英文法と言えば受験英語の基礎の部分。英文法ができないと、入試問題はほぼ解くことができません。とはいえ、0から始めるとなると「何から始めればいいの?」と思う人も多いはず。
この記事ではそんな人たちの悩みを解消すべく、英文法の勉強スケジュールと、あなたのレベルに合わせた英文法の勉強法を現役東大生が紹介します。



どこまで覚えたらゴールなのかがまったく見えなくて困ってます。

英文法勉強のスケジュール
まずは英文法の勉強を、「いつから」「どれくらい」「どのように」していけば良いのか説明します。
受験英語の勉強の順番は英文法が最初!



英文法は、
「英語の勉強の中で、一番はじめに」かつ「受験の1年前から」
やるべきです。

マルオ君のように、もう高3で受験まで1年もないんですけど、というそこのあなた。大丈夫です。まだ間に合います。あくまで、受験の1年前からやった方がいいというだけです。高3の途中からはじめても、多少ペースを上げれば問題ありません。
では、なぜ一番はじめに英文法をやらないといけないのか。それは、みなさんが今後解いていく「文法問題」や「長文読解」「英作文」「和訳」などで、英文法は間違いなく必要になるからです。
これは英単語についても同じことが言えます。単語がわからないと、英文を読んだり書いたりするのも難しいことはわかりますね。よって、英単語と英文法は、一番はじめにとりかかるべきです。以下の英単語の記事も参考にしてください。
「英単語」の勉強法はこちら!
受験英語の勉強は、ざっくり書けばこんな順番になります。

英文法の勉強は短時間を毎日継続


英文法勉強の流れ:インプット→定着→アウトプット
それではいよいよ勉強法の核心に入っていきましょう。英文法の勉強法には、実は3段階あるんです。
【覚えるための3ステップ】
1、インプット
2、定着
3、アウトプット
まずは文法事項をインプットしよう
インプットとは、知識を頭に入れることです。「主語の後には動詞が来る」とか「不定詞toのあとは動詞の原形」とかいった文法事項をまずは頭の中に入れないといけません。
あとから紹介する勉強法では参考書を使ったインプットの方法も紹介しています。「学校の授業をぜんぜん聞いていなかった……。」という人も大丈夫です!
もちろん、学校の授業をまじめに聞いてるよ、という人は、学校の授業でインプットするのもありです。ただし、その授業が自分の行きたい志望校向けのレベルかどうかは、よく確認しましょう。
インプットした知識を定着させる
さて、インプットをしても忘れてしまっては意味がないです。インプットが一通り終わったら、インプットされた知識を頭に「定着」させるために、英文法の問題集を解いていきましょう。
ここでは同じ参考書を完璧にするまで何度も繰り返し解くことが重要です。ここまでできれば、学校の定期テストレベルは戦えます。
最後にアウトプットをしよう
学校の定期テストは戦えるようになった。でも実際に志望校対策をしていくようになると全然解けない……という人は、せっかく知識は身についたのにそれを引き出す力が足りていない証拠。
頭の中はタンスみたいになっていて、それぞれ覚えたことを引き出しから出して使う。どこにしまったっけ……ってなっている状態だと思ってください。こういう人は、定着させた知識を問題に合わせてぶつけていく「アウトプット」が必要です。




レベル別の英文法勉強法&オススメ参考書
ここでは、あなたに合った勉強法を見つけてもらうために、レベル別の勉強法と参考書を紹介します。それぞれのレベルで読むべき記事が異なるので、いまの自分をふりかえりながら考えてみてください。
各レベルでは、そのレベルにあてはまる人のリストと、そのレベルにあった勉強法を紹介した記事のリンクを載せています。「自分はこのレベルだ!」と思ったら、そのリンクをクリックして記事にとべば、あなたに合った勉強法がそこにあります。

またどのレベルの参考書を使うにしても、以下のサイクルで取り組むようにしましょう。
問題を解く→間違えたところに印をつける→印がついたものを解き直し
このサイクルを基本にして、1冊に集中して取り組んでいきましょう。

中学レベルの人の勉強法&オススメ参考書
中学レベルには主に次のような人があてはまります。
- 中学生のときからずーっと英文法に苦手意識がある
- 学校の定期テストで常に3割以下
- できるなら中学にもどって英語をやり直したいと思っている

