共通テストの物理はその全体像を知らない高校1・2年生は多いのではないでしょうか?また受験生の中には「全然物理の点数が上がらない」「物理だけはずっと苦手だったから困ってる」と悩んでいる方も多いはず。
そんなあなたのために、この記事では【共通テストの物理】がどんな試験で、どんな勉強をすれば点数が伸びるのか全て解説します!
共通テスト物理はどんなテスト?徹底的に把握!【設問構成・問題の特徴・大問ごとの配点】
どんなテストでもテストの全体像をしっかりと把握しておくことが良い得点を取るためには必須です。
まずは、
- 設問の構成
- 問題の特徴
- 大問ごとの配点
- 試験時間
などをチェックして共通テストの物理がどういった試験なのかを頭に入れましょう。
共通テスト物理は【大問4問構成】選択問題は?出題範囲は?原子は出るの??
共通テストの物理は第1問から第4問までの大問4問構成です。
センターのときとは異なり選択問題はなくなりました。出題範囲は物理基礎・物理の範囲全てからとなっています。
ですので、現役生が苦手意識を持つことの多い「原子」の範囲を選ばずに解答することはできません。
原子については、最低でも1問(3点~5点)、多い場合だと3問ほど(~15点)となることが予想されます。
共通テスト物理の特徴的な出題の仕方【身近な現象】【表やグラフの扱い】
センター試験の頃と比べて問題の種類や問い方が大きく変わったわけではありませんが、共通テスト物理ならではの特徴が2つあります。
それは以下の通りです。
- 身近な現象に関する問題が出題される
- 表・実験データの読み取りが必要
それぞれ詳しく解説します!
身近な現象に関する問題が出題される!?
まずは具体的に30年度の試行調査~2022年共通テストで出題されたものうち身近な現象に結びついている問題の内容をまとめてみます。
- 宇宙船の軌跡
- 石けんの縞模
- アンテナの電波受信
- エレキギターの出力
- ダイヤモンドの光の分散
- 水銀蛍光灯の光る原理
このように問題集を解いているだけでは見かけない内容も出題されるのが共通テストの特徴です。
問題文をしっかり読めば、問題集で勉強した内容に関係していることしか出ていないことが分かるので、こういった問題の対策が特別必要というわけではありません。
教科書に書いてある程度の内容しか出ないことには変わりありませんので、教科書の挿絵やコラムなどは大いに参考になるはずです。
表・実験データの読み取りが必須!?
共通テスト2022本試では、グラフの読み取りが出題されました。
共通テスト2022物理
センター試験の頃からグラフの読み取りはかなり多かった物理ですが、試行調査などでは表の読み取りなども出題されています。
グラフは見慣れているけど表だと読み取りにくい、と見慣れていないものに対する抵抗を感じる場合もありますから、予想問題などを通じて表や実験データの読み取りには慣れておくのがいいでしょう。
共通テスト物理の配点は?各大問ごとの配点は?
共通テスト物理の満点は100点です。
大問4問構成ですから、大問1問あたり25点前後になることが予想されます。
合計点は100点で、配点は20点~30点と年度や大問によって異なります。
2022年共通テスト物理
第1問 25点
第2問 30点
第3問 25点
第4問 20点
2021年共通テスト物理
第1問 25点
第2問 25点
第3問 30点
第4問 20点
ここ最近のセンター試験物理では前半の大問4つに85点分、後半2つの好きな方を選択肢てに15点分という構成でしたから、大問ごとの配点は変わったと言えます。
共通テスト物理の試験時間と時間配分は?制限時間内に解き終わるために知っておくべき1問の目安時間
センター試験物理の問題数(マークする数)は2018年が23、2019年が22、2020年が20だったのに対して、2021共通テストでは28、2022共通テストでは25と、マークする数は少し増える傾向にあります。
とはいえ、それほど大きく分量が増えているわけではありません。
満点に近い得点を狙うのであれば、1マークあたり、2分以内を目安にしましょう。
そうすると難しい問題はそれ以上の時間がかかることもあるでしょうが、25問であれば、50分で解き終わりますので、残りの時間を難しい問題や見直しに十分使えます。
共通テスト物理の【模試・予想問題集】で出題形式・時間配分に慣れよう!
