- この記事は「センター試験対策用記事」です。共通テストの国語対策用の勉強法はこちらの記事をチェック!
センター試験の様々な科目の中でも、特に難度が高く、時間制約も厳しいのが国語。「何度過去問を解いても点数が安定しない……」「いつも時間が足りなくなってしまい解き終わらない……」なんてお悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。この記事では、勉強の成果が点数アップにつながりやすくなるような、センター国語の解き方と勉強法のコツをお教えします。
センター国語・各大問の構成と対策
センター国語は全部で4つの大問から構成されており、満点は200点です。それぞれの大問の種類と配点は以下の通り。
80分という短い時間の中で、色々なジャンルの文章を正確に読み解く力が要求されます。さっそく、各大問について、問題構成と対策法をみていきましょう。
センター国語第1問:現代文〈評論〉の構成と対策法
センター現代文〈評論〉の問題構成と配点は次のようになっています。
漢字問題のコツ
設問1の漢字問題は平易なので、是非とも満点を取れるようにしたいところ。特に時間をかけて対策をする必要はありませんが、過去問は選択肢の漢字まで書けるようになっておきましょう。同音異義語が多数存在する場合もあるので、その漢字が使われている文脈には注意が必要です。
読解問題のコツ
読解問題を解くコツは、はじめに問題が「どの傍線部の」「どういうことか/なぜか、のどちらを問うているのか」を確認したら、一度問題文を読み切ってから設問に答えること。全体の論旨を把握してから設問を解くことで、傍線部の意味を読み違えることが少なくなります。ただし、問題の選択肢は、問題文を読む前に見てはダメ。5つの選択肢のうち4つは誤った読み方なのですから、先入観で正しく読めない可能性が高くなってしまします。
センター国語第2問:現代文〈小説〉の構成と対策法
センター現代文〈小説〉の問題構成と配点は次のようになっています。
語句の意味を問う問題のコツ
語句の意味を問う問題は前後の文脈だけでは判断しきれないこともありますが、逆に語句の知識だけで選ぼうとするのも危険です。付け焼刃で対策をするには効率の悪すぎる問題なので、慣用句の知識があまり豊富でない人は、必死で前後の文脈から意味を推測するしかないでしょう。
読解問題のコツ
読解問題を解くコツは、問題文を読み進めていって「次の傍線にたどりついたら、前の傍線に関する問題を解く」ことです。評論の場合のように一度問題文を通読しようとすると、目まぐるしく変わる登場人物の感情や状況を整理しきれず、解答が混乱することがあります。小説の読解問題は、「その時点・その場面」に範囲を限定した問題となっていることが多いので、場面が転換する前に問題をこなしていった方が早く、正確に答えられるのです。
また、よく言われることですが、問題文の小説を読む際には「感情移入」してはいけません。読解問題ですから、解答のヒントはあなたの心の中ではなく、問題文の中にあります。勝手に感動して独りよがりな読み方をしてしまっては本末転倒です。
センター国語第3問:古文の構成と対策法
センター古文:問題の構成と配点
内容には年によって多少の変化がありますが、基本的には語彙問題、文法問題、読解問題の3タイプが出題されるようになっています。近年は読解問題のうち1題、和歌に関する出題があることが多いです。各設問タイプ別の対策を軽くみてみましょう。
センター古文:問題タイプ別対策
①語彙問題
傍線部の訳を問う問題です。基礎的な古文単語の知識が要求されており、単語のレベルは『マドンナ古文単語230』に掲載されている程度です。単語集に掲載されている現代語訳をしっかり暗記していれば解けることが多いですが、たまに多義語が出題されたり、見慣れない訳が充てられていることも。念のため前後の文脈をチェックしたうえで解答しましょう。
②文法問題
これも基本的な文法の知識を問う問題です。助動詞の識別(「なり」「ぬ」など、同じ文字でも意味が変わってくるものの区別)や敬語に関する問題がよく出題されます。ポイントを丁寧に確認し、消去法で選択肢を絞っていくのが最も確実な得点方法です。『ステップアップノート』や学校の文法ドリルで、典型的な文法問題にたくさん触れておきましょう。
③読解問題
そもそもの古文読解力を付ける方法は他の記事に譲ることにして、ここではセンター古文を解く際のちょっとしたコツを紹介します。
なお、このあたりのテクニックについてより詳しく知りたい人は、次の記事を参照してください。
センター国語第4問:漢文の構成と対策法
センター漢文:問題の構成と配点
センター漢文の問題構成と配点は次のようになっています。
古文と同様、それぞれの問題の解き方を少しずつ見ておきましょう。
漢文にも様々なタイプの問題がありますが、そのほとんどが、基本的な句法と少しの漢字の知識さえあれば、すらすら解ける問題です。『漢文ヤマのヤマ』で句法の理解・定着を図りつつ、漢字の知識を少し補うことで、全ての問題の点数が確実にアップします。詳しい勉強法は以下の記事にまとめてありますので、そちらを参照してください。
センター国語の時間配分はこう考える!
