日本史選択者であれば必ず配られるものが、「教科書」。学校の先生によっては、「参考書なんて買ってはいけない! 教科書で学習しなさい!」という先生もいるかもしれません。でも多くの人にとって教科書は「読みづらい」「分かりにくい」ものですよね。
今回このページでは、①どの日本史の教科書を用いて、②どう学習を進めればいいのかを解説していきます。
- 案件
日本史教科書って何使うの!?どう使うの!?
日本史教科書って何使うの!?どう使うの!?
戦略01 おすすめ教科書
そもそも教科書って色んな種類がありますよね。そのうちどの教科書がおすすめなのか、そもそも教科書を使う必要があるのか、気になる皆さんも多いのではないでしょうか。今回はそんな皆さんに向けて、まずはおすすめする3つの教科書を紹介します。
今回紹介する教科書は以下の3つです。
- 詳説日本史B 山川出版社
- 新選日本史B 東京書籍
- 新日本史B 山川出版社
ここからはそれぞれ3つの教科書の紹介をしていきます。
詳説日本史B
詳説日本史Bのメリット
- 日本で一番使われている。実に6割強の人が使っている。
- それゆえに補助教材が多い。(書き込みノート・問題集・資料集などが豊富)
- 取り扱う単語量が多く、説明も深いところまで書かれている。
詳説日本史Bのデメリット
- 内容がむずかしいので、理解しづらい。
詳説日本史はこんな人にオススメ!
- 難しい文章でも読みこんで理解したいあなた!
- 日本史が得意なあなた!
- 論述が多い難関国公立を目指しているあなた!
- 教科書中心の学習を進めたいと思っているあなた!
新選日本史B
新選日本史Bのメリット
- 詳説日本史Bの次に使われている教科書。1割強の人が使っている。
- カラーで、なおかつ多くの図表がついていて見やすい作りになっている。
- 説明が分かりやすい。
新選日本史Bのデメリット
- 使っている人は10パーセントにすぎない。
- 取り扱う単語数が少ない。
新選日本史はこんな人にオススメ!
- カラーで書かれた多くの図表をみながら学習をしたいあなた!
- 日本史があまり得意でないあなた!
- 教科書はさっさと終わらせて、参考書で学習を進めたいあなた!
新日本史B
新日本史Bのメリット
- 進学校で取り扱いが多い理由は、文章が丁寧に書かれていて論述で使えるフレーズが多いから。
- 取り扱う単語量は標準、説明の深さも標準。比較的読みやすい。
新日本史Bのデメリット
- 使っている人は全体の1%にすぎない。
新日本史はこんな人にオススメ!
- 論述でも使えるフレーズを身につけたいあなた!
- 詳説日本史Bでは少し難解すぎる、と感じているあなた!
- 論述が多い難関国公立を目指しているあなた!
戦略02 教科書の使い方は志望校によって異なる!
だれにでも高校から教科書は配られます。でも、その教科書は本当に使う必要があるのでしょうか? このテーマでは、きれいごとは一切なしで教科書の使い方を説明していきます。
教科書を使うべきでない人がいる!?
皆さんの多くは学校の先生から「そんな参考書じゃなくて、教科書を使って勉強しなさい!」「参考書より教科書を使ったほうが成績あがるよ」といった話をされた経験があるのではないでしょうか。
断言します。
多くの人は教科書を使うべきでありません。参考書を使ったほうが、はるかに成績が上がります。
「教科書のほうが参考書より優れている」、というのはいわゆる教科書神話に過ぎません。
教科書というのは日本史のすべての分野に関して偏りがないように、網羅的に書かれています。執筆者の多くは日本史研究の最先端を行く東大教授です。
ですから、確かにカバーする範囲・情報の質という観点だけ見れば教科書を越えるものはないでしょう。
ですが成績を上げるのに必要なのは、「カバー率」や「情報の質」だけではありません。
むしろ必要なことは、「文章の分かりやすさ」であったり、「学習者が合格するのに必要なレベルの内容」であったりするのです。
いくら内容的に素晴らしいことが書いてあっても、読む人が理解できないくらい難しかったり、そもそも必要以上のレベルの内容が書いてあったりしたら本末転倒ですよね。
もちろん教科書を使うべき人もいます。どんな人が当てはまるかというと、それは「教科書が理解できて」、なおかつ「合格には、教科書に書かれているレベルを理解することが必要」という人です。
ではどのような人は教科書を使うべきで、どのような人は教科書を使うべきでないのでしょうか。少し具体的に見ていきましょう。
教科書を使うべき人、使うべきでない人
以下の2ポイントを見てください。どちらかに当てはまる人は教科書を使うべき人です。
- 東大・京大・一橋受験者で日本史を二次試験で使う人
- その他国公立志望者で、難易度の高い記述問題を解く必要がある人
今度は逆に、下の2ポイントのどちらかに当てはまる人は教科書を使うべきでない人です。
- 私大文系・理系志望で、国公立のような難しい記述問題を解く必要がない人
- 教科書の内容を理解するのが難しいと感じる人
教科書を使うべきか、否かは2つのポイントで分かれています。それは
①難易度の高い記述問題を解く必要があるか
②教科書の内容を理解できるか
です。ここでいう「難易度の高い記述問題」とは、例えば文章・図表を読み取りながら説明をするような「思考力を問う記述」のことです。
それは「知識だけを問う記述」です。例えば「鎌倉時代末期に御家人が貧窮した要因を説明せよ」、というような問題で、難関私大・地方国公立を中心に出題されます。
