日本史は暗記量が多いため、マルオ君のようになかなか覚えられず悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
あなたにもこんな悩み、ありませんか?
- 暗記が苦手で、勉強時間をかけているのになかなか成績が上がらない
- 一問一答をやっているが、自分のやり方に自信がない
- 通史の勉強はやっていない。日本史の勉強は一問一答のみ
- 日本史は暗記力が勝負だと思っている
1つでも当てはまる人は、これから紹介する勉強法を進めていきましょう!
日本史の勉強ステップについては、以下の動画でも解説しています。
日本史の勉強法の全体像を知ろう
日本史の勉強のステップは、大きく「通史の理解」「単語の暗記」「志望校の出題形式に合わせた練習」の3つに分かれます。
日本史と言うと「たくさん出てくる人物や出来事をとにかく覚えないと!」と思いがちですが、実はいきなり暗記に取り組んでも点数は上がりにくいような仕組みになっています。
このことを考えるために、日本史の大学受験でどんな問題が出題されるのか、というところから逆算して考えてみましょう。
大学入試の日本史で出題される問題は、次の3つのパターンがほとんどです。
- 文章中の単語の穴埋めなど、用語を聞く問題
- 時代順や出来事の内容として正しいものを選ぶ問題
- 時代の流れなどを説明する論述問題
このうち、多くの大学でよく出題されるのは2つ目の「正しいものを選ぶ問題」と、国公立で特に頻出の3つ目「論述問題」です。
実際の大学入試は、単語だけを聞かれる問題は意外と多くなく、それよりも歴史の流れや出来事どうしの因果関係、重要な史料の背景などをきちんと理解しているかを問う問題がほとんどです。
そのため、ただ暗記をするだけでなく、こういった歴史の流れや因果関係に着目して、通史を理解するところから始めなければ点数は伸びないということになります。
このことを踏まえて、それぞれのステップについて勉強のポイントを簡単に見ていきましょう。
日本史の勉強法1:まずは通史を理解する
日本史の勉強で必要なことは、時代ごとの特徴や次の時代へ移ったきっかけなど「歴史の流れ」をきちんと理解することです。
先ほども挙げた通り、実際の入試では歴史の流れがわかっていないと解けない問題が出題されます。
こういった問題を解けるようにするだけでなく、はじめに歴史の流れをつかむことで、いくらでもそこに用語や問題の解き方を関連づけることができます。歴史の流れ・通史という「骨組み」がしっかりしていれば、そこにどんどん単語を「肉付け」していくことが可能です。「暗記が苦手!」という人でも、簡単に暗記を進めるために、まずは「歴史の流れをつかむ」ようにしましょう。
通史の流れを理解する具体的な勉強法はこちらの記事でも触れています。
日本史の勉強法2:単語暗記勉強法
歴史の流れをひととおり完成させれば、日本史を暗記する骨組みは出来上がりです。歴史の流れをつかんだ後は一気に単語暗記を進めていきます。
周りでも「日本史一問一答」を使って単語を覚えている人は多いのではないでしょうか。英語の単語帳のように、単語とその出来事や人物の説明がズラッと並んで問題形式になっている参考書で、持ち運びもしやすく使いやすいため、ついついこの参考書に最初から手を出してしまいがちです。
もちろん、「一問一答を使って単語を覚える」ということ自体は間違いではありません。
ただ、まだまだ単語の暗記を始めたての時期は、ステップ1で取り組んだ歴史の流れも合わせて復習しながら単語を覚えたいというのが正直なところです。
いきなり一問一答から使ってしまうと、せっかく理解した歴史の流れをうまく活かせないまま、単語を丸覚えしてしまう危険性があるので、最初は『詳説日本史ノート』などの穴埋め形式の問題集を使って、流れの中で単語を覚えていくようにするのが効果的です。
穴埋め形式のノートで流れの復習もバッチリになり、かつ基本レベルの単語もしっかり覚えられたら、入試レベルの演習と並行して一問一答に取り組むようにしましょう。なるべくたくさん単語を覚えておきたい、かつスキマ時間も活用したい直前期には、一問一答を使った単語暗記が非常に有効です。
また、実際に単語暗記を進めていく中では、穴埋めノートや問題集の解説だけでは解決できない問題も増えてくるでしょう。そうしたときは、用語集や資料集を活用するのがおすすめです。とくに日本史であれば文字の「史料」などをもとに入試が出題されたり、仏像や絵画などの作品名が実物を見て思い浮かぶようになっていないとキツい問題があったりします。資料集などで実物を確認して覚えてしまいましょう。
日本史の勉強法3:日本史問題演習の勉強法
通史も単語も覚えた!という人は総仕上げとして、志望校向けの対策をしていきましょう。志望校によって、「選択式の問題」「単語を答える問題」「論述問題」など、出題される問題が大きく異なります。あなたの志望校の形式に合わせて、必要な分野の演習を重ねていきましょう。
基本的には、国公立大学か私立大学かで大まかな入試形式が変わります。
- 国公立大学:論述を中心とした問題
- 私立大学や共通テスト:記号問題
国公立大学の場合は「指定語句を使って200字以内で説明しなさい」「〜について説明しなさい」といった論述問題が多く出題されますが、私立大学ではほとんどが記号問題や単語を答える問題です。一部の難関私大では記述問題が出題されますが、国公立大学ほどの字数を出題する大学はほとんどありません。
そのため、基本的には「私立大学」「国公立大学」で対策を分けて進める必要があります。これに加えて、大学ごとに出題される範囲や問題形式(史料が多い、文化史が多い、近代が多いなど)を過去問で把握しながら学習していくことが問題演習で大事なことです。
詳しい対策はこちらの記事でも紹介しています。
私大の問題演習はこちら!
