世界史勉強法


世界史通史(全体像把握)|まず最初に「全体像」を掴むべし。世界史の勉強がラクになる全体像の勉強法

みなさん「世界史の全体像」って知っていますか?あなたがもし始めから一時代ごとにコツコツ覚えようとしているなら「大変キケン」です。全体像を把握することで、出来事の「繋がり」がわかり、暗記や理解がラクになります。「全体像って何?」という人、「全体像が把握できない」人、必見です!

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    世界史の全体像がつかめません

世界史の授業っていつ終わるんですかねえ…早く全部の範囲を終わらせたいなあ
マルオ、まさか学校の世界史の授業が終わるのを待っているのか・・?
え?普通じゃないですか、学校の授業で通史は勉強するもんじゃないですか?
それじゃあ、受験当日に間に合わないぞ。世界史は早めに「全体像」を理解しないと、あとあときついことになる。
「全体像」って何ですか?
かみ砕いて言うと、教科書に書いてある「歴史の流れ」のことだ。これを理解していると世界史の暗記や通史の完成がとってもラクになるんだ。
おお、それ教えてください!

ペン画像戦略01
世界史の「全体像」を理解せよ。

突然ですが、あなたはいくつ以下のチェックに当てはまりますか?

  • 世界史の通史を授業のペースでやっている。
  • 一度やった時代はしばらくやっていない。
  • 教科書をひたすら読み込んで歴史を理解しようとしている。
  • (今高3の夏なら)戦後史をまだ1ページも見ていない。

さて、当てはまる項目はいくつありましたか?
いくつ当てはまるか数えて、下のボックスを見て下さい。

・0個⇒この記事を読む必要はないでしょう。

・1~2個⇒この記事を読むだけで世界史の勉強がかなりラクになります。

・3個⇒今のままだと本番で点が取れません。この記事を読んで本番で得点しましょう!

・4個⇒絶対この記事を読んでください!!!!!!!!!

4個当てはまりました….(ニッコリ)
今紹介したのは「世界史の全体像の理解のしていない度」を測る項目です。

当てはまる数が多いほど「受験本番で得点できない」と思ってください!

全体像を把握していないと、受験本番では得点できない!

その理由はこの記事を読めばよーくわかります。

まずは、本題の「全体像」について説明していきましょう。

「世界史の全体像」とは、赤神先生も言ってくれた通り教科書の初めから最後までの「歴史の流れ」のことを指しています。

「歴史の流れ」というのは、

「~時代にこの戦争があって、この国が栄えて~」
「国王○○がこういう法律を作ったから、△△という文化が栄えて~」

こういった因果関係や、国や制度などの移り変わりのこと。

「プロテスタントの普及」⇒「資本主義の普及」といった文化・社会の関係性、中国の「漢⇒隋⇒唐⇒宋⇒..」といった国の変遷がそれにあたります。

なんとなく掴めてきたでしょうか?

なるほど!分かってきました!

そして教科書の「初めから終わりまで」の世界史の流れが「世界史の全体像」というわけです。

受験世界史においては、まず「最初に」全体像を把握しなければなりません。

なぜか?それには以下の二つの理由があります。

  • ①歴史の出来事の「つながり」が理解でき、暗記しやすくなる
  • ②学校の授業のペースに合わせていると、受験本番に間に合わない。

二つの理由について詳しく解説していきましょう。

1-1.全体像を掴んで、「つながり」を理解する。

みなさんは、世界史をどのように暗記しているでしょうか。

「1章ずつ完璧にしていく」、こんなやり方でやってしまっている人はいないでしょうか。

ぎくっ

このやり方は、「受験」世界史においてはあまり効率的ではありません。

そうなんですか!?

なぜかというと、

いっぺんに覚えようとすると覚えられない
….一度にその時代全てのことを覚えようとすると、時間もかかるし、覚えにくいです。
細かいところまで覚えられず、何周もすることになってしまいます。
確かに!一回で覚えようとするとすっごい時間かかるんですよね~。
各時代・地域の関係性がよく分からなくなる
….1章ずつ完璧にしようとすると、前の章でやったことを忘れがち。
そのため、前後の時代の関係性や、違う地域との関係性が覚えづらくなってしまうのです。

こういったデメリットがあるからです。

確かに、次の章を勉強している時には前の章の内容は全部忘れてます!
全部って相当ひどいな…

全体像を把握しないで勉強をすると、まるおくんのようになってしまうわけです。

ですが、全体像を把握すると、
歴史の出来事の「つながり」が理解でき、暗記しやすく(関係性も覚えやすく)なるのです。

詳しく説明してください!

