- この記事は「センター試験対策用記事」です。共通テストの地理で9割や満点を獲得するための勉強法はこちらの記事をチェック!
センター地理は、他の「暗記すれば高得点が取れる」社会科目と違って、「考え方」が重要な科目。その分、「どんな勉強をすればよいのか分からない」という人も多いはず。今回はセンター地理で「どんな問題が出て」、「どのように解けばいいのか」、そして「どんな勉強をすればよいのか」を解説。これから紹介する内容をやれば8割がとれる!必見です。
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地理センターで8割とれるようになりたいです。
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戦略1.センター地理の傾向
まずはセンター地理の問題傾向を見てみましょう。
これは過去3年間(2017年9月現在)で出題された問題のリストです。
センター地理の出題データ
以下が大問番号と問題の分野です。
2017年
1 世界の自然環境と自然災害
2 資源と産業
3 都市・村落と生活文化
4 中国
5 スペインとドイツ
6 地域調査(長崎県壱岐島)
2016年
1 世界の自然環境と自然災害
2 世界の工業
3 都市・村落と生活文化
4 ヨーロッパ
5 インドと南アフリカ共和国
6 地域調査(岩手県北上市)
2015年
1 世界の自然環境と自然災害
2 世界の農業
3 都市と村落
4 南アメリカ
5 現代世界の諸課題
6 地域調査(北海道富良野市)
問題数は例年36問程度。60分でこれらを解くことになります。
そして近年(2017~2012)の出題傾向を分析するとおおよそ、出題される問題の種類は、以下の6種類にまとめられます。
それでは、さっそくこの6種類がどんな問題なのか、ということを見ていきましょう。
1-1.「世界の自然環境と自然災害」
気温、降水量や地形など、世界の自然環境に関するデータ読み解く問題です。
「降水量のグラフから、該当する場所を答える問題」や、「地形の成り立ちについて問う問題」などが出題されています。
この問題を解くには、教科書で説明されている単語や地図の理解・暗記、特に、「どこ」が「なぜそうなっているのか」ということを押さえることが必要です。
例えを出すならば、「ヨーロッパの西部・東部」が「なぜ西岸海洋性気候になるのか?」「”自然堤防”と呼ばれる地形」が「なぜ集落や畑として利用されているのか?」といったことです。
これらを押さえることで、降水量や気温について問う問題が解けるようになったり、地形の成り立ちや分布について問う問題が解けるようになります。
特に、気候についての問題は頻出です。気候区分の種類、内容、分布をよく理解し、覚えておきましょう。
1-2. 「都市・村落と生活文化」
この問題では「人口に関する問題」「人々の居住(都市構造や暮らし方)に関する問題」などが出題されます。
例えば、こういった問題です。
知識を前提とした上で、グラフや地図を見て判断する問題が多いです。
まずは、教科書や参考書に紹介されている人口問題の記述や、都市の特徴をしっかり覚えましょう。
ここをさぼらずに覚えれば、ほとんどの問題に答えることができるはずです。
1-3. 「資源と産業」
この分野では、大きく分けて、
- 農業に関する問題
- 工業に関する問題(エネルギーの産出量や製造製品に関する問題)
が出題されます。「どの地域でどんな産業が行われているのか?」とか、「どんな農業のやり方が行われているのか」「どんな製品が作られているのか」ということを押さえておくと判断がしやすい問題です。
データを覚えていないと解けない問題も多いので、教科書・参考書の内容、特にデータの部分(「この作物(資源)の生産量(産出量)は、~が1位」など)を見ておくと便利です。
1-4. 現代世界の課題
環境問題から民族、宗教問題まで様々なトピックの問題が出題されます。
とはいえ、出題されているのはこれまで紹介した分野の内容。教科書の各分野の「~問題」という項目を見ておくとよいでしょう。
1-5.地域調査
これは苦手とする人が多い問題でしょう。
こういった問題で、毎年出題されています。
地域調査の問題は、
- 地図の読み取り
- 地形に関する問題(河川や山など)※写真を用いて出題されることもある。
- 産業(工業、漁業、農業など)
- 人口統計
- 調査の手順
といったように、様々な範囲にまたがって出題されています。
この問題を解く必要な勉強は、
- 地図の見方(地図記号ふくめ)を理解すること
- 今まで紹介してきた1-1~1-4の問題を対策すること
です。
①について、地域調査の問題は地図を読み取る問題なので、地図記号が読めないとそもそも問題に太刀打ちできません。覚えるべき地図記号は教科書に載っているもので十分です。
②に関しては、地域調査の問題は様々な事柄を聞く設問があるので、教科書の各章の内容を理解することが必要になります。
1-6.地誌
「南アメリカについて」、「中国について」などある地域に関する問題が出されます。
じゃあ各地域の教科書を全部丸暗記しないといけないの?
と思う人もいるかもしれません。ですが、安心してください。
地誌の勉強は、系統地理(「気候」「農業」などのテーマのこと)の勉強をしっかりやっておけば、そこまで暗記は苦ではありません。
基本的に、地誌の内容は、各系統地理の分野を各地域に当てはめているだけなので、系統地理の知識があれば、すんなり頭に入ります。
こちらの記事で詳しく書かれているのですが、
そもそも地誌の問題は、各地域の内容を丸暗記すればできるほど、簡単な問題は出題されません。(教科書にちょろっと書かれている内容が出ることもある。要するにマニアックな問題が出るということ。)
その際に、必要なのが系統地理の知識。マニアックな問題については、データや理由などを系統地理の知識を使って推測することができるのです。
教科書の各地域のページの内容を覚えることはもちろんですが、まずは系統地理の知識を押さえてください。
以上が地理センターの問題傾向の分析になります。
系統地理の具体的な勉強の仕方を知りたい人は、こちらの記事、
地誌の具体的な勉強の仕方を知りたい人は、こちらの記事を読みましょう。
さて次は、「センター地理をどう解いていくのか?」ということを解説していきましょう!
