数学に対して苦手意識を持つ人の中には、
「教科書や授業は理解できているはずだけど、テストで点が取れない・・・」
「定期テストでは点を取れるけど、模試で点が取れない・・・」
という悩みを抱える人もいると思います。
こうした悩みを解消するためには「典型的な問題の解法(定石)」を理解して覚える必要があります。
定石とは、模試や入試で頻繁に出題される典型的な問題のことです。この定石を理解できれば、MARCHや関関同立のような有名大学の数学でも、半分は得点できるようになるでしょう。もちろん、模試の成績もグッと上がります。
今回の記事では、数学で基礎となる「定石理解」に必要な勉強法について解説します!
勉強法だけでなくオススメの参考書も紹介しているので、「数学に苦手意識をもっている」「これから本格的に数学の勉強を始める」という人は参考にしてください。
定石理解とは「王道の解き方」のこと!
定石とは、数学における「頻出の問題の典型的な解き方」を指します。
その頻出問題の「典型的な解き方」を理解して覚えることで、テストや模試はもちろん、実際の入試問題も解けるようになります。
具体的な問題の例を見てみましょう。1つ目の例は「教科書レベル」の公式を当てはめるだけで解ける問題です。
一方で2つ目の例は公式を当てはめるだけでは解けない頻出問題です。「sinやcosの対称式はsinx+cosxをtと置き換えて解く」という典型的な解法が頭に入っていれば、一瞬で解けるので、「定石理解」が必要な問題と言えますね。
このような問題は、教科書に載っている公式を理解・暗記だけしても、なかなか解けるようになりません。「この問題は◯◯と××の公式を組み合わせて使うんだな」と「この問題はまず最初にここに着目するんだな」いう判断をできるように勉強することが必須です。
教科書レベルの数学を理解し基礎を押さえた人は、入試や模試で頻出の「典型問題の解き方(定石)」を理解し、暗記しましょう。
もしも「教科書レベルの理解がまだできていない」「学校の授業についていけない」ということであれば、先に教科書の内容をしっかり学習しましょう。
数学の教科書理解については、以下の記事で勉強法を解説しています!
定石理解で必要な参考書と進め方について
ここからは具体的に、定石理解の勉強で「どんな参考書をどのように使って進めるのか」についてチェックしましょう。
定石理解では『青チャート』など網羅系の参考書を使おう!
定石理解の勉強では『青チャート』『フォーカスゴールド』など、網羅系の参考書を使いましょう。網羅系というのは1冊に何百問も問題が載っている分厚い参考書のことを指します。
『青チャート』『フォーカスゴールド』以外に学校で使っている参考書があれば、それを使っても大丈夫です。『青チャート』以外のチャート式シリーズだったり、『ニューアクション』のシリーズだったり、何かしらは教材として採用している学校が多いはずです。
参考書の使い方については、以下の記事で詳しく解説しています!
具体的な勉強の手順
手順を確認する前に、「何を目標として定石理解を勉強するのか?」をおさらいしましょう。定石理解を勉強する目標は「覚えた公式を問題中でどのように扱えばいいのかわかるようになる」ということです!
