時系列で押さえよう!
各科目ごとに
いつまでに何を勉強すべき?
受験勉強はがむしゃらに取り組んでも効果は薄いです。
きちんと「今取り組んでいる勉強は本当に志望校合格に必要なものなのか?」ということを考えなければ意味がありません。
つまり、志望校合格に必要な学力と科目を洗い出して現在の学力とのギャップを把握し、それを埋めるために基礎から少しずつ積み上げていくことが大切なのです。
では具体的にどのような感じで積み上げていけば良いのでしょうか?科目ごとに見ていきましょう。
目次
なぜ科目ごとでみる必要があるのか?
そもそもなぜ科目ごとに考える必要があるのでしょうか?
「単語や公式などの基礎事項を暗記して、それを使った基本問題や応用問題を解き、最後に過去問を解く」という流れさえ把握していれば良いようにも思えますよね。
科目ごとで「やるべきタイミング」が違う
実は、一言で「基礎」といっても、取り組むべきタイミングは科目ごとに違います。
例えば英語は、英単語や英文法を身につけなければ長文を読めないので、早めに基礎を終わらせておくべき科目です。しかも範囲が広いので高2までには固めておいた方が良いでしょう。
しかし漢文は句法を暗記して演習すれば良く、覚える句法の数も英語と比べて少ないいので、多少ゆっくり始めても大丈夫です。
このように基本的には「基礎→応用」の順番で取り組めば良いのですが、科目ごとのタイミングを考慮する必要があります。
もちろん「早めに取り組む」ことに越したことはない!
もちろん早いうちに勉強できるならそれに越したことはありません。
高3から勉強を始めた受験生よりも、1・2年生のうちに基礎を完璧にしておいた人の方が有利に決まっています。
そのため今回ご説明する内容は、「最低でもこの時期までには終わらせておきたい」という最低限の流れです。
自分の現在の学力や勉強を始めたタイミング次第でも変わるので、そのあたりは十分考慮しましょう!
英語に取り組むタイミング
まずは英語についてです。配点も高いことが多く範囲も広いので、余裕をもって勉強しましょう。
英語で取り組むべき流れは「英単語・英文法→英文解釈→長文読解(→英作文・リスニング)→過去問演習」です。
単語と文法の力がある上で英文解釈を勉強すると、文章全体の関係性が見えるようになります。ここまでやってから長文読解に取り組みましょう。
ちなみに和訳・英作文・リスニングに関しては、志望校によって必要かどうかが変わります。もし必要でないなら絶対に取り組まず、その他の力を身につけることに集中しましょう!
もし取り組むとしても「英単語・英文法・英文解釈」の力がないと解けないので、どのような場合でもこの3つは基本になるということですね。
取り組むタイミングですが、1・2年生の段階で「英単語・英文法」に取り組めるとベストです。
遅くても高3の始め頃から取り組めば間に合わないことはありませんが、この時期は他の科目も本格的に勉強しなくてはいけないためかなりバタバタします。
しかも英語は範囲も広いため早めに固めておくに越したことはないでしょう。
単語はやり方次第で2ヶ月で参考書を一周できますが、反復することでより効果的に暗記できるのでやはり1・2年生で始めておくべきですね。
英文法は英単語と同じくらい大切な基礎なので並行して進めましょう!
次に英文解釈について。英文解釈とは、文章を理解するために必要な「英文を組み立てている構文」のこと。
英単語と英文法が固まり始めたころである、高2の後半には取り組めているとベストです。
上位の大学志望なら高3の夏前までには「基礎英文解釈の技術100」レベルまで、そうでなくても「入門英文解釈の技術70」レベルまできちんと解釈できるようになっておきましょう。
最後に長文読解について。英語長文は、英単語や英文法の知識だけを完璧に覚えても読めるようになりません。
基本の演習問題から始めて、志望校レベルに必要な長文読解力を身につけていくことが大切です。
そのために時間をかけて英語長文をたくさん読み、じっくり力を身につけていきましょう。
夏前には300語〜500語レベルの長文に取り組んで、夏休みの前で「共通テストレベルの問題なら時間をかければだいたい読める・解ける」という状態を目指すのが理想です!
英作文とリスニングは必要に応じて取り組みましょう。志望校で使わないなら絶対やるべきではありません。
取り組む場合は「自由英作文なのか?和文英訳なのか?」まで把握しておきましょう。
リスニングは耳で慣れておかないと解くことは難しいです。問題文に目を通しておくことで問われる内容を把握することができるので、その練習もしておくといいでしょう。
本番では騒音などが気になる場合もあるので、そうした事態も予測して勉強していきます。
英作文・リスニングは基本的に夏休みに集中して取り組めると良いでしょう。
さらに詳しい英語の勉強法を知りたい方はコチラの記事をご覧ください!
