- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。
神戸大学理系数学では、数学3を中心にやや難易度が高い問題が出題されます。試験時間も短く時間との戦いになるため、傾向をしっかりつかんで十分に対策しておく必要があります。
この記事では神戸大学理系数学の出題傾向から勉強内容まで、攻略に必要な情報をすべて解説します。
神戸大学理系の数学出題傾向
神戸大学理系数学の出題頻度を表にまとめています。
数学3の微積分が頻出で、試験時間に対し計算量が多いのが特徴です。難問を時間をかけてじっくり解くというよりは、限られた時間で問題を解き切る処理速度が求められます。ほとんどの受験生が解けないような難問・奇問はほぼ出題されないため、数学3を中心に全範囲しっかり問題演習しておけば、攻略は十分可能です。
神戸大学理系数学の各問題の特徴
大問構成はこのようになっています。
- 第1問 記述式設問
- 第2問 記述式設問
- 第3問 記述式設問
- 第4問 記述式設問
- 第5問 記述式設問
大問5題から構成される記述式問題です。導出過程からすべて記述する必要があるため、普段の問題演習からわかりやすい解答作りを意識しておきましょう。各大問では小問により誘導がなされるため、うまく誘導に乗って解答していきましょう。そのためには基本事項・定石をしっかり理解し、解答への様々なアプローチを知っておく必要があります。
神戸大学理系数学の時間配分の例
試験時間は120分。単純計算だと1題あたり24分と比較的短めで、余裕のない時間設定となっています。さらに数学3からの出題が中心で計算量が多い傾向にあるため、煩雑な計算を速く正確に処理する能力が求められます。
時間配分の例
00:00 | 第1問 記述式設問(24) |
00:24 | 第2問 記述式設問(24) |
00:48 | 第3問 記述式設問(24) |
01:12 | 第4問 記述式設問(24) |
01:36 | 第5問 記述式設問(24) |
これはあくまで一例。実際には1題あたりぴったり24分とはならないでしょう。まず全体をざっと見て、あまり時間がかからなそうな問題や、解きやすそうな問題から着手しましょう。場合によっては、比較的時間のかかる後半の小問は捨てるのも手です〜。また積分が含まれる問題は計算量が多くなりがちなので、よほど得意でない限り後に回した方がいいでしょう無難です。時間との戦いになるため、分からない問題に時間をかけすぎず、解ける問題を確実に解くことが重要です。
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神戸大理系数学で必要な学力レベル
神戸大理系数学の難易度は、数学3が出題される分、共通テストよりはやや難しいといったところ。医学部なら85%、その他学部なら75%以上を目指しましょう。手の付けられない超難問はほぼ出題されず、標準~やや難しいレベルの問題が中心です。したがって標準レベルの問題をいかにミスなく正確に解けるかが合否の分かれ目となるでしょう。つまり全範囲にわたって標準問題をしっかり網羅すれば、攻略は十分可能です。数学的センスよりも、「いかに問題演習をやり込んだか」という受験生の努力によって差がつきやすい入試問題といえます。
神戸大学理系数学が解けるようになるためのレベル別勉強法
ここからは、神戸大学理系の数学で合格点をとれるようになるための勉強内容について解説します。「これから勉強を始める!」という人ははじめから進めてほしいですし、ある程度基礎はできている!これから神戸大学理系に特化していきたい!という人は途中から読み進めてもOKです。
まずは教科書レベルの内容で、数学の基礎を身につけよう
数学に苦手意識がある場合、わかりにくいテキストを無理に使ってはいけません。まずは基礎の基礎レベルの参考書から取り組むべきです。以下のチェックリストで、あてはまる項目がないかチェックしてみてください。
- 教科書に載っている内容や学校の授業を正直ほとんど理解できていない
- 数字がそもそも苦手
- 学校の授業を全然聞いていなくて、テストでも赤点ギリギリ
これらに一つでも当てはまる場合は、以下の参考書からスタートしましょう。
いずれも一番基礎的な内容から理解できるようになっています。
ここであまりに時間をかけると肝心の入試対策が間に合わなくなるので、どんなに遅くても2年生のうちには終わらせましょう。
先程のチェックリストに当てはまらない場合、教科書レベルの内容理解と復習からスタートしましょう。
「スタディサプリ」などの映像授業を活用し、まずは教科書レベルの基本知識を確実なものにしていきます。いきなり難しい問題集には手を付けず、映像授業の視聴と教科書レベルの基本例題を解くことから始めましょう。
次に進むポイント
- 数学の苦手意識が少し薄れてきた
- 数学1A2Bで習う範囲や、基本的な出題内容を把握している
- 映像授業や学校の授業の内容はすべて理解できた
入試頻出の「定石」を把握する問題演習
入試問題を解く上で、頻出の解法パターンである「定石」は強力な武器になります。教科書レベルの内容を理解したら、入試問題で定石を使いこなせるよう、問題演習を通じてしっかり身につけていきましょう。
青チャートは2年生のうちに終わらせられると良いペースです。
ここまで仕上げたら、センター・共通テスト過去問に一度取り組んでみましょう。数学1A2Bの理解度確認に最適ですし、共通テスト本番のレベルを早めに知っておいて損はありません。試験時間はあまり気にせず、自分の力で解き切ってみてください。
もし苦手分野が残っていれば、青チャートなどに戻って復習しておきましょう。
次に進むポイント
- 「青チャート」の「レベル3」までは完璧に解ける
- 「青チャート」の「レベル4・5」は7割以上解ける
- センター・共通テスト過去問は時間をかければ8割以上解ける
神戸大理系入試必須の「数学3」は、予習で早めにスタートしよう
神戸大理系数学では数学3からの出題がほぼ確実なため、十分に対策しておく必要があります。学校の進度に合わせていると対策が遅れる可能性があるため、自ら予習し早い時期から問題演習に取り組みましょう。
数学1A2Bの学習を終えているなら、なるべく早く着手しましょう。3年生になる頃には予習をスタートさせ、夏前までに「青チャート」レベル3あたりまで終わらせておくと良いでしょう。
次に進むポイント
- 数学3の教科書レベルの内容はすべて理解できた
- 「青チャート」のレベル3あたりまではすべて解ける
神戸大理系数学攻略に向け、入試形式の問題演習で総仕上げ
定石問題は身についているはずなので、あとは実際の入試問題にどんどん取り組み、身につけた基本知識や定石を使いこなす訓練を積んでいきましょう。
神戸大理系数学では計算量の多い数学3が頻出で、試験時間も短いため、速く正確に計算を処理する能力が必須です。計算力が合否の分かれ目になりかねないので、以下の参考書でしっかり対策しておきましょう。
- 定石演習合格る計算 数学3
ここまでを3年生の秋頃までに終えたら、共通テスト対策も忘れずに。時間を計って過去問を解いてみて、時間内に8割は取れるようにしておきましょう。
並行して、赤本などを使って二次試験の過去問演習にも取り組みます。ここまでの参考書をきっちり仕上げていれば、実力は十分。あとは神戸大理系数学の出題傾向に慣れましょう。
- 過去問神戸大の数学15カ年
- 過去問赤本(5〜10年分)
時間を計って過去問を解いてみることで、「時間が全然足りない!」「計算力を上げればなんとか完答できそうだ」などの時間感覚を身につけることができます。さらに試験時間120分を大問5つにどう振り分けるかを判断する「現場力」も養っておくことで、入試本番に落ち着いて臨むことができるでしょう。