突然ですが、「定期テストの世界史はできるのに、模試の世界史はできない……。」という人、いませんか?もしあなたがそうならば、この記事を読むことを強くおすすめします。世界史は、教科書・一問一答だけでは、本番で点数は取れません。なぜなら、それでは、「問題を解く」練習をしてないから。この記事では、問題を解く「演習」の必要性とそのやり方について解説します。これを読めば得点力が上がること間違いなしです。

- 案件
模試の世界史で点数が取れません。

模試の世界史で点数が取れません。










戦略01
入試を解く秘訣は「演習」をすること!
1-1. なぜ教科書、一問一答だけじゃダメなの?
みなさん、単語の「演習」していますか?
一問一答だけやっている人、教科書だけ読んでいる人。知識をちゃんと入れている点は素晴らしいです。

ですが、もしこれから紹介する「演習」をやっていなければ、試験本番で得点が取れないかもしれません。

例えば、こんな問題があります。
【選択式問題の例】
“下線部fに該当する人物の一人に蔣介石がいる。蒋介石に関する次の記述のうち誤っているものはどれか。”(イ~二の中から誤っている記述を選択)(2014年度 早稲田 政経 「世界史」)
【地図問題の例】
“下線部⑤に関して、中世ヨーロッパにおいて東方貿易に従事し、香辛料の取引で栄えた都市の名と、その位置を示す次の地図中のaまたはbとの組み合わせとして正しいものを、次の①~④のなかから一つ選べ”(平成29年度 センター試験「世界史B 」)
【記述式の問題の例】
“下線部Dに関連して、ビザンツ帝国の衰亡とイタリア・ルネサンスとの関係について、90字以内で述べなさい。”(2009年度 慶応義塾大学 経済学部「世界史」)
本番ではこのように、複数の「時代」「地域」について、複数の「形式」(穴埋め、選択式、記述式など)で出題がされます。

このような問題は、ただ「この時代にはこの事件があって、この人が皇帝になって……。」というように、一つの時代の知識を詰め込んでいればできる問題ではありません。
(定期テストでは、決まった範囲しか出ないので解けてしまいますが)

もしただ時代ごとに単語の知識を詰め込んでいるだけだと、複数の地域・時代がまたがって出題されることで、
「え、この時代の他の地域のこと……?」
「当てはまらないもの……?うーんなんだろう」
せっかく単語自体は覚えていても、一問一答以外の形式で質問されると答えられない。
こういったことが発生してしまうのです。

それを、解決するのが「演習」なのです。
1-2.演習って何?
というわけで、演習の説明に入りましょう。

ずばり、それは「問題を解くこと」です。
別に問題を解くなら「一問一答」と変わらないんじゃないの?
そう思う人もいるでしょう。
しかし、そもそも一問一答と演習は「目的」が違うのです。
一問一答は、「知識を覚える」ことが目的です。
なので、基本的に「誰が(何が)、何を、いつ、どこで、どのように(5W1Hですね)、したのか(起こったのか)」のどれかが、空白になっていて、それを問う穴埋め問題が多いです。
しかし演習の目的は、「問題を解けるようになること」。
例えば、演習問題だと、
(例)~の中から不適切なものを選びなさい。
(例)下線部が意味するものを答えなさい。
(例)~の中から不適切なものを選びなさい。
(例)下線部が意味するものを答えなさい。
など、単純な穴埋めではない問題が多数あります。
また穴埋め問題も、長文の中に空白がある形式になっています。
少ないヒントから答えを導いたり、複数の知識を使ったりするような問題が実際の入試では多く出題されます。
演習はその入試に向けての練習になります。
練習をすることで「どのような形式で問われようとも答えられる単語の知識」を身につけることができるのです。

一問一答は「知識のインプット」、演習は「知識のアウトプット」
こんな認識で大丈夫です。
さて、演習をすることの意味は分かったかと思います。
続いては「具体的な演習のやり方」を紹介します。
ここからが本番です。集中してついてきてください!

