだ混乱する~~~
混乱しているところは教科書を読んで整理して、しっかり定義を定着させておこう!とりあえず微分と積分の概略的な話は以上だな。次はつまずきやすいポイントを解説していくぞ。
戦略2. 公式を追うな、言葉の定義を追え
微積分とはなにかを確認したところで微積分勉強法の最大の落とし穴を明らかにしていきましょう。
さて、微積分とはなにをやる分野なのかはもう理解できたな?ここからは微積分の勉強で陥りやすい、やってはいけない勉強法を示してそれを改善していくぞ。
では、早速だがさきさき、微積分の勉強はどのように進めている?
うーんまず教科書を読んで書いてある公式を覚えて問題解いてーみたいな感じかなー
多くの人は同じように勉強していると思うが、実はこの勉強法はあまり効率がいいとは言えない。
なぜならば公式を覚えるということを1番に考えてしまう人が多いからだ。確かに公式は正しい使い方で使えば計算が楽になったり一見難しそうな問題を解くのに役に立ったりする。しかし公式ばかりを追うあまりその公式の持つ意味や成り立ちをしっかり理解せずにただ丸暗記してしまっている人が多い。
丸暗記することのデメリットは2点ある。1つは応用レベルの問題に対応しにくくなってしまう点だ。その公式がなぜ成り立つか、そもそもどういう意味を持っているのか深く理解せずに暗記してしまうと、少しひねった問題に対応できなくなってしまう 。
もう1点の弊害は公式を忘れやすくなってしまう点だ。公式の意味を深く考えずに単純に記憶しようとしてしまうと記憶の定着率が悪くなってしまうんだ。
公式丸暗記のデメリット
じゃあどうすればいいの~?公式を覚えないで勉強するって~
なにも公式を覚えるなと言っているわけではない。公式を学習するときはまずその公式がどういう意味かをしっかり確認、そしてなぜその公式が成り立つのかまでをしっかり理解するようにするんだ。
でも、公式の意味をみてみようとしてもあんまよくわかんなくて……
あぁ、それは公式を学ぶ前の段階に少し問題があるな。公式を学ぶ前にはその公式で出てくる言葉などを学ぶだろう?そこの言葉の定義がしっかり確認できていないと公式のもと意味もしっかりと頭に入ってこない。つまりまずは公式を学ぶ前に言葉の定義をしっかり確認する必要があるんだ。微積分の分野は定義がわかりにく言葉が多いから要注意なんだ。例えば「導関数」とはなにかと言われてしっかり説明できるか?
しっかり人に説明できるレベルまで言葉の定義を確認してから公式を学ぶと見え方が違ってくるはずだ。公式の意味や成り立ちが理解しやすくなり、どういう場面で使えばいいのかまで丁寧に追えるようになる。一見遠回りに思うかもしれないがこれが最短の学習法なんだ。
まとめ
①人に説明できるレベルまで言葉の定義を確認する!
②成り立ちやその公式のもつ意味、使える場面までをあわせて公式を学習する
③問題演習を通して自分の武器として定着させる(問題演習の記事は↓)
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