- 2025年度入試から学習指導要領の変更に伴い、各大学の入試配点や出題範囲の変更が予定されています。順次更新していますが、一部古い情報が含まれている可能性もあるので、記事の更新日を必ずご確認ください。
大阪大学の世界史は、論理的思考力や応用力が試される試験で、丸暗記だけでは解けないような問題が出題されます。問題のレベル自体は標準的ですが、受験生が苦手とする資料問題などが出題されることもあるのでしっかり対策をしておくことが大切です。
この記事では、大阪大学の中でも代表して「文学部」の世界史の攻略に必要な情報をすべて、レベルごとにお伝えしていきます。なお大阪大学の世界史は学部によって問題の内容や形式が異なるので注意してください。
大阪大学・世界史の出題傾向
例年、大阪大学の世界史では記述問題と論述問題が出題されています。教科書レベルの問題がほとんどですが、論述は知識の応用が必要となるため一筋縄ではいきません。論述問題は複数題出題され、合計900字以上書くことになります。
地域的にも時代的にもあまり偏りがないため、全体を満遍なく勉強するようにしましょう。資料を読み取るタイプの問題は、暗記だけでは解くことができません。自分の頭で論理的に考える力が必要になります。
2019年までは大問が3つでしたが、2020年に大問が1つになり、2021年には再び大問3つの構成に戻りました。今後の出題形式の変化に注意が必要です。
大阪大学世界史の各問題の特徴
大問構成はこのようになっています。
- 第1問 記述問題、論述問題
- 第2問 記述問題、論述問題
- 第3問 記述問題、論述問題
記述問題
記述問題では空欄補充と記号選択、問いに対して語句で答える単答問題が出題されます。教科書で太字になっている語句が問われることも多いので、ここは確実に正解したいところです。漢字間違いなどがないように注意しましょう。
120字~300字程度の論述が出題されます。内容としては重要な出来事について変化や因果関係などを説明させるものが多くなっており、基本的に教科書を超える知識は必要とされません。問題によっては指定語句や資料がある場合もあるので、それらをヒントに答案を考えていきます。200字以上の論述はいきなり答案を書き始めると、筋道がはっきりしない答案になってしまうので最初に答案構成を考えるようにしましょう。
大阪大学世界史の時間配分の例
大阪大学の世界史の試験時間は90分で、大問は3つあるので大問1つあたり30分程度で解くようにしましょう。記述問題と論述問題はそれぞれ5問前後出題されます。論述は書く分量がかなり多いので、記述問題をなるべくスピーディーに解いていきましょう。
記述問題ではせっかく答えが分かっていても漢字間違いなどがあると点数がもらえないので、語句を間違えて覚えないように注意が必要です。論述問題では誤字脱字がないように見直しをしっかりするようにしましょう。
時間配分の例
00:00 | 第1問 記述問題、論述問題(30) |
00:30 | 第2問 記述問題、論述問題(30) |
01:00 | 第3問 記述問題、論述問題(30) |
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大阪大学世界史で必要な学力レベル
レーダーチャート
ここでは、学習塾STRUXが使用しているレーダーチャート分析をもとに、阪大の世界史に必要な参考書・レベルをチェックしていきます。
大阪大学文学部のレーダーチャートはこのようになります。
大阪大学の世界史のレーダーチャートはこのようになりました。通史理解、短文論述、論述で特に高い完成度が求められます。
通史理解
通史理解はレベル5。幅広い地域、時代からの出題があるため全体の通史と各国史の両方を押さえておくようにしましょう。ただ出来事を暗記するだけではなく、出来事が起きた背景や因果関係などのつながりを意識して勉強することが大切です。
教科書を読む際には年表を確認するようにしましょう。
単語暗記
単語暗記はレベル4。語句そのものを答えさせるような問題は少なく、教科書レベルを超える語句が聞かれることは基本的にありません。ただし語句の意味を理解していないと論述問題を解くことはできません。太字の語句を中心に、教科書に出てくる語句は確実に覚えておきましょう。
短文論述
短文論述はレベル5。単なる暗記では解けないような問題が多いので、問題文をしっかり読んで「何が問われているのか」を考えながら解くようにしましょう。
限られた字数で過不足なく答えられるようになるには練習が必要です。参考書などを活用して短文論述を書く練習をしましょう。
論述
論述はレベル5。歴史の流れや因果関係を答えさせるオーソドックスな論述のほか、資料の読み取りのような「考える力」が求められる問題も出題されます。問題文を読んで何を答えるべきか見極め、しっかり答案構成を考えてから解答を書くようにしましょう。
大阪大学世界史が解けるようになるためのレベル別勉強法
ここからは、阪大の世界史で合格点をとれるようになるための勉強内容をご紹介します。「これから勉強を始める!」という人ははじめから進めてほしいですし、ある程度基礎はできている!これから阪大に特化していきたい!という人は途中から読み進めてもOKです。
世界史の全体像をつかもう
世界史に苦手意識がある人は、まずは基礎の基礎から学んでいきましょう。簡単な参考書を何周か読むことで歴史の流れを頭に入れることができます。世界史の全体像を知っておくとこの後の勉強計画も立てやすくなります。
- 教科書に載っている内容や学校の授業を正直ほとんど理解できていない
- 世界史に苦手意識がある
- 学校の授業についていくことができず、テストも赤点ギリギリ
これらに一つでも当てはまる場合は、以下の参考書からスタートしましょう。
この参考書は、中学と高校で学ぶ世界史の大まかな内容を簡潔にまとめたものです。短時間で読むことができるので、授業の予習復習もかねて何周か読んでおきましょう。最初は細かい知識を身に着けることよりも、歴史の流れを知ることが大切です。
先程のチェックリストに当てはまらない場合は次のレベル、映像授業などを通した教科書レベルの内容理解と復習に進みましょう。
「スタディサプリ」などの映像授業を活用し、世界史の基本レベルの知識を確認していきます。この段階で教科書の太字になっている語句は一通り確認しておきましょう。講義の映像を見たあとはセットになっている確認問題も解きます。
また、始めから一問一答で演習すると単語の丸暗記になってしまいます。歴史の流れの復習も兼ねて、単語を覚える際には穴埋め形式の問題集を使うようにしましょう。
次に進むポイント
- 世界史の苦手意識が少し薄れてきた
- 細かい単語は覚えていなくても、世界史の歴史の流れ全体や出来事はすべて把握できた
- 映像授業の内容を理解し、確認問題も解けた
問題演習で力をつけよう
阪大入試や共通テストレベルの問題を解けるようになるには、通史や単語を暗記しているだけでは不十分です。ここからは実践問題を解くことで解法を身につけていきましょう。特に論述は問題に慣れることが大切です。
高3の夏前にはこの段階に進んでいるようにしましょう。
センター試験の過去問も知識の定着度を確認するのに役立ちます。
- 単語暗記センター試験過去問
次に進むポイント
- 共通テストレベルの問題が解ける
- 教科書レベルの知識は完璧になった
阪大入試本番に向けた総仕上げ
実践練習で問題の解き方は身についたはずなので、あとは阪大入試本番に備えて総仕上げをするだけです。ここからは入試問題を解くことを通じて実際の問題の難易度や形式を確認していきましょう。
基本的な参考書をやり終えたら、阪大の過去問や阪大形式に似た問題で仕上げていきます。
過去問を解くときには必ず時間を計るようにしましょう。また論述の答え合わせをするときには、キーワードや論点などを確認して、自分の答案を細かくチェックするようにしましょう。