北海道大学


北海道大学 物理の対策

*紹介している教材にはプロモーションを含みます

  • 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。

北海道大学の物理は、ややこしくて考えにくい問題が多く出題されます。しかし傾向がはっきりしているので、傾向を理解して対策していくことで合格に近づくことができます。

この記事では、北海道大学物理の攻略に必要な情報をすべて、レベルごとにお伝えしていきます。

北海道大学の物理出題傾向

例年、力学分野では円運動、単振動、運動量保存が頻出です。電磁気ではコンデンサーや直流回路、荷電粒子の運動が非常によく出ています。熱力学分野ではピストンとシリンダーの問題やpV図を主とした問題がよく出ていますが、気体分子運動論も出題されたことがあります。波動・原子分野からの出題は、過去5年の間ではありませんでした。

北海道大学物理の各問題の特徴

大問構成はこのようになっています。
※2021年度の構成です。

  • 第1問 力学穴埋め式設問
  • 第2問 熱力学穴埋め式設問
  • 第3問 電磁気穴埋め式設問

第1問は力学の問題になる傾向がありますが、第2問と第3問は入れ替わりが激しいです。つまり、熱力学と電磁気のどちらかが第2問に出題され、もう片方が第3問になるという傾向が続いています。

第1問 力学穴埋め式設問

前半と後半に分かれていることが多く、前半は比較的簡単で、後半は難しいという傾向が続いています。「物体と同時に、それが乗っている台も動く」という問題がよく出題されますので、しっかり対策をしておきましょう。円運動の問題も出やすいですが、こちらは比較的解きやすいです。

第2問 熱力学穴埋め式設問

熱力学では、ピストンとシリンダーを使った問題が頻出です。センター・共通テストの問題と似たような設定が多く、慣れれば高得点を取りやすい部分です。気体分子運動論の問題も時々出ています。これも解き慣れているかどうかが得点率に大きく影響しますので、日頃の問題演習が重要となります。

第3問 電磁気穴埋め式設問

コンデンサー、コンデンサーを用いた直流回路、荷電粒子の運動をテーマにした問題がよく出ています。「コンデンサー内に金属板や誘電体を入れて動かす」問題が苦手な人は、必ず克服しておきましょう。なお、交流回路の問題が近年出題されていないのも特徴です。

北海道大学物理の時間配分の例

北海道大学の理科の試験時間は、2科目合わせて150分です。もう一方の科目との兼ね合いもありますが、75分以上は物理に充てたいところです。各大問25分ずつで完答を目指しましょう。また、力学は前半は易しめ、後半が難しい形式になっているので、最初に力学の前半だけ解くのをおすすめします。
1つの大問で手が止まってしまったら、あまり悩みすぎずに、他の大問やもう一方の科目に挑戦してみましょう。そうする方が、最終的な得点率が高くなることが多いです。

時間配分の例

00:00 第1問 力学穴埋め式設問・前半(10)
00:10 第2問 熱力学穴埋め式設問(25)
00:35 第3問 電磁気穴埋め式設問(25)
01:00 第1問 力学穴埋め式設問・後半(15)

電子の運動や気体分子運動論といった、粒子の運動を考えていくタイプの問題は、比較的短時間で解けることが多いです。これらが出題されたら、優先して解きましょう。

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北大物理で必要な学力レベル

北海道大学の物理は難しく見えますが、実は学校で配布される「セミナー」「リードα」といった問題の集合体であることがほとんどです。
したがって、こういった基礎的な問題集に乗っている問題を、全て解けるようにしていくことが重要となります。

レーダーチャート

ここでは、学習塾STRUXが使用しているレーダーチャート分析をもとに、北大の物理に必要な参考書・レベルをチェックしていきます。

北海道大学のレーダーチャートはこのようになります。

力学

力学はレベル3。運動量保存と円運動の問題が出やすいです。特に運動量保存の問題では、後半に複雑な二体問題が出題されることがありますので注意が必要です。二体問題に苦手意識を持ってしまう人も多いですが、必ず克服しましょう。

波はレベル3。ここ5年では一度も出題がありませんが、これから出題される可能性もありますので対策が必要です。もし出題されても、共通テスト対策だけである程度得点できると思いますので、共通テスト後も波の演習を少しながら行っていくことが重要です。

電磁気

電磁気はレベル3。コンデンサーと荷電粒子の運動が出やすいです。コンデンサーについては、コンデンサーを入れた直流回路も頻出ですので、ぜひ対策をしておきましょう。荷電粒子の運動は考えやすい問題が多いので、出題されたら狙い目です。なお、導体棒と交流が直近5年で一度も出ていません。