共通テストの物理は制限時間内に正しく速く解く訓練をしないと目指す点数を得られないタイプのテストです。
また実験データやグラフが出てきても焦らず問題文を読む癖を付けなければなりません。
各予備校が主催している模試は積極的に受けて、出題形式に慣れておきましょう。
また、予想問題集も各予備校、出版社が販売していますから、これらを活かして10回分ずつは練習しておくことがおすすめです。
共通テスト物理とセンター物理の違いは?【問題構成・配点・試験時間・出題形式】に違いはあるの??
ここまでにも共通テスト物理とセンター物理の違いはいくつか説明しましたが、ここで改めてまとめておきます。
大問の構成はセンターと大きく変わりました。
センター試験では大問5問構成で、最後の1問に関しては2つの大問から選択する形でした。
共通テストでは、大問4問構成で選択問題がなくなりました。そのため物理の後半の方で習う「原子」の単元も必ず勉強しなければならない形になっています。
配点も問題構成の変化に合わせて変化していて、センター試験では第4問までに85点、選択した大問が15点でしたが、共通テストでは以下のようになっています。
2022年共通テスト物理
第1問 25点
第2問 30点
第3問 25点
第4問 20点
マーク形式で、試験時間が60分ということは変わりません。問題数自体もそれほど増えたわけではありません。
身近な現象を題材にした出題が特徴的ですが、これまでのセンター試験の延長線上にあるといって良いでしょう。
各項目のより詳細な説明は次の記事にまとめています!
共通テスト物理で【正確に】解くコツ3選
物理では制限時間内に解くこと自体はそれほど難しくはありません。どれだけ正確に解くことができるかが高得点の鍵となっています。
解ける問題が増えれば増えるほど、正確さが必要になってきますので早い段階からミスには注意しつつ練習をするのが良いでしょう。
正確に解くためのコツは以下の3つです。
- 公式の使い方を間違えたら教科書や参考書に立ち返る
- 分からない問題があったら悩まず飛ばす
- 計算の跡を残しながら進める
それぞれについて詳しく説明します。
公式の使い方を間違えたら教科書や参考書に立ち返る
解けたと思ったら解けていなかったという場合、物理に関して言えば、その場で正確に解きなおすことはほとんど不可能です。
公式の使い方を誤っている場合が多いからです。
十分な演習を本番までに詰んで、間違えられるだけ間違えておくのがいいですね。
間違える度に、教科書や、問題集に立ち返って1つ1つの間違いを整理して覚えていくしかありません。
分からない問題があったら悩まず飛ばす
まずは分からない問題があったら悩まず飛ばす癖をつけましょう。
考えても思い出せないことが多いですし、思い出せる場合には、後で立ち戻ってきた段階でサッと思い出すことができますので、分からない問題があったらすぐに飛ばして解けそうな問題に時間を使うようにしましょう。
一旦飛ばすとき、飛ばした問題には、飛ばしたことが分かりやすいように大きく丸を付けておくなどの印があると、戻って来る時に「どのページだったっけ?」と手間取らなくてすみます。
計算の形跡を残しながら進める
計算を暗算でやってしまってはいないでしょうか?
もしくは、後で読み返しても読めないレベルの字で計算をしていないでしょうか?
共通テストの物理は計算ミスをすると自分の計算結果と一致するものが選択肢にない状態になります。
このときに初めからその問題を解きなおすのか、自分の残した計算の跡を見返して解きなおすのかではかかる時間が変わってきます。
計算は後で見返しやすいように丁寧な字で分かりやすい位置に形跡を残しておきましょう。
共通テスト物理の対策を2段階に分けて解説!高得点を取るための勉強の【手順】
物理で高得点を取るための手順をまとめておきます。
この手順通りに勉強を進めれば目標の点数に到達するだけの学力が身に付きますので、ぜひ参考にしてください。
まずは基礎を身につける!教科書レベルの理解や暗記を十分に行おう!
