- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。
法政大学の物理出題傾向
法政大学の入試で物理を使う学部は情報科学部、デザイン工学部、理工学部、生命科学部です。その中でも情報科学部だけ問題が異なります。
法政大物理のすべての学部における特徴として、力学が問題の多くを占めることが挙げられます。
特に物体の運動を扱う問題が頻出なので入試前には重点的に学習しておくとよいでしょう。
また、他の大学に比べて波動の分野からの出題が少ないことも特徴的といえるでしょう。
法政大学物理の各問題の特徴
大問構成はこのようになっています。
- 第1問 力学記述式設問
- 第2問 電磁気記述式設問
- 第3問 力学記述式設問
- 第4問 熱力学または波動記述式設問
法政大の物理の試験は全部で4つの大問が出題されます。
出題の順番は年により前後することがありますが、ほとんどの年の場合大問4つのうち2つは力学が出題されています。
(情報科学部の大問は3つで、すべてが穴埋め形式の出題になっています。しかし他の学部と同様、ほとんどの問題が力学からの出題です。)
そのため、いかに法政大学が力学に重きを置いているかが分かると思います。
学部によっては記述式の大問がほとんどなのですが、法政大学の物理は問題の考え方や式を書くわけではなく、答えのみを回答欄に書くという方式になっています。
そのため、普段の問題演習からミスを減らす努力をしたほうが良いでしょう。
法政大学物理の時間配分の例
法政大学の理科は1科目のみを選択し解くという入試形態になっています。
試験時間は75分で、物理は大問4問構成なので、大問1つにかけられる時間は単純計算すると約18分です。
入試前は過去問などを通して、自分はどのように問題を解いていくのかシミレーションをしておくとよいでしょう。
以下は時間配分の例ですが、必ずしも1問目から解く必要はなく、解けそうな小問の多い大問から順に解くのがいいでしょう。
時間配分の例
00:00 | 問題の把握(2) |
00:02 | 第1問(17) |
00:17 | 第2問(17) |
00:32 | 第3問(17) |
00:47 | 第4問(17) |
01:02 | 見直し(5) |
法政物理には1つの大問につき約7問から8問の小問がついています。
試験時間を考慮すると1問にかけられる時間はそれほどないため、後半の大問の簡単な問題を落とさないようにしましょう。
大問あたり17分を1つの目安として、17分で解けなかった部分は飛ばして次に進む方針がおすすめです。
法政大物理で必要な学力レベル
法政大学の物理では多くの問題が入試の標準問題レベルの出題になっています。
教科書レベルの知識にプラスして標準問題が解けるようになっていると十分に高得点を狙えるような難易度になっています。
レーダーチャート
ここでは、学習塾STRUXが使用しているレーダーチャート分析をもとに、法政大の物理に必要な参考書・レベルをチェックしていきます。
法政大学物理のレーダーチャートはこのようになります。
問題のレベルはどの分野も5段階中3です。
「良問の風」レベルの参考書でしっかりと問題演習を積んでおきましょう。
法政大学物理が解けるようになるためのレベル別勉強法
ここからは、法政大学の物理で合格点をとれるようになるための勉強内容をご紹介します。
「これから勉強を始める!」という人ははじめから進めてほしいですし、「ある程度基礎はできている!これから法政大学に特化していきたい!」という人は途中から読み進めてもOKです。
物理の基礎が身についているかのチェック
物理の勉強は学校の授業と並行して行うことでスムーズに進めることが出来ますが、多くの学校では進度が遅く、高3の冬、入試ギリギリまで終わらないということもしばしばあります。
高3の夏前には全範囲一通り習い終わった状態でないと、学習していない分野の基礎学力が身につかなくなってしまいます。
物理の基本が全く分かっていない人はこれまで習った範囲の復習も含め、以下の参考書で全範囲の知識の網羅と定着を並行して行います。
「スタディサプリ」などの映像授業を活用し、教科書レベルの基本知識を盤石にしていきます。
いきなり問題を解くことはできないため、まずは映像授業の視聴と付属の問題を解くことで身につけていきましょう。
すでに物理を学校で習っていたり、自分で勉強して物理の基礎の基礎は分かっているという人は飛ばしても構いません。
次に進むポイント
- 物理の苦手意識が少し薄れてきた
- 教科書の練習問題レベルの問題は解くことができる
- 映像授業や学校の授業の内容はすべて理解できた
入試問題の定石を把握するための問題演習
法政大入試や共通テストレベルの問題を解けるようになるには、公式の理解だけでなく、理解した公式や定石を問題を解く際に実践できることが必要です。
ここからは頻出の解法を固めていくことで、まずは入試問題を解くための「武器」を身につけていきます。
これらの参考書で物理の基礎力を身に着けていきましょう。
「リードα」「セミナー」などは適宜学校で配布されたもので似たようなものを使っても構いません。
学校で配布されない場合、中古のものの購入や市販の「エクセル物理」などを活用しましょう。
問題数が多くレベルも幅広いため、知識の定着にも入試レベルへの飛躍にも最適です。
「リードα」「セミナー」には難しい問題も含まれているため、物理の基礎を身に着けたいという目的で使用するのであれば基本問題をピックアップして使うというのもよいでしょう。
「リードα」「セミナー」「物理のエッセンス」は同じような難易度であり、物理の基礎力を身につけるのにうってつけの教材です。
3つの内どれか1つで良いので終わらせて「良問の風」に移りましょう。
良問の風まで出来るようになれば、かなり力はつくはずです。
しっかりと解けるようになるまで、間違えた問題は何周も繰り返し解き、定着させましょう。
3年生の夏休みの終わりまでにここまでが終わっていることが理想ですので1つの目安にしてみてください。
次に進むポイント
- 「良問の風」で8割の問題は解ける
- センター試験の過去問で80点くらいは取れる
法政大入試レベルまで引き上げる!入試形式の問題で演習
定石問題は身についたので、あとは法政大入試に向けて難しい問題に挑戦していくだけです。
入試問題は定石問題の組み合わせで出題されるため、実際の入試問題でどんどん演習していきましょう。
基本的な参考書を終えたら、法政大の過去問や法政大形式に似た問題で仕上げていきます。
特に特徴的な問題は過去問を解いてみないと解くコツが掴めないので、意識していきましょう。
- 過去問赤本(5〜10年分)
法政大物理で合格点をとるには各大問に含まれている基礎・標準レベルの問題を確実に得点することが大切です。
また試験時間が比較的短いため、時間管理の感覚や難しい問題を飛ばす判断力も養っておきましょう。
法政大学の物理は簡単な小問から誘導させて解くという大問がほとんどです。
そのため、自分独自のやり方で解くことはできないため普段から問題の誘導に従って解くということを意識して演習を積んでおきましょう。
また制限時間に対して少し必要とされる計算の分量が多いため、正確に素早く計算する力も必要でしょう。
法政大の物理は標準問題がほとんどのため、典型的な問題は見た瞬間にどのように解くべきか分かる状態まで持っていくのが理想です。
いずれにせよ、法政大独特の問題や傾向をつかむために十分に過去問演習しておくことが重要です。
GMARCHレベルで併願校がいくつかある場合は5年分を目安に取り組みましょう。