東大をはじめ多くの難関大学で出題される自由英作文。細かなミスにさえ気を付ければ満点を狙える自由英作文では、対策を行った多くの受験生が高得点を取っていきます。逆に言えば自由英作文で大幅な減点があると、取り返しのつかない差をつけられることになりかねません。
この記事で正しい勉強法を詳しく解説するので、確実に満点に近い得点を取るための学習をしましょう。
自由英作文の勉強って何をすればいいの?
近年実用的な英語力を養成する風潮がある中、自由英作文を出題する大学は増加傾向にあります。特にMARCH・早慶上智クラスの私大、東大をはじめとする難関国公立では出題される大学・学部も多くなっています。
自由英作文はその名の通り「自由度が高い」ため、慣れれば和文英訳よりも安定して高得点を取れるようになります。
ではそんな自由英作文で圧倒的実力をつけるために何が必要になるのでしょうか?大きく3つの要素に分解することができます。
- ステップ1
- 英作文の勉強の前に文法・単語の勉強をする
- ステップ2
- 英借文のために例文・短文を暗記する
- ステップ3
- 自由英作文の実践演習を積む
英作文の勉強を本格的にスタートする前にまずは文法と単語の勉強は必須です。
暗記をするにしても文法的に理解できていなければ、暗記したものを正しく応用することができませんし、実践演習を始めたとしても単語文法が分かっていなければ解説を理解することもできません。
まずは文法・単語をしっかり勉強しましょう。
単語や文法は自由英作文に向けて特別な勉強をする必要はないので、基本的な勉強をしておきましょう。
続いて自由英作文を書くときに使う短文の英文を暗記していきます。
「こう言いたいときは英語でこう書く」という風に暗記が進んでいれば、作文の途中で手が止まることも少なくなりますし、減点されない正しい英文が書けるようになります。
そして必要な暗記が終わったら実践演習です。
100語程度の語彙数の自由英作文が出題される場合には、しっかり実践演習を積んでおかないと正確に速く解答することはできません。
以下、それぞれのパートの勉強法の詳細を解説していきますね!
英作文の勉強の前に文法・単語の勉強をする
まずは文法と単語の学習から進めていきましょう。
それぞれ基本的には読解の勉強の一環として進めていたもので十分です。
独立して進めるのではなく、文法と単語は並行して同時に進めるといいでしょう。
文法の勉強法とおすすめの参考書
文法は理解するだけでなく演習をすることで定着させることが大事。
文法の学習手順は次の通りです。
- ステップ1
- 映像授業などで基本事項を理解する
- ステップ2
- 確認問題や例題として解説された問題を自力で解く
- ステップ3
- 問題集で該当範囲の演習に取り組む(定着)
学校の授業で十分理解が進んでいない場合は『スタディサプリ』などを活用して、まずは基本事項を理解していきましょう。
『スタディサプリ』は中学英語が怪しい人でも活用できるので、基本をインプットするのに適した教材です。
確認問題もついているので、自力で解いて解けたら問題演習に入っていきます。
問題集としては、『入門英文法問題精講』を使うといいですね。
『入門英文法問題精講』は高校英文法を網羅できる比較的易しい問題集です。
しっかり演習すれば自由英作文に必要な知識は十分身につけることができるでしょう。
どちらも詳しい使い方はこちらの記事で解説しているので、参考にしてください!
単語の勉強法とおすすめの参考書
単語の学習も文法と並行して進めていきたい所です。
学校で単語帳が配られているのであれば、それを利用してしっかり学習してください。何周もくり返して日本語を見て英語が出てくるようにしてください。
もし単語帳で学習していないのであれば『ターゲット1900』などを利用するといいでしょう。
最初の1~2周は「スペル」「発音」「主要な意味(赤字)」「品詞」を覚えることに集中して、これらがある程度頭に入ったら「赤字以外の意味」「語法」「関連語(類義語、対義語、派生語など)」「例文」を覚えたり、「日本語から英語に直す」練習をしたりして語彙力を鍛えていきたい所です。
詳しい使い方は以下の記事で解説しているので、参考にしてください!