皆さんは、センター国語の解く順番をいつも固定していますか、あるいはいろいろな解き方順番を試していますか?それとも毎回気まぐれで決めている?実はセンター国語には、確実に高得点を狙うための「解く順番」と「時間配分」があります。
センター国語の解く順番攻略!
センター国語の4つの大問のうち、きちんと勉強さえすれば「最短の時間で」「最も確実に」高得点が狙えるのが漢文です。なぜなら、漢文の問題はほとんどが基本的な句法の知識を問うものであるため、その知識さえ持っていれば迷わず正解にたどり着けるからです。
逆に現代文・古文の問題はかなり難度が高く、難関大受験生でもそう簡単には解けないレベルになっています。まずは取りこぼしのないように、漢文をしっかり解ききりましょう。解答時間の目標は15分です。
次に取り掛かるのは大問3の古文です。こちらも、漢文ほどではないですが、基本的な知識があれば解ける問題が含まれているので、まずはその問題をしっかりと押さえることが重要です。詳しい解き方は後で解説しますが、古文は20分以内に解ききることを目標としましょう。
次に解くのが大問2(小説)です。こちらは20分を目標に解ききるようにしましょう。一通り読みきってから問題に答えようとすると時間がかかり、記憶も不正確になりますから、問題文を読み進めながら1問ずつ問題を解き進めていくことをおすすめします。
最後に解くのが大問1(評論)です。こちらは残った時間をめいっぱい使って解くことになりますが、最低でも25分ほど時間を残しておきたいところ。小説とは対照的に、(時間に余裕がある限り)問題文を一度通読してから問題に取り組むと、傍線部の意味を取り違える危険が少なくなります。
大問2~4にはいくら時間をかけてもわからない問題がありますが、大問1の問題は、時間をかければかけるほど必ず正解に近づきます。考えに考え抜いて満点をめざすようにしましょう。
センター国語おすすめ時間配分
まとめると、センター国語の時間配分と解く順番は、次のようになります。
何点取ればOK?センター国語志望校別目標点数
センター国語:志望校別、目指すべき点数はこれ!
