上智大学　化学の対策

• 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。

国際色豊かな上智大学の化学は、もれのない知識を活用しながら、高難度かつ多量の試験問題に対応する実践力が試される試験となっています。そんな上智大学の化学で合格点に達するためには、傾向を的確につかんだ効果的な対策をすることが必要です。

この記事では、上智大学化学の攻略に必要な情報をすべて、レベルごとにお伝えしていきます。

上智大学の化学出題傾向

試験形態を問わず、理論化学および無機化学、有機化学の全てから出題されていますが、特に理論化学からの出題が多い傾向があります。また、理論化学からは中和滴定と反応熱計算が、無機化学からは理論化学と複合させて、反応式の記述問題が主に頻出となっています。有機化学に関しては、構造決定問題や高分子を絡めた分子量計算問題が多く出題されています。

上智大学化学の各問題の特徴

大問構成はこのようになっています。

• 第1問　理論化学マーク形式及び記述式混在型設問
• 第2問　理論化学マーク形式及び記述式混在型設問
• 第3問　理論化学マーク形式及び記述式混在型設問
• 第4問　無機化学マーク形式及び記述式混在型設問
• 第5問　有機化学マーク形式及び記述式混在型設問
• 第6問　有機化学マーク形式及び記述式混在型設問

理工学部の一般入試型の大問構成を示しました。「マーク形式及び記述式混在型」としましたが、実際には多くの小問が、数値や式、図などを一から記入するといった記述式の設問となっています。論述問題はありませんが、大学で本来履修すべき範囲や普段あまり馴染みのない実験に対する考察をする問題が多く出題されています。また、理工学部のTEAP利用型と総合人間学部の一般入試型では、大問3題または4題が例年出題されていますが、理論化学と有機化学に関しては最低1題ずつ出題されています。

上智大学化学の時間配分の例

上智の化学は理工学部の一般入試では90分、TEAP利用型では物理または生物と併せて90分、総合人間学部の一般入試では60分の試験時間となっています。そして、理工学部の一般入試での大問1題につき15分の解答時間を要するとみておくと良いです。理工学部TEAP利用型と総合人間学部は年度によって大問数が異なりますが、各々の大問を順調に解き進められれたなら、試験時間に3分強の余裕が生まれる程度と見積もっておくべきでしょう。また、出題分野によって、解答に要する時間に大きな差は生じないと思って大丈夫です。

際立って手早く得点しやすい大問などはあまりないので、自分の得意分野や良く見知った大問等があれば、優先的に着手していきましょう。続いて、主に知識問題がメインで手早く解けそうな大問があれば、解答にとりかかると良いです。最後に、苦手分野にあたり、計算量や作業量が多く、解くのに時間がかかりそうと感じた大問の解答に移りましょう。

時間配分の例

理工学部の一般入試型の時間配分について示しました。見直しの時間もできれば設けたいですが、試験時間に余裕はないので、1度の解答でミスなく正答できるように普段から心掛けましょう。また、苦手分野の問題に関して、難しい小問で止まってしまうようなことがあれば、次の大問へ移るなど臨機応変に対応しましょう。

上智大化学で必要な学力レベル

上智大学の化学を解くにあたっては、全範囲において共通テストレベルの問題が完璧に正答でき、旧帝大レベルの問題にも対応できる実力が備わっていることが求められます。ですので、各分野の基礎知識を完全網羅した上で、実験考察型の問題演習を多く積み、計算力や判断力が求められる問題にも戸惑わず対応できるようになっておきましょう。TEAP利用型入試を検討している場合は、一般入試型より若干一般的な問題が多く出題されるため、共通テストレベルの問題を確実に得点できるような勉強をするのが良いです。

受験年度および学部学科にもよりますが、一般入試及びTEAP利用型に関わらず、化学で6割5分以上の正答率だと、全教科での合格水準にも達しやすくなります。また、どんなに化学が苦手だとしても、6割程度の正答率は目指したいところです。そして、理工学部情報理工学科を受験する場合は、他学科より合格最低点が若干高くなる傾向があるので、7割以上安定して正答できるようになっておくとより安心でしょう。