英借文のために例文・短文を暗記する
文法と単語の基本的な部分が大まかに理解できて暗記も進んで来たら、次は英語で1文程度の短い文章を暗記していきます。
短い英文を暗記していくのは英作文の「解答の型」を覚えていくためです。
英語の短文をたくさん覚えれば覚えるほど、「覚えたものを借りて英文を作ること(英借文)」ができるようになります。
30~50語程度の自由英作文であれば、「短文の暗記」と「語彙力」さえあれば満点を取ることも難しくなくなるでしょう。
短文暗記の具体的な勉強手順は次の通りです。
- ステップ1
- 覚えるべき文章の文法・構造・単語・発音アクセント・スペルを理解する
- ステップ2
- 5回以上(音源に合わせて)音読して覚える
- ステップ3
- 日本語を見て英文を思い出せるかテストする
- ステップ4
- 間違えたものだけピックアップしてステップ2からやり直す
まずは覚えるべき文章の「文法」「構造」「単語(品詞含む)」「発音アクセント」「スペル」を理解しましょう。
基本的な理解をせずに暗記だけすると、応用が利かなくなるので理解した上で覚えるのが重要です。
暗記をするときには必ずスペルと発音アクセントをセットで覚えることを意識して、音読をくり返していきましょう。
覚えたと思ったら、日本語を見て英文を思い出すテストをして、間違えたものは覚え直して再テストです。
これをくり返せば100~300くらいの短文であればすぐに覚えることができます!
参考書としては、『(必修編)英作文のトレーニング』に付属している別冊「暗記例文集」や『ユメサク』などを使うといいでしょう。
『(必修編)英作文のトレーニング』に付属している別冊「暗記例文集」には100文の短文が収録されています。
本体にそれぞれの短文の解説が詳しく書いてあるので、しっかり理解した上で暗記に取り組むことができるでしょう。
以下の記事で『(必修編)英作文のトレーニング』の使い方などを解説しています!
『ユメサク』には300の文章が収録されています。
こちらは解説はそれほど多くないので、暗記用教材として使うにはやや上級者向けになります。英語が得意な人はこちらを使って暗記をしてみるのがおすすめです。
以下の記事で『ユメサク』の使い方を解説しています!
この他にも、ふだん使っている単語帳(『ターゲット1900』など)や文法問題集(『Vintage』など)の文章を暗記していくのは効果的です。
ふだん勉強している教材をそのまま暗記教材として活用できるので、「理解する」作業を飛ばして暗記用教材として使えるのが大きな利点ですね!
自由英作文の実践演習を積む
ここまで来たらあとは実践的な演習を積んでいくだけです。
教材としては、『英作文のトレーニング(自由英作文編)』などを使うといいでしょう。
『英作文のトレーニング(自由英作文編)』は各問題に複数の解答例がついていたり、「自由英作文に活用できる語彙や短文のまとめ」もついている参考書で、解説もかなり丁寧なので全受験生におすすめできる参考書になっています。
次のような手順で実践演習を進めていくと良いでしょう。
- ステップ1
- 日本語で箇条書き程度の構成を書く
- ステップ2
- 英文に直す
- ステップ3
- 辞書を使って直せる所はペンの色を変えて直す
- ステップ4
- 解説を丁寧に読む
- ステップ5
- 解説を閉じて模範解答を再現する
- ステップ6
- もっと書きやすい意見・構成がなかったか検討する
問題を解くときには、今から英語で文章にする内容の構成を「日本語で箇条書き」にしておきましょう。
構成を書かずに、最初から英語で表現できるほど英作文ができる人はほとんどいません。
また、後で見直しをするときに構成がないと検討しにくくなってしまいます。
英文を辞書なしで書いたら、次は辞書を使って直せる部分は直してみましょう。
ペンの色を変えて「辞書あり」「辞書なし」が分かるように書き分けておくと、語彙力をどれくらい伸ばさなければいけないか一目瞭然になるのでおすすめです。
解説を丁寧に読んだら、解説を閉じて模範解答を再現してみましょう!
模範解答を暗記するくらいのつもりで進めれば、語彙力も同時に伸ばすことができて一石二鳥です。
最後に自分の意見・構成を再検討してみましょう。
自由英作文は自由度が高いため、どんな文章を書いても「論理的に矛盾がなく」「文法・語彙的にミスがなければ」満点をもらえます。
そのため「日本語で書きやすい(思いつきやすい)意見・構成」よりも、たとえ思いつきにくかったり自分の本来の意見とは異なる意見でも、「英語で書きやすい意見・構成」を採用した方が高得点を出しやすいのは間違いありません。
もっと書きやすい意見がなかったか、もっと書きやすい構成がなかったか訓練を続けることは必須です。
自由英作文で高得点を取るために大事なポイント
ここまでで自由英作文で高得点を取るための勉強の流れを詳しく解説したので、次に勉強する際に意識すべき大事なポイントを4つ紹介します。
- 意見を短時間で複数思いつく
- 解答の型を覚える
- 同じ間違いをくり返さない
- 語彙力を鍛える
それぞれ解説していきますね!