センター国語で目指すべき点数は第一志望校のレベルによって異なりますが、おおむね次のようになるでしょう(センター試験を入試本番で利用しない人も、自分の学力指標として活用してみましょう)。スラッシュで区切られた数字は、大問ごとの目標得点を指します。
どのレベルでも、漢文の目標点数が高くなっていることに注意してください。先ほども言いましたが、漢文は最も確実に高得点が狙える科目なので、ここでの取りこぼしは致命的です。逆に、小説の目標点数は低く設定してあります。あまり落としすぎてはいけませんが、「一問くらい落しても仕方がない」という心持ちで臨むくらいがちょうどよいでしょう。
センター国語・現代文対策はこうする!目標点数別勉強法&参考書・問題集
それではここから、目指すレベルに到達するための勉強法と参考書を紹介していきます。
難関大学を目指す人で、自分のセンター国語の得点が、まだ自分の目指す大学より下のレベルにも届いていない(例:早稲田大学志望だが、センター国語の点数が150点である)人は、まずは下のレベルに到達するための勉強から始めてみてください。
センター現代文目標点数別勉強法一覧
センター現代文には〈評論〉と〈小説〉の二つのジャンルがあります。このうち、勉強の成果が出やすく、私大一般や国公立二次試験にも活かしやすいのは〈評論〉です。そこで評論の目標点を高めに設定し、対策にかける時間も評論の方を長くします。そのため、以下ではセンター現代文のうち、特に〈評論〉の勉強法を中心に解説します。
センター現代文の目標点数は以下の通り。
いずれも8割・9割よりも少し低くなっていますが、これは「小説の点数が安定しにくいこと」・「古文・漢文で安定して高得点が見込めること」を前提に設定しています。
逆に言えば、小説が得意でいつも高得点を取れるという人、古文・漢文が苦手で高得点が見込めないという人は、もう少し高い目標を設定すべきでしょう(もっとも、古文・漢文は勉強すれば点数が伸びるため、苦手なまま放っておくのはもったいない科目ですが)。
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センター現代文の基礎!まず60点(6割)を目指すための勉強法&参考書
6割を目指す勉強法のポイント
センター現代文で6割が取れない人は、まず「問題が解けない」以前に「問題文を正しく読めていない」可能性が高いです。
「論旨」とは、いわゆる「筆者の言いたいこと」のことを指します。現代文が正しく読めない人とは、現代文の論旨を正しく読めない人なのです。最もよくある失敗は、「○○なわけがない」という先入観を固く持ったまま文章を読み進めてしまうことです。筆者が文章を書いた目的は、その先入観を覆すことにあるわけですから、その主張に耳を傾けなければ、論旨を正しく読めないのも当然です。
6割を目指すための参考書①:高校現代文をひとつひとつわかりやすく。
「現代文が(勉強しなくても)できる人の思考回路をノウハウ化して伝える」ことをコンセプトとして書かれた参考書です。問題の解き方よりも文章の読み方に重きを置いて解説しているので、現代文が苦手な人には特におススメ。
また、現代文は文章を読み、問題を解き、解説を読んで復習するのに時間がかかります。そのためまとまった時間が取れないと勉強しにくいのが難点ですが、この参考書は見開き1ページで1テーマが完結するので、空いた時間に勉強がしやすいです。
「まだ部活で忙しいけど、現代文が苦手すぎて不安」という人は、まずはこの参考書から始めてみてはどうでしょうか。
6割を目指すための参考書②:システム現代文バイブル編
その名の通り、現代文を定まった解法で解くためのコツが凝縮されており、まさにバイブルとして何度も参照したい参考書です。解き方の解説をする部分と、問題演習・解説の部分がありますが、ひとまず解き方の解説を熟読し、理解することを目標に読みましょう。実戦練習は次のステージでたくさん積むことになります
センター現代文で80点(8割)をとる勉強法&参考書
8割を目指す勉強法のポイント
『ひとつひとつわかりやすく』や『システム現代文』で読み方・解き方のコツを理解したら、次はそれを実践に移してみましょう。
8割を目指すための参考書①:システム現代文センター対策編
