日本史の勉強の中で意外と忘れられがちなのが「文化史」。授業で通史は丁寧に扱ってくれるけど、文化史の解説は少なくてどうすればいいのかわからないという人は多いのではないでしょうか?
この記事を読むことで「いつから」「どのくらい」「どんな方法で」文化史の勉強を進めていけばいいのか、わかるようになります。
文化史ってそもそも必要なの?日本史のテストでどのくらい出題されるの?
いざ文化史を勉強しようと思っても、マルオ君のように「文化史ってそもそも必要なの?」と思っている人も多いと思います。
でも文化史は日本史においては「頻出」テーマです。
たとえば、共通テストでは文化史は毎年出題されています。
しかも共通テストの中でも2割は文化史が出題されています。
もし文化史を対策しないで本番の入試に臨むと約20%分は勉強せずに試験に臨むことになります。よく文化史で得点差が出ると言われるのはこのためです。
日本史文化史おすすめ勉強法
文化史を勉強するにあたって出てくる疑問は大きく3つに分けられます。
- いつから勉強すればいいの?
- どこまで覚えればいいの?
- どんなやり方で勉強すればいいの?
今回はこの3つの疑問に答える形で、勉強法を紹介していきます。
いつから勉強すればいいの?文化史勉強のタイミング
文化史を勉強するタイミング、それは学校の定期試験の直前になります。
文化史は覚えなければいけない分量が多く、通史と一緒に覚えようとすると、パンクしがち。なので試験前にまとめて勉強するべきです。
毎回のテストで文化史を繰り返しやることで、本番しっかり記憶に残った状態で試験に臨むことを目指します。
また各試験で文化史をしっかり勉強していれば、自然と抜け漏れがなくなります。
暗記の鉄則は「繰り返し」やること。毎回の試験の直前で文化史をきちんと勉強しましょう。
マルオ君みたいに、「もう高3だからそんな方法で勉強しても無理そう」という人向けに、勉強するタイミングを紹介します。
それは、通史の勉強が終わった後、文化史を一度集中的に勉強する、ということ。
マルオ君みたいな状況の人が失敗しがちなのが、通史と同時並行で文化史もまとめて勉強することです。
通史だけでも分量が多いですから、それに文化史も合わせてしまうと、頭がパンクしてしまうことは確実。
ですのでこれから勉強する人は、最初は別々に分けて勉強しましょう。
具体的な勉強スケジュールは以下の通りです。
- Step1
- 通史の勉強を一通り終わらせる。
- Step2
- 文化史の1周目は文化史単体で勉強する
- Step3
- 文化史の2周目は通史と一緒に勉強していく
文化史の1周目は文化史単体で勉強していきます。そして2周目以降の復習では、通史と一緒に復習して覚えていくようにしましょう。
早慶レベル以上の難しい問題になってくると、通史と文化史をリンクさせておかないと解けなく問題が多くなるからです。
また日本史の通史は時代ごとに区分けできます。その時代区分に合わせて文化史を覚えておけば、時代ごとのイメージと関連させて暗記できるので、より頭の中が整理できるからです。
日本史の文化史はどこまで覚えればいいの?
「文化史ってどのくらい勉強すればいいのか?」というのも大きな悩みの一つですよね。
結論から言うと教科書に載っているものは全て覚えましょう。
文化史は全ての時代からまんべんなく出題されるので、絞って勉強するのはなかなか難しいです。
しかし一問一答だけにしか出てこない単語は覚えていても試験に出てきません。
ですので、「教科書レベル(=必要最低限)を完璧に押さえる」ことが大事です。
教科書レベルまで完璧に押さえれば、合格点を取れるレベルで文化史を乗り切れます。
文化史を勉強する上で
- 作品と作者名
- 大仏や建物の特徴
- 文学や絵画の派閥
- 宗教について
この4つは設問にされやすいポイントです。一つずつ簡単に解説していきましょう。
①作品と作者名
文化史では建築物や絵画、文学作品など非常に広い範囲から出てきますが、一つ一つの作品の名前と作者はセットで覚えましょう。
例えば、『唐獅子図屏風』の作者は狩野永徳であるとか、『風塵雷神図屏風』の作者は俵屋宗達であるといった具合にです。
確かに全部覚えようとすると、あまり試験で問われない作者まで覚えなくてはいけません。
こちらも「あなたの持っている教科書に載っている 」レベルまでは覚えるようにしましょう。
単語帳や一問一答だけでしか見かけない作者は覚えなくても大丈夫です。試験で解ける人はほとんどいない ですから。
珍しい単語は何年かに一回しか出てこないし、正直そんな単語はキリがない。それよりも教科書によく出てくるような単語を覚えて確実に答えられる方がより良い点数を取れるようになるぞ。
②大仏や建物の特徴
日本史の文化史ではよく、仏像や建物が出てきますよね。法隆寺金堂釈迦三尊像とか、南都七大寺とか…。
ここで気をつけてほしいことはただ名前を覚えることだけではなく、特徴まで覚えてほしいということです。
例えば、天平文化では仏像は「乾漆像」と「塑像」の2種類があります。また弘仁・貞観文化の彫刻では「一木造」と「翻羽式」の2種類の特徴があります 。
