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場合の数と聞いていやなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。「しっかり数え上げたはずなのに答えが合わない……」、「答えを出すことはできるけど時間がかかりすぎる」などのお悩みを抱える方必見!ミスなく素早く答えを出すために押さるべきポイントをお伝えします!


- 案件
場合の数が苦手です……。
場合の数の問題解いてるんだけど答え合わないしすごく時間かかるしでもういやああああああああ……。
場合の数か。答えが合わないとか解くのにすごく時間がかかるとかはよくある悩みだな。
あるぞ。場合の数の問題はある程度パターンが決まっているからそれをつかめば一気に解きやすくなるぞ。
まぁそう焦るなって。1つずつ解説していくからしっかりついてくるんだ。
戦略01記号の意味は大丈夫?
場合の数ってそもそも何?
場合の数についての具体的な疑問点を見ていく前に、まず場合の数の定義を確認してみましょう。
場合の数:起こりうる事象の数の合計
※事象:何かを行った結果起きた事柄
たとえば、さいころを2個投げた時の出る目のパターンの数。これも場合の数です。
場合の数の基本は数え上げ?
さきさきは場合の数の問題を解くときにどのように解いてる?
そりゃ樹形図とか書いて数え上げてるに決まってるじゃん!
それ以外にどう解くの?CとかPとかよくわかんないし……。
たしかに場合の数の基本は数え上げだが、毎回毎回数え上げてたら日が暮れてしまうぞ。場合の数の問題は何個かのパターンに分かれていて、それぞれについて楽に早く計算できる方法があるから、それを教えてやる。
まずはそのための下準備としてこれから使う記号の意味を学んでいこう。
謎の記号「!」と「C」と「P」って?
場合の数の問題を早く正確に解くにはこれらの記号は絶対に欠かせないからしっかり覚えておこう。まずは下に定義を書いておくぞ。
$n!$:正の整数 $n$ に対して $n!=1×2×……×n$ のように $1~n$ までの整数の積のこと。「nの階乗」と呼ぶ。
${}_n \mathrm{P} _r$:n個のものの中からr個のものを順番に並べるときの並べ方の総数。${}_n \mathrm{P} _r = n×(n-1)×……×(n-r+1)$で計算される。
${}_n \mathrm{C} _r$: $n$個のものの中から $r$ 個のものを取り出す時のとりだし方の総数。${}_n \mathrm{C} _r = n×(n-1)×……×(n-r+1)/(r×(r-1)×……×1)$ で計算される。コンビネーションと呼ばれる。
まぁこれを見たらそうなるわな。$n!$ から説明するから安心しろ。まず $n!$ についてだがこの「!」は階乗と呼ばれ、定義のところには少し長く書いてあるがつまり1~n全部の掛け算の結果だ。例えば「5!」だったらいくつになる?
正解だ。階乗はただ掛け算すればいいだけだから単純だな。次は ${}_n \mathrm{P} _r$ についてだが、これはつまり$n×(n-1)×……$と上から $r$ 個を掛け合わせた結果だ。たとえば${}_5 \mathrm{P} _2$だと5からスタートして2つかければいいから5×4で20となる。
ああ。次は ${}_n \mathrm{C} _r$ だ。さっきのPと似ているが、まずは $n×(n-1)×……$ と上から$r$ 個をかけて、それを $1×2×……×r$ で割った結果が ${}_n \mathrm{C} _r$ だ。
まぁ待て。実はこのCはもっとカンタンに書けて、さっき学んだ $!$ と $P$ を使って、${}_n \mathrm{C} _r = {}_n \mathrm{P} _r / r!$ と表せるんだ。
戦略02場合の数のパターンはこれだけ!
んでさー結局楽に解くためのパターンってなんなのよ~。
それを今から説明するところだ。場合の数の問題でおさえるパターンは2つだ。
ああ。やる気が出てきただろう?1つずつ解説していくからしっかりついてこい。
順列
まず最初は順列だ。早速だがこの問題を解いてみてくれ。
問.ABCDEの5人から3人を選び、その3人を一列に並べるとき、その並べ方は何通りあるか?
何のためにさっきいろいろと記号を教えたと思ってる。全部数え上げようとしてたら時間がかかりすぎるだろ。ちょっと視点を変えよう。Aの次には何通りの人が並べる?
ではA○ときて最後のところには何通りの人が並べる?
そう、これでさっきのA○○の並べ方は書き出さないでも求められるな。4通り×3通りで12通りだ。
あ、もしかしてそれと同じように先頭のAのところも5通りの並べ方ができるから、12通りが5通りあるから60通りが答え!?
吸収が早いな。正解だ。先頭から選び方が5,4,3通りずつあるから5×4×3で60通りが答えだ。この問題は順列と言われるパターンの問題だ。さっきの記号を使うと${}_5 \mathrm{P} _3$ となる。
組み合わせ
問.ABCDEの5人の中から図書委員を3人を選ぶとき、その選び方は何通りあるか?
よく見てみろ、さっきは3人を選んだあとに一列に並べていたが今回は図書委員を3人選んだら終わりだろ?つまり今回は順番を考えなくていいってことだ。
では問題を解いてみよう。今回は5人の中から3人を選ぶんだ。ということは、さっきの記号で言うと何が使えそう?
その通り。これでもうこの問題の答えは出た。${}_5 \mathrm{C} _3 = 10$、つまり答えは10通りだ。これを組みあわせの問題というぞ。組みあわせの問題では、Cを使って計算できるんだ。
戦略03場合の数攻略最大のポイント
なんか思ってたよりもあっさりしてたけどほかになにか気をつけなきゃいけないこととかないの?
そうだな、1つは樹形図に頼りすぎないこと。答えが120通りとかになる問題を数え上げようとしたら時間がかかりすぎるし、数え上げているからあっているはずと思ってもどこかでミスをして答えがあわないなんてこともよく起きてしまうからな。もう1つは順列と組み合わせの見分け方かな。
順番を変えたときに別のものとして区別すべきかどうかがポイントだな。順列では区別し、組み合わせでは区別をしない。
取り出す順番を変えたときに別のものとしてカウントするかどうかが見分けるポイントなのね!
ああ。基本的に場合の数の問題はこの2つの解き方で解くことができるし、しっかりと問題文を読んでどっちを使ったらいいのかを判断すれば早く正確に答えが出せるぞ!
そしてなにより場合の数は問題を多くこなすことが重要。教科書と問題集の勉強法は以下のリンクを参照してくれ。
『勉強法は分かったけど、志望校に合格するためにやるべき参考書は?』
『勉強法はわかった!じゃあ、志望校に向けてどう勉強していけばいいの?』
そう思った人は、こちらの志望校別対策をチェック!
まとめ
①全部の問題で書き出さず、簡単にできるところは簡単に計算
②順列or組み合わせは「順番を変えたときに別のものとして区別すべきかどうか」がポイント