リスニングの勉強は英語を得点源にするにする上で不可欠です。なぜならばリスニングを学習することで長文読解にも通じる英語力をつけることができるからです。さらに入試試験に目を向ければ、東京大学をはじめとする難関大学では、リスニングでの得点力が不可欠な試験も多くあります。
その一方で、どのように学習を進めればいいのか、わからない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、初心者から始め難関大学レベルのリスニング力をつけるための勉強法をまとめました。しっかり読みこんで「どんな大学でも通じる」リスニング力をつけましょう。
効果的なリスニングの勉強法については、以下の動画でも詳しく解説しています!
- 案件08
英語リスニングができない人のための勉強法!
“バダイ ハフトゥー チェキラ △※■◆◎▽※★………”





戦略01
英語リスニングの効率的な勉強法ってなに?



そもそもリスニングで何を言っているのかがわからなければ、問題を解くことはできません。ではどのような勉強をすれば、「英語を聞く力」を伸ばすことができるのでしょう?
ただリスニング教材を繰り返し聞いていればよい? それともCNNやBBCなどの英語のニュースを聞けばよいのでしょうか? どれもこれも「不正解」とは言えませんが、英語を聞けるようになるまでに途方もない時間がかかるでしょう。「やったほうがいい」勉強かもしれませんが、「やるべき」勉強ではありません。

受験勉強で「何をすればいいの?」がわからない人は、こちらのリンクを参照!
⇒⇒受験計画とは何か?|第1志望校への最短距離を示す「受験計画」の4ステップ
短期間で効率よく英語を聞けるようになるために必要なトレーニングは、以下の3つの要素に分解することができます。
単語力をつける
聞く練習をする
発音・ディクテーション(書き取り)の練習をする
以下、「単語力をつける」「聞く練習をする」「発音・ディクテーション(書き取り)の練習をする」のそれぞれについて
1)具体的なリスニング勉強法
2)時系列でみた、リスニング勉強法
3)おすすめ参考書
を踏まえた説明をしていきたいと思います。

英語リスニング勉強法その①|単語力をつける
「え、リスニングなのに単語力が必要なの!?」と思う方もいるかもしれません。
でも考えてみてください。単語や熟語といった語彙力がなければ、何を発音しているかが分かっても、文章の意味が分かりませんよね? だからリスニングに出てくるような単語はしっかり暗記しておく必要があります。

ですので「単語や熟語の暗記を全くやっていない」、あるいは「単語熟語が不安だ…」という人は、次に説明する「聞く」ことや「発する」ことに加えて、単語帳の暗記をしっかり行うことから始めましょう。

単語の勉強法については以下のページにまとめてあるのでチェックしておきましょう。

➡英単語の勉強法はこちらを参照してください!
⇒⇒英単語勉強法|2か月でMARCHレベルまで覚えられる勉強法
英語リスニング勉強法その②|聞く練習をする、発音・ディクテーションの練習をする
「英語を聞く」ことと「英語を発音する・書きとる」という2つの練習は一見何の関係性もないように見えます。ですが、この2つの練習を同時に行うことで「英語を聞く力」は急速に伸びていきます。なぜでしょうか?
「リスニングの勉強をする」、と言えば多くの人が以下のような勉強をすると思います。
実はこのような勉強法では効率的に学習はできないのです。理由はいろいろありますが、一番大きい理由は「英語独特の音に慣れることができないから」です。たとえば、以下のような文章を考えてみましょう。
普通に発音したら、

と読めますね。
ですが、ネイティブの人はそうは読まないのです。

「バット イット」を「バリット」というようにつなげて読んだり、「シリアス」によりアクセントを置いて「シ-リアス」と読んだり。このようなネイティブ独特の発音を聞き取るためには、【自分が発音できるようになる】また【書きとれるようになる】ということが必要なのです。
簡単に言えば、ネイティブがやっていることを自分もできるようになりましょう、ということです。
1)具体的な勉強法
では具体的にはどのような勉強をすればいいのでしょう。大きな流れは以下の通りです。
※ディクテーション:英語の音声を聞き取り、書きとる勉強
※オーバーラッピング:スクリプトを見ながら、音声に合わせて発音すること
※シャドウイング:スクリプトを見ずに、音声のすぐ後から追いかけて発音すること

①リスニングの教材で問題を解く
まずは問題を解いてみましょう。また解く際には、問題集の指定した通りに解くようにしましょう(何回繰り返し聞くか、など)。
②答え合わせをする
これは当たり前ですね!
③ディクテーションをする
答え合わせをした後にはディクテーションをしましょう。「ディクテーションって聞いたことあるけど具体的にはどうやってやるの?」と思う人もいるかもしれません。
ディクテーションとはズバリ
【英語の音声を聞き、それを書きとる作業】
です。

