英単語と文法を勉強していても、なかなか長文を読めるようにならない……。それは構文・英文解釈の勉強をおろそかにしているから。構文を勉強することで英文の理解は格段に上がります。長文読解を中心とする受験英語にとって、構文の理解は必須のスキルです。
この記事ではそんな英文解釈の勉強法や、構文をとらえるコツをお伝えします。これを読めば英語初心者のあなたでも、長文がみるみる読めるようになる構文力を身につけることができます。




英文解釈の勉強をするとどんなメリットがあるの?


「構文の勉強って小難しいし、こんなの必要なの?」って思う人も多いのではないでしょうか。でも、構文の知識はすごく重要です。
そもそも構文と文法の違いはわかりますか?
構文というのは「文の組み立て方」です。
例えば「形式主語構文」と言えば、
It is true that he is kind.
(彼が親切だということは本当です。)
It is a fact that people live long in Japan.
(日本に住んでいる人が長生きなのは事実です。)
という組み立てになっていますよね。このような、文の共通する「組み立て方」を〇〇構文と呼んでいます。
一方、文法は文を作る上で単語の並べ方や意味、機能などのもっと細かく各箇所に使われているルールです。

構文が把握できるようになると、文の大きな枠組みが見えるようになります。文の中にいろんな文法が含まれていても、大きな枠組みで見ることで文章をスッキリ理解できます。
では、その構文はどんなときに必要になってくるのでしょうか。
一番使うのは和訳問題のときです。和訳問題では、いくら一つ一つの単語の意味を覚えても、文の構造を理解できていなければ、正確な意味を理解することはできないからです。
また、構文をとらえる力は英作文にも役立ちます。自分の知っている構文をまるごと使うだけでも、表現豊かな文章を書くことができます。