先ほど挙げた『システム現代文 バイブル編』と同じシリーズの参考書です。センター試験形式の問題で『バイブル編』の内容を実践し、得点力を高めていきます。普通の参考書ではあまり扱われない、小説問題が収録されているのもうれしいポイントです。
この参考書を解いているうちは、何分かかってもいいので、読み方・解き方のコツを意識しつつ、納得いくまで答えを考え抜きましょう。時間を測っての問題演習は次のステージで行います。
センター現代文の基礎!100点(満点)をとる勉強法&参考書
満点を目指す勉強法のポイント
難関国公立大や早慶上智レベルの私大を目指すために、より点数を高めようとするならば、やるべきことはやはり過去問演習です。
センター試験と一般入試の国語では、求められる能力が全く異なります。センター試験で特に高い水準が求められるのは「文章を素早く読み、問題を素早く解く」能力です。そのためには文章を細かいニュアンスアで正確に読み取ろうとするよりも、ある程度の理解で素早く判断することが必要になります。この「素早い判断」はセンター形式の問題演習でしか身に付けられませんから、その点を意識して過去問を解き進めましょう。
満点を目指すための参考書①:センター試験過去問(赤本)
使う過去問題集はどの出版社のものでもよいですが、「収録年度数が多く」「解説がしっかりしている」ものを選びましょう。解くときのポイントは「時間制限を守ること」と「間違いの原因をしっかり分析すること」。評論は25分以内(万一に備えて、20分以内に解く練習もしておくとよいです)、小説は20分以内に解ききります。
また現代文の場合、全く同じ問題は二度と出ないですが、それでも復習は重要です。単に「その解答のどこが間違っていたのか」を確認するだけでなく、「解き方のコツの何をマスターできていなかったから解けなかったのか」を考え、類似のミスを繰り返さないことで実力をつけていきましょう。
センター国語・古文対策はこうする!目標点数別勉強法&参考書・問題集
センター古文目標点数別勉強法一覧
先ほども書きましたが、センター古文の目標点数は次のようになっていました。
センター古文で8割、ないし9割をとることは、決して簡単な目標ではありません。「まだ6割もとれない……。」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。でもご安心を。まずはセンター古文で確実に6割をとるための勉強法から解説していきます。
センター古文、30点(6割)をまず目指すための勉強法&参考書
6割を目指す勉強法のポイント
センターで6割が取れていないということは、そもそも問題を解く以前に文章が正しく読めていない可能性が高いです。そして文章が正しく読めていないということは、古典文法・単語の基礎がまだ定着していないということだといえます。そこでまずは、次に紹介する参考書を使って、古文読解の基礎事項を学んでいくことになります。
6割を目指すための参考書①:古文ヤマのヤマ
漢文バージョンが特に有名な『ヤマのヤマ』シリーズですが、こちら『古文ヤマのヤマ』も同様におススメです。古典文法の基礎事項を、モレなく、わかりやすく解説してくれます。
1周目には、無理にすべてを暗記しようとはせず、解説を読んで文法をじっくり理解しましょう。ただし、次にあげる重要な文法事項は、暗記しようとする必要があります。
- 動詞と助動詞の活用
- 助動詞の意味
- 助動詞の接続
理解できたと思ったら、解説を見ながらでもいいので、一度練習問題を解いてみてください。この時間違えた問題にはチェックをつけておきます。
2周目ははじめから解き、間違えた問題があれば、文法の解説をもう一度読み直します。ここでも間違えた問題にはチェックを付けておき、3週目以降はチェックのついた問題から解き始めるようにすれば、直前期にも自分の弱点分野を復習する問題集として大いに活用できるでしょう。
より詳しい使い方を知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
6割を目指すための参考書②:ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル
こちらは学校の文法ドリルに似た参考書です。文法事項の簡単な解説のあとに、色々なタイプの練習問題が掲載されています。『ヤマのヤマ』を一通り読み終わり、文法事項の暗記に取り組みたい人は、ひとまずこの問題集を何度も繰り返し解くとよいでしょう。このときも間違えた問題にチェックをつけておくとよいです。