意見を短時間で複数思いつく
こんな風に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
「~について自分の意見を100語の英語で表現せよ。」
のような問題が出題された場合、まずは自分の意見を考えるところからスタートしますが、訓練しないとなかなか意見が出てこないということもあるでしょう。
それでも実践演習では無理やり書くことになるはずです。
自分の意見を出すのが苦手な人は、「実践演習で出てきた自分の意見」「模範解答例の意見」の他にも、解き終わった問題で別の意見が書けないか検討する時間も取るようにしましょう。
賛成・反対を問うような問題ならば、「賛成・反対の両方についてその理由を5つずつ」出すなどの訓練がおすすめです。
意見を出すだけなら、英語に直す必要はありません。日本語で複数の意見が出ないか頭を働かせてみましょう。
常識が足りていないなと思う場合は、5分程度の調べものの時間を取ることもおすすめです。
問題を見て、5分以内に2つ~3つ程度は自分の意見が出るようになるまではくり返し練習するといいですね。
解答の型を覚える
「どうまとめればいいか分からない」という人は「解答の型」を暗記するといいでしょう。
たとえば、
「~について賛成か反対かを表明し、その理由を100語以内の英語で表現せよ。」
のような問題ならば、以下のような解答の型が使えます。
①賛成か反対かを述べる(10 words程度:例)I disagree with ~)
②1つ目の理由を述べる(40 words程度:例)The first reason why I disagree with ~)
③2つ目の理由を述べる(40 words程度:例)In addition~)
④最後にまとめる(10 words程度:For these reason, I disagree with ~)
こういった「解答の型」を暗記しておくと、解答を作りやすくなるので短時間で高得点を狙いやすくなりますね!
上述したように模範解答の再現ができるように訓練を続けていけば自然に学ぶことができます。
同じ間違いをくり返さない
実践演習をくり返せば解答を作ることはできるようになってくるはず。
しかし、解答を作れたからと言って高得点を取れるとは限らないのが自由英作文の難しい所です。
どうしてもミスはしてしまうものなので、徐々に減らしていくことが重要です。
ミスを減らすためには「同じミスをくり返さない」という意識を強く持って勉強するしかありません。
自分のミスに気付くのは難しいので、学校や塾の先生に添削をお願いして、指摘された部分は次回以降間違わないように意識して次の作文に取り組みましょう!
語彙力を鍛える
ミスを減らすところまで進めば、「時間さえあれば高得点を取れる」状態になるはずです。
しかし、入試の本番は試験時間という時間制限があるので、できるだけ短時間でミスなく自由英作文を書き切ることが重要です。
短い時間で高得点を目指すには「自分の書きやすい英語への言い換え」の作業を減らすことも重要。
また語彙力があれば、「本当はこの意見で作文したいんだけど、単語が分からないから別の意見で…」といった意見を変える必要もなくなります。
英作文の勉強をするとき以外でも、「英作文で使うことがあるかもしれない」という意識を持って語彙力を鍛えていくようにしましょう!
自由英作文の勉強をいつから始める?どれくらいのペースで進める?
ここまでで勉強法は詳しく説明したので、最後に勉強のペースについて解説していきましょう!
いつから自由英作文の勉強を始める?
高2のうちに本格的に自由英作文の勉強を始められればベストではありますが、高2のうちに英作文の勉強に入れる人は少数派でしょう。
とはいえ、遅くなりすぎても対策が不十分になるので、【高3の2学期スタート】が最終リミットだと思って、他の勉強とバランスを取りながら進めていくのがおすすめです。
どれくらいのペースで自由英作文の勉強を進める?
自由英作文ばかりに時間を取ってはいられないので、ペース管理も重要になります。
1日30分取れるなら1題、1時間くらい時間を取れるなら2題ずつくらい進めていくのが無難なペースでしょう。
これ以上時間を取るとなると、他の内容(長文読解など)や他の科目(国語や数学など)の時間が短くなってしまうので、バランスが崩れてしまう可能性が出てきます。要注意ですね!
まとめ
自由英作文はミスをしなければ誰でも高得点が狙えるジャンルです。次のステップで学習するのが基本の流れでした。
- ステップ1
- 英作文の勉強の前に文法・単語の勉強をする
- ステップ2
- 英借文のために例文・短文を暗記する
- ステップ3
- 自由英作文の実践演習を積む
それぞれのおすすめ教材や詳しい勉強法まで解説したので、この記事を参考に満点を狙って勉強してくださいね!
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STRUXの「参考書マップ」は、受験までにやるべき勉強を「順番通りに」すべて洗い出したもの。「いつまでに」「どの順番で」勉強をすればいいかがひと目で分かるので、あとはこの通りに勉強するだけ!という状態になります。
- 「どの順番で」参考書に取り組めばいいかひと目でわかる!
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