このように構文をとらえる力は、今後受験英語の勉強を有利に進めるためには欠かせない力です。
英文解釈の勉強法/やり方のポイント6選

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- 早い段階で英単語・英熟語・文法をマスターする
- 英文解釈で使う用語と「品詞の見極め」を覚えておく
- カタマリを作るワードを覚えておく
- カタマリの種類でカッコを使い分ける
- 等位接続詞に注目する
- SVOCMをとらえられるようになる
ここに出てくる「カタマリ」は「意味のまとまり」のことを表すぞ!下の例を見てくれ。I have a pen which penetrates an apple.
(私はリンゴに突き刺さったペンを持っています。)この例文の中で「カタマリ」はどこになるのでしょうか?
そう、which以下の部分です。
この文でいうとwhich以下の部分でpenを詳しく説明しています。修飾語と呼ばれるものです。
penという名詞に、whichではじまる関係代名詞節がくっついているわけです。
この関係代名詞のような意味のまとまりをカタマリと言います。
ではこれから、それぞれのポイントの解説に入っていくぞ。英文解釈の勉強ポイント1. 早い段階で英単語・英文法をマスター
これはいうまでもないことですが、英単語や英文法をしっかり頭に入れられているかどうかが、構文解釈のスムーズな学習に大きくかかわってきます。構文は、複数の英単語や英文法の集合体ですからね。
まだこれらが十分でないようなら、いますぐ単語帳や文法の参考書および問題集を使って知識をつけましょう。これらの覚え方は次の記事を参照にしてください。
英文解釈の勉強ポイント2.構文解釈で使う用語と「品詞の見極め」を覚える
英単語と英文法を覚えたら早速英文解釈の勉強に入りたいところですが、その前に『形容詞』とか『節』といった構文解釈の勉強で使う用語をまず理解しましょう。
野球の用語がわからないと野球が理解できないのと同様に、英文解釈で使う用語がわからないとちゃんと英文を解釈できません。
まずは俺特製のこの表を見てわからない用語を覚えよう。もちろん最初からわかるようにはなれないからまずは軽く流し読みだけでOKだ。品詞 意味 名詞 人、事物の名を指す。 代名詞 名詞の代わりをする語。
名詞と同じ役割。形容詞 1. 名詞、代名詞を就職して性質・状態を表す
2. 補語になる動詞 主語の動作、状況を述べる語。 副詞 場所、時、様態、程度、頻度を表す。
1. 動詞、形容詞、他の副詞を修飾。
2. 句、節、文を修飾前置詞 名詞、代名詞の前に置かれ、<前置詞+名詞>というかたまり、つまり前置詞句を作ります。
前置詞句は、形容詞と同じ役割をする「形容詞句」と副詞と同じ役割をする「副詞句」に分けられます。接続詞 語、句、節、文をつなぐ。 間投詞 喜怒哀楽や驚きなどの感情を表したり、注意を引くときに使われる語。 「形容詞」と「副詞」の違いがイマイチ分かりにくいです…「形容詞」は「名詞」を修飾、「副詞」は「名詞」以外を修飾すると覚えておこう。例えば「She gave me clear directions(彼女は私に明確な指示を与えた)」の「clear」は名詞「directions」を就職してるから形容詞、「She explained everything clearly」の「clearly」は動詞「explained」を修飾してるから副詞だ。「品詞」はこのあと出てくるSVOCMや、単語がどこを修飾しているのかを考える上で大事になる重要な知識だから必ず覚えておこう!品詞以外の重要語句はこちら!
用語 (品詞以外)
意味 主語 目的語、補語、前置詞の目的語になる。 自動詞 目的語を持たない語 他動詞 目的語を持つ語 助動詞 動詞を助ける役割がある動詞 等位接続詞 二つ以上の語句や文を対等につなげる。
例:文+文、句+句、節+節従属接続詞 文に節をつなぐ。一つの文がもう一つの文をサポートする。 句 主語+述語動詞を含まない語群。
名詞句、形容詞句、副詞句の三つに分けられる。名詞句 名詞と同じ働きをする句で、主語、目的語、補語、前置詞の目的語になる。 形容詞句 形容詞と同じ働きをする句で、名詞、代名詞を修飾したり、補語になる。 副詞句 副詞と同じ働きをする句で、動詞、形容詞、副詞、文を修飾する。 節 主語+述語動詞を含む語群。
名詞節、形容詞節、副詞節の三つに分けられる。等位節 等位接続詞and,but,orなどでつながれる節。
例:He came and she went away.従属節 従属接続詞+主語+述語動詞で名詞、副詞の働きをする。
例:She wnet away when he came.この表は全部丸暗記する必要はないから安心してくれ。こういう用語は先生が使ったときに何を言っているか理解できる程度にわかっていれば十分だ。説明を聞いたり、自分が使ったりしているうちに慣れて自然と覚えられるぞ。英文解釈の勉強ポイント3.カタマリを作るワードを覚えておく
先ほどお伝えした通り「カタマリ」は「意味のまとまり」を表します。
このカタマリを発見する目印になる文法事項があるのですが、みなさんは知っていますか?主な目印は以下の通りです。
- 関係詞
- 先述の「I have…」のwhich以下がその例です。
- 接続詞
- Ex) I like an apple because it is delicious.
この場合はbecauseが接続詞、それ以下の部分がカタマリ(節)。 - 前置詞
- Ex) I go to the park on Sunday.
ここのto the park, on Sundayはいずれも前置詞で始まるカタマリ(句)です。 - 不定詞
- Ex) My hobby is to play the violin.
ここでは、to play the violinが不定詞のカタマリ(句)です。 - 分詞
