- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。
私立理系のトップクラスを誇る東京理科大学の物理では、適格に状況を整理しながら素早く問題を処理する能力が求められます。そのため、公式の丸暗記のような付け焼刃の知識で勝負するのではなく、現象を頭の中でイメージしながら物理を本質的に捉えるということが重要です。
この記事では、東京理科大学物理の攻略に必要な情報をすべて、レベルごとにお伝えしていきます。
東京理科大学の物理出題傾向
東京理科大学の物理は、特定の分野に偏った出題というよりも、高校物理の全分野から幅広く出題される傾向にあります。なお、力学と熱力学は必出となっています。
力学の分野では、基本的な運動方程式や運動量保存則を使ったものから円運動、万有引力まで様々なバリエーションの問題が出題されています。まずは基本の法則や公式をしっかりと理解して、色々なパターンの問題に触れておきましょう。
電磁気ではコンデンサーや電場・電位などが頻出です。他分野との複合問題もよく出題されているので、過去問研究をして対策を練っておきましょう。
熱力学では、大学入試の定番ともいえる気体の状態方程式やボイル・シャルルの法則、内部エネルギーと仕事の関係などがよく出題されています。波動は、光の回折や干渉に関するテーマが比較的多い傾向です。
原子分野に関しては、他の分野と比べると出題数は少なくなります。ただし、直近では2019年に原子模型・スペクトルについての問題が出題されているため、決して対策を怠らないようにしましょう。
東京理科大学物理の各問題の特徴
大問構成はこのようになっています。
- 第1問 マーク式設問
- 第2問 マーク式設問
- 第3問 マーク式設問
問題はすべてマーク式です。各設問の問題文には一部空白があり、空白に入る正しい答えを解答群から選ぶという出題形式になっています。ケアレスミスで解答欄がずれてしまうと大量失点になりかねないので、解答には細心の注意を払いましょう。
東京理科大学物理の時間配分の例
東京理科大学の物理の試験時間は80分です。大問は3つあるので、単純計算で1つあたりに使える時間は26~27分程度となります。問題数はかなり多いため、少しでもつまづくとあっという間に時間がなくなってしまいます。時間がかかりそうだと判断した問題は後回しにした方が無難でしょう。
方針としては、自分が解けそうな問題から解き進めるスタイルが王道です。試験が始まったらすぐに解き始めるのではなく、まずは全体に目を通して、問題内容を簡単に把握しましょう。自分の得意分野や解法が思いついた問題があればそこから手をつけていき、途中でつまづいたら早い段階で別の問題に移るようにしましょう。
時間配分の例
00:00 | 第1問 マーク式設問(25) |
00:25 | 第2問 マーク式設問(25) |
00:50 | 第3問 マーク式設問(25) |
試験はすべてマーク式設問なので、解答欄がずれてしまうとかなり致命的です。こういったミスを無くすためにも、最後の見直しの時間は必ず確保しておくようにしましょう。
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東京理科大学の物理で必要な学力レベル
東京理科大学の物理では、高校物理の全分野における幅広い知識と思考力が必要となります。まずは基礎をマスターして、物理を体系的に理解できるように学習を進めていきましょう。
レーダーチャート
ここでは、学習塾STRUXが使用しているレーダーチャート分析をもとに、東京理科大学の物理に必要な参考書・レベルをチェックしていきます。
東京理科大学のレーダーチャートはこのようになります。
ほぼすべての分野で高い学力が求められます。公式を暗記して問題演習をこなすだけでは必ず限界がくるので、公式の導出過程や法則の原理といった物理の本質の理解に重点を置いて学習するようにしましょう。
力学
力学はレベル4。例年必出の分野であり、やや難解なレベルの問題がよく出題されています。問題設定が複雑な場合も多いですが、それぞれの条件を細かく見ていけば典型的な物理法則がきっと見えてくるはずです。見かけに惑わされず、状況を正しく整理できるかどうかが勝負の分かれ目となるでしょう。
電磁気
電磁気はレベル4。コンデンサーや電場・電位が頻出ですが、出題テーマを問わず体系的な理解が重要です。力学との複合も視野に入れて「どのような条件のときに、どのような力が働くか」を意識しながら学習するようにしましょう。
熱力学