このように仏像や建物には「どんな特徴なのか」まで把握する必要があります。
③文学や絵画の派閥
狙われやすいポイントの中では一番なじみのないものかもしれません。
たとえば 、明治、大正時代の文学史には必ず派閥まで書かれていると思います。
武者小路実篤は「白樺派」であるとか、永井荷風は「耽美派」であるとか。
「②大仏や建物の特徴」では仏像や建物の特徴を覚えるべきと書きましたが、文学や絵画の「特徴」の一つだと考えるとすごくわかりやすいと思います。
絵画、文学の特徴の一つとして「派閥」を覚えましょう。
④宗教について
日本史の中ではあまりめだたないですが、宗教史は非常に重要です。どの時代でも必ずおさえなければいけません。
宗教史も今まで同様、教科書で解説されるレベルまでは最低限覚えておきましょう。
宗教史は時代ごとに必ず意識して勉強するようにしましょう。時代ごとに微妙に違ったり、仏教以外の宗教もたくさん出てきたりします。
以上紹介したポイントは問題にされやすいポイントです。本当に時間がない、文化史は量が多くてどこからやればいいのかわからないという人はまずこのポイントを意識して勉強しましょう。
どんなやり方で勉強すればいいの?文化史の勉強方法
ここからは勉強法を具体的に紹介していきましょう。文化史の勉強方法は
- step1 理解
- step2 暗記
- step3 演習
の3ステップで進めていきましょう。各ステップの具体的な勉強の進め方、おすすめ参考書を紹介していきます。
Step1 理解
もっと具体的に言うと、「誰がどんな目的で作ったのか」「この作品が作られた時代はどんな時代だったのか」ということを「理解」することです。
どの作品も作られた理由やその当時の時代背景が必ず関わってきます。
<弘仁・貞観文化>を例にとって解説しましょう。
天台・真言両宗が盛んになると、神秘的な「密教芸術」が新たに発展した。
建築では、寺院お同党が山間の地において、以前のような形式にとらわれない伽藍配置でつくられた。「室生寺の金堂」などは、その代表である。彫刻では、密教と関わりのある「如意輪観音」や「不動明王」などの仏教が多くつくられた。これらの仏像は「一木造」で神秘的な表現を持つものが多い。
このように時代背景を「理解」してから「室生寺金堂」や「如意輪観音」を暗記するのと、単語として「室生寺金堂」や「如意輪観音」をただ暗記するのでは、どちらの方がより暗記しやすいでしょうか?
単語だけを暗記しようとすると、単調な勉強になってしまい、記憶への定着度合いが落ちてしまいます。
ですから、「理解」することでより覚えやすくなります。
「理解」については教科書の文化史のページや『スタディサプリ』を使って勉強するのがオススメです。
Step2 暗記
理解が出来たら次は暗記です。ストーリーがわかったら今度はそれを記憶に定着させましょう。
これらの記事を読んで勉強を進めるのがおすすめです。
先ほど挙げた「狙われやすいポイント」を意識しながら一問一答をすすめていくのもおすすめです。
step3 演習
最後に問題を解いていく「演習」のステップに入ります。
覚えた知識を、実際に問題を解くことでより定着させます。
いくら暗記できても試験問題が解けるようにならなければ、合格できませんので、「覚えた知識を得点に変える作業」だと思って取り組みましょう。
具体的な進め方はこちらの記事を参考に進めていきましょう。
文化史の演習としておすすめの教材『攻略日本史 テーマ・文化史 整理と入試実戦』を紹介します。
『攻略日本史 テーマ・文化史 整理と入試実戦』は文化史の重要ポイントと実践問題がセットになっている参考書です。文化史の問題がたくさん掲載されており、解説も1問1問詳しく書かれています。論述問題も出てきますので、論述形式の問題演習もできます。
また問題を解くだけではなく、重要ポイントを見て知識の補充もできる使い勝手のいい問題集です。
このように文化史では、しっかり「理解」→「暗記」→「演習」のステップを踏んで効率よく勉強を進めていきましょう。
まとめ
- 文化史は得点差の出るおいしい分野!
- 文化史は「試験前」に勉強しよう!
- 高3から始める人は、通史が終わってから集中して取り組もう!
- 文化史は「教科書レベル」を完璧にしよう!
- 理解→暗記→演習の3ステップで勉強!
文化史は日本史において頻出のテーマです。
教科書レベルまで完璧に押さえれば合格点を取れる「おいしい」分野なので、しっかり対策を行いましょう!
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監修者|橋本拓磨
東京大学法学部を卒業。在学時から学習塾STRUXの立ち上げに関わり、教務主任として塾のカリキュラム開発を担当してきた。現在は塾長として学習塾STRUXの運営を行っている。勉強を頑張っている高校生に受験を通して成功体験を得て欲しいという思いから全国の高校生に勉強効率や勉強法などを届ける「ストマガ」の監修を務めている。