ここから具体的にセンター地理への対策を解説していきます。
戦略2. センター地理の解き方
ここではセンター地理の問題をどのように解けばよいのか、ということを解説していきましょう。
2-1.全体的な解き方の戦略
地理センターは、60分で合計36問程度を解く試験です。そこまで問題量は多くないので、焦らず一つずつ丁寧に問題を見ていきましょう。
大問ごとの内容はそこまで大きくは変わらないので、解けるところから解いていきましょう。「解き終わって余った時間で、わからない問題を解く」というのがオススメです。
2-2.各問題にどう取り組んでいくか
地理のセンターは、問題の分野はある程度限られているものの、「何を問うているか」は各年で本当にバラバラです。
過去問1問1問の解き方を全て暗記すればよいかもしれませんが、そんな時間はないでしょうし、自分が受けるときに全く違う形式だったら意味がありません。
なので、地理センターを解くには「推測すること」が大変重要です。
教科書で覚えた内容から、
この地域は熱帯の気候だから、降水量はこのデータになるんじゃないか?
降水量がこうなるということは、作られている作物はこれになる。
といったように、答えとなる内容やデータを推測することが必要です。
万能な解き方はありません。「AだからB, BだからC」とったように理由を見つけて、答えを出す、ということに慣れましょう。
ここまで、センター地理でどんな問題が出て、どのように解けばいいのか、ということを解説してきました。最後にセンター地理に向けて、具体的にどのような勉強をすればよいのかということを解説しましょう。
戦略3. センター地理に向けた勉強の仕方
センター地理に向けての勉強の種類は主にこの二つです。
- センター地理を解くための知識をいれる勉強
- センター地理を解く練習
以下ではこの二つを順に解説していきます。
3-1.センター地理を解くための知識を入れる勉強
まずはセンター地理を解くにあたって、最低限必要な知識をインプットしましょう。
推測することが重要といっても、推測のためには根拠となる知識が必要。
しかしいざ知識を入れようとしても、
地理の教材って多すぎて何使えばいいか分からない…
教科書を読んでも問題が解けません…
という人も多いはず。
なので、「とりあえずこれを読めばセンター地理を解くために必要な考え方、知識が身につく」という参考書を利用し、知識をインプットしましょう。
おすすめは以下の3つの参考書。
①みんなのセンター教科書 地理
説明も分かりやすく、図表もカラフル。これ1冊で、知識ゼロからセンターレベルに対応できるまでの知識が身につきます。
②山岡の地理B教室 PARTⅠ・Ⅱ
基礎中の基礎から解説されているが、端的な説明でまとまっているので、センター地理に必要な知識・考え方をマスターできます。この著者自体が「地理は暗記科目でない」ということを声を大にして主張しているので、問題を解くときに必要な「推測力」も読んでいるうちに身につくはずです。
③村瀬の地理Bをはじめからていねいに
系統地理と地誌編に分かれています。上記の2冊よりも詳しい解説がされています。時間に余裕があり、じっくり理解していきたい人におすすめです。
これらの参考書は、「記述を読む」+「付属の問題を解く」で十分です。
参考書を読み進めて「詳しいデータが知りたい」「実際の写真、地図を見たい」となった時に、教科書や資料集、地図帳を使いましょう。
これらの参考書で知識が一通りつけられたら(8割程度内容が頭の中に入っているのが目安です)、実際にセンター地理の問題を解く練習をしていきましょう。
3-2.センター地理を解く練習
実際にセンター形式の問題を解いていきましょう。
センター試験の過去問、「実践模試⑪地理B」(Z会)、「大学入試センター試験 実戦問題集 地理B」(駿台文庫)などがオススメです。
問題集を進める際に重要なのは、「答えの出し方を学ぶこと」。
解説には「どのように答えを導きだすか」が詳しく書かれています。
自分が間違えてしまった問題が、
- 単に知識不足なのか
- 知識はあったが、答えにうまく結びつけられなかったのか
をしっかり分析しましょう。「単なる知識不足」なら、3-1でやった参考書のなかで、間違えた問題で出されている範囲の読み直しをしましょう。「知識はあったが、答えに結びつけられなかった」なら、解説に書かれている考え方を理解して、今後同じような問題に対処できるようにしましょう。
正解の場合も、「まぐれで正解していないか?」を確認しておきましょう。まぐれで正解した問題が次も解けるとは限りません。まぐれだった場合も間違えた問題と同様に復習をしましょう。
3-3. センター地理対策 Q&A
地理はほかの社会科目に比べて覚える量が少ないので、センターだけなら高3からでも間に合います。(むしろ高2までは、ほかの科目に時間をフルに割く方がよいでしょう。)この時期から、3-1で紹介した、知識を入れるための参考書を読み始めましょう。
実際にセンター形式の問題集をやっていくのは高3の秋以降で大丈夫です。
センター地理は知識がないと、ただの「勘で当てるゲーム」になってしまいます。それでは自分がなぜ間違えてしまったのかがわからなくなってしまいます。しっかりとインプットをすませた後に、問題を解くようにしましょう。
また、解く問題数もほかの社会科目よりも多め、過去問5年分+予備校の問題集10回分くらいはといて、解き方を身に着けましょう。
注意点として、過去問は5年くらいさかのぼってしまうとデータが変わっている場合があります。なので、データについては、最新のものと比べて変わっているかどうかを確認しておきましょう。
まとめ
- センター地理は「推測する」ことが大事。
- 地誌の問題だろうと系統地理の知識で解ける。「なぜそうなるか?」という考え方が大事。
- センターだけなら高3からで大丈夫!