教科書レベルの学習は非常に重要です。
特に共通テストに関しては、非常に難しい問題や答えにたどり着くのが長くなる問題などが出ることは試験時間的にあり得ません。
ですから基本的なことを全て理解して、覚えて即座に引き出せる状態になっておけば大丈夫です。
具体的には次のような手順で学習を進めましょう。
- STEP1
- 講義系参考書や映像授業で教科書レベルの内容を理解する
- STEP2
- 理解した内容に対応する問題を暗記できるまで繰り返し解く
- STEP3
- 過去問、予想問題、模試で演習をする
さらに詳細の対策についてはこちらの記事を参考にしてみてください!
講義系参考書や映像授業で教科書レベルの内容を理解する
講義系参考書というのは講義口調で教科書レベルの内容を1つ1つ説明してくれている参考書です。
例えば、次のような参考書がおすすめです。
- 「宇宙一わかりやすい高校物理」
- 「漆原の物理が面白いほどわかる本」
これらを使って書かれてあることを1つ残らず理解していきましょう。
参考書よりも授業を聞いて理解したいという場合には映像授業もおすすめです。
スタディサプリは月額料金で授業を視聴できるオンライン映像授業のサービスです。
映像授業であれば、参考書と違って最初から授業時間が決まっているので、のんびり進めてしまうということもない点でおすすめです。
理解した内容に対応する問題を暗記できるまで繰り返し解く
理解し終わった単元から順に問題集で暗記できるまで繰り返し解きましょう。
たとえば、高校からセミナー物理のような問題集を配布されている場合はそれを使いましょう。
他にも「良問の風」という問題集などもおすすめです。
1周目したくらいでは、全く暗記には至っていないでしょうから、間違えた問題にはバツを付けておいて、2周目、3周目と繰り返していきましょう。
一通り学習した段階で余裕があれば、教科書の実験の項目や、コラムのページなどを一旦ザっと読んでおくのもいいでしょう。
共通テストでは教科書に載っている実験やコラムに載っている内容が出題されますので、良い対策になります。
予想問題・過去問演習が必須!直前期にはこれをやれ!直前期対策の全て
12月に入ったら共通テスト対策を本格的に始めなければなりません。
センター試験を甘く見ていたせいで、入試で結果が出せなかったという受験生は毎年かなりいらっしゃいましたので、
共通テストでも12月以降は個別試験の準備よりも共通テストの準備に力をいれましょう。
共通テストの物理は、学校で習わない、もしくは問題集でも見かけないタイプの問題が出題されますし、制限時間にも慣れる必要があるため予想問題、模試、過去問(センター試験)などを使って対策を進めていかなければなりません。
使い方は以下の通りです。
- STEP1
- 時間を計って解く(解答用紙を準備できるならそれを用いる)
- STEP2
- 時間オーバーで解けるところが増えるなら色を変えて解く
- STEP3
- 正解した問題も含めて解説を全部読む
- STEP4
- 解説を閉じて間違えた問題の解答を自分の手で再現する
- STEP5
- 間違えた問題にバツ印を付ける
- STEP6
- 間違えた問題の類題を解く
- STEP7
- 時間を置いて、バツ印の問題を解きなおす
- STEP8
- 点数の推移が分かるように記録する
- STEP9
- 暗記が足りなかったものは資料集や教科書で確認して暗記する
この手順を守って演習を繰り返せば、必ず点数は伸びていきます。
まとめ
この記事のまとめです。
- 共通テストは大問4問で全て必答
- 身近な現象が出題される
- 基礎の理解と暗記をした後、予想問題や過去問で出題形式に慣れよう
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- 「どの順番で」参考書に取り組めばいいかひと目でわかる!
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