数学に取り組むタイミング
数学は「教科書理解→定石理解→問題演習→過去問演習」の順で勉強するのが基本です。
各分野の教科書の内容を理解して基本公式を覚え、それらを組み合わせることで解いていきましょう。
教科書の内容は「学校の定期テストごとに範囲となっている内容を理解しておく」ということが理想です。そのため基本的には学校の授業ペースに合わせて進めればいいでしょう。
しかし可能なら高2の夏頃から教科書の勉強・学校の授業の復習を始めて、高3の夏頃に全範囲を終わらせ本格的な演習に取り組めるようにしておくとさらに効果的です。
厳しければ、最低でも教科書の内容だけは3年生の初めくらいまでには完璧にしておきましょう。
ただし、理系の人は数3のことも頭に入れておく必要があります。
数3は学校によっては「3年生の秋頃(9月〜10月頃)」までかかる場合がありますが、それだと入試に必要な演習をする時間が確保できません。
そのため、学校のペース次第では夏前までに一通り終わるように「スタディサプリ」などで予習をしましょう。
教科書レベルの内容を覚えたら、公式を利用した基本問題を解いて「定石理解」を行います。
数学の問題は公式を組み合わせた問題が多いので、まずは基本の公式を用いた問題を解けるようにならないと組み合わせ問題は解けません。
教科書を理解してから取り組むものではありますが、できるなら高1・2の長期休みでまとめて終わらせておきたいところです。
そうすれば、高3の夏で「数3の演習」「1A/2Bの苦手部分」のみに絞ることができます。高3夏のうちには青チャートレベルを完璧にしましょう。
定石理解が解けるようになったら本格的な問題演習に取り組みましょう。試験で全く同じ問題は出ませんが、同じ考え方をする問題は毎年出題されます。
演習を繰り返すことでその考え方を身につけることができるのです。高3の夏休みから入試前にかけて演習に取り組みましょう。
最後に過去問演習に取り組みます。志望校によって問題の傾向は違うので、ここで実戦経験を積みましょう!
ここも時間も測りながら、目標点を設定して本番同様に取り組むことが大切です。
過去問演習は早くから取り組めるに越したことはありません。ただし、基礎が万全でないなら遅くとも12月頃からはスタートできるようにしましょう。
さらに詳しい英語の勉強法を知りたい方はコチラの記事をご覧ください!
国語に取り組むタイミング
現代文は後回しにしても問題ない科目。なぜなら時間をかけても点が上がりにくいためです。それよりも、配点の高い英語・数学や社会系科目を優先して終わらせましょう。
ただし、高3は本格的な過去問演習などでバタバタするので、優先度が低いからこそ高2のうちにある程度固めておき、高3は他の科目に注力するという方法もあります。
古文は「単語・文法→演習→過去問」の順に取り組みます。今の日本語とは意味が異なるものが多いので、英語と同じように基礎を身につけてから読みましょう。
単語は単語帳1冊を完璧にすれば大丈夫です。文法は、語呂合わせなどを意識しながら音読することを毎日継続すれば1ヶ月程度で身につきます。
こうして単語と文法が身についた状態で演習に取り組めば、古文読解も1ヶ月程度で終わらせることが可能です。
そのため焦って勉強を始める必要もありません。高3の時点でも、夏休みまでは1日2時間の勉強を週2日、夏休み以降は毎日1〜2時間勉強できれば十分でしょう。
漢文はさらにシンプルで「句法→演習」に取り組めればOK!句法を高3前に終わらせられていれば、焦って読解の勉強をする必要はありません。
暗記量も少ないので50日もあれば句法は完璧にできるでしょう。
ちなみに古文と漢文についても、余裕があれば2年生までに固めておくとより優先度の高い科目に集中できますよ。
さらに詳しい国語の勉強法を知りたい方は以下の記事をご覧ください!
社会系科目に取り組むタイミング
世界史や日本史は「通史で全体像を理解→単語暗記→演習」という順番で進めます。
高1〜高2秋は学校のテスト勉強程度で問題ありません。余裕があれば1日1時間でいいので、まずはざっと初心者向けの参考書を読み流れを掴んでください。
本格的に始めるのは高2の冬頃からです。社会科目は学校の授業が高3冬頃までに終わらないことが多いため、その1年前頃から本腰を入れて通史を理解していきます。
高3の夏前までには通史を一通り覚え、基本的な単語なら覚えている状態にできるように、映像授業などで前倒ししながら勉強していきましょう。
夏前までに歴史の流れと基本単語が身についたら、夏以降からは細かいものも含めた単語暗記を進め、少しずつ演習に入っていきます。
国公立や一部上位私大であれば論述の対策も必要なので、これも夏後半から少しずつ取り組みましょう。
さらに詳しい社会系科目の勉強方法については以下の記事をご覧ください!
