- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。
大阪大学理系数学は、毎年全範囲から万遍なく出題され、複数分野を含む融合問題も頻出です。そのため高校数学の全範囲を標準以上のレベルで理解しておかないと、攻略は難しいでしょう。
この記事では、大阪大学理系数学の出題傾向からレベル別の勉強内容まで、攻略に必要な情報をすべて解説します。
大阪大学理系の数学出題傾向
大阪大学理系数学の近年の出題頻度は、以下の表の通りです。
幅広い分野から万遍なく出題されています。特に数学3を中心に、複雑で計算量が多い問題がよく出題される傾向にあります。普段の勉強から、解答に時間がかかる難問でも、最後まで粘り強く解き切るトレーニングをしっかり積んでおきましょう。
大阪大学理系数学の各問題の特徴
大問構成はこのようになっています。
- 第1問 記述式設問
- 第2問 記述式設問
- 第3問 記述式設問
- 第4問 記述式設問
- 第5問 記述式設問
大問5題で構成され、すべて記述式です。解答の導出過程も含めて記述する必要があるため、解答をコンパクトにわかりやすくまとめる力が求められます。この力は一朝一夕では身に付きません。普段の問題演習から、自分にしかわからないようなメモを殴り書きするのではなく、採点者が読んでわかるような解答作りを心がけましょう。
大阪大学理系数学の時間配分の例
試験時間は150分。大問5題のうち、1~3問はやや難易度の高い問題が出題される傾向にあります。簡単に解ける大問はほぼ出題されないため、試験時間は150分と長めですが、あまり余裕はありません。最後まで解けそうな問題はしっかり完答し、難問は途中まで解いて部分点を確保しましょう。
00:00 | 第1問 記述式設問(30) |
00:30 | 第2問 記述式設問(30) |
01:00 | 第3問 記述式設問(30) |
01:30 | 第4問 記述式設問(30) |
02:00 | 第5問 記述式設問(30) |
単純計算で1題あたり30分ですが、実際には傾斜配分が必要になります。いきなり第1問から解き始めるのではなく、全体をざっと見て解けそうなものから手をつけるべきです。ある程度解き進めてみて、最後まで解くか部分点狙いかを判断しましょう。解きながら「これは厳しいな」と思ったら、その大問は一旦保留し他の大問に移るなど、本番での臨機応変な対応も必要です。
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阪大理系数学で必要な学力レベル
二次試験は医学部なら85%、それ以外の学部なら70%の点数を確保しましょう。阪大理系の数学では、数学3の分野を中心に複雑で計算量の多い問題が出題されます。まったく手が付けられない難問はあまり出題されませんが、標準レベルの問題でも煩雑な計算が求められるなど、試験全体の難易度は共通テストなどと比べてかなり高いです。共通テストの数学の点数が大幅に圧縮されることからも、「共通テストレベルの数学は解けて当たり前」という阪大の姿勢がうかがえます。
ちなみに2020年度は例年より大幅に易化したため、この年の難易度を基準に考えないよう注意してください。
大阪大学理系数学が解けるようになるためのレベル別勉強法
大阪大学理系の数学で合格点をとれるようになるための勉強内容をご紹介します。「これから勉強を始める!」という人ははじめから進めてほしいですし、ある程度基礎はできている!これから大阪大学理系に特化していきたい!という人は途中から読み進めてもOKです。
まずは基本から。教科書レベルの内容をしっかり理解しよう
「数学は苦手・・・」という人は、まず基礎の基礎から取り組み、苦手意識を克服しましょう。以下のチェックリストで、現在の自分の数学力をチェックしてみてください。
- 教科書に載っている内容や学校の授業を正直ほとんど理解できていない
- 数字がそもそも苦手
- 学校の授業を全然聞いていなくて、テストでも赤点ギリギリ