国公立大の論述対策はこちら!
共通テストの対策に関しては、こちらの記事でチェックしてください。
日本史勉強法の具体例と、おすすめの参考書をチェック
ここまでの日本史の勉強順を踏まえて、ここからはより具体的な日本史の勉強法について見ていくことにしましょう。
基本的には先程挙げた
- 「通史の理解」
- 「単語の暗記」
- 「志望校の出題形式に合わせた練習」
の順で勉強を進めていくことになるので、それぞれのステップでのおすすめ参考書と、具体的な使い方を見ていきましょう。
日本史の「通史」理解におすすめの参考書と勉強法
まずは日本史の通史勉強でおすすめの参考書を紹介していきます。
日本史の通史は中学校などでも習っている事が多いため、ある程度知っている前提で進むこともあります。そのため、「歴史は苦手で何も覚えていない……」という場合は、いきなり大学受験向けの勉強をするより1冊かんたんなものを挟んでからスタートするのがおすすめです。『日本の歴史』のようなマンガでもいいですし、文庫本のようなものを読むのもいいでしょう。
日本史通史のおすすめ参考書1:『中高6年間の日本史が10時間でざっと学べる』
『中高6年間の日本史が10時間でざっと学べる』は、名前の通り日本史の簡単な項目整理がされている本です。最初の導入として簡単に内容を掴むために活用するといいでしょう。
詳しくはこちらも参考にしてください。
日本史通史のおすすめ参考書2:「スタディサプリ」
歴史の流れをより正確につかんでいくには映像授業がおすすめです。参考書と比べてペース管理もしやすいため、スムーズに勉強を進めることができます。
とくに社会科目は学校の授業進度も遅いことが多いため、こういった映像授業でどんどん先取りしましょう。
具体的な使い方は次の通りです。
- Step1
- テキストを印刷して該当箇所を開く
- Step2
- 動画を視聴する
- Step3
- テキストや参考書に、授業で言われた重要なところを補足するイメージで書き込む
- Step4
- 確認テストを解く
日本史の「単語暗記」におすすめの参考書
通史の流れを理解したら、流れに沿って単語を覚えていきます。基本的には「穴埋め問題集」→「一問一答」の順で進めたいので、それぞれオススメの参考書と使い方を紹介しておきましょう。
単語暗記のおすすめ参考書①:『山川詳説日本史ノート』
山川出版社の教科書に準拠した穴埋めノートで、教科書よりも簡潔に、それでいてきちんと歴史の流れがわかるように文章がまとめられています。
いきなり一問一答に取り組むと流れを見失ってしまいがちなので、前後の文章もきちんと読みながら取り組んでください。
「スタディサプリ」などと並行して取り組んで、高3の夏休みには仕上がっている状態が理想です。
- Step1.
- 文章中の( )に入る単語を別のノートにテストしていく
- Step2.
- 半分以上埋まらないときは、教科書を見ながら埋める
- Step3.
- 丸つけをして、まちがった単語の( )に印をつける
- Step4.
- 間違った単語のまわりの文章を3回読んで覚える
- Step5.
- 1単元ぶん繰り返す
こちらの記事でも詳しい使い方に触れています。
単語暗記のおすすめ参考書②:『山川一問一答日本史』
流れに沿って基本的な単語を覚えられたら、受験本番までは効率よく単語を覚えていくことにシフトしていきます。一問一答形式の問題集で繰り返しテストをして、時間をかけなくても単語が出てくるように訓練しましょう。
- Step1
- 単語を隠して覚えているのかテストする
- Step2
- 覚えていなかった単語に印をつけて覚え直す
- Step3
- もう一度全ての問題を解く
- Step4
- すべての単語を覚えるまで、間違えた単語のみ1〜3を繰り返す
難易度の高い大学を受けない場合は、出題頻度の低い単語は一旦飛ばして覚える形でも大丈夫です。
ポイントは「1周目は書いてテストする」ということ。日本史でも難しい漢字や紛らわしい単語は多いため、一度書いて確認するようにしてください。
日本史問題演習の「志望校別」おすすめ参考書・問題集
単語暗記ができたら、志望校にあわせた演習に入っていきます。私立大学や共通テストなら記号問題がほとんどですが、国公立大学の場合は論述問題を中心に出題されます。それぞれの問題集を1冊ずつ紹介しますが、実際はレベルに合わせて他の参考書も使うようにしましょう。
記号問題演習のおすすめ参考書:実力をつける日本史100題
『実力をつける日本史100題』は、実際の入試問題などを集めた実戦形式の問題集です。穴埋め形式の問題も多いですが、記号問題も半分以上あるため、流れの確認をしながら分野ごとに実戦演習を進めることができます。
解説が詳しい分、解いたあとにきちんと解説まで読み込むことがポイント。正解していた問題も「たまたま正解していた」という可能性がありますし、覚えていなかった用語が解説されている可能性もあるため、必ず解説を読みましょう。
- Step1
- 問題を解く
- Step2
- 間違えた問題には印をつける
- Step3
- 正解していた箇所も含めて解説をすべて読む
- Step4
- 解説を読んで知らなかった単語は覚え直し、該当箇所の教科書や資料集も確認する
この参考書の詳しい使い方はこの記事をチェック!
