東京都立大学傾向と対策

東京都立大学は2020年4月までは首都大学東京という名前で呼ばれていました。東京都内唯一の公立大学として、人気大学となっています。質の高い研究室が多く存在しているほか、教員から学生へのサポートも整っており、安心して通える大学となっています。

Part.1 東京都立大学の試験・出願情報

東京都立大学の試験は基本をきちんと押さえている人にとっては、決して難しい問題ばかりではありません。その一方で合格に必要な得点率も高くなっており、ケアレスミスや対応できない可能な限り減らす必要があります。

都立大の試験日・入試形態・出願について

一般入試
期日 2月25日or26日
共通テスト 必要
得点比率 学科により異なる
2段階選抜 あり
出願時期 1月25日~2月5日
科目 学科により異なる

一般的な国公立大学と同じスケジュールで実施されます。共通テストによる1段階選抜が実施されますが、例年8割程度取れていれば基本的に通過できるラインとなっています。2次試験に対する共通テストの点数の比率が多くの学科で高くなっているため、共通テストでも十分な点数を取るための戦略が必要となります。

個別学力試験では学科問わず英語の試験がないので、英語が得意な人にとっては他の受験生との差をつけにくいということになるかもしれません。

Part.2 都立大の配点と目標点数【文系】

先述の通り、都立大の入試問題は決して難問揃いというわけではありません。しかし苦手科目によっては点数を取れないということも考えられます。そこでここからは得意科目・苦手科目による様々なパターンを載せるので参考にしてみてください。

配点・科目(人文社会学部の例)

共通テストの点数比率が高いのが特徴的。配点は小さいとはいえ個別学力試験で小論文が課されるので、専用の対策をしておく必要があります。

共通テストを利用する際に、地理歴史・公民および数学から計3科目を選択することが必要です。文系の学科なので数学は1Aを選び、社会から2科目選ぶのがスタンダードとなっています。いずれにしても、早い段階で受験に使用する科目を選んでおくことでどこに勉強の焦点を当てればいいのか分かりやすくなります。

個別学力試験においても地理歴史および数学から1科目を選択することが必要となりますが、ここでも社会を選ぶのがスタンダードです。数学を選んでもいいのですが、文系数学だからといって計算量は少なくなく、計算に自信がない限りは時間に追われ苦戦を強いられる可能性があります。

目標点数 *矢印は得点換算

合格最低ライン目安
860点(人文社会学部の例)
パターン1:標準
共通テスト 640/800点
国語 80/150点
地理歴史・数学 120/200点
小論文 50/100点
合計 890点
パターン2:国語が得意
共通テスト 640/800点
国語 120/150点
地理歴史・数学 100/200点
小論文 30/100点
合計 890点
パターン3:地歴または数学が得意
共通テスト 640/800点
国語 70/150点
地理歴史・数学 150/200点
小論文 30/100点
合計 890点

人文社会学科のみならず、全ての学科で英語が個別学力試験に含まれません。その代わり共通テストの英語の配点が大きくなっています(人文社会学科の場合は300点)。そのため英語が得意な人は共通テストで確実に点を取っておくと有利に事を運べるでしょう。

模試一覧
5月 河合全統マーク模試
河合全統記述模試
8月 河合全統マーク模試
河合全統記述模試
10月 河合全統マーク模試
河合全統記述模試

*点数推移:準備中

マストで「マーク模試」を受けていきましょう。これに加え、入試1年前の「共通テスト同日試験」などを受験できるとよりよいです。A判定を狙うのは簡単ではないので、10月の記述模試でAがでたらラッキー、位のつもりで、狙う判定としてはBあたりを目指し徐々にあげていければOKです。夏の模試ではD判定〜E判定で十分ですが、マーク模試は夏あたりでは7〜8割すでに取れている状態にはしておきたいところです。

併願校・志望変更

共通テスト利用
青山学院大学、中央大学など
後期試験
横浜国立大学、千葉大学
志望校変更
GMARCH、上智大学など

私大の併願をする際は、GMARCHを志望する場合が多いです。共通テストの点数が良ければ、共通テスト利用で受かることも多いので、視野に入れておきましょう。

後期試験で併願する場合に多いのが地方国立大学で後期試験を実施しているところ。このあたりは地域によって住んでいる近くの難関大を活用する場合が多そうです。

Part.3 都立大の配点と目標点数【理系】

理系に関してもやるべきことは明確です。数学の配点が高い分、文系よりなおいっそう、得意科目・苦手科目によって「どの科目で点をとって合格するか」の戦略が立てやすく、合格率を高めることができるので、様々なパターンを基に参考にしてみてください。

配点・科目(理学部数理科学科の例)

共通テストの点数比率が高いのが特徴的。どの学科も個別学力試験は数学と理科のみとなっており、1つ1つの科目に集中して勉強に取り組みやすい。

共通テストを利用する際に、地理歴史・公民から1科目を選択することが必要です。理系の学科なので数学は1A2Bともに必須となっています。

個別学力試験の理科は学科によってシステムが大きく異なるので気をつけてください。例として、理学部化学科では化学は必須で、それに加えて物理・生物・地学のうちから1科目を選ぶ形式となっています。