これらに一つでも当てはまる場合、まずは以下の一番基礎的な参考書からスタートしましょう。
阪大理系を目指す以上、基礎の基礎に長い時間はかけられません。
なるべく早く、どんなに遅くても2年生のうちには終わらせておかないと、あとの受験対策がかなり厳しくなります。
先程のチェックリストに当てはまらない人は、映像授業などを通して教科書レベルの内容理解と復習に取り組みましょう。
「スタディサプリ」などの映像授業を活用し、教科書レベルの基本知識を完璧にします。いきなり問題集に取り組むことはせず、まずは映像授業の視聴と付属の基本問題を解くことで、確実に理解を深めましょう。
次に進むポイント
- 数学への苦手意識がほぼなくなった
- 数学1A2Bの内容と、基本的な問題は把握している
- 映像授業や学校の授業の内容はすべて理解できた
阪大理系入試を解くための「定石」を把握する問題演習
教科書レベル内容をしっかり理解できたら、問題演習に取り組みましょう。まずは頻出の解法パターンである「定石」を身につけます。共通テストレベルなら定石を知っているだけで解ける問題が多数出題されますし、阪大理系数学で出題されるような難問においても、解答への道筋を考える上で定石は大きな武器になります。
この2冊を2年生のうちに仕上げておけると良いペースです。
ここまで仕上げたら一度センター過去問に取り組んでみて、共通テスト本番のレベルを体感してみましょう。数学1A2Bの理解度確認にもなるため、制限時間はあまり気にせずしっかり解き切ってみましょう。センター過去問で8割を切るようだと数学1A2Bの理解度に不安が残るので、間違えた分野は一旦青チャートに戻って復習しておきましょう。
次に進むポイント
- 「青チャート」の「レベル3」までは完璧に解ける
- 「青チャート」の「レベル4・5」は7割以上解ける
- センター過去問は時間をかければ8~9割以上解ける
阪大理系入試は「数学3」が必須。予習して早めに演習に取り組もう
阪大理系数学では数学3がほぼ確実に出題されるため、十分に問題演習を積んでおく必要があります。しかし学校の進度が遅い場合、それに引きずられて対策も後手に回る恐れがあるため、学校の授業を待たず自ら予習し早めに問題演習に着手しましょう。
数学1A2Bと同様、まずは「スタディサプリ」などの映像授業で教科書レベルの内容を理解した後、青チャートで定石を身につけましょう。3年生の夏前までに「青チャート」レベル3まで終えられるよう、3年生に進級する前後には予習をスタートしておきましょう。
次に進むポイント
- 数学3の教科書レベルの内容はすべて理解できている
- 「青チャート」のレベル3まではすべて解ける
入試問題に挑戦!阪大理系入試レベルまで引き上げる
定石問題を身につけたら実際の入試問題に取り組み、複数分野を組み合わせた融合問題の演習をどんどんしていきましょう。
阪大理系数学では煩雑な計算を多くこなす必要があり、計算ミスは命取りになります。たかが計算と侮らず、以下のテキストでしっかり対策しておきましょう。
- 定石演習合格る計算 数学3
ここまでを3年生の秋のうちに仕上げましょう。
この頃になると共通テストも近いため、時間を計って過去問演習をしておきましょう。阪大理系では共通テストの数学の配点は非常に低いため、対策に時間をかけすぎるのは良くないですが、第1段階選抜(足切り)にだけ注意が必要です。時間内に安定して8割以上は取れるようにしておきましょう。
共通テスト対策と並行して、二次試験対策も進めます。ここまでの参考書を仕上げていれば実力は十分身についているので、あとは赤本を中心に過去問演習を行い、大阪大学理系数学の出題形式に慣れましょう。
- 過去問阪大の理系数学20カ年
- 過去問赤本(5〜10年分)
入試本番では完答が難しい場合、大問によって最後まで解くか部分点を狙うかを判断する必要があります。本番で落ち着いて対処できるよう、時間を計って過去問演習を行うことで、時間配分の練習を十分に積んでおきましょう。
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