解き進める際の目的意識は「あやふやだった文法事項を整理すること」。助動詞の識別の問題など、複数の文法事項にかかわる問題については、特に力を入れて取り組みましょう。より詳しい使い方を知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
6割を目指すための参考書③:マドンナ古文
マドンナ古文はすでにある程度学習した文法事項を活かし、文章をすらすら読む練習をするために使う参考書です。そのため、『ヤマのヤマ』や『ステップアップノート』を少なくとも一周終えた後で使うと、より効果が高いでしょう。
つまりマドンナ古文は、「学んだ文法事項を読解に活かすための橋渡し」をしてくれるということです。こちらも効果を高めるためには、目的意識を持って、何度も繰り返し読み続けることが重要です。
1周目はまずテキストを読み、問題が出てきた場合には解いてみます。すでに文法事項を一通り学習した後なので、「知識が全くなくて解けない」ということはないはず。わからない場合もまずは自分なりに答えを出し、解説を見る前に「なぜわからなかったのか?」を考えてみると、より学習効果が高まります。
2周目もはじめはテキストの読み直しから入りますが、ここではアウトプットの精度向上により重きを置きます。自力で正解を出せるようになるまで、何度も問題を解きましょう。もちろん、解説を読んでもどうしても理解できない場合には、テキストに戻って構いません。
3周目以降は、1周目・2周目で間違えた問題だけを解きなおします。この参考書も、自分が間違えた問題を直前期にもう一度見返してみると、より学習効果が高いでしょう。
6割を目指すための参考書④:マドンナ古文単語
文法と並んで、古文の基礎知識として欠かせないのが古文単語です。こちら『マドンナ古文単語』は、収録する単語数を絞り、イラスト付きでとても分かりやすい解説が施されているので、古文単語の入門書としてとてもおススメの参考書。暗記するべき単語・訳の優先順位がはっきり示されているので、素直にそれに従って読みましょう。
通学時間などを活用して、一日1章分を目標に進めます。1周目は前から順番に進めていき、現代語訳は太字で書かれているものだけを暗記すればOK。焦って最初からすべてを暗記しようとしてはだめです。まずはイラストを楽しみつつ、解説や例文をじっくり読み進めていきましょう。一回の学習の終わりには必ず現代語訳を指で隠して、覚えているかどうかテストをし、思い出せなかった訳にはチェックを付けておきます。次回の学習時には、次の範囲に入る前に、その前の学習でチェックをつけた訳を復習しておくと、より学習効果が高まるでしょう。
2周目以降は現代語訳を覚えることにより注力します。ここでも焦って全てを覚えようとはせず、まずは太字の意味を完璧に覚えてしまうこと。それができてはじめて細字で書かれている訳の暗記に入ります。細かいことまで全て覚えたい気持ちはわかりますが、入試でほんとうに差がつくのは細かい知識よりも基本的な知識だ、といいう鉄則を常に意識しておきましょう。
センター古文、40点(8割)をとる勉強法&参考書
8割を目指す勉強法のポイント
8割を目指そうとするなら、単語や文法問題で点を落とせないのはもちろんのこと、読解問題でも1問しか落とせない計算になります。すなわち、「知識がある」だけでは不十分で、「文章を正確に読解する」力が求められることになるのです。加えて、センター国語は制限時間が短いですから、文章を読むスピードも要求されます。そこでこのステージでは、「基礎知識を活用し、古文を速く、正確に読めるようになる」ことを目指して勉強しましょう。もちろん、読解問題演習も始めなければならないことは言うまでもありません。
8割を目指すための参考書①:マドンナ入試解法
解説が非常にしっかりした問題集です。前掲の『マドンナ古文』と同様、古文をすらすら読めるようになることを主な目標としていますが、問題演習形式をとっているところが違います。
扱っている問題のレベルは決して高くないですが、センターレベルの問題を完璧に解けるようになることが目標ならば、むしろぴったりのレベルです。『マドンナ古文』で学んだことを思い出しながら、ガシガシ解き進めていきましょう。