ある地域での出来事が、別の地域に影響を与えている、なんてこと世界史ではよくありますよね。

例えば、

「地域Aである思想が誕生」→「地域Aの関係の深い地域Bである思想が広まる」

  
といったもの。
こうした地域間や国家間のつながりのことを仮に「ヨコの繋がり」としましょう。

他にも、ある時代の出来事が、未来に影響をもたらしていることもあります。例えば、

「地域Aで貧富の差が大きくなる」→「次第に地域Aで社会主義思想が発達する。」

 
といったもの。こちらを「タテの繋がり」としましょう。

この「繋がり」を理解しているかは記憶に定着しやすいからです。

人間は関係のないものごとをバラバラに覚えたり、理解するのが苦手
しかし、それぞれの関係を理解することで、ものごとを関連付けて覚えやすくすることができるのです。

繋がりを理解していると、暗記がしやすいんだね!

さらに、実は「タテ・ヨコ」の繋がりを理解していないと、解けない問題もあります。

例えば、早稲田大学などの難関私大だと、「次の出来事a~dを正しい年代順に並べた選択肢を選べ」といった問題が出題されたことがあります。

この問題は全ての問題の年号を覚えていれば、できないこともないのですが、かなり起こった年が近く(1,2年前後)、年号だけで判断することが試験本番では難しいです。

確かに、難しそう….

こういった問題で役立つのが、タテ、ヨコのつながり。

「この国とこの国が戦争した結果,この出来事が起こって…それが原因でこの国が進出して..」といったように流れを理解していれば、なんとか答えを導きだすことができます。

他にも、東大の論述問題は、多くの地域(ヨコのつながり)・時代(タテのつながり)をまたにかけてテーマで出題されます 。

これらの問題は「タテ・ヨコ」の繋がりを意識して勉強していたかどうかで、かなり差がついてしまうのです。

繋がりを理解していないと解けない問題もあるぞ!!

全体像を把握することで、繋がりが理解でき、暗記もしやすく、問題も解きやすくなるわけです。

1-2.学校の授業のペースに合わせていると受験本番に間に合わない。

もう一つ全体像を最初に把握すべき理由はコレ。
学校の授業が終わらないこと。

一般的な高校では、世界史の授業が終わるのは、高3の秋や冬になります。
(遅いところだとそもそも終わりません。)

ゲッ!遅すぎぃ!

高3の秋や冬から、戦後史など新しい内容を演習しても、
まず得点にはつながりません。(これは特に多くの現役生がやってしまいがちです)

圧倒的に理解度が不足したまま入試本番を迎えてしまうからです。

つまりもっと早くから勉強していないと間に合いません。

実は教科書で先に習う範囲ほど、入試では問われることが少ないです。
逆に後に習う範囲、例えば戦後史などは入試では頻出です。

なので、演習が遅れるとほかの受験生に大きく差をつけられてしまいます。

後に習う範囲の方がよく出題されるぞ!

といっても、いきなり戦後史や近現代史を始めても、

え?なんでこの国とこの国対立してるの?
この国はなんでこの国と同盟組んでるんだ…

となり納得できず、理解度が薄くなってしまいます。

なので、「まず最初に」全体像を把握しないといけないのです。

そうすることで、

前半の範囲と後半の範囲の関連性、

どの範囲にどれくらい問題演習の時間を割くべきか、

ということを意識したうえで学習を進めることができるのです。

全体像がいかに大事かは分かったか?
そうですね、でも具体的に何やればいいんでしょうか?教科書をはじめから読むとかですか?
やばい!やばすぎる!
!?
教科書を初めから読むことほど、全体像の理解に向いていないことはない。次の章では具体的に全体像を把握する勉強法を教えよう。

