英文法は英語4技能(リーディング、ライティング、リスニング、スピーキング)の全ての基礎。英文法ができないと、大学入試の問題も解けません。
とはいえ、0から文法の勉強を始めるとなると「何から始めればいいの?」と思う人も多いはず。
この記事ではそんな悩みを解消すべく、英文法の勉強方法と志望校レベルに合わせた英文法のオススメ参考書を紹介します。
英文法の勉強法については、以下の動画でも解説しています。
英文法勉強の流れは「理解→定着→実践演習」!
それではいよいよ勉強法の核心に入っていきましょう。
英文法の具体的な勉強法は3段階です。
- ステップ1
- 文法事項を理解する
- ステップ2
- 理解した知識を定着させる
- ステップ3
- 入試レベルの問題で実践演習する
文法事項を理解する
「主語の後には動詞が来る」「不定詞toのあとは動詞の原形」など、基本の文法事項を頭の中に入れましょう。
このときに重要なのが、文法用語を説明できるようになることです。
文法用語は「長文読解や英作文の教材」の解説中に必ず出てくるので、理解していないと勉強の効率がガクッと下がってしまいます。
文法用語をそれぞれしっかり説明できる状態を目指して勉強していきましょう。
文法事項の理解は、
- 学校の授業
- 映像授業
- 参考書
のどれを使って学習してもOKです。
「学校の授業が分からなくてインプットできていなかった……。」という人も、映像授業や参考書を活用して学習を進めましょう。
この記事の後半でおすすめの教材をレベル別に紹介します!
理解した知識を定着させる
文法項目を一通り理解し終えたら、知識を定着させるため、問題集を解いていきましょう。
「授業は理解できているけど、テストで点数が取れない」といった悩みは問題集を解いて、知識を定着させることで解決できます。
易しい問題集で良いので、バツ直しをくり返しながら最低2周、できれば3周くり返して、全ての問題を自力で解けるようになりたいですね。
習った単元から順に進めていくといいでしょう。文法項目の理解と並行して進めればOKです。
ここまで出来れば学校の定期テストレベルなら楽々対処することができるようになります。
入試問題で実践演習をする
「学校の定期テストは解けても、実際に模試や過去問では全然解けない……」という人は、身に付いた知識を引き出す力が足りていない証拠です。
例えるなら「頭の中のタンスに知識を保管しているが、保管場所がわからず上手に引き出せない状態」だと思ってください。
また入試で出題されるような問題形式だと「ここは不定詞の章だからとりあえずtoを入れておく」「ここは仮定法の章だからとりあえず過去形にしておく」といったズルもできないので、本当に理解できているか、も試されることになります。
志望校のレベルに合わせて、必要な難易度の演習に取り組んでいきましょう。
- 英文法の勉強は3段階「理解→定着→実践」
- 英文法の基本を理解したら、易しい問題で演習して定着させよう!
- 覚えた知識を使って入試問題に取り組むことで実践的な力が身に付く!
レベル別の英文法勉強法&オススメ参考書
ここからは「理解」「定着」「実践」の各要素ごとに、おすすめの参考書をレベル別に紹介していきます。
文法項目の理解は映像授業がおすすめ
まずは文法項目の「理解」に役立つ教材から。
基本的には学校の授業でOKですが、学校の授業で理解できていない人は、映像授業や参考書で学習を進めましょう。
映像授業はスタディサプリがおすすめ
『スタディサプリ』は月額固定料金で小学生レベル~大学受験レベルまでの全ての動画が見放題の映像授業サービスです。
講座数が多いので、以下のレベル分けを参考に自分の使うべきものを検討してみてください。
- 中学レベルの復習→「高1中学総復習 英語」
- 高校レベル→「高3 スタンダードレベル英語<文法編>」
- 時間に余裕がある場合は→「[新版] ベーシックレベル英語」も可
中学レベルの復習から始めたい人は高1向けの「中学総復習 英語」の講座を、高校レベルからでもOKな人は「高3スタンダードレベル英語」の講座を視聴しましょう。
時間に余裕がある高1高2の人は「ベーシックレベル英語」を視聴するのでもアリですが、高3スタンダードを高1高2が見ても問題はありません。
『スタディサプリ』で勉強するときの手順は以下の通りです。
- ステップ1
- ノートよりも理解することを優先して視聴する
- ステップ2
- 確認問題や例題として解説された問題を自力で解く
- ステップ3
- 問題集で該当範囲の演習に取り組む(定着)
視聴する際はノートを綺麗に取ることよりも、理解することを優先してください。また視聴後には自力で問題を解けることを確認するようにしましょう。
また1単元ごとに知識を定着させるために、後で解説する問題集に取り組むのがおすすめです。
文法項目を理解するのにおすすめの参考書
基本的には参考書よりも「勉強に必要な時間」が最初から分かっている映像授業の方がおすすめですが、どうしても映像授業が合わないという場合は参考書で学習することもできます。
参考書の場合は、以下の参考書がおすすめです。
- 中学レベルの復習→『中学校3年間の英語が1冊でしっかりわかる本』
