早稲田大学人間科学部傾向と対策

難関私立大学として知られる早稲田大学。学生数の多いマンモス校と言われますが、少人数でのグループ活動やディスカッションの授業が盛んに行なわれ、授業の質が高いのが魅力です。「オープン科目制度」によって他の学部の授業を受講することができるので、様々なことを学びたい人にはオススメの大学です。人間科学部は「人間環境科学科」「健康福祉科学科」「人間情報科学科」の3つがあり、他の大学では学べないような分野横断的な最先端の学問を学べるようです。ただ人間科学部は埼玉県所沢市にあり、早稲田キャンパスから離れているので注意が必要です。

Part.1 早稲田大学人間科学部の試験・出願情報

早大は学部ごとに試験問題が異なります。この章では、人間科学部の入試形態について確認しましょう。人間科学部は入試方式が複数あるので注意が必要です。共通テスト利用もありますが、今回は独自試験の一般選抜と一般入試、共通テスト併用入試に絞って解説していきます。

試験日・入試形態・出願について

一般入試
期日 2月18日
共通テスト 不要(一部利用できる方式あり)
出願時期 1月
科目 文系(A方式):英語・国語・選択科目(世界史B・日本史B・数学から1科目選択)
理系(B方式):英語・数学1A2B3・選択科目(物理・化学・生物から1科目選択)
共テ+独自数学方式:独自試験数学1A2B3・共通テスト5教科6科目(英語・国語・地歴公民1・数学・理科2)

オーソドックスな試験方式が「文系A方式・理系B方式」です。定員は、人間環境科学科115名、健康福祉科学科125名、人間情報科学科100名と多く、狙いやすい入試と言えます。

一方、共通テストと併用する形式の入試は数学に大きく比重が寄った入試です。定員は各学科15名と少ないですが、「数学が得意で他が苦手」という人はチャレンジしても良いでしょう。共通テスト併用形式の独自試験の数学では、数3は選択問題です。そのため数3を履修していなくても受験可能です。

Part.2 人間科学部の配点と目標点

次に、配点と目標点数をパターン別に見ていきましょう。人間科学部のA/B方式では、成績標準化による得点調整があります。受験者平均点と合格最低点から公開されているので、それらのデータを基に、目標点を換算していきます。

目標点数

文系のA方式と理系のB方式の配点は、各科目50点ずつの総点150点です。

文系は「外国語」「国語」「選択科目(世界史B・日本史B・数学1A2B)」の3科目、理系は「外国語」「数学」「選択科目(物理・化学・生物)」の3科目です。
全科目について得点調整がなされるため、英語など実際の点数は素点より下がる可能性が十分にあります。

もう一方の共通テスト+数学選抜方式の配点を見ていきましょう。共通テストの配点は、「外国語」「数学1A2B」が40点、「国語」「地歴・公民」「理科2科目」が20点です。独自試験の「数学」の配点は、2022年度から360点になります(以前は560点でした)。
独自試験数学の配点が高いため、数学が得意で、ほとんどの問題が解けるような人にしかオススメできない方式です。共通テストの割合が低いとはいえ、数学の個別試験で差がつかないことも見越して、取れる共通テスト科目で着実に得点する戦略をとりましょう。

なお、独自試験数学の出題範囲は数学1A2B3ですが、設問の選択が可能なため、数3以外を選択して受験することもできます。

合格最低ライン目安
95~105点
パターン1:文系A方式
英語 35/50点
国語 30/50点
選択科目 40/50点
合計 105点
パターン2:理系B方式
英語 30/50点
国語 30/50点
選択科目 35/50点
合計 95点

例年、合格最低得点率は調整後で58~60%を推移しています。調整で点数が少し下がることが多いため、70%を目指しましょう。

2019、20年の受験者平均得点率を見てみると、社会が高い傾向にあり、世界史は65~70%、日本史は60%です。理科は比較的低く、物理が45%、化学が50%です。一方、生物は2019年は70%と2020年は40%で得点率に大きな差がありました。英語と国語50~55%で安定しています。数学は概して得点率が低く、数学(文系)が30%、数学(理系)が30~35%をとっています。

得点標準化されるので、得点率の低い数学の点数が上がり、社会の点数が上がることになるでしょう。この上下動を見越して目標点数を立てておくことが必須です。

まず、文系A方式の目標点数について考えていきましょう。得点調整により英語や国語、日本史・世界史は素点から下がる可能性があります。そのため、基本的には合格最低点+5〜10%である合計105点を目標にしておくべきです。安定しづらい国語は低めに見積もり、それ以外の科目を7〜8割目指すつもりで勉強をすすめましょう。

次に、理系B方式を見ていきます。理系は、得点調整で数学・理科は多少不利になるため、文系より低めの95〜100点あたりを見据えておけばよいでしょう。こちらは国語ほど点数が安定しづらい科目がないため、得意な科目でしっかり点を確保しておく事が重要です。