このレベルでは、インプットと定着が中心だ。中学校の英文法からじっくりあせらずやっていこう。
このレベルの人は、インプットと定着を中心に英文法を勉強していきましょう。焦って難しい文法に手を出すのではなく、中学の英文法からじっくりと基礎を固めていくことで、成績が効率的にグングンと伸びていきます。
このレベルの人にオススメの参考書は「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。」です。
これは中学3年間で習う全ての英文法の項目を一から丁寧にわかりやすくまとめた参考書です。練習問題も多いので、インプットした知識をしっかりと定着させることができます。
難しい用語を避けたわかりやすい解説が書かれているので、英語が苦手な人にぴったりです。
この参考書は左ページに文法説明、右ページに練習問題という構成になっているので、左ページの文法事項を覚えるごとに練習問題に取り組むということを繰り返して行くようにしましょう。
この参考書の詳しい使い方はこの記事をチェックしてください。
高校基礎レベルの人の勉強法&オススメ参考書
高校基礎レベルには主に次のような人があてはまります。
- 英文法の知識はある方だと思うが、問題になると解けない
- 高校に入ってからは英文法がよくわからなくなった
- センター試験の文法問題は解ける自信がない
このレベルの人は中学英文法の知識は大丈夫ですが、高校レベルの英文法には不安があります。まずは「スタディサプリ」でしっかりと高校英文法をインプットをして、次に「入門文法問題精講」で知識を定着させるようにしましょう。
スタディサプリで動画を見た後は、必ずその日のうちに「入門文法問題精講」でその日習った範囲の問題を解くようにしましょう。そして解けなかった問題を翌日に復習することで知識が定着しやすくなります。
スタディサプリの使い方はこちら!
MARCHレベルの人の勉強法&オススメ参考書
MARCHレベルには主に次の人があてはまります。
- 共通テストの文法問題は7割がた解ける
- 志望校がMARCHだが、まだMARCHの入試問題を解いたことがない
- 入試問題にどんどん挑戦したい
MARCHレベルの人は、おそらく英文法は一通り頭に入っているので、アウトプットを中心に勉強していきましょう。もちろん、不安があれば高校基礎レベルに戻っても構いません。
このレベルの人にオススメなのが「基礎英文法問題精講」です。
これは共通テスト〜MARCHレベルの対策ができる問題集です。要点を絞ったコンパクトな参考書なので、短い時間で効率的に自分に足りていない文法知識を見つけ出すことができます。
解説を読んでも分からないところがあった場合は、必ず文法書などでその部分を確認するようにしましょう。
「基礎英文法問題精講」の使い方はこちら!
早慶レベルの人の勉強法&オススメ参考書
早慶レベルには主に次のような人があてはまります。
- 早慶志望で英語を得点源にしたい
- 大学入試で聞かれる英文法を完全にカバーしたい
- 共通テストの文法問題は余裕で解ける
このレベルの人は相当実力があります。入試本番で圧倒的な差で合格できるように、「ファイナル英文法(難関大編)」を使って知識のアウトプットを行いましょう。
この参考書では文法の分野がランダムで出題されるので、本番さながらの問題演習を積むことができ、最後の仕上げにピッタリです。かなり難しい問題が出されるのでもし6割以上解けないということになったら、MARCHレベルの勉強に戻ることをオススメします。
「ファイナル英文法(難関大編)」の使い方はこちら!
英文法に関するよくある質問
英文法に関するよくある質問にていねいにお答えします。
Q1. 英文法って必要?
- 英語なんて読んで何となくわかればよくないですか?あまり文法やっていなくてもセンター試験レベルなら8割とれます。文法って必要?
- 必要です。受験英語で英文法が直接問われなくても、長文を読んだり英作文を書いたりする上など、英語を勉強する上での大前提です。
さきほども言った通り、英文法は長文読解や和訳、英作文など、さまざまな分野に必要です。英文法を勉強していないと、何となく英語は読めるし共通テストでは8割は余裕でとれるけど、記述式になると訳し方が正確でなかったり、支離滅裂な英文を書いたりしてしまったりします。
記述式では文法が分かっていないと判断されると必ず減点されてしまいますので、必ず英文法を勉強しましょう。
Q2. 例文で文法を覚える?
- よく例文で文法も覚える、という方法を聞きますがこれって効果的ですか?
- 覚えやすい!と思えばそれでもいいですが、英作文の勉強以外ではやらなくてもOK!
例文で覚える必要はありません。英作文などでも例文を覚えておくとそれが丸々使えて役立つ、ということもあります。けれど、その分覚える量は増えます。なので文法がまだまだと感じている人は特に例文を覚えることはしなくていいでしょう。余裕が出てきたら覚えたことの応用という意味で、例文暗記に取り組んでみるのはありです。
Q3. 文法の勉強で出てきたわからない単語はどうする?
- 文法の問題を解いている間に出てきた知らない単語は覚えるべき?
- わからない単語に印をつけておいたり、わからない単語を単語帳で調べたりして覚えよう!
受験用のほとんどの問題集や参考書では、受験で出る単語が使われています。それなのにわからない単語があるということは、あまり好ましくないです。だからこそ、さきほども言った通り英文法と並行して英単語の勉強も進めてください。知らない単語が出てきたら辞書で調べて、別のノートにまとめておいて覚えておくのも一つの手です。
Q4.参考書は1つだけでいいの?
- 参考書は複数使った方が良いですか?
- 結論から言うと「各レベルで1つ」で十分です。
たとえば、同じ文法・語法問題集である「ネクステージ」と「Vintag」を持っていても、意味がありません。ミックスジュースを作りたいなあと思って、温州ミカンとデコポンを買うようなもの。
ちゃんとレベルに合わせた参考書であれば、一つで十分です。同じレベルのものであれば、まったく同じとはいかないまでも、ほとんど内容は変わりません。
先ほどのレベル別勉強法でも、各レベルで使う参考書は1冊だけです。とにかく1冊を完璧にすることを忘れないでください。
まとめ

最後にもう一回、英文法の勉強の流れを確認しましょう。
1、インプット:文法知識を知る。
2、定着:文法問題集を解いて文法事項を身に着ける。
3、アウトプット:演習問題(長文読解、英作文など)や過去問を解いて、文法事項が身についているかを確認する。

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https://daigakujukensenryaku.com/eibunpou-mondaishu-recommend/
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