- Ex) There is a girl playing the guitar.
これもplaying以下が、girlを説明するカタマリになっています。
このように「カタマリ」には大きく分けて、SVが含まれない「句」とSVが含まれる「節」があります。
英文解釈の勉強ポイント4. カタマリの種類でカッコを使い分ける
上のようなカタマリを見つけたら、そのカタマリがわかりやすいようにそれをカッコでくくります。
続いて、それらのカタマリが文章中でどういう役割かを把握しましょう。それぞれのカタマリには必ず名詞・形容詞・副詞のどれかの役割が当てられます。名詞節・句は[ ]、形容詞節・句は( )、副詞節・句は<>といったように種類を変えてカッコでくくるとわかりやすいです。
カタマリはカッコでくくる+矢印で修飾先を示すとわかりやすいぞ!英文解釈の勉強ポイント5. 等位接続詞に注目
等位接続詞(and,or,butなど)は、その前後に同じ形のものがくるという性質があります。つまり、A and B あるいは A or Bなどとなっているとき、AとBには同じ形のものがくる、ということです。たとえば、
apple and pen
ならandの前後が名詞と名詞、
I go to school and study English
なら動詞+名詞と動詞+名詞、
To play tennis or to swim
なら名詞句と名詞句、というようにです。
このように、等位接続詞の前後には同じ形のものがくるという性質を知っていれば、比較的簡単にカタマリを把握することができます。
等位接続詞による構文解釈のやり方
等位接続詞に△をつけたら、その等位接続詞の後ろがどうなっているか見ます。アンダーラインを引いて②とします。
次に、その接続詞の前を見て、②と同じ形になっている部分を探し、アンダーラインをひきます。
この例文は短めなのでそんなに印やアンダーラインをつけるメリットがわからないかもしれませんが、長い文章や構造が複雑な文章ではこの手法が相当役立ちますよ!
英文解釈の勉強ポイント6. SVOCMをとらえられるようになる
SVOCMは一度は聞いたことがあると思います。一応確認しておくと、
S=主語
V=動詞
O=目的語
C=補語
M=修飾語
となります。文章中でSVOCMを正確に把握できるようにつとめましょう。
実際に長文の中でこれらの要素を明らかにしていくときは、まず「Sがどこか?」を把握することが重要です。
倒置が起きている文章などごく一部の例外をのぞき、VやOやCは必ずSより後ろにくるため、Sの位置がわかれば、ほかの要素も見つけやすくなります。
SとOは名詞のみ、Cは名詞・形容詞が来ることも覚えておくと、文構造の把握に便利だ!英文解釈のレベル別勉強法/やり方を紹介!
ここからは、構文を読み取る力をつけるための、レベル別の勉強法を紹介しましょう。
どのレベルにも共通する基本的な英文解釈の勉強のやり方はこの4STEPです。
- step1.
- 参考書を一冊決めたら問題を構文解釈してみる。
- このとき、文型や単語の品詞、文のまとまりを意識しながら、鉛筆で気づいたことを問題に書き込んでいきます。
- step2.
- 問題の解説を読む。
解説を読んで自分が問題を解いた過程の中でつまづいたところをはっきりさせましょう。 - step3.
- 問題を和訳してみる。
ここでは解説でおこなわれた分析を再現してみます。 - step4.
- 解答と比べて間違っているところがあれば、解説に戻る。
この時にできなかった問題のチェックは忘れずに!英単語がわからなくて解けなかったのか、構文がわからなくて解けなかったのかなど、自分の間違いの原因をはっきりさせることで、次に同じミスをすることが防げます。
基本的な勉強ステップが分かったら、以下で紹介するそれぞれのチェックリストを参考に、自分に当てはまるレベルの勉強法をチェックしてみてください!
高校基礎レベル
- 単語帳をマスターしたはずなのに、長文がスラスラと読めない
- 長文になると、学習した英文法がどこに使われているかわからなくなる
- 一段落に一個は意味がわからない文がある
- 「下線部を和訳しなさい。」が和訳できない
- 授業ででてくるSVOCってなに?
このレベルの人には『入門英文解釈の技術70』がオススメ!
この参考書は難しい単語があまり使われておらず、英語が苦手な人でも取り組みやすい内容になっています。問題、解説、解答が見開き1ページでまとまっていて、見やすいのも特徴です。
この参考書の具体的な使い方はこの記事をチェック!
MARCHレベル
- 単語や文法を覚えたが、実際に和訳などに生かせていない
- センターの問題は解けるようになってきたので二次試験対策が必要だ
- 難易度の高い英文が二次試験で出題されるが、解読できる自信が無い
このレベルの人には『基礎英文解釈の技術100』がオススメ!
基本的な内容から、応用的な内容までをバランス良く含んだ一冊です。英文解釈をどのようにすれば良いのかという解説も充実しています。
この参考書の具体的な使い方はこの記事をチェック!
構文解釈の勉強法〜難関大レベル〜
- 共通テストの問題は9割以上解ける
- 難易度の高い英文解釈に挑戦したい
このレベルの人には『英文解釈の技術100』がオススメ!
英文解釈用の参考書の中では、最高レベルの参考書です。解説も充実しており、最難関大志望の人はとりあえずこれをやっておけば間違いありません。
この参考書の具体的な使い方はこの記事をチェック!
自分のレベルにあった記事を読んで、正しい構文解釈の勉強法を実行してくれ!まとめ
最後に構文勉強法のポイントをおさらいしましょう。
1. 英単語・英文法が不十分なら、これらをまず早く押さえよう
2. カタマリ、接続詞をつかんでSVOCなどの文の要素をつかめるようになろう
そしてこれらを実践して構文を使いこなせるようになれば、早慶レベルにも対応できるようになります。