論述問題演習のおすすめ参考書:山川日本史論述問題集
日本史の論述は大学によって傾向が大きく異なりますが、一通りオーソドックスな論述演習に取り組めるのがこの『日本史論述問題集』です。
解説にも用語や流れが詳しく書いてあるので、1冊やりきれば頻出分野の論述で困ることはなくなります。
この参考書で基本を押さえたあと、志望校の形式や傾向にあわせた過去問や問題集に進むのがおすすめです。
- Step1
- 記述問題を解く
- Step2
- 解説を読んで記述に盛り込むべきポイントを押さえる
- Step3
- 解説の内容を意識してもう一度論述に取り組む
論述問題の解答で使える表現は教科書にも多く掲載されています。教科書を使った勉強法もこちらの記事で確認しておきましょう。
日本史勉強法のよくあるQ&A
一通り日本史の勉強の流れがわかったところで、ここからは日本史の勉強でつまずくポイントを一つずつ見ていきましょう。
日本史の勉強はいつからやればいいですか?
- 日本史の勉強はいつから始めればいい?
- 「高3の夏休み前に通史を終わらせる」ことから逆算しよう!高2の冬〜3学期くらいが目安。
日本史の勉強するタイミングは他の科目の出来や配点によって変わります。
何度も挙げている通り、学校の授業だけでは入試に間に合わない可能性が高いため、高3の夏休み前には全範囲通史を終わらせられるように逆算して考える必要があります。
学校がある時期は予習も大変になるため、高2の冬休みや春休みを有効活用したいところです。高2の11〜12月頃には勉強をスタートできると、スムーズに受験を迎えることができるでしょう。
ただし、まだまだ英語や国語など他の科目の勉強がうまくいっていないという場合は例外です。どの大学でも英語の配点が高いため、英語の勉強に最優先で取り組んでください。
逆に、論述が出題されるような国公立でも上位の旧帝大レベルや、私大でもMARCH・関関同立レベルならもう1ヶ月ほど前倒しで取り組みたいですし、東大や早慶を目指す場合は高3のGWごろには習い終わっている状態を目指して、前倒しで勉強しましょう。
日本史の文化史は勉強しないんですか?
- 文化史はいつ勉強すればいいですか?
- 学校のテストごとに資料集などを使って完璧にしておくのがコツ!大学によって必要なレベルは異なるけれど、基本的には通史の中で合わせて覚えよう。
よく文化史と他の歴史(政治史・経済史)を切り離して別々に覚える人がいますが、あまりおすすめはしません。文化はその時代の背景が必ずセットになって生まれているので、なるべく通史の流れの中でセットで覚えてください。
ただ、通史の勉強のなかで細かい仏像や絵画などをすべて覚えるのは意外と時間がかかります。そういったときは、ざっくりとした文化の特徴だけ通史の勉強のときに押さえておいて、具体的な作品などは学校のテストごとなどでまとめて覚えてしまうのがおすすめです。
難易度が高い大学ほど、ただ作品の名称を聞くだけではなく、その作品ができた背景なども聞いてきます。文化単体で覚えず、必ず通史とセットで理解するようにしましょう。
日本史の勉強法まとめ
日本史の勉強法について理解できたでしょうか。改めて日本史の勉強の流れと注意点をおさらいしておきましょう。
- 日本史は「通史」→「暗記」
- まずは歴史の流れを理解してから、その骨組みに単語を肉付けしていく。暗記はいきなり一問一答を使わず、まずは穴埋め形式で流れに沿って取り組むのがおすすめ。
- 大学によって出題される内容が異なる
- 論述問題が出題されることもあれば、記号問題中心の大学も。大学に合わせた演習に取り組もう
- 学校の授業だけでは間に合わない
- 学校の授業は遅れがちなので、「高3の夏休み前」には全範囲習い終わっている状態にできるよう、前倒しで映像授業などの演習に取り組もう。
何より大事なのは、日本史は丸暗記するだけでは点数が上がらないということ。流れを理解していないと解けない問題が出題されるので、流れの中で単語を覚えて、志望校形式に合わせたアウトプットに取り組みましょう。
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