模試一覧
5月 駿台atama+共通テスト模試
7月 駿台atama+共通テスト模試
8月 河合全統共通テスト模試
9月 駿台ベネッセ大学入学共通テスト模試
10月 河合全統共通テスト模試
代ゼミ早大入試プレ
駿台ベネッセ大学入学共通テスト模試
11月 河合早慶オープン
河合全統プレ共通テスト
12月 駿台atama+プレ共通テスト

*点数推移:準備中

河合の「早慶オープン」では選択問題と全体問題があり、選択問題は志望大学・学部の問題を選べますが、全体問題では早慶の問題が混ざって出題されます。志望大学・学部以外の問題も出題される難しさもあり、例年の「早慶オープン」ではD判定の人がほとんどのようです。C判定以上を目指して挑戦しましょう。結果が悪くても、気にせずに復習をおろそかにしないことが大切です。代ゼミと駿台が共催している「慶大入試プレ」では、学部別に問題が出題され、より本番に近い形式で出題されるようです。慶應大学に特化した模試は多くありませんので、「早慶オープン」と「早大入試プレ」は受けておきましょう。

併願校・志望変更

早稲田内併願
社会科学部、教育学部など
私立大併願
明治大、法政大、成蹊大、駒沢大など

早稲田大学内で併願する場合には、社会科学部と教育学部がオススメです。社会科学部は人間科学部と難易度や入試方式が似ており、学習内容も遠くないので、入学以降も困らないでしょう。教育学部は、英語の形式が多少違いますが、比較的併願はしやすくなっています。さらに、教育学部も理系の受験が可能で、理科1科目で併願ができます。

共通テストが不要な明治大学や法政大学は、学部も多様で自分の興味に合った学部学科を選びやすいはずです。ただ、立教大学や青学などから受験生が流れてくる可能性もあるので注意が必要です。不安であれば成蹊大学、駒沢大学など下の大学を抑えておくことをオススメします。

併願時に気をつけなければならない点として、「人間科学部では2021年度入試以降『政治・経済』の選択ができなくなること」が挙げられます。他大学や早稲田内での併願を考えるときに頭に入れておきましょう。

Part.3 科目別の勉強法と攻略法

さて、ここからは具体的な攻略法をみていきます。各科目のポイントだけでなく、オススメの参考書や過去問の傾向を分析しています。文理ごとに勉強のステップは異なり、文系の場合は「英語→国語→社会」、理系の場合は「英語=数学→理科」となります。点が上がりにくく、量も多い英語・数学が最優先となります。

英語

A/B方式共通の英語は大問3つ構成で、1問は300〜500語程度の長文が複数出題され、残り2問で文法知識が問われます。文法問題のうち1問が「空所補充問題」、他方が「誤った表現を含んだ部分を選ぶ問題」です。厄介なことに、空所補充する必要がない問題も、誤った表現がない問題も含まれています。正確に文法について理解していないと正答できないので、徹底的に対策しなければなりません。同形式の問題をなるべくたくさん解いていくことはもちろん、文法問題集はVintageなどだけでなく「頻出英文法・語法問題1000」「ファイナル英文法難関大学編」なども使って演習しましょう。長文は難易度も長さもそこまでではないので、確実に加点したいところです。

国語

A方式の国語は大問3つ構成で、現代文・古文・漢文が出題されます。古文・漢文は比較的標準的で、現代文もそこまで難しい問題ではありません。しかし、文章が長く、論理構成を丁寧に読み込んでいく必要があります。漢文では漢詩、古文では歴史物語(今鏡、大鏡など)が出題される可能性があるので、さまざまな文を読み慣れておきましょう。

数学

文系A方式(選択科目)では1A2Bから、理系B方式では1A2B3から出題されます。A/Bともに大問5つで構成され、うち3問は共通問題です。つまり、B方式の3問は1A2Bから、2問は数3の範囲から出題されると言えます。理系は数3がギリギリまで終わらないため、自力で早めに予習を進めておく必要があります。また、全範囲から幅広く出題されるため、理系でも数1A2Bまでしっかり復習しておきましょう。理系・文系ともに1〜2問は確実に答えたい問題が含まれているので、そこで落とさないように早い段階から基本的な問題を解けるようになっておきましょう。

世界史・日本史

A方式の選択方式である世界史B・日本史Bは、例年4または5問構成です。全ての大問で、主に適語補充と正誤問題が出題されるような、比較的シンプルな出題です。数問は、時期の並び替え問題が出題されるので、歴史の流れ・因果関係もきちんと捉えて勉強する必要があります。日本史では史料が引用された問題が出されているので、事実や単語など細かいところまで把握するだけでなく、史料についての理解も深めておきましょう。

物理・化学・生物

B問題の選択科目は物理・化学・生物から1つ選択です。例年、物理は大問3つ、化学と生物は大問5つ構成です。幅広い範囲から出題される上、少し考えるべき問題が多いです。理科は学校の進度が遅いことが多いため、数学が一区切りついた高2の2、3月ごろには少しずつ予習しておくべきです。高3の夏からMARCHレベルの大学の過去問なども活用して、応用力をつけていきましょう。