目標点数 *矢印は得点換算

合格最低ライン目安
800点(学科により異なる)
パターン1:標準
共通テスト 450/600点
数学 250/400点
理科 130/200点
合計 830点
パターン2:数学が得意
共通テスト 450/600点
数学 300/400点
理科 80/200点
合計 830点
パターン3:理科が得意
共通テスト 470/600点
数学 200/400点
理科 160/200点
合計 830点

理学部数理科学科の場合、ベーシックな合格ラインは、数学が得意かどうかで大きく変わります。数学と比べて理科の配点が低いので、数学で点を落としてしまった場合に理科でリカバリーすることは難しくなります。

同様に、化学科では化学、物理学科では物理と、各学科の専門の教科は配点が高くなっているので、必ず取れるようにしておきましょう。

模試一覧
5月 河合全統マーク模試
河合全統記述模試
8月 河合全統マーク模試
河合全統記述模試
10月 河合全統マーク模試
河合全統記述模試

*点数推移:準備中

マストで「マーク模試」を受けていきましょう。これに加え、入試1年前の「センター同日試験」などを受験できるとよりよいです。A判定を狙うのは簡単ではないので、10月の記述模試でAがでたらラッキー、くらいのつもりで、狙う判定としてはBあたりを目指し徐々にあげていければOKです。夏の模試ではD判定〜E判定で十分ですが、マーク模試は夏あたりでは7〜8割すでに取れている状態にはしておきたいところです。

併願校・志望変更

共通テスト利用
青山学院大学、中央大学など
後期試験
横浜国立大学、千葉大学
志望校変更
GMARCH、東京理科大学など

私大の併願をする際は、GMARCHを志望する場合が多いです。共通テストの点数が良ければ、共通テスト利用で受かることも多いので、視野に入れておきましょう。

後期試験で併願する場合に多いのが地方国立大学で後期試験を実施しているところ。このあたりは地域によって住んでいる近くの難関大を活用する場合が多そうです。

Part.4 科目別の勉強法と攻略法

さて、ここからは具体的な攻略法をみていきます。各科目の簡単なポイントを紹介しているほか、基礎レベルからどの参考書をやればよいのか?過去問の傾向は?などの詳しい内容はリンク先にもあるので、必要な科目に絞りながら活用していってください。

英語

英語の問題は「英語長文の和文要約」「英作文」「リスニング」「和訳」「文法」「長文読解」など多岐にわたります。これらを120分で解く必要があるため、解き方にも戦略が求められます。リスニングが真ん中30分で実施されるため、それまでに得点源にしたい要約、英作文、そして和訳など中断しても問題ないものを解いておき、リスニングが始まる5分前にはリスニング問題に目を通します。このあたりの時間配分や「どの問題で点を取るか」を模試や過去問を通して明確にしましょう。

国語

都立大の国語は古文1題と現代文2題の計3問構成となっています。古文は現代語訳や文法問題、著者の主張に関する論述問題など幅広く出題されます。現代文では自分の考えを400字以内で論述する小論文のような問題が出題されます。自分の書いた論述を先生に見てもらうなど専用の対策も必要となります。

数学<文系>

文系の数学は4問構成で、確率が頻出となっていますが、幅広い分野から出題されるので、満遍なく勉強しておくことが必要となります。難易度は高くないので、標準レベルの問題を確実に取れるようにしておきましょう。

数学<理系>

理系数学は3問構成で、こちらも標準的な問題が出題されます。数Bからは数列やベクトル、数3からは微積分の問題がよく出題される傾向にあります。近年は証明問題も出題されることが多くなっているので、対策しておく必要があります。数理科学科に限っては通常の理系数学の問題に加えて専門問題が3題出題されます。

日本史

都立大日本史は例年5問構成となっており、多くが短文論述問題となっています。ただ歴史事項を理解するだけではなく、その背景や流れまで把握しておく必要があるので、過去問を常に意識した対策が必要です。また現代史の分野からも出題されるので、早めに計画を立てて学習することが求められます。

世界史

都立大世界史は4問構成で、穴埋め形式、単答問題、25~140字程度の論述問題が出題されます。難易度は標準的なものですが、字数制限や指定語句があったりと、本番での柔軟性が求められる問題となっています。古代から現代まで幅広く出題されるので、満遍なく理解しておく必要があります。

地理

地理は大問3つ構成で、資料を読み取りそれについて論述する問題が中心で、単答問題や作図問題も出題されています。統計資料や地図を利用した問題も多く、普段から資料集などに目を通すようにしておく必要があります。

物理

物理は3問構成で、「力学」「電磁気」「熱または波動」がそれぞれここ数年では出題されています。基本的な思考を問う問題から計算問題まで幅広く出題されますが、全体的に計算量が多いため、高得点を狙うには限られた時間の中で計算を正確に行う練習をする必要があるでしょう。

化学

化学も3問構成。問題数は多くないため、時間内に解き切れるようになっています。しかし理論化学分野から一部難易度の高い問題が出題されるため、問題に優先順位をつけて解いていくことが必要になるでしょう。論述問題は部分点があるため、難しい問題でも必要な部分が書けていれば得点になります。どこで点を取るべきか見極める戦略が必要となります。

生物

生物は3問構成で、幅広く出題されます。字数制限のない論述問題が中心で、難易度は少々高めに設定されています。教科書や資料集に載っている知識は取りこぼしがないよう丁寧に把握しておきましょう。