- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。
私大最難関ともいわれる慶應義塾大学の経済学部の試験では、グラフや地図の読み取り、年代整序など多くの受験生が苦手とする形式の問題が多く出題されます。出題内容にやや偏りがあるため、傾向をしっかりつかんで対策をしておくことが重要です。
この記事では、慶應大学経済学部世界史の攻略に必要な情報をすべて、レベルごとにお伝えしていきます。
慶應義塾大学経済学部・世界史の出題傾向
例年、慶應大経済学部の世界史は記述式と論述式での出題になっています。問われる知識のレベルは教科書レベルのものが多いものの、史料や地図を読み取る問題、年代整序、空欄補充、短めの論述など多様な形式の問題が出題されるため難易度が高くなっています。地域的には西欧、北米、中国が多くなっていますが、他地域からの出題もあります。時代的には「世界史Bの出題範囲は1500年以降を中心とする」とされています。(出典:https://www.keio.ac.jp/ja/admissions/docs/kamoku-2022.pdf)
慶應大学経済学部世界史の各問題の特徴
大問構成はこのようになっています。
- 第1問 記述問題、論述問題
- 第2問 記述問題、論述問題
- 第3問 記述問題、論述問題
記述問題
記述問題では記号で答える問題と語句を答える問題が出題されます。語句を答える問題では教科書レベルの基礎的な知識が問われます。記号で答える問題では、空欄補充や年代整序、資料とそれに関係する語句の組み合わせを選ぶ問題などが出題されます。ここ数年は出題されていませんが、以前は正誤判定も出題されていました。
年代整序以外にも時代・年代に関連する問題は多く出題されるため、高いレベルの通史理解が必要となります。空欄補充では、地名だけでなく地図上の位置で答えさせる問題もあります。地名が出てきたら場所を確認するということを普段の勉強から習慣化しておきましょう。
論述問題
論述問題では100字以下の短めの論述が出題されます。内容としては理由の説明やグラフなどの資料の読み取りが多くなっています。難易度はそれほど高くありませんが、小論述だけで10問前後あるため時間勝負になります。
慶應大学経済学部世界史の時間配分の例
慶應大経済学部の世界史の試験時間は80分で、ここ数年は大問が3つ出題されているので、大問1つあたり25分程度のペースで解いていくことになります。小問数は40問前後となっているので1問あたりに欠けられる時間は1~2分程度です。論述問題は時間がかかるので記号問題をなるべく早く解いて、余裕を作るようにしましょう。
時間配分の例
00:00 | 第1問 記述問題、論述問題(25) |
00:25 | 第2問 記述問題、論述問題(25) |
00:50 | 第3問 記述問題、論述問題(25) |
ここ数年は問題数が変化しているので、試験開始時にだいたいの問題数を確認しておくようにしましょう。
学習塾STRUXではこれらの勉強計画を
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慶應大経済学部世界史で必要な学力レベル
レーダーチャート
ここでは、学習塾STRUXが使用しているレーダーチャート分析をもとに、慶応大経済学部の世界史に必要な参考書・レベルをチェックしていきます。
経済学部のレーダーチャートはこのようになります。
経済学部の世界史のレーダーチャートはこのようになりました。通史理解と単語暗記で特に高い完成度が求められます。短文論述も標準レベルとはいえ、問題数が多いのでしっかり対策をしておく必要があります。
通史理解
通史理解はレベル5。年代整序や年表の空欄を埋める問題が多く出題されるため、通史理解は特に重要になります。それぞれの出来事の因果関係も含めてしっかり流れを押さえておくようにしましょう。また各国の王朝やその時代の重要人物も確実に覚えておく必要があります。
教科書や資料集を活用し、細かい出来事も含めて歴史の流れを理解するようにしましょう。
単語暗記
単語暗記はレベル5。出題される語句のほとんどは教科書レベルのものですが、語句の意味が分かっていないと論述問題を解くことができません。地名を問う問題も多く出題されるので場所とセットで覚えておくようにしましょう。
短文論述
短文論述はレベル3。難易度の高い問題はあまり出ませんが、資料の読み取りなどは暗記だけでは解くことができません。
参考書などを活用して短文論述の練習をしておきましょう。
慶應大学経済学部世界史が解けるようになるためのレベル別勉強法
ここからは、慶應義塾大学経済学部の世界史で合格点をとれるようになるための勉強内容をご紹介します。「これから勉強を始める!」という人ははじめから進めてほしいですし、ある程度基礎はできている!これから慶應経済学部に特化していきたい!という人は途中から読み進めてもOKです。
世界史の基礎の基礎から学ぶステップ
世界史に苦手意識がある人はまず基礎の基礎からしっかり学ぶ必要があります。いきなり問題を解くのではなく、最初は世界史という科目の全体像を知るところから始めましょう。
基礎をしっかり固めることでこの後の問題演習がスムーズに進みます。
- 教科書に載っている内容や学校の授業を正直ほとんど理解できていない
- 世界史に苦手意識がある
- 学校の授業についていくことができず、テストも赤点ギリギリ
これらに一つでも当てはまる場合は、以下の参考書からスタートしましょう。
この参考書は、中学と高校で学ぶ世界史の大まかな内容を短い時間で復習することができるものです。高3からは問題演習に取り掛かりたいので、高2のうちに基礎知識は固めておきましょう。授業の予習復習にも役立ちます。
先程のチェックリストに当てはまらない場合は次のレベル、映像授業などを通した教科書レベルの内容理解と復習に進みましょう。
「スタディサプリ」などの映像授業を活用し、世界史の重要な知識を確認していきます。この段階で歴史の大まかな流れは頭に入れておくようにしましょう。講義の映像を見るだけでなくセットになっている確認問題も並行して解いていきます。
また、始めから一問一答で演習すると単語の丸暗記になってしまいます。穴埋め形式のものを使うと慶應大経済学部の対策として非常に役立ちます。
次に進むポイント
- 世界史の苦手意識が少し薄れてきた
- 細かい単語は覚えていなくても、世界史の歴史の流れ全体や出来事はすべて把握できた
- 映像授業の内容を理解し、確認問題も解けた
実践問題を解いていこう
慶應大入試や共通テストレベルの問題を解けるようになるには、通史や単語を暗記しているだけでは不十分です。ここからは実際に問題を解いて、定石問題の解法を身に着けていきましょう。
この段階で自分の知識の定着度を確認します。
高3の夏前にはこの段階に進んでいるようにしましょう。
センター試験の過去問もマーク式の問題に慣れるのに役立ちます。
- 単語暗記センター試験過去問
次に進むポイント
- 共通テストレベルの問題が解ける
- 教科書レベルの知識は完璧になった
慶應大経済学部入試で合格点を取るための世界史の総仕上げ
実践練習で問題の解き方は身についたはずなので、いよいよ入試本番に備えて総仕上げをしていきます。ここからは時間配分なども含めて実際の入試を意識した勉強をしていきます。
基本的な参考書をやり終えたら、慶應大の過去問や慶應大形式に似た問題で仕上げていきます。実際に問題を解いてみることで難易度や問題の形式を改めて確認することができます。
過去問を解くときには必ず時間を計るようにしましょう。最初のうちは時間配分がなかなか上手くいかないかもしれませんが、練習を重ねるうちに時間内に解けるようになっていきます。