レーダーチャート

ここでは、学習塾STRUXが使用しているレーダーチャート分析をもとに、上智の化学に必要な参考書・レベルをチェックしていきます。

上智大学のレーダーチャートはこのようになります。

上智の化学のレーダーチャートはこのようになりました。TEAP利用型では、全ての分野において、共通テストレベルの完成度が求められています。一般入試型では、共通テストレベルより一歩踏み込んだ完成度が要求されることが多いです。

上智大学化学が解けるようになるためのレベル別勉強法

ここからは、上智大学の化学で合格点を取るための勉強内容をご紹介します。「これから勉強を始める！」という人は初めから進めてください。基礎に自信があって、これから上智大学に特化していきたい！という人は途中からでもOKです。

化学の基本、教科書レベルがきちんと身についているかのチェック

学校の授業と並行して行うことで、化学の勉強をスムーズにすすめることが出来ます。しかし、多くの学校では進度が遅く、高3の冬入試ギリギリまで終わらないということもあり得ます。そのため、自発的な勉強もすすめていき、高3の夏前には遅くとも一通りの学習を終えられるようにしましょう。

これまで習った範囲の復習も含め、以下の参考書で全範囲の知識の網羅と定着を並行して行います。

• 教科書理解スタディサプリ高3スタンダード化学（理論編）
• 教科書理解スタディサプリ高3スタンダード化学（有機編）
• 教科書理解スタディサプリ高3化学（無機編）
• 教科書理解セミナー化学・化学基礎
• 教科書理解リードα化学・化学基礎

「スタディサプリ」などの映像授業を活用し、教科書レベルの基本知識を盤石にしていきます。いきなり問題を解くことはできないため、まずは映像授業の視聴と付属の問題を解くことで身につけていきましょう。

「リードα」「セミナー」などは適宜学校で配布されたもので似たようなものを使っても構いません。学校で配布されない場合、中古のものの購入や市販の「エクセル化学」などを活用しましょう。問題数が多くレベルも幅広いため、知識の定着にも入試レベルへの飛躍にも最適です。

次に進むポイント

• 化学の苦手意識が少し薄れてきた
• 化学でどういう範囲があって、どんな問題が出るのか把握している
• 映像授業や学校の授業の内容はすべて理解できた
• 参考書の章末問題が9割以上正解できる

上智大入試を解くための「定石」を把握する問題演習

共通テストやそれを上回る上智入試レベルの問題を解けるようになるには、教科書で理解したことを問題で活用する実力があることが前提となります。ここからは頻出の解法を固めていくことで、入試問題を解くための「武器」を身につけていきます。

• 定石演習化学基礎問題精講

夏休み中までに標準レベルの問題演習を終えて、より難度の高い問題や過去問を用いた演習への土台を固めておきましょう。

次に進むポイント

• 「基礎問題精講」で8割～9割は解ける
• センター試験・共通テストの過去問で70～80点くらいは取れる

上智大入試レベルまで引き上げる！入試形式の問題で演習

定石問題の解法が身についたら、上智大入試を見据えたスキルアップを図りましょう。入試問題は定石問題の組み合わせで出題されますから、実際の入試で出題された問題をどんどん演習していきます。

• 入試演習化学重要問題集

基本的な参考書をやり終えて、幅広いタイプの問題を解く感覚がつかめたら、上智の過去問や上智形式に似た問題で仕上げていきます。多くの過去問を解くことで、実際の入試で出題されやすい問題の解くコツを体得し、さらなる得点力アップを図りましょう。

• 過去問赤本（5〜10年分）

直近10年ほどの過去問は赤本で時間を測って取り組みましょう。実際にどの順番で解くのかというのを意識できるので、10月から11月にかけてある全統模試や早慶レベル模試等と併せて、秋以降の仕上げに使えると良いでしょう。