みなさん、共通テスト英語の「リスニング」対策はバッチリですか?
センター試験では「リーディング200点・リスニング50点」という構成でしたが、共通テストでは「リーディング100点・リスニング100点」という構成に変わります。
リスニングが英語全体に占める比率が高まるため、しっかりとしたリスニング対策をとらないといけません。
この記事では、「共通テストリスニングはどんな問題が出る?」「センターと共通テストで配点以外に何が変わるの?」「リスニングはどう勉強すれば良いの?」など、共通テストリスニングを対策するうえで必要な情報をお伝えいたします。
リーディングについては以下の記事をご覧ください。
共通テストリスニングの設問構成と出題内容
共通テストリスニングの設問構成は次のようになっています。
*2022年度の共通テストより
大問 | 構成(配点) |
---|---|
第1問 | 短い発話の内容に合う英文や絵を選ぶ(25) |
第2問 | 短い対話の内容に合う絵などを選ぶ(16) |
第3問 | 短い対話の内容について質問の回答を選ぶ(18) |
第4問 | 長めの発話内容を整理したり、複数の発話を比較して回答する(12) |
第5問 | 社会的話題に関する講義を聞き、質問に対する答えを選ぶ(15) |
第6問 | 2人の会話や議論を聞いて質問に回答する(14) |
設問は主に、「英文を聞き適切なイラストを選ぶ問題」「英文を聞き表を埋める問題」「英文を聞き質問に対す適切な答えを選ぶ問題」の3つに分けることができます。
以下で軽く内容を確認しておきましょう。
英文を聞き適切なイラストを選ぶ問題
「英文を聞き適切なイラストを選ぶ問題」は以下のようなものです。
流される英文
英文を聞き、質問に対する適切なイラストを選ぶ問題です。動物や学校など身近なテーマに関する内容が出されることが多め。
英文を聞き表を埋める問題
「英文を聞き表を埋める問題」は以下のようなものです。
流される英文
英文を聞き表を埋めていく形式の問題です。表に記入する内容は、数字や固有名詞であることが多め。本番では1回しか放送されないので聞き逃さないようにしましょう。
英文を聞き質問に対する適切な答えを選ぶ問題
「英文を聞き質問に対する適切な答えを選ぶ問題」は以下のようなものです。
流される英文
英文を聞いて質問に適切に答える問題です。文章全体の内容を理解しながら聴く力が問われます。
基本的にどのタイプの問題も、英語の説明または対話を聞き、その内容か質問に対する適切な選択肢を選ぶ構成です。聞こえてくる英文の量は問題が進んでいくにつれて多くなり、問1では15wordsほどですが、問6では250wordsに達することもあります。
出題される内容は家族や友達同士のたわいもない会話から、大学の講義やツアーについての説明まで様々です。
設問ごとの詳しい対策はこちらをチェック!
共通テストリスニングとセンターリスニングの違い
共通テストリスニングの概要がわかったところで、次は共通テストとセンターでリスニングがどう変わるのかを解説します。
共通テストリスニングとセンターリスニングの違いその1:満点が50→100点に変更
センターとの1番大きな変更点が、「リスニングの配点の変更」です。
センター試験は「リーディング200点・リスニング50点」という配点でしたが、共通テストからは「リーディング100点・リスニング100点」という配点に変わります。
センターとは問題数はあまり変わりませんが、1問あたりの配点は倍になります。
リスニングが苦手な人にとってはかなり厳しい配点となっているので、これまで以上にしっかり対策を立てることが必要です。
また、センター試験では、リーディングとリスニングを「独自の配点」で計算しているところがありましたが、その配点の仕方を共通テストから変えるところもあるので注意してください。
「独自の配点」を用いている大学としては以下のようなものが挙げられます。
大学独自の配点について詳しく知りたい方はこちらをチェック!
