多くの人が「やったほうがいい」という音読。ただ多くの人は「間違った音読」をやってしまっています。「間違った音読」は時間を使うだけでなく、効果も薄い勉強。
あなたはただがむしゃらに音読していませんか?それではほぼ効果はありません。この記事では確実に成績が伸びる「正しい音読」のやり方を説明していきます。知っておくだけで周りに大きく差をつけられる知識がてんこ盛りです。
そもそも音読はなぜやるの?どんな効果があるの?
音読はそもそもなぜやるのでしょうか??
それはずばり、
「英文の意味を前から理解する」
ということを練習できるから。
音読は声に出して英文を読む勉強法。
英文の意味を理解するためだからといって、後ろから音読することはできませんよね?
前から読んでそのまま英文の意味を理解しないといけません。
図にするとこんな感じ。
この理解の仕方の練習をすることは英語の勉強をする上でとても大事なことです。
なぜなら実際の長文問題やリスニングも同じように「前から読んで意味を(聞いて)理解」しなければならないから。
長文を速く読むためには前からスラスラ読んで理解しなければなりませんし、リスニングは、そもそも文の内容を後ろから読んで理解するなんてことはできません。
つまり音読は長文読解やリスニング問題にとても役に立つ、効果的な勉強法なんです。
しかし
という人もいると思います。
大丈夫です。これから、ちゃんと成績の上がる正しい音読のやり方を説明していきます!
効果があがる正しい英語長文音読のコツ
というわけで、まるお君と一緒に自分が正しい音読をできているのかをチェックしてみましょう。
正しい音読とは、この二つの条件を満たしていることを言います。
1, 読んでいる時に、文章の意味や構文をちゃんと把握していること
2, できるだけ速く読むこと
逆にこれらのどちらかでも満たしていなければ、その音読は意味のないものになってしまいます。
ひとつずつ見ていきましょう。
読んでいる時に文章の意味や構文をちゃんと把握していること
さきほども言いましたが、音読をやる意味は
「前から英文の意味を理解する」練習をすることにあります。
たまに意味を理解していない単語や文章をひたすらさけんで読んでいる人がいますが、これでは残念ながら口の筋肉をきたえるだけになってしまいます。英文の意味を理解していなければいくら読んでも意味はないのです。
分かりやすい例でいうと、「南無妙法蓮華経(読み方は、なむみょうほうれんげきょう)っていう仏教用語ってありますよね?
これ、読み方は覚えている人はいると思うんですけど、意味を理解していない人が大半なのではないでしょうか。(ちなみに答えは「法華経の教えに帰依をする」という意味です)
意味や構文を理解せずひたすら英文を音読していても、これと同じようなことが起こってしまいます。
試験中に「あっ、この単語見たことある」「あ、この構文やった記憶がある」となっても単語の意味や文章構造が分からないから内容が理解できない、というようになってしまうのです。
ですので、しっかり英文の意味を理解しながら音読をしましょう。
理想は「読みながらそのスピードで意味や構文(SVOCの違い、どこが意味のカタマリか、など)を同時に理解できる」こと。これを目指して音読をしてみてください。
とはいえ「そんなこといきなりできないよ……。」という人も多いはず。
そんな方は以下の方法を試してみましょう。
1)まずはじっくり黙読して意味や構文を把握した後で、それを思い出しながら音読
2)学校の授業などですでに読んだことがあり、染みついている文章を音読
読むと同時に英文の意味を理解するのが難しいという人は、特に2つめをお勧めします。
なぜなら、あらかじめ文の構造が大体わかっている状態で読むことができるので、「前から読んで英文の意味を理解する」難易度が低いのです。
構文・単語・文法について確認したい人は以下の記事をチェック!
効果的な英語音読のコツ②:できるだけ速く読む
音読は「前から英文の意味を理解する」ことの練習と最初に説明しましたが、同時に
「処理速度を上げる」ことの練習でもあります。
もちろん「意味や構文を理解する」ということが最優先ですが、
少しずつ英語を読むスピードを上げていく
↓
だんだんスピードに慣れていく
↓
英語を理解するスピードが上がる
というステップで、英語を理解するスピードを上げていきましょう。
速く音読できるようになればなるほど、長文を速く読めるようになったり、リスニングで速い音声を聞き取れるようになります。
読むスピードを上げる練習としては、この後で紹介しているオーバーラッピング、シャドーイングが有効です。
効果的な英語音読のやり方はこの手順!