- 高校レベル→『高校とってもやさしい英文法』
この参考書は1冊でしっかり中学レベルの英文法の知識を復習できるので、短期間で取り組むことができます。
こちらの参考書は、高校レベルの文法知識を易しく解説してくれている参考書なので、英語が苦手な人でも取り組みやすいはずです。
英文法を参考書で学習するときの手順は次の通り。
- ステップ1
- 時間を計りながら読む
- ステップ2
- 確認問題や例題として解説された問題を自力で解く
- ステップ3
- 問題集で該当範囲の演習に取り組む(定着)
特に重要なのは時間を計りながら読むことです。
参考書で学習する際には、自分で思っているよりものんびり進めてしまうことが多いので、想定していたよりも進みが遅かったり、時間がかかりすぎたりしてしまうことがよく起こります。
そうならないためにも、「1ページ3分以内」といった制限時間を設けて、その時間内に確実に理解するように意識して進めましょう。
易しい問題集を使って英文法の知識を定着させよう
英文法の1単元を理解する度に、易しめの問題集で演習することで理解した知識を定着させていきましょう。
ここでは中学レベルと高校レベルの2つに分けておすすめの参考書を紹介します。
- 中学レベル→『中学校3年間の英語が1冊でしっかりわかる問題集』
- 高校レベル→『入門英文法問題精講』
まず中学レベルの復習にピッタリなのが次の問題集です。
中学レベルの英文法を一通りカバーしている1冊なので、じっくり取り組んで知識を自分のものにしていきましょう。
高校レベルとしては次の問題集がおすすめです。
以前と比べると、大学入試でも文法問題の割合が下がってきたので、この問題集のような少し易しめの問題集に取り組むだけでも十分な人が増えてきました。
文法問題集に取り組むときには、以下の手順で勉強を進めてください。
- ステップ1
- 時間を計りながら解く
- ステップ2
- 解説を飛ばすことなく読む
- ステップ3
- 知らない単語や文法用語を調べて覚える
- ステップ4
- 間違えた問題のみ2周目、3周目とくり返す
まずは時間を計りながら解きましょう。文法問題は1問あたり1分もあれば十分です。
考えすぎるくらいならサッサとバツを付けて前に進み、2周目以降に回収するのをおすすめします。
解説を読むときには、正解している問題も飛ばさず読むようにしましょう。特に1周目はたまたま正解している問題もよくあるので、解説を読むことで本当に実力で正解していたのか確認することが重要です。
解説を読み終えたら、知らない単語や文法用語は辞書や文法書で調べてください。特に辞書に使い慣れておくと、文法以降の学習が効率的に進められるようになります。
間違えた問題にはバツ印をつけておいて、2周目、3周目とくり返してください。
問題集は「最低でも2周、できれば3周」を意識して進めるようにしておくといいですね。
文法知識の「定着」まで終われば、英文解釈(長文読解の基礎訓練)の勉強に入ることも可能です。
こちらの記事もご覧ください!
入試レベルの文法問題集で実践的な力を身につけよう
知識を定着させたら、入試レベルの文法問題集で実践的な力を付けていきましょう。
レベル別のおすすめ参考書は次の通りです。
- 文法問題が入試に出ない場合→『英文法・語法 Vintage』
- 文法問題が出るGMARCH以上→『大学受験スーパーゼミ全解説実力判定 英文法ファイナル問題集 標準編』
- 入試形式に合わせて発展演習(上智、早稲田など)→『スーパー講義英文法・語法正誤問題』
文法問題が入試に出なくても全大学受験生に取り組んでほしいのが『英文法・語法 Vintage』のような4択形式メインの問題集です。
これを使って学習をすることで、長文読解や英作文などの学習をするときに必要な細かい知識まで身につけることができます。
『英文法・語法 Vintage』の詳しいことについては、こちらの記事で解説しています!
文法問題が出る場合は、『英文法ファイナル問題集 標準編』のような文法問題がランダムに出題される問題集にも取り組んでおきたいところ。
『英文法ファイナル問題集 標準編』は昔から数多くの大学受験生が使ってきた定評のある参考書です。多くの受験生が利用しているので、これを利用しておけば間違いはないでしょう。
最後が入試形式に合わせた発展演習です。
特に上智大学や早稲田大学などの難関大学の一部の入試では、正誤問題(「この文章の誤っている部分を選んで直せ」といった問題)が出題されますが、正誤問題は参考書で練習をしておかないと太刀打ちできない人も多いので、以下のような参考書で演習をしておきましょう。
文法問題に取り組む手順は上述したものと同じになります。
- ステップ1
- 時間を計りながら解く
- ステップ2
- 解説を飛ばすことなく読む
- ステップ3
- 知らない単語や文法用語を調べて覚える
- ステップ4
- 間違えた問題のみ2周目、3周目とくり返す
くり返し練習することで、自力で全て解けるようになれば、過去問演習をしても文法問題には十分取り組めるようになるでしょう。
英文法は、単語と一緒に早くから勉強しよう!
