- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。
東北大学理系の数学は、旧帝国大学の一角にふさわしい難関試験です。大問6題で構成される記述式問題で、全分野から幅広く出題され、複数分野の融合問題も頻出です。
この記事では出題傾向から必要な勉強内容まで、東北大学理系数学を攻略するための情報をまとめて解説します。
東北大学理系の数学出題傾向
東北大学理系数学の出題頻度を表にまとめています。
数学3だけに偏らず、広い範囲から出題されています。特に確率・微積分・複素数は頻出分野なので、重点的に対策しておきましょう。数学1・2・Bからの出題が少ないように見えますが、対策しなくてもよいというわけではありません。むしろ理解していて当たり前の前提知識なので、高校数学の全分野について標準レベル以上の理解が求められます。もし苦手分野があれば、放置せずしっかり対策しておきましょう。
東北大学理系数学の各問題の特徴
大問構成はこのようになっています。
- 第1問 記述式設問
- 第2問 記述式設問
- 第3問 記述式設問
- 第4問 記述式設問
- 第5問 記述式設問
- 第6問 記述式設問
大問6題で構成され、当然すべて記述式。解答用紙は大問ごとに区切られているだけで、ほぼ白紙です。つまり最終的な解答だけでなく、導出過程からわかりやすく記述する必要があります。小問による誘導形式のため、うまく誘導に乗って解いていきましょう。
東北大学理系数学の時間配分の例
試験時間は150分。医学部であれば完答を目指しましょう。それ以外の学部であれば、解けそうな問題は丁寧に解き、難問はそこまで時間をかけず少しでも部分点を狙う、といった戦略が必要になるでしょう。いずれにせよ、厳しい時間設定であることに変わりはありません。見ただけで解き方がすぐわかるような簡単な問題はなかなか出ないので、手を動かしながら、解けそうかそうでないかを判断する力が求められます。
時間配分の例
| 00:00 | 第1問 記述式設問（25） |
| 00:25 | 第2問 記述式設問（25） |
| 00:50 | 第3問 記述式設問（25） |
| 01:15 | 第4問 記述式設問（25） |
| 01:40 | 第5問 記述式設問（25） |
| 02:05 | 第6問 記述式設問（25） |
実際には大問ごとに難易度や計算量が異なるため、きれいに25分ずつにはならないでしょう。解けそうな問題は確実に解き切り、できれば見直しの時間も確保したいところです。
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東北大理系数学で必要な学力レベル
東北大理系数学は全体的に難易度が高く、計算量も多いのが特徴です。2020年度の試験は例年よりかなり易化したため、それを基準に考えないよう注意しましょう。国立大学らしく二次試験の配点も高いため、医学部では8割、それ以外では7割は取りたいところです。東北大理系の数学は、短時間で大量の計算をこなすというよりは、難問をじっくり考えさせる傾向にあります。
普段の勉強では、標準レベルの問題を網羅することは当然として、時間をかけて難問を最後まで解き切る訓練に時間を使いましょう。
東北大学理系数学が解けるようになるためのレベル別勉強法
ここからは、東北大学理系の数学で合格点をとれるようになるための勉強内容をご紹介します。「これから勉強を始める！」という人ははじめから進めてほしいですし、ある程度基礎はできている！これから東北大学理系に特化していきたい！という人は途中から読み進めてもOKです。
まずは教科書レベルの理解から。数学の基本を身につけよう
もし数学に苦手意識があるなら、早めに払拭しておく必要があります。まずは以下のチェックリストで、自分があてはまる項目がないか確認してみてください。
- 教科書に載っている内容や学校の授業を正直ほとんど理解できていない
- 数字がそもそも苦手
- 学校の授業を全然聞いていなくて、テストでも赤点ギリギリ
これらに一つでも当てはまる場合、基礎の基礎レベルの参考書から始めるべきです。