この目標を達成するためには、『青チャート』や『フォーカスゴールド』のレベル2・レベル3あたりの問題を解くことが有効です。
具体的な勉強手順は以下の通りです。
- ステップ1
- 時間を計りながら解く
- ステップ2
- 解説を丁寧に読む
- ステップ3
- 間違えた問題は解説を閉じて解きなおす
- ステップ4
- 間違えた問題に印をつける
- ステップ5
- 2周目以降は間違えた問題だけ取り組む
時間を計りながら解く
「定石理解」の段階から、時間を計りながら解くクセをつけましょう。
このレベルの問題で「わからない問題に時間を使いすぎる」というのはオススメできません。定石理解はあくまでも基礎であるため、そもそも知識が不足していたら手が動くわけないからですね。3分程度手が止まったら、その時点で諦めて解説を読みましょう。
解説は一文字も読み飛ばさない
定石理解の勉強では、参考書の解説を一文字も飛ばさずに読みましょう!基礎が固まらないと本格的な問題演習に進めないため、解説を読み込み丁寧に理解することが重要です。
特に、問題文のすぐ下に「解き方の方針」が書かれている場合は、絶対に読み飛ばしてはいけません。
理解できない解説は一旦飛ばす
解説を読む途中でわからない式変形などがあっても、とりあえず「その部分を理解できなかった」とわかるよう印だけ付けておいて、先を読みましょう。
「わからなかった部分の1行下の解説を読んだらすんなり理解できた」ということも多いため、止まらず読み進めることが大切です。
理解できない部分以外を全て読んでも、どうしても分からない場合は一旦飛ばしてしまってもOKです。
今の段階では実力不足で分からない問題も、2〜3周目には理解できる可能性が高いので、飛ばしてでも先に進む方が重要です。もちろん、質問できる先生がいるのであれば、質問をして疑問を解消しておくに越したことはありません。
教科書レベルが理解できていれば、『青チャート』のレベル3くらいの問題であれば、解説を読めばたいてい理解できる状態になっているはず。解説を読んでも3割以上分からない部分が残るのであれば、教科書レベルの学習に戻るといいでしょう。
間違えた問題はその場で解き直す
解説を読んで内容を理解できたら、その場で解説を閉じて、すぐに解き直しましょう。解説をきちんと理解できていれば、パッと解けるはずです。
もしも解けなければ、その定石をまだ理解していないということ。この作業を繰り返すことで「わかったつもりになる」ということを防げます。
解き直すと「細かい計算ができなくて途中で詰まる」「答えが合わない」ということもあるため要注意です。
間違えた問題は、印をつけて2周目以降に備えましょう。「2周目は1周目で間違えた問題のみ解く→3周目は2周目で間違えた問題のみを解く→・・・」というように繰り返して、周回ごとに扱う問題数を減らすことが大切です。周回するスピードが上がればその分、定石の理解・定着もはかどります。
効率的に勉強するため問題を絞ろう!
このように、何周も参考書に取り組んで確実に定石理解を固めることが大切です。
とはいえ、『青チャート』や『フォーカスゴールド』はボリュームがあるため、頭から全ての問題に取り組むと、途中で心が折れることがあるかもしれません。その場合は、取り組む問題を絞って周回しましょう!
具体的な進め方について、今回は『青チャート』を例に出して解説します。
青チャートは各例題が5段階のレベルに分かれているため、以下のように取り組みましょう。
- 1周目
- レベル1~3の例題を解く
- 2周目
- 1周目で間違えた問題とレベル4〜5の例題を解く
- 3周目
- 2周目で間違えた問題と練習問題を解く
このように、問題を絞って周回しつつ参考書全体を網羅していけばOKです。
この際に、すべての受験生がすべての問題を解けるようになる必要はありません。以下のように自分の志望校に合わせて取り組みましょう。
- 共通テスト〜日東駒専:~レベル3
- MARCH〜関関同立:~レベル4
- 国公立2次試験、理科大〜早慶:~レベル5
また『青チャート』の章末問題は難易度がさらに上がるため、パスしてもOKです。
定石理解が終わったら演習を始めよう!
このレベルまで定石理解を勉強できたら、ほとんどの大学の過去問を解ける学力が身についているはずです。志望校が「MARCH」「関関同立」レベルまでの人であれば、定石理解を終えて過去問演習に取り組むのも良いでしょう。
一方で、「理科大や早慶などの難関大」「旧帝大」「東工大」などのレベルを目指す場合は、さらなる応用問題の訓練が必要です。以下の記事も参考にして、問題演習に取り組みましょう。
まとめ
受験の数学を勉強するうえでは、定石理解を深めておくことが必須です。定石理解を身につけておかなければ、その後の応用や問題演習に取り組んでも意味がありません。入試で初めての問題に直面してもスムーズに解けるよう、まずは基礎を固めておきましょう。
もっと具体的に「このとおりに勉強すれば数学の勉強は完璧、という参考書の流れが知りたい!」という方は、ぜひSTRUXの参考書マップを活用してください!
■ 参考書マップとは? ■
STRUXの「参考書マップ」は、受験までにやるべき勉強を「順番通りに」すべて洗い出したもの。「いつまでに」「どの順番で」勉強をすればいいかがひと目で分かるので、あとはこの通りに勉強するだけ!という状態になります。
- 「どの順番で」参考書に取り組めばいいかひと目でわかる!
- 「なぜこの参考書がおすすめなのか?」「かわりに使える参考書」もすべて紹介
STRUX参考書マップ公式LINEに登録することで、いつでも無料で見ることができます!
LINEに登録して参考書マップを見る定石理解も含めて数学全体の勉強法をチェックしたい人は、以下の記事をご覧ください!