共通テストリスニングとセンターリスニングの違いその2:問題の読み上げが1回だけになる部分がある
センター試験では、全問題で問題文の読み上げが2回ありました。
しかし共通テストでは、大問2までは2回読み上げで、大問3以降は1回読み上げになります。
共通テストは、英語を実用的に使うことを目的に作成されているもの。
そのためリスニングも読み上げを1回だけにすることでより実践に近づけるのだそうです。
読まれる英文の量が多い後半の設問で1回しか読み上げないため、センターよりも難易度が高くなっています。
共通テストリスニングとセンターリスニングの違いその3:聞き取った情報と図表の情報を組み合わせる問題が頻出
共通テストでは、センター試験では少なかった「内容全体を把握し要点をまとめた上で解答を選ぶ形式」が多く出題されます。
センターでは内容をピンポイントで聞き取る力が大切でしたが、共通テストではそれに加えて、全体を把握し内容をイラストと関連づけたり、図表の中で分類したりする力が必要です。
解答の際には問題冊子上の表の内容などを素早く読み取る必要があり、情報処理のスピードが問われることになります。
共通テストリスニングとセンターリスニングの違いその4:アメリカ英語だけでなく、イギリス英語や非ネイティブの英語も混じる
共通テストでは、アメリカ英語だけでなく「イギリス英語や非ネイティブの英語」も流されます。
実際のコミュニケーションの場面を意識して、センター試験よりも自然な英語の英語の読み上げ方となっており、慣れていない人は戸惑うことでしょう。
日頃からネイティブ以外の英語も聞くことで、非ネイティブの独特な発音に慣れておくことが重要です。
共通テストリスニングとセンターリスニングの違いその5:複数選択の問題がある
センターではひとつの問いに対してひとつの選択肢を選べば良かったですが、試行調査では同じ選択肢を2回以上使える問題(問4、問5など)や当てはまる選択肢を全て選択する問題(問6など)が出されています。
これらの問題では完答時のみ点数が与えられるため、一部分だけ分かっていても意味がありません。
消去法も使えないため、放送された内容全体を丁寧に把握し、情報を細かく整理する力を身につけましょう。
共通テストリスニングとセンターリスニングの詳しい違いを知りたい方はこちらをチェック!
共通テストリスニングの解き方のコツは「問題文と選択肢を先読み」すること!
共通テストのリスニングを解くコツは、「問題文と選択肢を先読みする」ということです!
問題文を先読みし問われる内容を把握することで、リスニングで注意して聞くべき内容を事前に予想できるようになります。
どんなに英語ができる人でも、長いリスニング内容を全て暗記することはできません。
日本語でさえ1分近く聞いていたら、内容を忘れてしまいますよね?
そこで、回答するのに必要な情報のみを聞くため、問題文に事前に目を通しておくのです。
まずは問題文を先読みし、問われる内容を把握しましょう。
そのうえで、時間があれば選択肢も読みます。固有名詞などが入っている場合には、その単語がリスニング中で出てくるはずなので、印をつけておきましょう。
共通テストリスニングの勉強法
先ほど、共通テストリスニングを解く際のコツについてお伝えしましたが、いくらコツが分かっても実際の英文を聞き取れなければ問題は解けません。
今から紹介する勉強方法を参考にして、しっかりとリスニング力を鍛えましょう。
放送された英文を前からスラスラ読めない人向けの勉強法
リスニングはリーディングと違い、分からない箇所を読み直すという作業ができません。
放送された英文を、英語の語順のまま構造を理解しながら把握することができないと、単語が聞きとれても全く内容が理解できないでしょう。
そういった人は、リスニング力を鍛える前にまずはリーディング力を鍛えるのが重要です。
英単語と文法の基礎を固めた後に、英文解釈、長文読解へと移って行きましょう。
リーディング力の詳しい鍛え方はこちらをチェック!
6割を目指すための勉強法と参考書
「放送された英文を語順通りに理解はできるけど、模試などで6割を取れていない」という人は、ネイティブ特有の英語の発音方法に慣れていないと考えられます。
例えば「Not at all」はカタカナ英語だと「ノット アット オール」ですがネイティブは「ナラロー」というふうに発音します。
このような発音の違いは、ネイティブが単語同士を連結したり、単語の語尾をあえて発音しなかったりすることで起きます。
変化の法則はあらかじめ知っておかないと、絶対に聞き取れません。
この問題の解決には「ディクテーション」と「音読」が有効です。
この2つを「毎日」継続して行うことで、少しずつ英語を聞き取る力が身についてきます。
6割を目指すための勉強法①:ディクテーション
「ディクテーションって聞いたことあるけど具体的にはどうやってやるの?」と思っている人もいるかもしれません。
ディクテーションとは「英語の音声を聞き、それを書きとる作業」です。
音声を流しながら書き取りに取り組み、「音声に追い付かなくなった」「聞き取れない」というところは、繰り返し再生して聞き取ってみましょう。そして終わったらスクリプトを確認します。
ここで大切なのは「聞き取れなかったところは何を言っていたのか確認する」作業です。
自分が聞き取れなかったフレーズは「ネイティブ特有の発音が聞けなかった」ということなので、繰り返し聞いて自分もその発音ができるようになりましょう。
繰り返していけば必ず英文を聞き取れるようになります!