熱力学はレベル4。力学と同様に、熱力学も必出分野となります。ただ、力学と比べると問題のバリエーションは少なくなるので、基本となる法則や典型的な物理現象を押さえておけば充分勝負できるはずです。問題演習のときは、数をこなすことよりも1つひとつの問題を確実に理解することを意識しながら取り組むようにしましょう。
波動
波動はレベル4。光の屈折や反射、回折と干渉などに関する問題がよく出題されています。力学や電磁気ほど出題量は多くありませんが、イメージしづらい物理現象のため、問題を解くには慣れも必要です。基礎学習を終えたら過去問演習に入り、どういった傾向の問題が出題されているのかをよく研究しておくと良いでしょう。
原子
原子はレベル3。出題頻度は少なく、1つの大問で取り扱われることはめったにありません。とはいえ、出題実績はいくつかあるため、基礎的な部分と典型問題は押さえておくようにしましょう。
東京理科大学物理が解けるようになるためのレベル別勉強法
ここからは、東京理科大学の物理で合格点をとれるようになるための勉強内容をご紹介します。「これから勉強を始める!」という人ははじめから進めてほしいですし、ある程度基礎はできている!これから東京理科大学に特化していきたい!という人は途中から読み進めてもOKです。
最も重要な基礎部分。教科書の内容を確実に理解しよう
物理の勉強は、基本的には学校の授業と並行して行っていけばOKです。ただし、多くの学校では進度が遅く、高3の冬の受験直前期まで終わらないということもめずらしくありません。高1、2の時期から焦って勉強を始める必要はないですが、高3になったら『スタディサプリ』などの映像授業を活用して予習を進めると良いでしょう。
これまで習った範囲の復習も含め、以下の参考書で全範囲の知識の網羅と定着を並行して行います。
「スタディサプリ」などの映像授業を活用し、教科書レベルの基本知識を盤石にしていきます。まずは映像授業の視聴と付属の問題を解くことに重点を置いて、つまづいたポイントを潰しながら学習を進めていきましょう。くれぐれも問題を解くために公式を丸暗記だけするのはNGです。
「リードα」「セミナー」などは適宜学校で配布されたもので似たようなものを使っても構いません。学校で配布されない場合、中古のものの購入や市販の「エクセル物理」などを活用しましょう。問題数が多くレベルも幅広いため、知識の定着にも入試レベルへの飛躍にも最適です。
次に進むポイント
- 物理の苦手意識が少し薄れてきた
- 物理でどういう範囲があって、どんな問題が出るのか把握している
- 映像授業や学校の授業の内容はすべて理解できた
入試問題を解く土台となる「定石」を身につける
基礎が身についたら、それを問題で活用するスキルを身につけることが必要となります。大学入試問題や共通テストレベルの問題を解けるようになるには、問題を解くための「定石」をしっかりと身につけて、どんな問題にも対応できるようにしておくことが重要です。ここからは頻出の解法を固めていくことで、まずは入試問題を解くための「武器」を身につけていきます。
まずは『物理のエッセンス』で物理現象の理解を深め、『良問の風』で入試でよく問われる典型問題に取り組みましょう。間違えた問題や解法がわからなかった問題は、自分が理解できるまで解説を読み込むよう心がけましょう。最終的には、問題を見た瞬間に解法をイメージできる状態にもっていけると理想的です。
これらのテキストを高3の夏休みが終わる頃までに仕上げるようにしましょう。
次に進むポイント
- 「良問の風」の問題を9割以上は解ける
- センター試験の過去問で8割以上は取れる
東京理科大入試レベルの問題で思考力・計算力を鍛える
定石問題が身についたら、あとは東京理科大入試に向けた実践問題に取り組んでいきましょう。入試問題は定石問題の組み合わせで出題されますから、実際の入試問題をどんどん演習していきます。
基本的な参考書をやり終えたら、より難易度の高い問題集で実践的な力が身につくよう鍛えていきます。高校物理は問題のパターンがそれほど多くないので、本番の試験で似たような物理現象が扱われることは充分にあり得ます。解いた問題は隅から隅まで理解して、忘れないように復習を徹底するようにしましょう。
これらの参考書をやり終えたらいよいよ仕上げです。東京理科大の赤本に挑戦していきましょう。
- 過去問赤本(5〜10年分)
東京理科大学の物理は時間の余裕がほとんどないので、時間配分がとても重要となります。赤本に取り組む際は、時間を正確に測って本番さながらに問題を解いてみましょう。解き終わった後はできなかったところを復習し、時間の使い方に改善点がなかったかなども細かく分析しましょう。
高3の秋頃までに赤本に取り組める状態だと理想的ですね。
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