なお、『マドンナ入試解法』の使い方について、より詳しく紹介した記事はこちら。
8割を目指すための参考書②:センター古文満点のコツ
よりセンター古文に特化した参考書としては、こちらがおすすめです。
「センター過去問形式の演習をしてみたいけど、マーク式問題集や赤本の解説ではいまいちよく理解できない」、という人に特におすすめです。全文が品詞分解されているなど、非常に詳しい解説が付けられています。
しかし、解説が詳しいからこそ、はじめから解説に頼るのではなく、まずは本文と徹底的に格闘してみましょう。1周目は時間を気にせず、まずは納得いくまで時間をかけて問題を解いてみます。それでもわからない場合は、解説を見るのではなく、「なぜわからないのか」を分析し、知識があやふやな場合には参考書や単語帳を参照して問題を解いてみましょう。
このように徹底的に考え抜いた後で、解説を熟読する経験を積むことで、センター古文を読み解くポイントがわかってきます。問題ごとの解説もあわせて熟読することで、「なんとなく意味は分かるんだけど、問題を解くとなると間違える」という事態が減っていくはずです。
なお、『センター古文 満点のコツ』について、より詳細な記事はこちら。
国立大志望!センター古文で満点を目指す勉強法
満点を目指す勉強法のポイント
8割が安定して取れるようになれば、あとは満点を目指すのみ。ここまでの勉強をしっかりこなしていれば、すでに満点をとりうる実力はあるはずですから、最後にやるべき仕上げはほんのわずかです。
やるべきことの一つめはもちろん過去問演習。これにはどの過去問題集を使ってもいいのですが、その使い方については後で紹介します。ここではやや細かいですが、意外と見落とされがちなポイントについてアドバイスをします。
和歌は普段の問題演習では触れることが少ないですが、ここ最近のセンター試験では頻繁に出題されています。
といっても、非常に細かい修辞技法を知っていなければならないわけではないのですが、何の知識もないとつい「枕詞」などの語句に引っ張られて選択肢を選んでしまいがち。『古文ヤマのヤマ』『マドンナ古文』など、手持ちの参考書で十分ですので、しっかりおさらいしておきましょう。
もうひとつのポイントが「敬語」。敬語は読解のカギにもなるので、しっかり定着している人も多いでしょうが、いざ試験で識別を問われると混乱してしまいがち。特に、複数の用法がある敬語(「候ふ」など)については、しっかり復習しておきましょう。
満点を目指すための参考書:過去問集(赤本など)
古文でも、センター対策の決め手はやはり過去問。先ほども書いたように、使う過去問題集はどの出版社のものでもかまいません(『赤本』でも『青本』でも『黒本』でもいい)が、その活用の仕方は非常に重要です。使い方のポイントは以下の2点。
- 時間を測って解く
- 解きっぱなしにしない(すぐに復習をする)
センター形式の問題にじっくり時間をかけて取り組むことは、すでに『センター古文 満点のコツ』でしましたから(この問題集を使わなかった人は、使い方のページを参照し、その使い方を赤本に当てはめてください)、ここでは最初から時間を測って問題を解きます。
センター国語で古文にかける時間は目標20分。それ以上経過したら強制的に解答を打ち切りましょう。
また、問題を解き、点数を算出することで満足してはいけません。何より大事なのは復習です。センター古文では数年おきに全く同じ問題が出題されることがあります(もちろん問題文は別ですが)。問題形式に慣れるだけでなく、過去問演習からも知識を吸収することを意識しましょう。
センター国語・漢文対策はこうする!目標点数別勉強法&参考書・問題集
漢文も、「基本的な知識の習得が点数アップに不可欠」という意味では、勉強法の基本的な方針は古文と一緒です。むしろ漢文は古文以上に、知識の習得が点数アップに結び付きやすいですから、基本となる「句法」の習得には努力を惜しまないようにしましょう。
センター漢文目標点数別勉強法一覧
- 現在のマーク模試点数が20点未満!漢文はたいして勉強していない!
30〜40点を目指して漢文の基礎を身につける勉強法を見る! - 現在のマーク模試点数が30点!
40〜50点を目指して国立大を目指す!得点源にする勉強法を見る!