理科系科目に取り組むタイミング
物理・化学・生物などの理科系科目は、「教科書理解→問題演習(定石理解)→入試問題演習」という順番が基本です。
社会系科目と同じように学校の授業が高3の秋冬頃まで終わらないことが多いため、高3の夏前までに映像授業などを活用し自力で全範囲を終わらせておきましょう。
物理は教科書の内容を理解したら、分野ごとに区切って演習問題に取り組みます。
問題を一通り解いたら、わからなかった問題を中心に復習しましょう。これを繰り返し定石問題を身につけてから、入試問題演習に取り組みます。
化学は教科書の内容を理解をする際に、本文はざっと読み図表や画像を重点的に覚えましょう。
インプットをしたら演習を繰り返します。化学は定石問題のパターン数が他よりも少ないのでこれで身につくはずです。
まずは授業で教科書の内容を理解しておき、本格的な受験勉強は高3からでも大丈夫です。
生物は必ず参考書の問題を解くことで定石理解を行いましょう。問題演習を繰り返すことで効率的に基本パターンを覚えていくことができます。
最後に入試問題に取り組みましょう。
さらに詳しい理科系科目の物理の勉強方法については以下の記事をご覧ください!
各科目の特徴を捉え正しいペースで勉強しよう!
このように各科目ごとで取り組むべきタイミングは異なってきます。それぞれの優先度や勉強すべき量が違うので、それを考慮する必要があるのですね。
自分はどういう勉強を行うのが一番ベストなのか、使う科目や自分の学力を考慮しながら計画を立てていきましょう!
最後に改めて各科目ごとのタイミングをまとめておきます!
英語→1,2年生で基礎は固めておく!
1・2年生の段階で「英単語・英文法」に取り組めるとベストです。遅くても高3の始め頃から取り組んでおきたいところです。
1,2年生で基礎を固めたら、高2後半〜高3の夏前にかけて英文解釈の勉強を終わらせておきましょう。
こうすることで高3の夏頃からは英語長文に取り組むことができます。英作文とリスニングは必要に応じて取り組みましょう。
数学→「高2夏〜高3夏」に全範囲を終わらせて演習に取り組む
できれば「高2の夏頃から教科書の勉強を始めて、高3の夏頃までに全範囲を終わらせる」というのが理想です。そうすれば問題演習と苦手潰し時間を使えるようになります!
最低でも教科書の内容だけは3年生の初めくらいまでには完璧にしておきましょう。
教科書理解を早めに終わらせ、定石理解までを「高1・2の長期休み」で取り組めるとさらに理想です。
過去問演習を始めるタイミングは、共通テスト対策が必要な国公立なら3年生の9月頃から、私立なら11月頃から取り組みましょう!
ただし基礎が万全でないなら、国公立なら12月頃から、私立なら1月頃に多少遅らせても大丈夫です。
国語→後回しでも大丈夫
現代文は後回しにしても問題ない科目です。
しかし高3は本格的な過去問演習などでバタバタするので、優先度が低いからこそ高2のうちにある程度固めておいて、高3は他の科目に注力するという方法もあります。
単語は単語帳一冊で十分な上、文法も1ヶ月程度で身につきます。この状態なら古文読解も1ヶ月程度で終わらせることが可能です。
そのため高3の時点でも、夏休みまでは1日2時間の勉強を週2日、夏休み以降は毎日1〜2時間勉強できれば十分でしょう。
漢文は「句法→演習」に取り組めればOK!暗記量も少ないので50日もあれば句法は完璧にできるでしょう。
古文と漢文は、余裕があれば2年生までに固めておくとより優先度の高い科目に集中できますよ。
社会系科目→高2の冬までは学校の勉強でOK!
高2の冬までは、学校の勉強+1日1時間自習で大丈夫です。初心者向けの参考書を読み流れを掴んでから、通史の参考書や補助教材に取り組みましょう。
高3の夏前に通史と基本単語を覚え、それ以降の本格的な細かい暗記などに備えておきます。
理科系科目→高3の夏前までに自力で全範囲を終わらせておく!
物理・化学・生物などの理科系科目は、「教科書理解→問題演習(定石理解)→入試問題演習」という順番が基本です。
社会系科目と同じように最初は学校の授業ペースに合わせて起き、進行が遅い場合には高3の夏前までに自力で全範囲を終わらせておきましょう。
本格的に理科系科目の受験勉強を始めるのは3年生になってからでも問題ありません。
各科目ごとの優先順位を間違えずに勉強しよう!
受験科目が複数ある以上、がむしゃらに勉強していても意味がありません。
自分が使う受験科目の中で優先順位をつけ、さらに科目ごとに合った勉強を行うことで効率がアップします。
受験は1年以上にわたる長期戦です。早めに取り組むべき科目とそうでない科目を間違えずに勉強することで、正しいペースを保ちながら効果的に成績を上げることができるでしょう!