さて、音読の意味・正しい音読が分かったところで最後に具体的な音読の勉強法を紹介致します。
先に紹介した音読のやり方をしっかり踏まえていれば大丈夫です。
ここでは「1, リスニング」「2, 長文読解」に関する音読の勉強の仕方を紹介いたします。
リスニングの効果的な音読のやり方
ここでは、リスニング教材を勉強する時にやってほしい音読の仕方を紹介します。
リスニングは音読をしっかりやるかどうかでかなり上達の程度が変わるので、必ず音読をしてください。
これから手順を説明しますが、その前に、リスニングで音読が必要な理由を確認しておきます。それは、
「自分が言えないものは聞けない」
という大原則があるからです。言われれば当たり前のことですが、これをわからずに、「リスニングは問題を解いただけ。音読はしない。」という勉強をしてしまうケースが多いです。この記事を読んでいる人は、この大原則をしっかり肝に銘じて、音読していきましょう。
では、音読の手順を説明しましょう。
Step1.何が原因で問題が解けなかったかを確認する
Step2.もう一度音声を聞いてみて、聞き取れるかを確認
Step3.音声に重ねてテキストを見ながら音読(オーバーラッピング)
Step4.テキストを見ないで、音声に続けて発声(シャドーイング)
順番に見ていきます。
Step1.何が原因で解けなかったかを確認する
理解できなかった箇所をチェックし、単語の意味がわからなかったのか、聞き取れなかったのかなど、なぜ自分がそのリスニング問題を解けなかったかを確認しましょう。
Step2.もう一度音声を聞いてみて、聞き取れるかを確認
1)でチェックした箇所の音声をもう1回聞き直してみましょう。
「文章を聞けば、そのスペルが頭にうかんでくる」というくらい何度も聞いたら、3)に進みます。
Step3.音声に重ねてテキストを見ながら音読(オーバーラッピング)
3番目は、テキストを見ながらCDなどの音声に重ねて喋る練習です。これを、オーバーラッピングといいます。
オーバーラッピングによって、正しい発音ができるようになり、かつリスニングに必要な聴き取り力も得られます。
目安は大体3~5回ですが、5回やっても自分の発音と音声を比べまだまだ差が合ったら、もう少し回を重ねるぶんにはまったく問題ありません。
Step4.テキストを見ないで、音声に続けて発声(シャドーイング)
最後はシャドーイングです。シャドーイングとは、テキストを見ないで、CDなどの音声に合わせて発音すること。
これ、一見たいしたことなさそうですが、音読をはじめたばかりの人にとってはかなり大変です。
しかし、大変だからこそ効果は絶大で、シャドーイングをすることで、とにかくスピードに慣れることができます。
速い音声を聞きとれるようになるので、音声の内容の理解もしやすくなります。
よって、リスニングで点を取りたいなら一番力を入れるべき勉強法です。とにかく音声にくらいついてください。最初は苦労するかもしれません。でも、苦労しているということは、頭の中でどんどん英語を聞く耳や姿勢が育っている証拠。その苦労が確実にリスニング力向上につながっていますよ。
こちらも目安は3~5回です。
このStep1~4をリスニング問題集を解くたびにしっかりやり、4か月ほど継続すれば、センターのリスニングで9割はかたいでしょう。
リスニングの音読にオススメ参考書
リスニングのオススメの参考書は、以下の記事に詳しくまとめてあるのでチェック
英語長文の効果的な音読のやり方
まず、大事なのは、全文を音読する必要はない、ということです。
予備校だと、「このテキスト全文を~回読んで頭の中に全て叩き込む」という風に言われるかもしれませんが、実際そんなに集中力がもつでしょうか。
かなり時間もかかるし、疲れます。また、自分が完全に理解している文章も読まないといけないので効率が悪いです。
ですので、ここでは、意味がつかみにくかった文章を中心とした、次の2つの作業を、長文読解の答え合わせや解説を読むことが終わったらやることをおすすめします。
Step1.意味が理解できなかった文章、フレーズを抜き出す。
Step2.その部分の意味や構造を理解したうえで音読する。
これを行うことで、単語の意味や構造を覚えやすくなります。
例えば、
「So suddenly was his retirement that everybody was shocked.」
(彼の引退は突銭だったので、みんなが驚いた。)
この文には、いわゆる「倒置」が使われています。(so suddenly と his retirementが入れ替わっています。)もしこの文を読んでその構造(この文章なら倒置が使われているということ)がわからなければ、この文を抜き出して音読するのです。
ほかにも、
「He is an authority on Russia affairs. 」
という文があったとして「authority」と「affairs」という単語意味が分からなかったら、この文を抜き出して音読します。目安としては、テキストを見なくても、暗唱できるくらい何度も音読するといいです。
あらためて確認しますが、音読をする目的は、「文章を前から読んで理解するため」です。長文を読んだ後に、意味がつかみにくかった文章をあらためて繰り返し読むことで、前からスラスラと理解する力がついていきますよ。
英語長文の音読にオススメ参考書
英語長文の音読には普段使っている参考書を使えばOK!だけどこれから新しい英語長文の参考書に取り組みたいという人には、音読用スクリプトやCDなどがついている「イチから鍛える英語長文500」や「ポラリス」がおすすめです。詳しくは以下の記事をチェック!
意外とタイヘンな音読。継続するコツは?
音読は時間と体力をかなり使います。
そのため、音読の勉強を続けることは意外に難しく、ついさぼりがち。
これを防ぐために、音読をする「時間」や「回数」を決めちゃいましょう。つまり、
- 「何をどれだけ音読するのか?」
- 「問題を解いてすぐにやるのか、それともその日の終わりにやるのか?」
といったことを必ず決めるわけです。
長文問題なら、
「長文問題を解いた後に、わからなかったフレーズをノートにまとめておく。それらを寝る前に10回ずつ音読する」
リスニング問題なら、
「リスニング問題をやってすぐに、オーバーラッピングとシャドーイングをやる。どちらも音声にぴったりついていけるまでやる」
といった具合です。
どのように決めるとしても、大事なのは、さきほど言った、
1, 読んでいる時に、文章の意味や構文をちゃんと把握していること。
2, できるだけ速く読むこと
というところです。これは忘れないようにしましょう。
音読をするうちに自分が「大体これくらい読めれば覚えられる」、「これくらい音読すれば音声についていけるようになる」というのがやっていくうちにわかるようになります。
それがわかったら、自分なりに、「回数」や「時間」を決めてみてください。
英語音読のやり方まとめ
最後にもう一度音読の勉強法のポイントを復習しましょう。
1, 文章の意味や構文をちゃんと把握して読むこと!
2, できるだけ速く読むこと!
3, リスニングはオーバーラッピング、シャドーイング!
4, 長文全てを音読する必要はない!
5, 毎日継続するには、「いつやるのか」「どれくらいやるのか」を明確にしよう!