今、世界史の勉強はどこまで進んでいるでしょうか?
「まだ手をつけていない」
「学校の授業でしか勉強できていない」
「単語の暗記を進めている」
など、人によってさまざまでしょう。勉強の進捗が異なれば、次に使う参考書も人によって全く異なります。そのため、誰かがオススメして参考書を「とりあえず」で使うと成績が伸びないことも。入試までの限られた時間の中で効率的に勉強するためには、自身の学力レベルを考慮しつつ「相性の良い参考書」を選びましょう。
今回の記事では、個人の状況別で「おすすめの世界史の参考書・問題集」を5冊紹介します。それぞれの特徴や使い方も踏まえて、自分に合った1冊を見つけてください!
自分にピッタリの世界史参考書の選び方からチェック
受験までの時間は限られているため、できる限り無駄にせず合格まで最短ルートで勉強したいですよね。合格まで最短ルートで勉強するには、「どの参考書・問題集を選ぶか?」はとても大事なポイントです。
基本的には以下の5点を意識しましょう。
- 自分の現状にあった段階の参考書か?
- 自分の目標にあったレベルの参考書か?
- 実際の入試に合った使い方ができるか?
- 学校の授業と一緒に進んでいきたいか?それとも自分で進めたいか?
- 自分が使いやすいと思える参考書か?
自分の現状や目標に沿わない参考書を選ぶと、「今の学力では解けない問題を解かないといけない」「志望校に合格する実力を身につけるには足りない」などの状況になりかねません。いずれの場合でも、受験直前になって慌てて勉強法を修正するのは骨が折れるでしょう。
「入試を意識して演習できるか」という点も重要です。世界史に限らず、一番成績が伸びるのが「問題演習をしている時間」であるため、実際の入試を意識できる問題に取り組めるものを選んだほうがよいでしょう。
何より、周囲の人が「使いやすい!」と言っている参考書や問題集が自分に合うとは限りません。きちんと自分の性格や解きたい問題量などを意識して選ぶことが重要です。
今回はこれらの基準に沿って、世界史の勉強におすすめな参考書を5冊紹介します。
世界史参考書・問題集おすすめ5選
まずは今回ご紹介する参考書が、それぞれ「どのような人におすすめなのか」をまとめました。
- 自分で通史を勉強したい人:『ナビゲーター世界史』
- 重要単語も流れも同時に押さえたい人:『詳説世界史ノート』
- 定期テストから国立2次論述までの単語強化をしたい人:『山川一問一答世界史』
- 50字程度からの論述対策をしたい人:『段階式世界史論述トレーニング』
- 一通り世界史を勉強したので総仕上げをしたい人:『実力をつける世界史100題』
それぞれの参考書について簡単に見ていきましょう。
世界史のおすすめ参考書・問題集1:『ナビゲーター世界史』
対応レベル:定期テストまで
『ナビゲーター世界史』は以下のような人にオススメです。
- まだ世界史を一通り学んでいない!学校の授業には頼ってられない!
- 学校よりも早いペースで通史を終わらせて、世界史を得点源にしたい!
- 世界史で、どの時代、どの地域について学ばないといけないかぐらいは理解できている
受験世界史の基本である通史を自分で勉強するなら『ナビゲーター世界史』がオススメです。『ナビゲーター世界史』は1~4までのシリーズが出版されており、世界史全体の流れを丁寧に解説しています。
シリーズが多いと「量が多いな」と尻込みしてしまうかもしれません。しかし『ナビゲーター世界史』は、ボリュームがある通史を比較的わかりやすく解説しています。
教科書に記載されている内容も「教科書よりわかりやすく丁寧に」解説してくれるため、これから世界史の全体像を掴みたい人にぴったりです。
とくに世界史は、学校の授業のペースに合わせていると「全範囲を終えるのが入試直前」ということも珍しくありません。そのため、自分で積極的に基礎から積み上げたい人はぜひ活用しましょう。
この参考書については、こちらの記事を参考にしてください。
世界史のおすすめ参考書・問題集2:『詳説世界史ノート』
対応レベル:定期テスト~大学入学共通テストまでの基礎固め
『詳説世界史ノート』は以下のような人にオススメです!
- どうやって世界史の流れを身につけるか分からない
- 世界史のまとめノートを作っている
- 世界史の流れも用語もセットで押さえたい
- 学校のテストは7割くらい・マーク模試は5割くらいしかとれない
- 「朱元璋」「ダレイオス1世」「オクタウィアヌス」のうち、何をした人か分からない人が1人でもいる
受験世界史で基本となる通史の理解を終えたら、今度は「流れに沿って単語を暗記する」という作業が必要になります。通史と合わせて単語を暗記する際に追加していくのにオススメなのが『詳説世界史ノート』です。ノートと書いてある通り、文章中にあるカッコを埋めながら勉強できる参考書です。
穴埋めと同時に文章も読み進められるため、世界史の「流れ」も勉強できるのがポイントです!実際に使う際は、学校の授業進度と合わせて取り組んだり、予習と合わせて進めていったりすることで、「勉強した知識を固めていく」というイメージを持つと良いでしょう。
この参考書については、こちらの記事を参考にしてください。
世界史のおすすめ参考書・問題集3:『山川一問一答世界史』
対応レベル:定期テストから大学入学共通テスト・国立2次論述まで
『山川一問一答世界史』は以下のような人にオススメです。
- 通史の理解を終えたから、単語を覚えていきたい!
- 単語をひととおり覚えたけど、きちんと定着させたい!
- 共通テストでほとんど得点できない!まずは8割を目指したい!
- 難関大学を目指している!
- シンプルなデザインが好き!
- 赤シートを使って覚えたい!