英語の勉強の基礎は「英文法」と「英単語(語彙力)」です。
この2つがないとこの後に続く「英文解釈」「長文読解」「英作文」「リスニング」などの全ての学習を効率的に進めることは出来ません。
大学受験のために英文法を勉強するのであれば、英単語と合わせて勉強の中で初めに、かつ「受験の1年前から」取り組めると良いですね。
ただし、「もう高3で受験まで1年もない」という方もいらっしゃるはず。そんな方も今から頑張れば大丈夫です。
あくまで「受験の1年前からやった方がいい」というのは、一番理想形での話。
高3から始めても、ペースを上げれば問題ありません。その代わりしっかり勉強時間を確保して取り組んでくださいね!
英単語の勉強法に関しては以下の記事も参考にしてください。
また英文法以外の英語全体の勉強法はこちらの記事を読むことで理解できます。
- 英語の勉強の基本は「英単語」と「英文法」
- 入試から1年以上前から勉強するのがベスト
英文法に関するよくある質問
最後に、英文法に関するよくある質問にお答えします。
Q1. 英文法ってホントに必要?
- 英語なんて、読んでなんとなくわかればよくないですか?僕はあまり文法やっていませんが、共通テストレベルなら8割取れます。ホントに文法って必要ですか?
- 必要です。受験英語で英文法が直接問われなくても、長文を読んだり英作文を書いたりする上では、大前提の知識です。
英文法の知識は、長文読解・和訳・英作文など、さまざまな分野に必要です。
英文法を勉強していなくても、「なんとなく」英語は読めるし、共通テストでは8割取れるかもしれません。
しかし、記述式の問題になると、訳し方が正確でなかったり、支離滅裂な英文を書いたりしてしまいます。
記述式では「英文法が分かっていない」と判断されると減点されるので、必ず英文法を勉強しましょう。
Q2. 例文で英文法を覚えるのって良いの?
- よく「英例文で文法も覚える」という方法を聞きますが、これって効果的ですか?
- 自分が「覚えやすい」と思えば取り組んでも良いですが、英作文の勉強以外ではやらなくてもOK!
例文で覚える必要はありません。
英作文などにおいては、「例文を覚えておくと試験で丸々使えて役立つ」ということもあります。しかし、その分覚える量は増えます。
なので、文法知識がまだ足りないと感じている人は、無理に例文を覚える必要はありません。
勉強に余裕が出た上で「応用的な意味で覚えよう!」ということであれば、例文暗記に取り組んでみるのはありです。
Q3. 英文法の勉強で出てきたわからない英単語はどうする?
- 英文法の問題を解いている間に出てきた知らない英単語は覚えるべき?
- わからない英単語に印をつけておいたり辞書で調べたりして覚えよう!
ほとんどの問題集や参考書では、受験で出題される英単語が使われています。
そのため「わからない英単語がある」という状態は避けたいです。
だからこそ、英文法と並行して英単語の勉強も進めてください。
知らない英単語が出てきたら辞書で調べて、別のノートにまとめておいて覚えるのも一つの手です。
Q4.使う参考書は1つだけでいいの?
- 参考書は複数使う方が良いですか?
- 各レベルで1つで十分です。
例えば、同じ文法・語法問題集である『NextStage英文法・語法問題』と『英文法・語法 Vintage』を同時に使っても意味がありません。
同じレベルの参考書では、ほとんど内容が変わらないので1つで十分です。
とにかく「1冊を完璧にする」ということを忘れないでください。
まとめ
最後にもう一回、英文法の勉強の流れを確認しましょう。
- ステップ1
- 文法事項を理解する
- ステップ2
- 理解した知識を定着させる
- ステップ3
- 入試問題で実践演習する
映像授業や参考書で文法を1単元ずつ理解し、その範囲の問題を解くことで知識を定着させていきましょう。
基本的な知識が定着したら、入試問題をまとめた問題集を使って実践的な力を身につけていけば、文法の学習は十分です。
英単語の学習も文法の学習と並行して行っていきましょう。
英単語の勉強法に関しては以下の記事も参考にしてください。
勉強のスタートが遅くなったとしても、英文法は他の学習の基礎になっているので、飛ばすことなくしっかり学習しましょう。
十分な勉強時間を確保すれば、大学入試に間に合わせることも可能です。
「英文法」のおすすめ問題集はこちら!
https://daigakujukensenryaku.com/eibunpou-mondaishu-recommend/
「英文法」のおすすめ文法書はこちら!
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