熱力学はレベル3。ピストンとシリンダーの問題が頻出ですが、気体分子運動論も時々出題されます。pV図がよく出てくるので、見て正しく理解できるだけでなく、自分でも書けるようにしておきましょう。

原子

原子はレベル3。ここ5年では一度も出題がありませんが、これから出題される可能性もありますので対策が必要です。光電効果とコンプトン効果の問題は解けるようにしておきましょう。また、ほとんど原子の知識がなくても、問題文の誘導をよく読めば解けるような問題が出される可能性もあります。

北海道大学物理が解けるようになるためのレベル別勉強法

ここからは、北海道大学の物理で合格点をとれるようになるための勉強内容をご紹介します。「これから勉強を始める!」という人ははじめから進めてほしいですし、ある程度基礎はできている!これから北海道大学に特化していきたい!という人は途中から読み進めてもOKです。

物理は速習が重要!映像授業+問題集で基礎固め

物理の勉強は学校の授業と並行して行うのが望ましいですが、多くの高校では進度が遅く、入試ギリギリにようやく終わることも多いです。それでは演習を積むことができず、進学校の生徒に対して非常に不利なため、早めに学習をしていきます。

これまで習った範囲の復習も含め、以下の参考書で全範囲の知識の網羅と定着を並行して行います。

「スタディサプリ」などの映像授業を活用し、教科書レベルの基本知識を盤石にしていきます。いきなり問題を解くことはできないため、まずは映像授業の視聴と付属の問題を解くことで身につけていきましょう。

「リードα」「セミナー」がおすすめの問題集ですが、別冊の解説を渡されていない場合もあるはずです。

学校でこういった問題集を配布されなかったり、解説が配布されていなかったりする場合、中古のものの購入や市販の「エクセル物理」などを活用しましょう。問題数が多くレベルも幅広いため、知識の定着にも入試レベルへの準備にも最適です。

「セミナー」は「基本例題」「基本問題」を2周した後、「発展例題」「発展問題」を2~3周しましょう。リードα等他の問題集でも、同じように取り組んでいきます。

高3の4月時点で「電磁気の交流と、原子分野以外を終わらせた」状態に持っていくのが望ましいです。高3の夏休み前には全範囲を一通り終わらせて、次のステップに行けるようにしましょう。

次に進むポイント

  • 映像授業や学校の授業の内容はすべて理解できた
  • 「発展例題」「発展問題」を3周した

北海道大入試を解くための「定石」を把握する問題演習

前のステップで「発展例題」「発展問題」が解けるようになっても、しばらくすると「あれ?解けなくなってる…」となってしまうこともしばしば。以下の問題集で「定石」を理解して、問題を解く技術をさらに定着させましょう。

各問題集をまずは2周し、3周目以降は間違えた問題だけに取り組んでいきます。どの問題も、小問の(1)だけではなく、(2)(3)を含む大問全体を最後まで解けるようにしていきましょう。

この2冊を高3の夏休み中には終わらせましょう。

次に進むポイント

  • 「物理のエッセンス」と「良問の風」をそれぞれ3周した
  • センター試験の過去問で80点以上を確実に取れる

入試レベルの問題を大量に解き、北海道大入試レベルに到達!

「物理のエッセンス」「良問の風」で手に入れた定石を使って、ワンランク上の問題集である「名問の森」に取り組んでいきます。

11月までに「名問の森」を3周しましょう。

終わったら、過去問演習をしていきます。特に特徴的な問題は過去問を解いてみないと解くコツが掴めないので、意識していきましょう。

  • 過去問赤本(5〜10年分)

中古の赤本などを使って、直近10年ほどの過去問を解きましょう。必ず時間を測って、実際にどの順番で解くのかを意識しながら取り組むのが大切です。

「さらに実力をつけて、物理で大きく点を稼ぎたい」という人と、「物理重点選抜群」で受験する人は、以下の問題集にも取り組みましょう。

  • 入試演習名大物理の過去問を解く
  • 入試演習東北大物理の過去問を解く
  • 入試演習京大の物理27カ年

どちらも余裕がある人向けになります。名大や東北大の物理は、北大の物理と問題レベルが近いので、直前の問題演習におすすめです。

「京大の物理27カ年」は穴埋め式なので、北大の入試形式に慣れる上でも重宝します。
最近(2007年以降)の京大物理は難しく、北大との難易度差が大きいので、取り組む際は昔の問題から解いていくことをおすすめします。

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