まずは以下の参考書からスタートしましょう。
ここにあまり時間をかけると、受験対策が間に合わなくなってしまいます。
なるべく早く、どんなに遅くても2年生のうちには終わらせておきましょう。
先程のチェックリストに当てはまらない場合は、教科書レベルの内容理解と復習から始めましょう。
「スタディサプリ」などの映像授業を活用し、教科書レベルの基本知識を完璧に理解します。いきなり問題集には手を付けず、まずは映像授業の視聴と付属の問題を解くことで基本を身につけていきましょう。
次に進むポイント
- 数学の苦手意識がほぼなくなった
- 数学1A2Bでどういう範囲があって、どんな問題が出るのか把握している
- 教科書レベルの内容や例題はすべて理解できた
入試で武器になる「定石」を身につける問題演習
高校数学には頻出の解法パターン、いわゆる「定石」が多数存在します。共通テストレベルなら、定石を身につけるだけでかなり楽に解けるでしょう。東北大理系の数学は定石だけで解けるほど甘くはありませんが、難問であっても定石が解答への足がかりになることが多いです。そのため定石を知っておくことは、入試において大きな武器になります。
上記2冊は2年生のうちに完璧にしておけるといいですね。
ここまで終わったら、一度センターや共通テストの過去問に取り組んでみましょう。数学1A2Bの標準レベルの内容をざっと復習でき、共通テスト本番のレベルも体感できて一石二鳥です。ここで共通テストに苦戦するようなら、青チャートに戻って完成度をより高めておいた方がいいでしょう。
次に進むポイント
- 「青チャート」の「レベル3」までは完璧に解ける
- 「青チャート」の「レベル4・5」は7割以上解ける
- センター・共通テストの過去問は時間をかければ8～9割ほど解ける
東北大理系入試必須の「数学3」は、予習でライバルに差をつけよう
学校の授業で数学3の全範囲を終えるのは、進度が遅いと3年生の秋頃になってしまいます。そこから数学3の対策に着手しても、入試本番にはとても間に合いません。学校の授業の進度に自分の勉強ペースを合わせるのは危険です。早い時期から予習を始め、ペースの主導権は自分で握りましょう。
数学1A2Bと同様、「スタディサプリ」などで教科書レベルの内容をしっかり理解した後、「青チャート」で定石を身につけましょう。3年生の夏前までに「青チャート」レベル3までは進めておきたいので、そこから逆算し3年生になる頃には計画的に学習をスタートしましょう。
次に進むポイント
- 数学3の教科書レベルの内容や学校の授業はすべて理解できた
- 「青チャート」のレベル3あたりまではすべて解ける
入試形式の問題演習で、東北大理系入試レベルまで引き上げる！
定石問題は身についたので、あとは東北大理系入試に向けて対策を進めましょう。入試問題には、複数分野を含む融合問題が多く出題されます。実際の入試問題でより実践的な問題演習を行いましょう。
入試において、計算ミスは命取りになります。数学3は計算量が多く煩雑になることも多いため、計算演習を必ず行っておきましょう。
- 定石演習合格る計算 数学3
ここまでの参考書を3年生の夏～秋くらいにかけて仕上げたら、共通テストの対策もしておきましょう。時間を計って過去問演習を行い、時間内に安定して8～9割は解けるようにしておくと安心です。「ちょっと苦手だな」と思う分野があれば、青チャートに戻って復習しておきましょう。
とはいえ東北大理系は二次試験の配点が高いので、共通テストばかりに時間を使っていられません。並行して東北大理系数学の対策も進めておくべきです。赤本などを中心に過去問演習を行い、出題形式に慣れましょう。
- 過去問東北大の理系数学15カ年
- 過去問赤本（5〜10年分）
本番では、時間内にどの問題をどこまで解くのか、その場で判断する必要があります。また試験時間が150分と長いため、難問を最後まで解き切る集中力も求められます。これらの力を身につけるために、過去問演習を十分に行っておきましょう。
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