ペン画像戦略02
「全体像」の勉強の仕方

戦略1では、全体像を把握することがなぜ大事かを解説しました。

続いて戦略2では、「全体像を把握するにはどうすればいいの?」ということを説明してきます。

まず、「教科書をいきなり読む」のはNG

教科書は、必要最低限の文章量で、歴史が簡潔に解説されています。そのため、初心者が教科書を読むと「なんでそうなるの?」「その説明はどういう意味?」と理解が追いつかなくなってしまうことが多いのです。

そのため世間では「教科書より分かりやすい!」「頭に入る!」といった謳い文句で、様々な参考書や学習漫画が出版されています。

しかし、中には

厚すぎて読む気がなくなる…

全体像を把握しようと思ったら忘れてしまっている…

といったとても全体像把握に向いていない参考書があります。

ここでは厳選して、おすすめの参考書とその使い方をまとめました。
どれもおすすめなので、好みに合わせて選んでみてください。

2-1.中高6年間の世界史が10時間でざっと学べる(KADOKAWA)

中高6年間の世界史が10時間でざっと学べる(KADOKAWA)

この本は厳密には参考書ではありません。しかし、分かりやすい文章と、図解や地図が盛り込まれていて、非常に理解しやすい1冊です。

また1冊というのもポイントです。この手の「流れ」を解説する参考書は、大体2冊以上で構成されています。対して本書は1冊で網羅されているので、途中でやめにくく、「世界史が苦手…」という人にもぴったりです。

僕でもできそう!

2周ほど読んで、「流れ」をしっかり頭に叩き込みましょう。
この教材について詳しい使い方を知りたい人は、「カリキュラム記事」を確認して下さい。

こんな人におすすめ!

  • 「歴史が苦手…」という人
  • 細かい部分はいらないので、大まかな流れを理解したい人
  • 高3の夏以降でもう時間がない…!という人

2-2. これならわかる!ナビゲーター世界史B シリーズ(山川出版社)

これならわかる!ナビゲーター世界史B シリーズ(山川出版社)

この本は教科書の内容を、「分かりやすい文体で書いた本」といったところです。

4冊で構成されていて、①、②はそれぞれ古代~中世ヨーロッパ、18世紀までのアジアの歴史が順に書かれています。教科書では、各地域の歴史はバラバラに書かれてしまっているため、タテの繋がりを理解するにはもってこいです。

近世以降は、いわゆる世界の「グローバル化」が進み、国同士の関係性が歴史的に重要になってきます。本書において、近世~現代を扱う③、④は時代ごとにまとめられており、国同士の関係のヨコのつながりを理解しながら読み進めることができます。

かなり詳しく書かれているので、全体像把握なら4冊それぞれ1周読むだけで十分です。
(次の「概略理解」でも使用できます。)
読むときは「なぜ」(出来事の原因)に注意しながら読んでいきましょう。

詳しい解説と読みやすい文章が魅力だぞ!

別冊で単語演習用の問題集がついていますが、あまり充実しているとはいいがたいので、単語を覚えていく作業は「詳説山川世界史ノート」などの書き込み式ノートを利用しましょう。

この問題集の使い方については以下の記事で詳しく解説しています!

わかりました!

こんな人におすすめ!

  • 入試で通用する知識をしっかり身に着けたい!
  • まだ高1,2で時間がある人!
自分の好みに合った参考書を選んでくれ!
赤神さん、でもこの「全体像を把握する」勉強っていつからやればいいんですか?
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まとめ

最後にこの記事をまとめるぞ!
  • 世界史の全体像とは、教科書のはじめから終わりまでの「歴史の流れ」である。
  • 全体像を把握することで、暗記もしやすくなる!
  • 全体像を早めに理解して、近現代史を抑える!

まずは最初に全体像を理解すること。1章ごとの知識があやふやになり、不安になるかもしれませんが、まずは始めから終わりまでを理解して、暗記・理解をラクにしていきましょう !

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監修者|橋本拓磨

橋本拓磨

東京大学法学部を卒業。在学時から学習塾STRUXの立ち上げに関わり、教務主任として塾のカリキュラム開発を担当してきた。現在は塾長として学習塾STRUXの運営を行っている。勉強を頑張っている高校生に受験を通して成功体験を得て欲しいという思いから全国の高校生に勉強効率や勉強法などを届けるSTRUXマガジンの監修を務めている。

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