戦略02
世界史演習のススメ
先ほども述べた通り、演習は「問題を解くこと」。
なので、やり方は「問題集を解くこと」になります。
以下にやり方をまとめたので一つずつ見ていきましょう。
~世界史演習のやり方~
- 【必要なもの】
- 問題集(おすすめを後ほど紹介します)
- 【いつからやるべきか】
- 一問一答を2~3周した後(時期としては高3夏以降)
- 【どれくらいかかるか】
- 100時間程度
前提として、一問一答などで「知識のインプット」は一通り終わらせてください。
知識があやふやだと、おそらくほぼ太刀打ちできません。焦らなくて大丈夫なので、まずは確実に知識をインプットしましょう。
・通史をまだ一通り勉強していない人→「全体像把握」「概略理解」の2記事を読んで通史を勉強しよう!
・まだ世界史の用語暗記を6割以上できていない人→「一問一答」の記事を読んで、用語暗記をしよう!
以下が勉強法の詳しい手順になります。
- Step1
- 問題集を選ぶ。
- Step2
- 問題を解く。
- Step3
- 答え合わせを行う。間違えた問題をチェック。
- Step4
- 解説を読みこむ。
詳しく解説していきましょう。
Step1. 問題集を選ぶ。
まずは問題集を選びましょう。以下にオススメのものを紹介するので、自分に合いそうなものを選んでください。
①実力をつける世界史100題(Z会出版)
実力をつける世界史100題(Z会出版)|Amazon.co.jp
充実の問題数(100題)と詳しい解説(別冊で問題集以上の分厚さ)が魅力の問題集です。
全ての通史の範囲が満遍なく収録されているので、過去問演習の前にやるに最適の一冊と言えます。
②HISTORIA 世界史精選問題集(学研)
HISTORIA 世界史精選問題集(学研)|Amazon.co.jp
比較的新しい問題集です。対策が手薄になる文化史、テーマ史にも触れているので、こちらもオススメです。コラムもあります。
どちらも非常に質の高い問題集です。本屋で見比べてみて気に入った方を選ぶことをお勧めします。

Step2. 問題を解く。
問題を解いていきましょう。2周目以降ができるように、問題集には答えは書き込まないでください。
ノートや紙に答えを書くようにしましょう。
ここで注意!答えが分からなくても「調べないでください」。

演習の目的は、問題を解けるようになることです。
一方で、「何が分かってないのか」を知ることも目的の一つ。
教科書や資料集で答えを調べてしまうと、自分が「どこまで覚えていて、どこまで覚えていないのか」があやふやになってしまいます。

問題が解き終わったら、答え合わせをしましょう。
Step3. 答え合わせを行う。間違えた問題をチェック。
答え合わせの際は、「なぜその問題を間違えたのか」を分析しましょう。
用語が分からず問題が解けなかったら、その用語をノートや一問一答で探して、✔をつけておきましょう。他の単語よりも目立って覚えやすくなるはずです。
「どんな単語と一緒に問われていたか」ということも、余白に書くのもよいでしょう。
また「用語は分かっていたのに、問題が解けなかった」場合は、その単語の「理解」が足りない、ということ。
その単語が、
- 「歴史上の人物」なら、その人物のやったことなどを十分に理解していない、
- 「歴史上の出来事」なら、その出来事の詳細や歴史的意義、といったことを十分に理解していない、
ということになります。
こうした場合は「用語集」を読んで、詳しくその単語についての説明を読んであやふやな部分をなくしましょう。
※用語集の使い方に関しては、こちらの記事をよんでください。

Step4. 解説を読みこむ。
答え合わせの際には、解説を読みこみましょう。
Step1で紹介した問題集は、どちらも解説のボリュームが魅力です。
どちらの解説も、情報が複雑な単語の詳しい解説、図表や地図など理解を助ける工夫がたくさんあります。
間違えた問題の解説は、暗記するくらい読み込みましょう。
赤神:間違えた問題の解説は一言一句読み込もう。
特に志望校で、論述問題が出る場合は要チェック。
ここでの詳しい解説を覚えると論述問題で、そのまま使えますよ。
Step1~Step4を繰り返して、「全ての問題が解けるようになるまで」問題集を解きましょう。
3周もすれば完璧になるはずです。
以上が、各Stepごとの解説になります。



戦略03
演習問題に関するQ and A
3-1.どれくらいのペースでやればいい?
始める時期は、前述のとおり一問一答が2~3周終わった段階から。
(高3夏以降ぐらいがよいでしょう。)
ペースとしては、一日3題ずつぐらい。
高3の8月から始めれば、11月までには3周はできます。
ちなみに「通史が終わってないんだけど……」という人は、まずは通史を一通り完成させてください。
こちらの記事
を読んで基本的な知識を入れましょう。

3-2.センターだけ使う場合はやる必要ある?
結論、必要ありません。


理系の人で世界史を使う人は、世界史に力をかける時間は最低限にしましょう。
センター用の教材を直前に、何度も解くことをおすすめします。
・社会にかける時間を最低限にする理由はこちら
センター世界史の記事はこちら



まとめ
最後にもう一度、演習のポイントを復習しましょう。
- 教科書、一問一答だけじゃ入試問題は解けるようにならない。演習で「問題をとけるようになろう」
- 演習では「なぜ解けなかったか」を理解すること、「解説を読みこむ」ことが大事。
- 理系の人は、演習まではやる必要はない。

みなさんも、しっかり演習をして周りのライバルに差をつけましょう。