世界史の問題集といえば「一問一答」を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、その中でも最もオーソドックスに使えるのが『山川一問一答世界史』です。
『山川一問一答世界史』には程よいレベルの問題が掲載されており、内容も教科書に準拠しているので、普段の定期テスト対策としても活用できます。比較的高いレベル感の問題も掲載されているので、国立二次やMARCHを目指す受験生にも有効的です。
ただし「早慶・難関国立大学レベル」の単語まで暗記する場合、『山川一問一答世界史』だけでは足りないこともあります。『学研世界史一問一答』などを活用しましょう。
この参考書については、こちらの記事を参考にしてください。
世界史のおすすめ参考書・問題集4:『段階式世界史論述トレーニング』
対応レベル:世界史論述が課される大学を受験する人
『段階式世界史論述トレーニング』は以下のような人にオススメです。
- 自分の答案を採点できる問題集がいい!
- 論述の勉強は初めてなので、書き方から知りたい!
- 解説では知識も整理されているものがいい!
- 2次試験で100字未満の短い論述が課される!
- 2次試験では長い論述が課されるけど、いきなりは難しそう……
『段階式世界史論述トレーニング』は、世界史の論述対策にぴったりの参考書です。
この『段階式世界史論述トレーニング』では、まず50字程度の短い論述の練習からスタートします。少ない文字数から練習を重ねて最終的には数百字の論述まで学習することが可能です。
そのため「実際の入試では短い論文だけが出題される」という人にはもちろんのこと、「まだ論述を勉強しはじめたばかりだから短い論述から練習したい」と言う人にピッタリでしょう。
ただし「まだ共通テストで8割とれない」という人は、先に『山川一問一答世界史』で単語暗記を進めましょう。
この参考書については、こちらの記事を参考にしてください。
世界史のおすすめ参考書・問題集5:『実力をつける世界史100題』
対応レベル:早慶
『実力をつける世界史100題』は以下のような人にオススメです。
- 単語を一通り覚えたんだけど、試験になると思い出せない!
- 共通テスト世界史で8割以上は得点できる!でも満点は取れない!
- MARCHや早慶レベルの大学が第1志望校である!
- たくさんの問題を解いて試験慣れしたい!
- 志望校の頻出分野が分かっていて、頻出分野にしぼった対策をしたい!
『実力をつける世界史100題』は、次第受験に向けて世界史の総仕上げとして取り組む参考書です。
「通史も終わったし、単語も覚えた」というだけの状態では、実際の試験で問題を解けるようにはなりません。最も必要なのは、入試の出題形式に慣れておき、インプットした知識を実際の入試で自在に使えるようになることです。
『実力をつける世界史100題』であれば、入試形式に対応した問題100題に取り組めるため、本番までに十分は演習を繰り返すことができます。自分の志望校でよく出題される範囲が分かっているのなら、その時代だけを重点的に勉強することも可能です。
自分の志望校の入試の傾向と対策を考えながら、最適な進め方で取り組みましょう。
この参考書については、こちらの記事を参考にしてください。
世界史の問題集の具体的な使い方・勉強法
ここまででおすすめの参考書を紹介しましたが、どんなに自分に合った良い参考書を選んでも、使い方を間違えれば「効率が悪い勉強」「中身のない勉強」になってしまいます。受験までの時間を無駄にしないためにも、効率的な参考書の使い方を押さえましょう。
世界史の具体的な勉強ステップは以下の通りです。
今回紹介している参考書・問題集と併せて「通史理解」「用語暗記」「問題演習」の3つのステップについて、勉強法を確認しましょう。
ステップ1:通史理解の勉強法
「通史理解」では参考書を用いて「世界史上の出来事のつながりを理解」することが大切です。
世界史の勉強では、暗記すべき項目がたくさんあります。そのため、ひとつひとつを独立して覚えいくと、かなり暗記しにくいでしょう。しかし、通史理解に取り組み世界史全体の流れを把握しておくことで、物事を関連づけて勉強しやすくなります。通史理解の段階では、単語については基本的な内容を押さえればOKです。このときは『ナビゲーター世界史』や『詳説世界史ノート』を活用できるといいでしょう。
世界史の通史勉強法については、以下の記事でも解説しています。
ステップ2 :用語暗記の勉強法
「用語暗記」は、ある程度通史理解を進めてから取り組みましょう。出来事同士のつながりを理解しておけば、暗記は何倍も楽になります。
用語暗記の際は、『山川一問一答世界史』を使って何度も繰り返し問題集を解きましょう。世界史の流れも振り返りつつ単語暗記をできるため、通史の知識の抜け漏れも防げます。
『山川一問一答世界史』は何周も繰り返し取り組むことが大切です。何度も繰り返し、徐々にわからない部分を潰していくことで、確実に自分の学力につなげられます。
世界史の単語の勉強については、以下の記事で詳しい内容を解説しています。
ステップ3:問題演習の勉強法
知識を身につけたら問題演習で仕上げに取り組みましょう。
『実力をつける世界史100題』を活用すると、100題という大量の問題に触れられるので、今までの知識をアウトプットする良い練習になります。ただし問題量が多いため、ひとつの章が終わるごとに、該当の章をもう一度解き直しておきましょう。解説も読み込むことで、より知識の定着を図れます。
論述対策としては『段階式世界史論述トレーニング』を活用しましょう。解きっぱなしにせず、解説や教科書も確認しながら丁寧に添削することが重要です。
世界史の問題演習のやり方については、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
正しくステップを踏んで勉強をしても、すべてやりきるには時間がかかるもの。その中で効率的に勉強を進めていくためには、自分の段階やレベルに合ったものを選ぶことが必須です。
まずは今どの参考書・問題集が自分にとってのベストなのか考えた上で、最適な参考書から、正しいやり方で取り組むことを忘れないでください。