※「鎌倉時代末期に御家人が貧窮した要因を説明せよ」という問題は、
①分割相続による所領の細分化による収入の減少
②元寇による出費の増大
③貨幣経済の浸透による出費の増大、
という知識さえあれば記述ができます。
教科書には単純な知識だけではなく、その知識同士がどう結びつくのかという因果関係が詳しく記述されています。教科書で学習すれば、歴史事項の因果関係を考えることになるので、日本史の思考力が身につくのです。だから東大・京大・一橋を中心とする難関国公立を志望する人は教科書を使った学習をするべきなのです。
逆に言えば教科書で学習を進めると、難しい文章の中にある因果関係を理解しながら読み進めなければなりません。ですから思考力よりも膨大な知識量を必要とする私大志望者や、センター試験のみの受験者は、使うべきではないでしょう。ほかの参考書を使った学習をおすすめします。
むしろ、教科書を使った学習は、無駄な労力を割くことになりかねないのです。
教科書を使うべき人、でも難しくて理解できない人へ
今までページを読んできて、「難関国公立目指しているけど、教科書難しくて読めない!」と感じている皆さんもいると思います。
ですが、だからと言って教科書を使わずに学習していい、というわけではありません。なぜならば大学側は日本史の教科書の内容を理解できるようなレベルの学生をもとめているからです。
ですから、ゆくゆくは教科書が理解できるレベルになり、思考力をつける必要があります。
そうはいっても、最初から教科書を無理して読むことはおすすめしません。皆さんはまずはしっかり通史を押さえて、基礎学力をつけてから教科書に入るようにしましょう。
戦略03 教科書を使った勉強法!
ここから先は教科書を使った学習をするべき人に向け、【教科書はどうやって使ったらいいの?】ということを解説していきます。
今までで、教科書を使った学習では、 難易度の高い記述問題で必要とされる思考力が身につく、と説明してきました。ここでは具体的にはどうしたら思考力が身につくのかを踏まえて説明していきます。
教科書を使った学習で必要な段階は3ステップです。
- Step1
- 教科書を読みこんで、内容を頭に入れる
- Step2
- 教科書を見ずに、誰かに説明するイメージで思い出してみる
- Step3
- 思い出せなかったところをおさらいする
Step 1:教科書を読みこんで、内容を頭に入れる
最初にやるべきことは、,教科書を読みこんで内容をしっかり頭に入れる、という作業です。
ただしこのときに注意するべきことがあります。それはただ用語を覚えるだけではなくて、その用語がどういった文脈で出てきているかをしっかり押さえることです。…といっても
となる皆さんも多いかもしれないですね。「平安京」を例に考えてみましょう。普段の勉強ならば
ということを覚えると思います。ですがそれだけでは「思考力」は身につきません。
教科書をよくよく読みこんでください。そうすればこんなことが学べるはずです。
ポイントは、「歴史用語について【なぜ】を考える」ことです。
「なぜ聖徳太子は冠位十二階の制を作ったのか?」「なぜ桓武天皇は平安京を作ったのか」「なぜ織田信長は楽市楽座をしたのか?」「なぜ明治政府は日英同盟を組んだのか?」など、しっかり歴史事項の理由を考えて学習を進めましょう。そうすればおのずと「日本史の思考力」がついてきます。
またこのときに決してやってはいけないことがあります。それは蛍光ペン・ボールペンで重要単語にマークをつけるということです。
そんな単語を覚えたいのであれば一問一答をやったほうがはるかに効率的です。「思考力」をつけるためには必要がない無駄な作業ですので、決してやらないようにしましょう。
Step 2:教科書を見ずに、誰かに説明するイメージで思い出してみる
そしてインプットの作業を終えたら、自分が今学習した内容が定着しているかをチェックします。
具体的な方法としては、上で四ノ宮さん(サッチー)がしていたように、自分が学習した内容を思い出す、という作業をします。
必ずしも口に出して学習する必要はありません。頭の中で思い出すのもよし、紙に書いて思い出すのもよし、もちろん口に出して思い出すのもよしです。
もし口に出して説明をするならば、あたかも誰かほかの人に説明するかのようにすると良いでしょう。
自分が学習したことを思い出すことによって、得られることは2つあります。それは
- アウトプットをすることで記憶が定着しやすくなる
- 自分が覚えられていなかった範囲が明確になる
ということです。 思い出すことで脳に負荷がかかり、記憶が定着しやすくなります。また思い出せなかった範囲は、自分の学習が甘かった証拠ですから、しっかり抜けもれなく学習することにも役立ちます。
Step 3:思い出せなかったところをおさらいする
そして「思い出す」作業が終わったら、教科書の内容と照合します。そして自分が説明できなかったところに関しては、しっかり学習をし直しましょう。
順番:教科書の最初から順番にやっていく
時期:高2~高3の夏休み
時間:1回2時間
ペース:週2回
まとめ
- 教科書は使うべき人・使うべきでない人がいる!
- 教科書を使うと「思考力」が身につく!
自分に教科書を使った学習が必要なのか、否かをしっかり判断して学習を進めましょう!
もっと具体的に「このとおりに勉強すれば日本史の勉強は完璧、という参考書の流れが知りたい!」という方は、ぜひSTRUXの参考書マップを活用してください!
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