ディクテーションをするのにオススメの参考書を紹介します。
6割を目指すための参考書①:『究極の英語ディクテーションvol1』
ディクテーションをやるのにオススメの参考書が『究極の英語ディクテーションvol1』です。
この参考書は、英文を「聞いて⇒書き取る」簡単メソッドで、聞き取れない原因を明らかにしてくれます。
英文の内容も簡単なので、英語が苦手な人にもピッタリです。
共通テストでも出題される訛りのある英語音声も収録されているのもグッド!
6割を目指すための勉強法②:音読
ディクテーションを終えたら、次は音読をしましょう!
ただの音読ではなく、「オーバーラッピング」か「シャドウイング」と呼ばれるCD音声を使った音読が効果的です。
この言葉を知らない人も多いと思うので、解説しておきます。
-
- オーバーラッピング:スクリプトを見ながら、音声に合わせて発音すること
- シャドウイング:スクリプトを見ずに、音声のすぐ後から追いかけて発音すること
最初はこれをやろうとしてもうまく発音できないと思います。
ですが、何回もやるうちに英語の速さにも慣れ、ネイティブの正しい発音が体に染み込みます。
一度発音できるようになれば、次に聞いた時には必ず聞き取れるので、上手くできなくても諦めに勉強しましょう。
音読をする教材はなんでも構いません。学校で配られた長文問題集などを使うと良いでしょう。
以下で紹介する問題集を解いた後にスクリプトを音読するといった方法でも構いません。
6割を目指すための参考書②:『英語リスニングプラチナルール』
スタディサプリの名物講師・関正生先生のリスニング問題集です。
受験生がつまずいてしまうところ、間違えてしまうところを知り尽くしている先生が書いていることだけあって、『リスニングってどこに注意して聞けばいいの?』『リスニングの問題を解くときに、選択肢をどう選んでいけばいいの?』といったリスニングに関する疑問をすべて解消してくれます。
「音読」の詳しいやり方はこちらをチェック!
8割~満点を目指すための勉強法と参考書
ネイティブの独特の発音方法が分かるようになったら、後は色々な英語をひたすら聞くことで、自分の耳を英語に慣らして行くとともに、英語の速さに慣れる訓練を行いましょう。
8割〜満点を目指すための参考書①:『きめる!共通テスト英語リスニング』
この参考書は東進の名物講師・安河内先生監修の参考書。
「共通テストになってどう変わるのか?」に始まり、土台となるリスニング力を上げるコツ、共通テストの傾向と対策などを紹介しています。
さらに模擬試験問題が1回分ついているので、共通テストに特化した勉強をしたいという方にはオススメの一冊です。
8割〜満点を目指すための参考書②:『Z会共通テスト実践模試(2)英語リスニング』
センター試験と違い、共通テストでは聞き取った情報と表やグラフを結びつけて考えるといった独特の問題が出されるため、最後は共通テスト予想問題集を使って本番の問題に慣れておきましょう。解き終えた後には音読を必ずすることも忘れずに!
リスニングの詳しい勉強法はこちらをチェック!
まとめ
センターから共通テストに移行することで、リスニングの配点は50点から100点へと2倍になります。リスニングの出来次第で英語全体の点数が大きく左右されることになるので、しっかりと対策をしましょう。
リスニングの対策では「ディクテーション」と「音読」を「毎日」続けることが重要です。
初めは大変ですが、慣れてくるとどんどん英語が聞き取れるようになっているのが実感できるはず!高得点目指してしっかり勉強しましょう。
もっと具体的に「このとおりに勉強すれば英語の勉強は完璧、という参考書の流れが知りたい!」という方は、ぜひSTRUXの参考書マップを活用してください!
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