というマルオの悲鳴が聞こえてきそうですね(笑
ですがこの作業を行うことが大切です。解いた問題については【原則すべて】、ディクテーションを行いましょう。
音声を流しながら書き取り、音声に追い付かなくなった、もしくは聞き取れない、というところは繰り返し再生し聞き取ってみましょう。

そして終わったらスクリプトを確認します。ここで大切なのは【聞き取れなかったところは何を言っていたのか確認する】作業です。自分が聞き取れなかったフレーズは「ネイティブ特有の発音が聞けなかった」ということですから、繰り返し聞いて自分もその発音ができるようになりましょう。繰り返していけば必ず今まで聞こえるはずがない、と思っていた英文まで聞き取れるようになるはず。
この作業で、何度も繰り返し音声を再生すると気がめいってくるかもしれません。ただ考えてみてください。私たちは日本語のネイティブですが、日本語の音声を書きとるにしても、何回かは繰り返し音声を再生しないとすべてを書きとることは不可能です。

ましてや外国語である英語でディクテーションをするのが難しいのは当たり前。焦らずしっかりこなしましょう。
④オーバーラッピング・シャドウィングする
ディクテーションを終えたら、次はオーバーラッピング・シャドウィングをしましょう!! …と言ってもこの言葉を知らない人も多いと思うので、もう一度挙げておきます。
※オーバーラッピング:スクリプトを見ながら、音声に合わせて発音すること
※シャドウイング:スクリプトを見ずに、音声のすぐ後から追いかけて発音すること
です。最初はこれをやろうとしてもうまくできないと思います。ですが、うまく発音できなくてもよいです。このトレーニングの目的は英語の速さになれることなので、うまくできなくてもくらいついて、やってみましょう。
詳しくは「音読」の勉強法を詳しく書いたページがあるので、確認しましょう。

オーバーラッピング・シャドウィングを行うと、英文のスピードに体が慣れることで格段に「聞く力」が上昇します。
オーバーラッピング・シャドウィングの効果はほかにもあります。
それは【長文を読むスピードがあがる】こと。長文を早く読むうえで一番の壁になるのが、「意味が分からなくなって後戻りする」というものです。ですがオーバーラッピング・シャドウィングでは音声が後戻りすることはありません。その中でその音声を発音し、理解する力を養うことで長文を読むスピードがあがるのです。



2)時系列でみた、リスニング勉強法
ここでは皆さんの疑問をマルオが代表する形で、リスニングの勉強に割く時間の目安を書いておきます。
お悩み相談①いつから始める?


多くの中高一貫の進学校では中学生の頃から多くの英語の音声に触れています。多くの英語の音声に触れることで英語を聞く力はついていくので、早め早めに対策ができると良いでしょう。
お悩み相談②どのくらい時間をかける?


お悩み相談③毎日やるべき?


最低【1週間に1回】やるようにしましょう。できれば週2,3回くらいのペースで学習できればベストです。
まとめ
期間:高3の8月~高3の2月(7か月:約30週間)
一回の勉強時間:2時間
ペース:1週間に1回(1週間に2,3回学習するのがベスト)
3)おすすめ参考書
以上で、多くの皆さんが「どうやって勉強すればよいのか」という疑問は解決できたのではないでしょうか。以下、そんな皆さんにお勧めする参考書をレベル別に挙げておきます。

センターレベル
・14日完成!センター試験英語リスニング合格の法則[基礎編]/[実践編]
難易度:[基礎編]★☆☆ [実践編]★★☆

・大学入試リスニングのトレーニング 必修編(Z会出版)
難易度:★★☆

難関国立・難関私大レベル
・大学入試リスニングのトレーニング 上級編(Z会出版)
難易度:★★★

・灘高キムタツの東大英語リスニングシリーズ[basic][通常版][super]
難易度:[basic]★★☆ [通常版]★★★ [super]★★★★★









シャドーイングのコツに関しては、以下の動画でも解説しています。
戦略02
英語のリスニング試験問題の解き方
いままで、「英語を聞き取る」力をつける勉強方法を説明してきました。この章では続いて、【試験をいかにうまく解くか】にスポットライトを当てたテクニック面の説明をしていきたいと思います。

・リスニングが始まる前にやっておくべきこと
・リスニング時におけるメモの取り方
・本番に注意しておくべきこと
英語の試験でリスニングが始まる前にやるべきこと
「リスニングが始まる前に問題文に目を通しておこう」、このようなフレーズは皆さん聞いたことがあるのではないでしょうか。

でも



という疑問が残りますよね? 今回はそんな疑問を踏まえつつ、解説をしていきたいと思います。
問題文に目を通す目的は、【問われる内容を把握する】ことである
そもそもなぜ、問題文に目を通す必要があるのでしょう? それは「問われる内容を把握することで、リスニングで注意して聞くべき内容を事前に予想できる」からです。
どんなに英語ができるネイティブでも、長いリスニングを全て暗記することはできません。私たち日本語のネイティブだって、1分近く日本語を聞いていたら、忘れてしまうこともありますよね? 英語であればなおさらです。回答するのに必要な情報のみを聞くために、「問題文に事前に目を通しておく」のです。
問題文をどれだけ詳しく読む必要があるのか
以上の点を踏まえると、問題文をどれだけ詳しく読むべきかが分かります。つまり「必要な情報が予想できるくらいに読む」ことが大切になってくるのです。