センター漢文、30〜40点を目指して漢文の基礎を身につける勉強法&参考書
30〜40点を目指す勉強法のポイント
句法を定着させるためには、「理解」と「暗記」の努力がどちらも欠かせません。次に挙げる参考書を正しく使って定着させましょう。
なお、どの参考書を使うにあたっても、共通のコツは「音読」です。といっても、意味が分からないまま念仏のように文章を音読するのではなく、注目すべきポイントと文章の意味を理解したうえで、すなわち、復習の段階で、すらすらと読めるようになるまで音読するとよいでしょう。
30〜40点を目指すための参考書①:漢文ヤマのヤマ
この記事の古文の項でも紹介し、当サイトでは度々おススメしている『ヤマのヤマ』シリーズ。漢文バージョンの有用性は特に優れています。通常多くても10種類にしか分類されない句法を66種類に分解し、それぞれに詳しい解説を施されています。掲載されている練習問題も、書き下しと和訳という、シンプルながら力の付く形式に限定されており、非常に実用性が高いです。まだ使ったことのない人はぜひ試してみてください。
1周目は句法の解説を熟読し、右ページの例文を音読します。一周目で完璧に暗記したり、問題を何度も解きなおしたりする必要はありません。
2周目は句法の現代語訳を一字一句暗記します。左ページの問題も、正しい訳が書けるようになるまで何度も解きなおします。このとき間違えた問題にはチェックを付けておきましょう。
3周目はチェックのついた問題をひたすら解きなおします。古文の項でも書いたように、チェックのたくさんついた問題を直前期におさらいすることで、最も効率的に得点をアップさせることができます。
なお、句法の勉強の仕方、そして『ヤマのヤマ』についてもっと詳しく知りたい人は、以下の記事を参照してください。
30〜40点を目指すための参考書②:漢文早覚え速答法
その名の通り、漢文の実力を最短でセンターレベルに仕上げるために書かれた参考書です。漢文の学習に時間を割きたくない理系受験生には特におススメ。ほんとうに必要最小限の知識しかカバーしていないですが、センターレベルならこれで十分満点が狙えるでしょう。
使い方の基本は『ヤマのヤマ』と一緒。何度も繰り返して読むことを前提に、はじめは暗記することにこだわらずに読みましょう。付録の長文も音読教材として活用してください。
40〜50点を目指して国立大を目指す!得点源にする勉強法
ここまでの勉強をしっかりやれば、漢文の基礎知識が定着し、安定して6割~8割が取れるようになります。古文と同様、8割以上を目指すには、長文問題は1問しか落とせませんから、やはり実践力が必要。
40〜50点を目指す勉強法のポイント
当然ながら、試験で点が取れるようになるためには、基礎知識に加えて「読解力」の「問題を解く力」が不可欠です。このステージではセンター試験の問題が解けるようになるためのテクニックを学習します。
40〜50点を目指すための参考書①:センター漢文満点のコツ
古文でも紹介した同シリーズは、解説がしっかりしており、はじめてセンター形式の問題に取り組む人には最適です。使い方も古文の場合とおなじ。
1周目は時間をかけてじっくり問題に取り組みましょう。わからない問題があってもすぐに解説を見るのではなく、参考書や問題集を見て自力で解答を出しましょう。
2周目以降は時間を測り、自力で問題を解きます。一度やった問題なので、満点にこだわりましょう。逆に言えば、2回目に解いた時には必ず満点が取れるように意識して、1周目の復習をしておくことが大事です。
40〜50点を目指すための参考書②:センター試験過去問(赤本)
こちらも古文の場合と同様、どの過去問題集を使ってもいいですが、解説がしっかりしているものを選ぶことは意識しましょう。使い方のルールも古文と一緒で、「時間を測って解く」ことと「解きっぱなしにしない」こと。漢文の目標時間は15分ですから、この時間内に解ききる練習をしましょう。また、漢文の場合は、復習の際に「音読をする」ことも忘れないようにしてください。
センター国語の総仕上げ!過去問(赤本・黒本)の使い方!
センター国語は過去問で攻略!直前期に対策せよ!
各大問の攻略法でもたびたび紹介してきましたが、過去問はやはりセンター対策をする上で欠かせない「攻略本」です。過去問を解くことには、
- 出題傾向を知る
- 問題形式に慣れる
- 自分の弱点を知る
という大きなメリットがあります。センターが近づいてきたら、あまりギリギリになりすぎないうちに解き始めましょう。早く始めることには、自分の弱点克服に多くの時間を割けるというメリットがあります。ただし、直近5年分くらいは直前演習のために取っておきましょう。
センター国語過去問の上手な活用法
過去問題集はどの出版社のものを使ってもいいですが、「収録年数が多く」「解説がしっかりしている」ものを選びましょう。何度も言いますが、使い方のルールはとにかく
- 時間を測って解く
- 解きっぱなしにしない(すぐに復習をする)
この2点に尽きます。本番では時間のプレッシャーがのしかかってくること、過去問を解く目的は自分の実力を測ることではないことを肝に銘じておきましょう。
マーク模試・センター同日試験はこう活用する!国語マーク模試の復習のやり方!
センター国語のマーク模試、点数のとらえ方
模試を受ける時期にもよりますが、高3秋までのマーク模試は「自分の実力を測り、対策のスケジュールを立てる」ために活用しましょう。具体的には、
- 得点が6割以下の場合→「6割を目指す勉強法」をすぐに始めましょう。
- 得点が6割以上8割未満の場合→高3の夏までの模試なら、まだ対策を始めなくても大丈夫。高3の秋以降の模試なら対策を始めたほうがいいでしょう。
- 得点が8割以上の場合→高3の秋までの模試なら、まだ対策を始めなくても大丈夫。直前模試で満点に届いていなければ対策をしましょう。
上のように点数を目安として使うとよいです。
注:上のスケジュールは、その科目をセンター試験でしか使わないという前提の下で書いています。私大・二次試験でもその科目を使う場合には、そちらに照準を合わせたその科目の勉強を着実に進めておきましょう。
また、本番が近づくにつれて、少しずつ時間配分を意識できるようになるとよいです。特に直前のマーク模試は、各大問に欠ける時間なども含めて細かく時間配分を設計し、それを忠実に守って問題を解くようにしましょう。
センター国語のマーク模試、復習の仕方は?
1回目の復習をするタイミングは、模試を受けたその日。記憶が鮮明なうちに解答・解説を熟読し、抜けていた知識を補いましょう。模試を受ける際には問題用紙に自分の解答をメモしておき、解答と照らし合わせて自己採点をしましょう。
2回目は、成績が返ってきた日。自分が間違えた問題の復習をするのはもちろんのこと、自分ができなかった問題は他の受験生も解けない難しい問題だったのか、それとも落としてはいけない基礎的な問題だったのかを区別して、基礎的な問題だった場合には特に力を入れて復習しましょう。自己採点と実際の得点が一致しているかどうかもチェックしておく必要があります(センター試験受験後は、自己採点の結果に基づいて、出願する国立大学やセンター利用大学を決定することになるため、自己採点には正確さが求められます)。
3回目はセンター試験の直前。このときは、2回目の復習でもなかなか解けなかった問題に的を絞って勉強します。今までの模試で間違えた問題は全て振り返り、同じミスを繰り返さないよう万全の体制を整えて本番に臨みましょう。
センター同日試験で気をつけることは?
センター同日試験では、全く歯が立たない科目も多いでしょう。まだ対策を始めていないのだから当然です。この時点では、何点取れるかよりも、「自分の目標点数と自分の得点にどれだけ差があるか」を測ることが大事です。もし100点以上の差があるようなら、相当力を入れて対策に取り組む必要があるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ちょっと長くなってしまいましたが、センター国語対策の全体像をつかんでいただけましたか?
- 解く順番は「4、3、2、1」!
- 点を取りやすい漢文から!時間をかけて点数が取れる評論はラスト!
- 模試は3回復習!
- 受けた日・返却日・センター直前の復習でばっちり!
その他の国語センターについての記事はこちら!