もっと具体的に言うと、問題文のうち上に書いてある文章はすべて目を通し、内容を理解しておく必要があります。その一方で、選択肢については内容を理解する必要がありません。

ただし難しい単語(固有名詞など)が入っている場合には、その単語がリスニング中で出てくるはずなので、チェックだけはしておくことをおすすめします。

問題文を読むのにどれくらいの時間を取るか
センター試験のように「リスニング」という科目が独立しているケースは別として、多くの入試ではリスニングが英語の試験時間中に行われ、いつからリスニング問題に目を通すか悩む皆さんも多いと思います。

ここでは大まかな目安を示しておきます。
もちろん、リスニングの配点などによりますが、基本的には
問題文の上のほうに書いてある文章に目を通せるだけの時間を取る、そして読み終わったころにリスニングが始まるのがベスト
というのが答えになります。ですので、英文を早く読める人は遅くて十分ですし、逆に長い時間がかかるという人は早めにリスニングの問題に目を通し始めましょう。

英語のリスニング試験におけるメモの取り方
いままでリスニングが始まる前のテクニックについて解説してきました。ここからはリスニングが実際に流れている間のテクニックについて説明していきたいと思います。

「リスニング中はメモを取ろう」という話は皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。ですが「どこまでメモをすればよいの?」という疑問は多くの皆さんが抱く疑問だと思います。今回も皆さんの疑問を踏まえつつ、解説をしていきたいと思います。

メモを取る目的は、【解答に必要な内容を忘れないようにする】ことである
メモを取ることで、解答に必要な情報を忘れません。
上でもふれたとおり私たちが英語のリスニングをすべて暗記しておくことはほぼ不可能です。ですから、解答に必要そうな箇所についてはメモを取っておくことで、解答のヒントになる部分を忘れないようにするのです。

どれだけ詳しくメモをする必要があるのか
では具体的にはどれだけ詳しくメモをしたらよいのでしょうか。それは
①解答するの必要そうな情報
②自分が忘れそうな情報
だけです。
先ほど説明した通り、問題文を事前に目を通すことで聞かれる内容はおおよそ予想することができるはずです。ですから、そこに関係がありそうな箇所でなおかつ自分が忘れそうな情報(例えば、Tomが生まれた年は【1998年】)についてはメモを取るようにしましょう。
逆に言えば、それ以外のところはメモをしないようにしましょう。メモをしている時間に流れている英文を聞き落とす恐れが大きいからです。
英語リスニング試験で注意しておくべきこと
リスニング試験の本番で注意しておくべきこととしては大きく2点です。
①リスニング音声の速さ
②会場内の騒音

1つ目は本番の試験のリスニングのスピードです。
一般的に、教学社から出版されているリスニングCDの音声は本番より遅いといわれています。ですので、練習をする際には1.2倍速などで聞くなどの工夫をしておくとより得点率がアップするでしょう。

2つ目は試験会場内の騒音です。
実際の試験会場では、周りの人の咳払いが激しかったり、音響設備が悪く聞き取りづらかったりすることが多く発生します。ですので皆さんははじめからそのような事態を想定し、当日に動揺しないようにトレーニングを積んでおくことが大切です。例えば電車の中でリスニングをすることで、騒音の中でも集中してリスニングをすることができるようになります。

戦略03
英語のリスニングが呪文にしか聞こえないキミのための勉強法
以上でリスニングの勉強法・試験の解き方について説明をしてきました。ですがこの記事を見ている皆さんの中には「英語が全く聞き取れない」という人や、「自分に合った問題集ってどのレベルなんだろう」という人がいるでしょう。以下では、そんな皆さんに向けた問題集の選び方を説明していきます。

まずは「センター試験レベル(基礎編)」レベルから始める!
どんなに英語ができない、リスニングが苦手だ、という人でもセンター試験レベルの対策問題集の基礎編から学習すると良いでしょう。
センター試験レベルの対策問題集は、かなり短い設問が多くなっています。ですので聞き取れない英文であっても、少し背伸びをしてくらいついて問題を解いてみましょう。そして終わった後はディクテーション、オーバーラッピング・シャドウィングを繰り返すのです。そうすれば次第に聞き取れる範囲が広がっていくはずです。

まとめ

✅ ディクテーション・オーバーラッピング・シャドーウィングを徹底する
✅ リスニング試験の対策は入念に
✅ くじけそうになっても継続すること
この記事に書いてあることを活かし、圧倒的なリスニング力を身につけよう!